ブレストをしているときに、アイデアの観点が狭い、ということがありませんか?
そういう時には、「6観点リスト」を投入すると、観点が広がります。
具体と使い方を背景をお話しします。
6観点リスト
ひと | 自分、相手、他の人、顧客、ユーザ、取り巻く他の人たち、人の集合、市場、組織 |
もの | アイテム、道具、素材、什器、乗り物、形や質量のあるもの、人以外の生物(動物、植物、虫) |
プロセス・繋がり | 一連の動き、なにかの手順、進んでいくものごと、人と人の間のつながり、人がものに及ぼすこと、物が人に及ぼすこと、物と物間のつながり |
環境 | 人間サイズよりずっと大きなもの、部屋・壁・建物・道、対象を取り巻いているもの、長い時間スパン |
意味・価値 | 手に取って触れないもの(インタンジブルなもの)。意味・目的・価値・金額。 |
五感で感じるもの | 視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚で感じるものごと(※そこから思い至ることは、上記のどれかに帰結するがそれでよい) |
使い方
ブレストの際に、発想の観点が狭いなと思ったら、「人という観点では、何か発想を広げられないか」「物という観点では、何か発想を広げられないか」と、皆に問いかけます。
大抵は、「ひと」「もの」「プロセス」辺りまでは、自然と考えているので、新しいことが出てこないことが多いですが、いくつかは出ます。
そして、後半の「環境」「意味・価値」「五感で感じるもの」は、発想の観点としては前半のものほどは使われないので、ここからは、新しい発想がよく広がります。
(もちろん、発想の主題によっては、この傾向は崩れることもありますので、6つともトライしてみるのがおすすめです)
背景
私は、社会人博士課程で創造工学を研究していた時代に、様々な発想トリガー(発想法の一種)を収集し、その中に含まれている「観点」を抽出し、分類しました。小分類を集約していき大分類にしたものが、この「6観点」となりました。
これらは、その由来から言って、汎用性の高い発想の引き金として機能するでしょう。
文献としては、拙著『アイデア・スイッチ』の中で紹介しています。他、その後の「アイデア」「発想」「創造」系の書籍の中に、この6観点リスト、そのままもしくは類似形で、記載されています。(引用を明記しての転載は歓迎です。)
ブレストをされる方へ
発想の観点を如何に広げるか。これが、重要です。その際に、発想のお題ごとの重要な観点があれば、それを示して、皆に広く考えてもらうとよいでしょう。しかし、それを使ってもまだ広がらない、という場合には、汎用性が高いこの6観点リストを、試してみてください。
観点を変える。そのことは、問題の解決策を見いだすにあたり、驚くほどシンプルなアイデアを見つけることに役立ちます。