3月31日。アイデアプラントの創業から丸9年目が、今日で終わります。
さて、献本していただいた本を紹介します。
書籍名:『アイデア発想法16 どんなとき、どの方法を使うか』
著者:矢野経済研究所 未来企画室
出版社:CCCメディアハウス
アイデア発想法を、手堅い企業さんが使う場合に、コンパクトで明快、かつ、手堅い組織風土にもなじむような、適度なバランスで、多様なアイデア発想法が記されています。
技法としては、オーソドックスなものが多く、それらを吸収しやすいように、ライトなテイストに編集されています。
私がお付き合いのある企業・機関の中で言えば、行政系や、手堅いパブリックサービスを行う組織、に相性がよさそうに思います。
さて、このブログは、石井の活動報告であり、その点から、この本については報告したいことがあります。
それは、石井の作った技法(の一つ)が、初めて、他の書籍に引用された、という点です。
書籍の文中で言及していただいたことは、ありますが、今回は、技法集の中に1技法として、採録されています。
【はちのすノート】
拙著『アイデア・スイッチ』のデザインとはまた違ったテイストです。デザインが変わると、思考の促されも変わるなぁと、思いまして、それもまた私にとって興味深いです。
この本の中で、「はちのすノート」だけ、挿絵のトーンが、ぴょーん、とした感じです。多くの挿絵は、抑えの利いた手堅いトーンです。
他の書籍に採録された記念すべき一号です。
この本のタイトルの「どんなとき、どの方法を使うか」は、他のアイデア発想法の本があいまいにしているところで、この本の特徴といえます。
かなり、読者の利用シーンが明確にあって、この時はこれ、と解いてくれていますので、ターゲット層の読者さんには「おお、これは助かる」となるでしょう。
そうでない読者にも、一定の示唆はあるかもしれません。
最後に、はちのすノートを離れて、もう一枚。
このページは、矢野経済研究所の水越社長によるあとがきです。
引用「成果を生むためには真に創造的なビジョンが必要です」
引用「2つのギャップを埋めることがまさにビジョンであり、ビジョンを実現するための創造的な戦略となります。」
この言葉に力を借りて、すこし、つづります。
石井は思うのです。
堅実性と創造性。この2つが車の両輪だ、と。
この二つはともに必要、社会的価値を生み(貨幣価値も副産物として生み出す)ために。
手堅さの中でも、創造がいつもいる。
それは、クライアントを全国訪問して歩いていて、何度も目にする課題です。
創造的資質は、日本人はもともと高いのだと思うのですが、現代の大企業の中ではそれを日々発露させにくい。そういう状況を乗り越えてイノベーションの軌道を力強く駆け上がっていくには、時には手堅い組織にすっと受け入れられやすい書籍や、時には思いっきり創造的相互刺激を与えあうようなワークをしたりして、今背負っている組織と折り合いをつけながら、愚直に進み続けることが、日本式イノベーションに大事だと感じます。
石井が作り出すものには、『技法』『本』『ツール』『ワークショップ』などがあります。
9年目の最後に手にしたこの本を見ながら、思いました。
『本』は、時間を越えて、次の人たちへ届き、創造への礎となりうる。
本を書くのは苦手だ、といって書籍執筆には、目を背けていたのですが、創業10年で、人々から育ててもらった知見と経験を、そろそろ、本という形で、この時代に置いていくようにしたいと、思い始めました。