昨日のオンライン開催の学会で、私としては初めての「座長(ざちょう)」をしました。
学会発表は、百名前後の大会参加者が、テーマごとの部屋に分かれ、次々発表をしていきます。
1発表あたり、だいたい20~30分(質疑応答を含み)です。
各部屋には、座長がいて、発表者の紹介をしたり質疑応答を運営したり、しています。
今年は所属学会がオンライン開催(40年以上で初)であり、新しく「デジタルポスターセッション」という部屋が設置されました。
ポスター発表、というのは、通常は対面では大きな会議室に多数のパネルを配置し、各研究成果を大きくシュルツ力したものを張り、ポスター前に集まった人に解説する発表形式です。座長はいません。
ただ、今回は、オンラインでスムーズにそれに近いことをシステムがないため、デジタル・ポスター発表と称するものの「通常発表の発表時間を短くしたバージョン」という位置づけになりました。そして、通常発表形式ならば座長は必要、ということで、私が座長に任命された、という経緯です。
そんな経緯での初座長でしたが、個人的には、学会の座長をする時が来るとは、思いませんでした。
やってみた感想を一言でいば、「実に大変」でした。
一発表者の時にはわからなかった気づきがものすごくある一日でした。
さて、やってみて大変でした、だけでは、何も学びにならないので、ここから座長を補助するツール(あるいは、座長が上手くなくても進行できるツール)を生み出すことを考えてみます。
== 以下、座長ツール ==
思えば、かれこれこの四半世紀で「物理学会」「産学連携学会」「日本知財学会」「TRIZシンポジウム(≒準学会)」「日本創造学会」と、いろんな学会で研究発表をしてきました。
そこには当然ながら、いつも座長がいました。
人のよい座長、厳しい質問の座長、タイマー係しかしない座長、面白い感想も述べて場を温める座長もいました。
そういうキャラクターの人なんだろうな、ぐらいの感じで気にも留めていませんで、座長が何を見据えて運営しているのかを考えたことは全くありませんでした。
それが、座長側になって、はっ、と気づくことが山のようにありました。あぁ、座長がしていたことはすごいスキルだったんだなぁと。
そこで、この「初めて座長をしたときに得た感覚」が消えないうちに、座長の心がけと質問を「座長ツール」としてまとめてみました。
この辺は、長く座長をすると身体知になって言語化できなくなりそうです。
また、初めての経験をされた方も、私のように自由な発信ができる立場になければ、気づきを公表することがないかもしれません。
なので、私の立場の使命と思い、社会に役立てばと思い、以下を公開します。
過去に見た良い座長たちがしていたことを、まとめ、質問10個にまとめました。(今回、石井なりにも生成した質問も加えてあります)
なお、定説があるのかわかりませんが、学会とは「知識創造の場」である、と私は考えています。
運営者や発表者に、その心意気があればこそ、参加したくなる魅力的な学会になるのだ、と考えています。
私見に満ちたスライドですので、その辺は違うと思えば割り引いて、解釈してみてください。
座長ツール from Rikie Ishii
このスライドを、合成音声で読み上げてみました。
↓
こんな感じで、座長という新しい経験から、1つアイデアを考えてみていました。
知識創造社会に進むにあたり、学会がより良い体験になっていくといいなぁと思っています。これがその一助になれば幸甚です。