オンライン講座で、アイデア出しの実践を行った事例を共有します。
オンライン学習でも、いかにアイデアを出させるかのヒントになれば幸いです。
なお、レポートは、書式を持って表現したかったので、ワードでつくりPDFにしました。
以下のリンクをクリックしてみてください。
(参考資料:講義に使ったスライド.pdf )
どちらも、ウイルスチェック済み。
以下は、レポートを画像化したものです。
PDFがうまく開けない時は、クリックして見てみてください。
さらに、自分で検索する時用に、文章だけをすべてのせています。
読み上げソフトなどで読む際には、ここをご利用ください。
概要 37名がオンラインで受講しました。発想スキルのレクチャーを聞き、参加者同士でアイデアを出しました。難しいと感じる人も幾分いましたが、面白い・実践的であると感じた人が大半でした。割合は、リアル講習とそう変わらないものでした。 配布物、受講者の道具 1. 印刷物は無し(オンラインで完結させるために。) 2. 白紙かメモ帳、ペン(を各自手元に置くことを推奨) (意外とペンと紙が便利。画面越しに概念を図示して見せるのも早い。) 3. ヘッドセットかイヤホンマイクを推奨 4. PCからの参加を推奨 (スマホで参加も可能とするが、実践型のオンライン講座の場合、閲覧資料の切り替え作業がしにくい。特に、Zoomのほかに、PDFかWEB上の資料を閲覧してもらうなど。他にも、質問のチャット記入もスマホだとしにくかったり。) 構成と講義内容 (1)Zoomの練習(これ大事!)(5分) ブレイクアウトルームで3人組を体験。 マイク、ビデオ、チャットをおしてみる。 ◎練習の利点@:マイクが使えない人が判明する。次のワークまでの間にチャットで個別にサポートができる。 ◎練習の利点A:ログインしているけど、ワークには参加しないアカウント(=ラジオリスナー型参加者)が判明する。リスナー型参加者も歓迎の場であっても注意が要ります。その最たる理由は、ペアワークです。ワーク実践パートで、ランダムチームアップをして、リスナー型の人とたまたま組まされた人は、何も実践できない。なのでリスナーは、グループ構成時に除外します。 (推奨の座組:リスナー型の参加はできないとして参加者を募集し、全員がワーク実践にコミットする場にする。なお、高度な方法は、講義をYouTube同時配信して、リスナー型参加者はそちらを見る、という方式も。ただしワーク実践型参加者も配信の中に残るので、それを参加条件に提示し承諾を。) (2)導入(目的、今日の流れの説明)(5分) これは、リアル講義と同じ ただし、リアルより大幅に簡潔に。画面に向かう人間の集中力は切れやすい。 (3)題材の醸成「だれいつ発想法」技法出典『アイデア・スケッチ』小林茂先生(17分) @「どんな人」「どんなシーン」これを3人グループで思い付きで列挙する。 A「人」×「シーン」をランダムに組み合わせて、「その状況」でほしいアイテムを発想する。 B実践の前にサンプルワーク(発想作業の即興実践)を見せる(これ大事!) 理由:ワーク用に個別の部屋に入ると、グループメンバーだけの閉じた空間になる。講師とのビデオ通話がなくなる。そのため、「説明は分かったけど、こんな感じにやればいいのかな」というのが想像できない場合、独自判断ですすめるしかない。(従来だと他の島の様子から、把握できていた。)なので、実践の前に、サンプルワークを見せることで、皆が「ああ、こんな感じにやるのね」という共通認識を形成しておく。特に、話し方のトーンやアイデアのテイストも受講者はコピーするので、講師は、明るいムードで凡案・駄案を出して見せることが大事。 Cいよいよ、3人グループで実践 Zoomのブレイクアウトルームへ、ランダムに自動生成した3人構成で送り込む。(なお、3で割れない時は、4人島ができてもOKとする)。 ワーク時間の見積もりは「リアルで行う時の30%増し」にする。(とても重要!)。例えば、 “5分”でできそうな作業なら“7分”と見積もる。 