大震災から此の方、3月11日は、創造ツールを公開・配布しています。
【ブレインストーミングの4つのルール、および、ガイド】を一枚のシートにしたものを、公開します。
(上記は、WEB用で粗いので、以下に、PDFファイルを置いておきます)
<<シートの説明>>
【ブレインストーミングの4つのルール】
これは日本ではいろんな人により、いろんな表現がなされています。
その中でも、原典であるA.オズボーンの文献に近い表現を上記では採用しています。
なお、オズボーン系の技法の中核の一つに「プレイズ・ファースト(先に褒めよ)」という概念があります。
一歩踏み込んで、その概念を用いるならば、「赤のルール」は「判断遅延≒批判禁止」より「良点発見」(リョウテンハッケン)となります。
それを端的に表現しています。
ブレストの根底にあるものをよく知っている人だと、このルールのほうがしっくりくるでしょう。
【創造的アイデア創出のガイド】
「ブレストのルールって、結局なんなの?」という声を、よく聞きます。
オズボーンの考えていたブレストの”ルール”というのは、「縛るもの」というよりも「ガイドするもの」、つまり、ガイドライン、という方が、概念をより正確に捉えられます。
平たく言えば「あなたの創造性を引き出す時に、すると良いこと、4つ」みたいなものです。
そのガイドっぽさをより強めて、表現したものが、この「ガイド」です。
(挿絵とフレーズは、アイデアプラントが作り出した「ブレインストーミング・カード」のエッセンスで表現しています。)
【使い方】
ブレストをする際に、ホワイトボードの端っこに掲示しておきます。
「ブレストのルールは何だっけ?」という時に、上段をみると思い出せます。
「ブレスト中に推奨される行動って、どんなもんだろう」というと時には、下段を見ると良いでしょう。
実際は、上段と下段は、同じ本質を、異なる表現でつづったものなので、どちらかだけで充分です。
私は、(手前味噌で恐縮ですが)下段(ガイド)の方を推奨しています。
その理由は、
- ワーク中に「批判禁止」といった禁止事項を提示されても人は「じゃあ、何をすればいいのか」となります。
- そうじゃなくて、「他の人のアイデアの良いところを見いだそう」という積極的に推奨される行動を提示される方が、人は動きやすい。
- (※これは、アイデアプラントの仕事として、大企業のイノベーション部門を訪問し続ける日々の中で強く感じた経験則です。完全に、どの国でも、どの時代でも成り立つ、というわけでなく、21世紀初頭の、日本では、こうだ、というだけのことです。厳密に言えば。)
備考:
2008年、シリコンバレーに本社のあるIDEOを訪問して、ブレインストーミングの実際についてインタビュー調査したことがあります。
IDEOですら、ブレストのルールを会議室に掲示している。
その事実に、われわれ日本人も、創造的な話し合いの環境を整えるということを、もっと、してもいいのではないか、と感じたことは、今も心に残っています。
後記:
最後に、なぜ、こういうコンテンツを公開するか、について、語らせてください。
我々は、仙台に拠点がある会社です。
311では多くの人が被害を受け、かつ、たくさんの仲間を失いました。
一方で、日本中、世界の各地から、暖かい支援を受けました。
本当に、ありがとうございました。
震災前も今も、変わらぬ、アイデアプラントの志しがあります。
創造的な人や組織が次々生まれてくる社会を作りたい。
こういうコンテンツを公開することで、創造的な可能性をもった個人や企業さんが、創造的な産物を生み出していくことに、ほんの少しでも貢献できたならば、幸甚です。