2020年04月19日

オンライン・イベントのファシリテーターは、脳内と画面が大忙し

2日間のニーズソンが終わりました。

「一日目」及び「二日目の午前」は、医師、看護師、医療関係者、そして、製造企業のリーダーたち、支援機関の方々計100名超が参画しての急造プロダクトの考案をしました。

「二日目の午後」は、上位案のレヴュー、と、パネラーの検討会でした。

要約するとあっさりした内容ですが、ファシリテーターの手元でしているオペレーションは大忙しで、黙って座っているだけ(に見える)間も、非常に頭を使いました。夕食を食べると、めったにないことなんですが、ソファーで寝落ちしていました。

IMG_20200420_154340_374.jpg

気づきや行動を、自分のための備忘録として、書き留めてみます。(それが、他の方の参考にもなれば幸いです。)

以下での、記号の使い分け:
□→リアル・イベントでもすること
■→オンライン・イベントに固有のこと





==ファシリの作業==


全体の進行
  1. □ コーナー毎に、趣旨と進め方を説明
  2. □ 議論推進のコメントをさしはさむ
  3. □ イベント全体の時間管理(徐々に進行スケジュールが押していく。残りコーナーの内容と時間尺から即興で再デザインする)
  
コーナー内のタイムキーパー
  1. □ タイマーをかけて進行する
    (初めに、目安時間を”1発表6分ぐらい”のように提示しておく。時間が来たら、ファシリのマイクをミュート解除し、タイマーの音を皆に届ける。無理には発表を止めないが、経過時間は時折知らせる。)
  2. ■ チャットの反応を見て「このトピックは皆が聞きたがっている、もっと時間をかけよう」という緩急をつけて、進める。
    (リアル・イベント会場の”もっと聞きたい”の反応は身じろぎ・表情から察する。オンラインは、チャットに反応を見出す。)
  3. □ 議論が盛り上がった結果、時間が押してしまう。パネラーや座長に「この後を10分ずつ削り、今ここを20分伸ばしましょうか。」と投げて、同意を取る。
  4. □ 聴講者や運営スタッフにも、それで予定変更を了承してもらえるようにお願いする。

議論の可視化空間のサポート
  1. ■ Jamboard(オンライン・ポストイット空間)で記録されることを見て、議論の流れを常に把握。
  2. ■ 書き留めボランティアさんたちへの合の手(御礼)を書き込む。(御礼もポストイットに。「メッセージ+名前(あとで消して)」と言ったトーンで。
  3. ■ 書き留める作業に混乱がないかをモニタリングし、困っていれば、手助けを誰かに頼む。
  4. ■ 途中参加者が増えたら、閲覧できるページを紹介する。(ポストイット群で、議論キャッチアップが可能。)

チャットのフォロー
  1. ■ 聴講者からの疑問・意見、機器不具合指摘が上がるのでまめに見る。
  2. ■ 即時フィードバックが必要なら、登壇者に割って入る。(議論の展開に結びつくTopicを上げてくれる人は、リアルイベントより多い。)(登壇者の機器不備の立て直しも、できるだけその場で対処する。)
  3. ■ 即時でなくてもいいが、必要なフィードバックなら、メモして手元に残し、時宜を待つ。
    (ただし、チャットの意見・質問の取捨選択をする担当者は別につけておくこと。そして、大きな流れの変わる時に、それを口頭で全体に教えてもらうと良い。幾分でも相互的になるし、登壇者にとって次の議論の際に役立つ。)  
  
パネラーのしゃべり始めへの手入れ
  1. ■ 初めて喋るパネラーがミュートで口パクになることをいち早く、教える。
  2. ■ パネラーが画面共有の際に「資料の表示状態になった?」とたずねるので、素早く回答する。
    (口に出して答えるのが意外と大事。頷いても見えない。)

別のコミュニ―ション・ラインのチェック
  1. ■ Facebookのメッセンジャーで、主催者チーム&パネラーの連絡やり取りも常時流れてくる。そこを見ておく。(リアルイベントの、カンペにあたる情報)


==学びと工夫==

2画面を使う(モバイル・サブディスプレイ)
  1. ■ 画面が1つだと見きれない。Zoomのウインドは常に最前面にいる。下にあるものはZoom画面をずらさないと見れない。しかし、画面を外までずらすと、他の登壇者の様子が見えなくなって困る。なので、Zoom用に1つディスプレイを作ってしまう方がいい。
    ちなみに、立ち上がっている窓は、最少でも次のものがある
    1. Zoom画面
    2. Zoomチャット
    3. WEBブラウザー(FBのDM用)
    4. Jamboard
    5. 共有用資料(パワポ)
    6. タイムラインのチャート(エクセルかテキスト)

全面表示のあえての不使用
  1. ■ パワポのプレゼン状態にすると、Zoom配信がしにくい。
    オンラインでは、リアル講演のように、プレゼンだけに集中できる状態ではなく、また共有画面をこまめに切る運用になり、プレゼン状態を長く続けるわけでもないので、プレゼンモードはかえって、使いにくい。いつもの編集画面で、見せる方がスムーズかつ早い。
    (その分、文字は大きく作らないといけない)
  2. ■ リアルだと、即興で言葉を板書することがあるが、それをしたいなら、パワポの編集画面上に、オートシェイプを置いて文字を打つのが速い。図示したいならば、白紙ページを作りプレゼンモードでペン書きモードにして、マウスで文字を書くのもありですが。

紙とペンとタイマー
  1. □ 後ほど、しかるべきタイミングで伝えようとすることは、メモ書きに。これはとても、頭を軽くする。オンラインでもリアルでも同じ。
  2. ■ 物理的なタイマー。カメラに向かって掲げることで、残り時間を示せる

Zoomの運営サポート人材が別に

上記の作業には「Zoomの運営の作業」を一切含んでいません。今回、テクニカルサポートのスタッフが別に数人いて、Zoom運営を全部さばいてくれました。なので、純粋に「ファシリのみをする場合の作業」を記述しています。

世の中が一気にオンラインになった3月中に、手痛い失敗を一杯して、今の段階があります。
よくある失敗は「ファシリが全部やる」スタイルです。「ファシリ」をしながら「ズーム運営のサポート」もするのは、「指揮者」をしながら、「チケット売り場」と「案内所係」もやるようなものです。それだと、一人来客が来るたびに、指揮は止まります。
来客数人しかいない場なら可能ですが、100人超であれば、参加者にとってストレスフルなイベントになるでしょう。3時間のイベントのうち、半分の時間、指揮が止まっていて、浅い内容で終わってしまう・・・。ファシリをする人なら、その場を思うだけで、ゾッとしませんか。
ということで、「ファシリ」と「Zoom運営サポート」は、分ける。これは鉄則です。

===

以上です。

上記のファシリは、リアルイベントのファシリの経験が豊富な人なら、ほどなく慣れると思います。
今後のイベントをされる方の参考になれば幸いです。

posted by 石井力重 at 23:54 | オンライン・ワークショップ&研修



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