(ファシリテータや研修担当者の方に、ちょっと知見をシェアします。)
ブレストがカジュアルにできる手法だと言っても、
普通は、いきなりアイデア出しをしたりしません。
はじめに、洞察、の時間が長く要るのです。
”ユーザはどんなことをしているのだろう。”
”なにが、ユーザのめんどくささの要因なんだろう。”
そういうことを、よく見ていきます。
そして、ブレストに入ります。
一方で、企業研修などで時間尺が短いワークショップにおいては、
その洞察過程が無しでも実施できるように、
各自がもともとその課題を持っている、ーーというテーマを
選定しているでしょう。
そうした状況でちょっと、議論が止まってしまって、
こまるチームが出てくることがあります。
『うちのチームは全員その課題を持っていない』となっている状態です。
そういう時には、ブレスト中にコメントをします。
「ちょっと、もどって、
なにが、何が課題なんだろう、
なにが、めんどくささの要因なだろう、
と、話し合ってみてください。
そうしていくと、出せるアイデアが深まります。」
と。
以上、ブレストを促進するワン・テクニックでした。
補足:
本当は、これは応急処置であり、本来は、ワークショップの設計が不足している状況でもあります。
参加する人々のもっているだろう知識前提やプロファイルから、その発想主題にしたしんでいるものを設定しているので、洞察なしにブレストを始めたわけですが、そこで失敗しています。
さりとて、事務局とファシリの怠慢、というだけでもないのです。
事前に各自に情報収集の宿題が出ていて、それをすれば十分に、インプットがあるはずなのに、それをしてこないメンバーがそろってしまったチームである場合など。(企業研修だと、あまりこういう事態は生じませんが、オープン・ワークショップだと、この事前インプットという宿題は、あまり実施されない傾向にあります。)
あるいは、募集する際に、参加者の条件を提示して、それを満たした人であれば十分にできるはずのお題だったのに、実際は、まったく条件を満たさない人が、何らかの理由で参加している、ということもあります。急病者の代理、など。
なので、応急処置として、そういうプロセスを急遽、提示する方法もあります、というテクニックの話でした。
なお、5チーム中3チームぐらいが、「洞察の時間が要る」という状況になっていることが判明したなら、ブレストの時間枠を拡大し、【洞察(課題に”入る”)の時間10〜15分】+【ブレストの時間】と、再定義して、進行します。
この時、「内は、十分に課題に慣れ親しんでいるので、ブレストをしたい」というチームもあるので、全チームに「洞察の時間」に戻す、という進行をする、そういうチームには、ストレスになりますので、【ブレストの時間枠を拡大】という形で、提示して、洞察に戻ることを強制しないで、進める方がいいでしょう。