先の記事に続き、東北工大でのFBS(フリップボードBS)の実践例を紹介します。
<<スライド>>
※冒頭にJamboardを紹介→使えないグループあり利用断念
※アイスブレイク4「ガハク」⇒実施(これはFBSの予備ワークにもなっています)
※P18,19のグループ内の持ち点評価法は実施せず←オンライン空間に貼る作業を割愛したため(JamboardもNGだったので)
※全体では、各チームの代表案に持ち点評価法で、☆を付けました。
90分を2.5コマ使っての実施でした。
<<アイデアスケッチ集>>
なお、この日の発想のお題は「ドーナツの売り上げを上げるアイデア」でした。
各チームの代表一案をこちらから見ることができます。
アイデアに全員で☆付けをし、その順に並べ直した状態になっています。
FBSをした後なので、スケッチのスクショを利用して作成されたアイデアスケッチもあります。
<<☆の分布>>持ち点評価法式
スケッチについた☆の数で並べてみました。
評価方式は全員が3つの星を自由に投票できる方式(=持ち点評価法)。同じスケッチに複数票も投じられます。
(ちなみに、参加者は87〜89名。揺れるのはシステムから落ちる人がいるため。つけられた星の総数は207でした。
参加者88名と仮にするなら平均で「一人2.4個」の☆を打っています。
システムが重いので3つ打てなかった、とか、投じたいアイデアが見つからず、3個まで☆を投じていない可能性が考えられます。)
前回の投票(ハイライト法、かつ評価対象アイデアは全員のスケッチ)と、曲線を比べると
◎トップ1個が突出して☆を獲得していること
◎上位層(2番〜4番)の得票が比較的低めで、中間層(~50%)の得票数は比較的多いこと
◎下位層(下45%)は☆の数がかなり少ない(ものの、ゼロのアイデアがない)
という点に気づきます。
もっとも、今回の対象アイデアは「各チームの代表案」であるため、アイデア粒ぞろいの状態であることも、この分布パターンに影響しているかもしれません。
<<実施した感想>>
受講者アンケートから、個人情報を完全に記号化処理したうえで、4つほど、アンケート記述を紹介します。
受講者の感想 | 石井コメント |
口頭でのブレストでは全員無言になることが多かったが、紙に自分の案を書き、カメラで見せることによって無言になる人がいなくなり、全員で意見をまとめることができた。とても良い技法だと思った。 | ブレイクアウトルームなどで、少人数のブレストの際、通常、カメラを極力オフにする人が多く、その状態はブレストがしにくい。FBSは必然的にカメラがオンになり、ブレストが捗る。 |
言葉だけだと誤解されたりうまく伝わらないということがあったが、フリップがあることによってアイデアをより分かりやすく伝えられるようになったと思う。そして、紙に別のアイデアを書き込んで付け加えることもできるので、とても便利だと感じた。 | オンラインは一般に考えを伝えにくい。そこで、フリップがあると、考えをすっと伝えられる。 ブレストで出てきたプラスアイデアを書き留めることもしやすい模様。 |
フリップボードブレストを行うことで、自分で出そうと思った意見を、ある程度自分の中でまとめてから発言することができた。紙を見ながら自分の意見を言うことができるので、補足説明もしやすかった。もし、自分の中でまとまっていなかったとしても、絵で表すことで、言葉で言うだけでは伝わりにくいものも伝えることができると思った。 | 書くことで自分の中でまとめる効果がある。説明がしやすい。絵的なアイデアも伝えやすい。 |
言葉だけでなく、文字やイラストレーションとして紙に残すことで、理解しやすかった。口頭だけよりブレストしやすく、そのアイデアに付加価値を加えたり、新たなアイデアを提案することができた。 | 聞いている方も理解しやすい。アイデアが発展しやすい。 |
==蛇足==
この日の一連の講義の様子を、100倍速(300分→3分)にした動画も公開します。
講義の様子_100倍速 |
https://www.youtube.com/watch?v=pVMbZMW4Szw |
動画には、肝心のFBSを実践している様子がありません。
石井が小部屋に入っていないためです。この日は大広間で、システムエラーではじかれる学生の対応を終始迫られてそれをしていました。
大学で大人数のワークショップ授業の雰囲気だけ、ご覧ください。