われわれの脳は、アイデアのパーツが閃ては忘却の海にかえりつをしています。その、有意識と無意識の全部をいっぺんに理路整然とした統合的なアイデアとして出てきたらいいのですが、そうは行きません。
そこで、アイデアの辺縁まで全部拾いあげて、テーブルの上にまず、カオス(混沌)をつくります。
考えの欠片の全吐き出しをします。
そこから先が、本当に苦しい世界です。ここから今度は「捨てます」。人は、とくに、クリエータ気質の人は、自分のアイデアに高い価値性を感じるので、「アイデアを没にする」ことは、思いつく以上に、大変な作業です。
考えの欠片の全吐き出しをします。
そこから先が、本当に苦しい世界です。ここから今度は「捨てます」。人は、とくに、クリエータ気質の人は、自分のアイデアに高い価値性を感じるので、「アイデアを没にする」ことは、思いつく以上に、大変な作業です。
それでもは食いしばって、アイデアを捨てていきます。具体的には、心理的抵抗を減らすために、捨てるものを選ぶ代わりに、拾い上げたいものに〇をつけるという方法を取ります。ようは、拾い上げ、です。
更に、捨てたい(〇をつけたものが残り過ぎる)場合には、◎をつけます。そして、〇だけのものをそぎ落としていきます。
こうすると、カオスの海の中から潮が引いて最後に残る宝が分かります。
苦しい思いをしてまで残った要素。これを組み立てて、基本的な骨格を作ります。足りなければ、要素生成を行い、整えていきます。「構造を作るための要素が、数えるほど少ない」つまり、削ぎの作業、を徹底的にやっているとここがうまくいきます。
そうして、シンプルで強い骨格が出来、そこからは具体的な要素(いちど削いだアイデアの欠片)を、付与していき、具体的なアイデアを整えていくわけです。
そういう作業に、名前を(石井が)つけました。『カオスまびき法』です。
京都精華大学のマンガ学部(ストーリーマンガコース)の授業のために、さそうあきらさんとディスカッションを数年かけて行い、開発したメソッドです。(開発したメソッド、というものの、本質的な思考の展開自体は、古くから創造工学の領域にいろんな表現で登場してきているものでありますが。)
京都精華大学のマンガ学部(ストーリーマンガコース)の授業のために、さそうあきらさんとディスカッションを数年かけて行い、開発したメソッドです。(開発したメソッド、というものの、本質的な思考の展開自体は、古くから創造工学の領域にいろんな表現で登場してきているものでありますが。)
カオスまびき法 2017 from Rikie Ishii