テクニカルサポートの人に、メイン会場を任せて、講師もどこかの部屋に入る。 講師は、指定した時間(例えば7分)でどこまで進むのかを見ておく。 もし時間が足りないと感じたら、予定時間になり皆がメイン会場に戻された際に、講師は、作業の時間延長を申し出て、部屋に皆を再送する。(あらかじめ、講師がチームの様子を見ていると「あと5分ぐらい必要だな」という感覚がつかめる。講師がどこの部屋にも入れていない場合は、その感覚がないので「あと何分ほしいですか?指で示してください」と聞いて、あがっている指の本数から、妥当そうな追加時間を決定。送り返す前に、皆に作業を促進するヒントを伝える。(講師が、部屋に入っておく理由にはこれもある。) (4)「アイデアから物体へ」(ミニレクチャー)(15分) まず、その前までのワークで質問が上がっていれば、めぼしいものに回答してからレクチャーに進む。 レクチャーは、リアル講義と同じ。ただし、反応は僅かな窓からしか見えない。 注意――スライドに凝ったエフェクトはつけない。 理由:パワポのアニメーション、動画資料はカクカクして伝わる。もしくは、アニメーション動作中は音声の品質が荒れる。石井はこれを、2回ぐらい講義するまで気づけなかった。受講者に後に言われて気づいた。またしかし、全員高速LANのあるケースでは問題にならなかったので、今後数年すると、環境が整ってこれは問題ではなくなるかも。 注意――実物サンプルは極力写真に撮ってスライドに入れる。PCカメラで見せると仮想背景の兼ね合いで消えたり、大きく写そうとするとぼやけたりする。 注意――メインコンテンツでも、レクチャー部分は15分を超えないように。(15分を超えると、優秀な受講者でも集中力が途切れる。長いレクチャーパートをどうしても必要で設けるなら、途中でアンケート機能でアンケートを取ったり、感想質問を、チャットかSli.doで投げてもらい、適宜回答する。) (5)TRIZ(智慧カード)で改良案を発想(15分) 改良のための発想法TRIZをレクチャー(=物の形状、仕組みの工夫発想法。) 発想ツールとして、智慧カードの一覧が見れるサイトを紹介。QRコードを表示。チャットでURLを送信し、皆に数分ほど、アクセスと閲覧の時間を取り見てもらう。 知識が入ったところで、先とは違う3人組で、ブレイクアウトルームへ。 なお、この際、3人組は新メンバーゆえ、改良するための共通の原案がない。なので、あらかじめ講師が考案したアイデアを「皆の共通のお題=たたき台」として提示し、3人でそれを改良する、という方式に。 理由:先のワークで、ブラッシュアップに足るほどには、アイデアが具体形状までたどり着いていないチームは、テーマ継続にすると、改良を発想するのが不可能になってしまう。そのため、それまでの題材の進捗度によらずにできるように、このようにした。(不利点もある。前のパートで各人の出したアイデアが良いものであっても、それを題材にしたブラッシュアップはできない。) 講師もまたどこか1つのブレイクアウトルームにはいり、一緒にブレスト。 利点:振り返りの際に「あるチームではこんなアイデアが出ていました。その案は、面白い点、いい点がありまして・・・」といった生のコメントができる。 (6)実際の3Dプリンターで出力したものの紹介(5分) 3Dプリンターを用いて、粘土の形状を少し改良したフォルムで、アイテムを出力しておいてもらった。それを画面越しに皆に紹介。透明な樹脂製でできた有機的な造形。実際に用をなすか、それをその場で試用してみた。 注意。カメラで透明樹脂のプロダクトを写したら、仮想背景の影響で、やや見せにくかった。消えたり出現したりを繰り返す。立体物や、紙資料を、見せる時には仮想背景を前もって停止しておいた方が良い。 (7)「アイデアto物体へ」のこの後のプロセスの紹介(3分) 粘土の造形でいいので、3面写真、回転動画で記録すること。 商業化までの試作と改良を3Dプリンターがあると早く回せること。 (8)ラップアップ(5分) 寄せられている質問(Zoomチャット)への回答コーナー 補足:オンライン講習の質問は「ラジオDJ&リスナー方式」がよい。まず、めぼしい質問を、チャットから抜粋しておく。チャットはどんどん流れるのでメモ帳などにコピペし、回答したいことをさっとメモしておくと回答がスムーズ。あるいは、紙に逐次書き留める方が楽かも。 一方、「タウンミーティング型」の質疑応答は、満足度が下がる。オンライン特有の反応のわからなさがあり、質問者の発言は冗長になりがち。また、時間が読みにくい面もある。質問したい複数人がいるのに、最初に手を挙げた人の質問が、「質問風味のマイ・オピニオンの演説」だったりすると、他の質問まちの人だけでなく、聴講している多くの人の不満が募る。それよりは、チャットやSli.doで上がってくる質問のうち、講師が教育的側面から優先的に回答しておきたいことピックアップして、ラジオDJのように、持ち時間内で、さくさく回答していく方が良い。(リアルは挙手で早いもの順であるが、これに合理的理由はない。セミナー時間は皆のもの。補うために、セミナーの後に質問時間を設ける。口述。) 講師のメッセージ/事務局の挨拶/配信チームからひとことで、講義終了。 (9)終了後のぶらぶら時間(15分+α)(これも、意外と大事!) リアルセミナーと同じように、15分〜30分ぐらいは、事務局の撤収中は、講師はPC前で参加者の応対を、予定時間しておく。「講師への個別質問、言葉で伝えたい感想などは、講師と雑談できるように、15分ぐらい、時間を取ってありますので、ゆるくご自由にどうぞ」と告げる。 講義が終わるとすぐ落ちる人=6割。一言二言、どうもー、とか、挨拶を交わして帰る人=2割。会場が閉まるまで、ゆるく質問したり、雑談を聞いている人=2割。という感じになる。最長でも30分ぐらいで、ではそろそろと、見送り、閉じる。 過渡期の今の特別なスライド 『テクニカルサポートの方へ』、というスライドについて 受講者には不要ですが、運営チームに見てもらうためにステップごとに、作業をmemoしたものをスライド化してあります。 運営サポートに欠員が出て、当日急ごしらえの運営メンバーになった、あるいは、いざとなったら、講師が自分でしないといけないので、あると便利です。 オンライン講義の運営ノウハウの共有のためにも、配布版スライドにも、今だけ、残しています。一年後には「こんなことも、指示文章を書いてたんだね」と笑い話になるでしょう。今はそのレベルをみんなで形式知にするのが大事。 謝辞 主催してくださった宮城県産業技術総合センターさん、貴重な機会をくださり、ありがとうございました。 そして、楽しんで参加くださった宮城県の参加企業の皆さん、その他の皆さま、ありがとうございました。 講師の準備物 ノートPC ワイヤレス・ヘッドセット (満充電で) タイマー (1個あると便利。100円のでOK) ペンとメモ Zoom中は、パワポやブラウザなど、アプリケーションがいくつも立ち上がるので、ちょっとしたことも紙に書いてしまう方が早い。 進行タイムライン(の紙) Zoom中のPC画面は大混雑ゆえ、ファイルの閲覧がしにくいので、進行表は紙に出力して手元に。一覧性もあり進行修正しやすい。 PC台アイテム(Livit8等) 机の上に置いただけのノートPCのカメラレンズは低い。胸の高さにある。机面から30センチあげると、背筋を伸ばし正面から向き合える。 スマホ 主催者チームで連絡を取り合う別の連絡ツール(FB通話など)をスタンバイしておく。 サブディスプレイ 石井はモバイルの小型のものを使っています クロマキー グリーンの大きな布。仮想背景がきれいに出る LANケーブル ネット接続の信頼性UP。ただ、Wifiでもほぼ問題なし。 ペン入力のボード パワポのレーザーポイントやマーカーに便利 有線キーボード PCの位置が台座で高くしてあるので USB入力HUB 配信は、USBの口が足りなくなりがちゆえ 水ペットボトル 受講者と違い、講師は休憩中も対応必要ゆえ 龍角散スティック 長くしゃべるには喉にいいものを