2020年04月15日

第二回(某大学のプロジェクトチームに)4時間のアイデア創出オンラインワークショップを行いました。

前回に続き、筑波大学の医療プロジェクトチーム※で、4時間のアイデア創出オンラインワークショップをしました。
(※クライアント公開の許可をもらいました)

前回とほぼ同じメンバーですが、今の日本の環境はどんどんシビアになりまして、皆さんの参加形態は変わりました。
今回は、全員が別の部屋にいて、それぞれが自分のPCでログインしている「完全オンライン・ワークショップ」です。

(正確いうと、スマホで音声だけの参加者1名がいました。また、2名の方は広い部屋で距離を取って、それぞれのPCから参加していました。参加者は6名。)

1.アイスブレイク「20カウント」

全員(4名〜8名がおすすめ。今回は私も入れて7名)で、できるだけ早く、20までカウントアップするゲームです。

ルールは2つ。
@同時に発言したらカウントは1からやりなおし。
A同じ人が、連続で数をカウントすることができない。

これはリアルのワークショップでもやるのですが、
オンラインでは言葉が衝突しやすいので、
より難しくなります。

実施してみると、流石、普段から一緒にプロジェクトを
しているメンバーです、1に戻る失敗は2度ぐらいで
70秒でクリアしました。
医者の落ち着き、観察力は、流石。

なお、次は、誕生日を明かして、その順で発言するなら
としてみました。結果は失敗無しの40秒。

この遊びは、オンラインでの会話の衝突の非効率さを
その回避の工夫を、体感するゲームとしての役割もあります。

2.操作習熟

@Zoom編
Zoomの【マイク】【ビデオ】【チャット】に慣れるために、ブレイクアウトルームに3人ずつで入ります。最低、自分の名前を聞き取ってもらう、というミッションをクリアしてもらいます。5分。

AJamboard編
発散のために、ポストイット・サイト「Jamboard」を紹介し、5分ほど無言で意見出しに使ってもらいます。
お題は「富士山が噴火したら変わること」
(コロナの昨今、今まで予想もしていなかったことが起こり生活も社会も一変しますが、富士山噴火も巨大なインパクトがあります。それを考えてみよう、と。)
どんどんポストイットを書いて、動かしていき、これは使えるな、という感触を持ってもらいました。
JB02.png

BGoogleスライド編
収束のために、プレゼンスライド・サイト「Googleスライド」を紹介し、5分ほど使ってもらいました。
お題は「出身地クイズづくり」
スライドタイトルに自分の氏名。スライド本文には、出身地を代表するもの、有名人を書きます(ただし地名は書かない)。
で、プレゼンモードにして、発表を模擬してクイズを出してもらい、みんなにこたえてもらいます。クイズは、意外とあてるのが難しくて面白かったです。
GS01.png

3.前回の課題を踏まえて、お題生成

今日のブレストのお題を、各人1つ作ってもらいました。前回の課題出しの結果を材料にして。
お題はグーグルスライドを使い、各人が1枚書きました。
タイトル=課題のひとこと表現、本文=その課題の詳細3行。
およそ5分で書きあがりました。
次に、各人のスライドを見て、取り組みたい課題に、オートシェープの☆を付けてもらいました。
(初めに各スライドに☆を1つおいておき、それをコピペするとスムーズでした。カウント時はコピー用に置いた☆を抜かして数えます。)
ちなみに、”持ち点評価法”(一人☆3個をもち、どれをどのような配分でもいいのでつける)で、☆を付けてもらいました。
(なお、持ち点評価法は、評価対象の総数によっては持ち点を調整します。評価対象10個ぐらいに対し持ち点3ぐらい。)

そして、星の多い上位3つに絞りました。
収束も5分程度でした。

4.PPGブレスト

先のブレストで出たものの中でも、とくにやはり今は、コロナ感染の低減についてのお題が選定されました。それを解消〜緩和するアイデアを出すことに。

PPGは、集団のサイズを変化させて、アイデア創出しやすくする方法です。
ペアブレスト(6分)→別のペアブレスト(6分)→グループブレスト(15分)
というものです。
今回はオンライン・アレンジ版です。オンラインにすると、30%ぐらい時間が長くかかるので、
ペア(8分)→別のペア(8分)→グループ(20分)、という時間尺で実施。
ペアブレストでは、Zoomのブレイクアウトルームに2名で入ってもらい実施。
次のペアの際には、「再作成」ボタンを押して、ランダムシャッフルして、実施。
最後は全員でブレスト。
もともと、普段から考えているテーマですので、たくさんの意見やアイデアが出ました。
PPGブレストは、Zoomのブレイクアウトルームの機能と非常に相性がよいと思いました。
また、オンラインのPPGブレストは、
8,8,20分が、やはりちょうどいいようでした。

グループ・ブレストの際には、仮の議長を決め進行してもらいます。
また、議長には書記役を指名することができる権限を付与し、初期役のかたにメモを取ってもらいました。

補足:オンライン会議の傾向に「議長を決めないと様子見の時間が長くなる」「誰もメモを取らない」「時間が長くなる」ということがあります。そこで「議長」「書記役」「タイムキーパー」を決めると捗ります。今回、タイムキーパーは私石井でした。

5.Zebraブレスト

Zebraブレストは、沈思黙考の黒い時間、議論白熱の白い時間、
が交互にやってくるブレストです。
今回は、時間の兼ね合いから、その手法の要諦と効果だけ
紹介しました。

6.TRIZ(智慧カード)

これはQ&Aの中で、発想を飛ばすにはどうすればいいか、という質問に答えて、紹介しました。
知の集積である特許の中から見出された技術的なブレイクスルーの40パターンに
なぞらえて考えてみると、面白い着想が得られるかもしれません、と。

(なお、その際に、意外な要素を連れてくる、2つの**、という話も紹介。

7.まとめと質疑応答

これは、参加チームが今後は、技法を使って外の人たちとの
プロジェクトとアイデア創出をする目標がありましたので、
実践上のハウツーについての質問をたくさんいただきました。

多様な質問、使い方の要諦を話し、時間となりました。

===

以上が、4時間ちょっとのワークショップの内容です。

オンラインでも、アイデア創出や記録は
(参加者の資質次第にもよりますが)
かなり高度に実践できます。

この事例が、オンラインでのブレストを企画するチームの
一助になれば幸いです。
posted by 石井力重 at 23:43 | オンライン・ワークショップ&研修



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