創造性の研究を行う学会である「日本創造学会」。私がメインで活動している学会です。15年間ぐらい正会員として研究発表を行ってきました。
その学会で、この度、評議員、を拝命しました。
任期は三年です。(2020/1/1〜2022/12/31)
(※印影をぼかすために、大幅に劣化処理しています)
評議員は正会員の選挙で選出されます。全正会員が対象です。
実は3年前の選挙では、選出いただいたのに恐縮ながら辞退したことがあります。
当時は、仙台のNPOの理事や、東京のNPOの理事を引き受けていて、社会貢献に取れる時間枠を上限まで使ってしまっていました。それを超えて行えば、事業が傾きます。知人友人にいい顔をして未来の顧客に不誠実になる。それは絶対にしてはならない、と思っています。なので、自分が定めた時間枠を超えないようにしています。
現在はその両方を退任し、社会貢献枠は、2つの非常勤講師に使っています。
昨年の秋に、再び、選出いただいた知らせを聞き、かなり悩みました。
社会貢献枠は徐々に増やしてきたこともあって、学会の評議員をするための時間がいくらかは取れそうです。でも、常に東京で行われるであろう評議員会に何度も参加するのは、時間も費用も難しいものがあります。
悩んだ挙句に、思い至ったことがあります。
学会に入ったばかりの頃は、誰も知人がいませんでした。毎年研究発表をし、先生方とディスカッションを重ね、ゲスト講義に呼んでくださったり、サロンでのワークショップの機会をいただいたりしました。学会というのは入会※も退会も自由なわけで新しい顔ぶれは定番のメンバーになることもあればいなくなることもあります。(※入会には一定のルールがあります。割と簡単ですが。)
そういう中で、学会運営の一端を担う評議員に選出されました。つまり、一定数の方が「運営を任せてもいい人」としてあげて下さったわけで、それは”簡単にいなくなる人ではない人だ、とコミュニティから認めてもらったこと”でもある。
そう思い至りました。
自分が、その信認をもらうに値するかどうかはいまだに自信がありませんが、二度も選出いただいたのであれば、今回はお引き受けしよう、と思いました。
活動日数的には私は限定的かもしれませんが、参画できる限りは参画し、より良い研究発表の場と、先端知識の社会への還元の活動に、貢献したいと思います。
補足:
日本創造学会は、日本学術会議の登録研究団体です。1984年登録の歴史の古い学会です。登録の少し前、1979年、初代理事長は「川喜田二郎」先生です。先生の名前を初めて聞いたという方でも、アイデアをカードに書いてグルーピングしていく手法「KJ法」の名称は聞いたことがあるかもしれません。そのKJ法の創始者です。
◎ 日本創造学会のWEBサイト
◎ 学会開催の情報ページ(毎年、春〜梅雨ごろに、秋の学会の案内が掲載されます)
◎ 日本創造学会のWEBサイト
◎ 学会開催の情報ページ(毎年、春〜梅雨ごろに、秋の学会の案内が掲載されます)
◎ 学会のニューズレターの閲覧ができるページ(ページ下の方のTOPIC)
日本の創造性・創造技法の大先生がたが属しています。ですが、創造性を扱う学問領域のためか、研究発表、そのディスカッション、懇親会はいつもフランクです。創造性の研究ってどんなことをしているんだろう、という方はぜひ一度参加してみてください。
((余談))
なお、創造技法を学ぶつもりで学会参加する新しい参加者には、充分に応えきれていないかもしれません。技法の習得のニーズが多ければこたえていくような、セッションもやってほしい、と私の知人たちにはよく言われます。
また、過去の研究発表や論文に、簡単にアクセスできる方法はないのだろうかと聞かれるたびに、うまく答えられていません。
良い伝統を守りながら、運営の労力は省力化しつつも、より社会に貢献できる学会になっていくよう、石井なりに鋭意努力してみようと思います。30年を超える学会です。この先30年たつと、2050年です。21世紀後半の人々が「この学会があって本当に良かった」と言うような学術団体であるには、どういう発展の軌道を描いていくのが良いのか。そんなことも意識しながら、この任期三年に臨みます。
微力ながら尽力しますので皆様どうぞ、よろしくお願いします。
石井力重
2020年1月7日