9月28日、創造性の研究者が集う「日本創造学会」の大会が、今年は北陸先端大で開かれ、研究発表をしてきました。
(2:55から、発表が始まります。20分間あります。長い!)
(そのスライドシェアです:うまく表示されない時は全画面表示にするとよくなることがあります。)
==概要==
研究の中核は、「ブレインストーミング Type2」(=ある種の批判力を取り入れたブレスト)です。
今までのブレスト諸技法はどれも、ドグマである「批判禁止(原義:判断遅延)」は、大前提でした。
これに対して私は、批判力をいくつかに分解し、「アイデア発展に寄与するあるタイプの批判はOK」、というルールにしたものを設計し、大量の被験者によってその成果を分析しました。
結果をダイジェストで示しますと:
◎「建設的批判」(:=質問、異見)を、ブレスト中に使用をOKにしたところ
◎やりやすいと感じる人が増えた。
◎効果的になるのは、初見のメンバーではなく、
3回目ぐらい一緒にブレストしたメンバー、あるいはそれ以上の付き合いのメンバー。
◎アイデアの具体性や実現性が上がる。
◎被験者自信の創出アイデア評価としては、通常のブレストに比べ、30%の効果増。
もうすこし細かく示しますと以下のようになりました。
◎人材タイプ「ロジカル型」「中間型」「クリエイティブ型」に分けると、
およそ2:6:2の分布となった。
◎ロジカル型は、Type2のルール(質問、異見OK)に対しては、従来を違いを感じない。
(通常のブレストでも、それをしてよいことだと、認識しているため)
◎中間型は、Type2のルール(質問、異見OK)がありがたいと感じた。
ブレスト中に、質問や異見を言ってもいいのだろうか、批判的行動になるのでは、と
思い遠慮していた。それを、公式にルールに入れたもらったことでしやすくなった。
結果として、アイデアの具体性や実現性が発展した。
◎クリエイティブ型は、Type2のルール(質問、異見OK)があることで
やりにくさを感じている。どういう形であれ、批判されるのではないかと
考えると、アイデアを出しにくいと感じている。
です。
なお、研究におけるの実験条件の限界もあります。
この研究結果を活用する場合は、そうしたことを踏まえてお使いいただければ幸いです。
==今後の展望==
この研究は、”Type2”の熟度をあげる方向と、”Type3”(クリエイティブ型の人をブーストするルール)の開発へと続きます。
(詳細ご興味ある方は、石井にお尋ねください。)