川喜田二郎先生の文献をつぶさに読んでいます。
(故・川喜田先生は、KJ法の考案者です。初代学会長として、日本創造学会を作った先生でもあります。KJ法は、団塊の世代ジュニアぐらいまでは、鉄板の企業研修技法でした。現代は、世界中の知識にアクセスするようになり、発想法・創造技法が多種多様に存在して「KJ法って、カードまとめるやつでしょう」という小さな認識でろくに学ばれていません。アイデア発想法の研究者としての石井としては、KJ法は、今なお古びていない宝が沢山詰まっていると感じています。)
さて、一つの文章を、川喜田先生の文献から紹介します。
ブレーンストーミングにおいてもそうであるが、
最初のうちは月並みな意見がたくさんつながって出てくる。
タネが尽きたかと思われるころからあとで出る意見の数は少なくない。
時間はややかかるかわり、
絞り出された意見は、しばしば光り輝くものである。
『続・発想法 KJ法の展開と応用』川喜田二郎(中公新書)
私が、講義・講演でよく言う言葉に「はじめに出すものは誰もが思いつくようなものが出る。出し尽くしの先に、あなたしか思いつかないアイデアが出る」というものがあります。
フレドリック・ヘーレンや、A.オズボーンの文献にも、同種の言葉があります、と添えつつ。
ブレインストーミング実験の上でも、同種の事は頻繁にみられる現象です。
川喜田先生の文献で上記の一文に出会い、時代を越えて発想法の達人たちが発見していく一つの「創造性の特性」だなぁと、感じていました。
文献memoでした。