主催は医療系NPO「まもるをまもる」です。
昨年の夏に京都で彼らの活動にワークショップ講義で呼んでいただいて以来の付き合いで気心が知れた間柄です。
デリケートな医療現場のニーズは疫病の蔓延する今の状況下でもめったに公開されません。
皆さんも、なぜこんなにも医療の現場のことが記事にならないのか不思議だと思うと思うのですが、どこかの病院で困った事例を挙げれば、メディアが殺到して仕事にならない(し、感染病の抑制的にも問題が出る)ので、どこも困っていてもそれを言えない状況にある、というのが現状なんです。
製造業各社は、医療の最前線で物資が枯渇していると漏れ聞くので、わが社も何か作って提供できないか、、、というモードに入ってきています。
しかし、わが社でも何か作れそうなんですが何作りましょう?と病院に個別に聞きに行っても、世の中に公開される限られたぼやけた情報のみで話が進みません。
医者がいま打ち合わせに都度都度出るほどの、余裕がない。
もっと言えば、その打ち合わせを聞きつけて、メディアが取材攻勢に入ると、どうにもならなくなる。
なので、どこの病院も、苦しんでいる状況なんです。
そこで、まもるをまもる、というNPOは、平時から行っていた医療者を守るための活動を、コロナに注力しました。
彼らは大半が医療側のメンバーであり、まもるをまもる、の活動であれば、協力しよう、ということで医療従事者が、今日は、激務の合間を縫って参加してくれました。
さて、今日、初日は先ほど終わりまして、報告を。
ぎりぎりの中で必死に救おうとしている現場、生の今、を聞いて、絶句しました。
どこの病院、どんな状況、というのは、互いに外に出さない約束をして、つまびらかに、医療現場の今を話していただきました。
聞いていて、Zoomの画面の小窓の中の一つに写る、自分の顔には、眉間に深いしわが寄っていました。
率直に言えば、今の医療の現場は、もう、ギリギリの水準です。悲惨。
医療従事者というのは、産業活動とは少し違った哲学があります。行動のベースは「経済・損得」じゃないんです。
医者になったからには、人のために命を懸ける。
そういう志しで、ハイリスクの現場に日々向かいます。
そんな医療従事者の皆さんの献身のもと、この国の医療は継続できているけれど、それもそろそろ、本当にきつい。
医療用のアイテムの枯渇、そして、そのアイテムが乏しい中で明日はどうなるのかという重圧。
消えない志しの火。
私のこのブログにはあまり相応しくないかもしれませんが、そのまま書けば、最前線の医師、看護師たちの話を聞いていて私は泣きそうでした。
そうして、インプットパート(6名の医療従事者=全員匿名)を終えた後は、トピックの興味グループに分かれて、5~7名のチームを15程度形成し、40分×2度の、製造アイテムのディスカッションを行いました。
((これからの話))
今日の夜と明日の朝は、そのディスカッションから生まれる、現場に今必要な急造アイテムを、小グループで描き出します。
明日はその考案内容を発表します。
この活動中では、参加者同士のニーズ深掘り、底からの創出アイデアは共有財として自由に互いに使えます。
各社さんがその内容を、製造につなげて、一週間後の、最前線に物資を供給してくださることを、心から祈っております。
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最後に、今朝方、準備を終えて書いた日記から、我が内心を転記します。
ーー「昔、関東の医学部で講演を依頼された時の、もう一人の講師(ベテラン外科医)が言った言葉を思い出す。 ”医者になったからには人を救うために命をかけるのだ。”ーー 僕は知らない。 今、医療関係者が、どれだけのリスクを背負いながら職場(病院)に出勤しているか。勤務中の激務を。 きっと、あの時の先生もいま、最前線を命を懸けて、誰かを生かそうとしているはずだ。 家にいられる僕らはがどれほど幸せか。 せめて、それぞれの立場から、できることを全力でしよう。 声援を心の中でおくるだけより、もう少し、できることが増えたから。 」
初日を終えて思うのは、、、案の定、今の医療の現場は、ホントの意味で、命がけでした。。
二日目が終わりました。
Youtubeライブ配信が一時的に公開されています。(見えなくなるかもしれません)
31:00あたりから、上位案5つのプレゼンを見ることができます。
どのプランも、製造企業さん、やIT関係企業さんに、ぜひ見ていただいて製造ニーズを捕まえてもらえたら幸いです。
意外なしかし切実なニーズから考案されたオンラインスナック、というプランも上位入賞を果たしています。
((余談ですが))
3:38:40で、私がファシリテーターなのに、会場を抜ける、という姿が見えます。
この場の終了予定時刻+30分の余裕を見て、17:30までは時間を取っていたのですが、時間切れで、別の場に呼ばれてしまって、物理的に画面の前を去りました。
クロマキーの向こうにあるドアの奥へ消えていきます。