2021年03月04日

【ご案内】公的機関で、アイデア創出研修をします(3月23日〜24日)(Additive Manufacturing(アディティブ・マニュファクチャリング)向け)

各都道府県の県庁の組織の中には公設試験所がありますが、宮城にも「宮城県産業技術総合センター」があります。

そこで、Additive Manufacturing(アディティブ・マニュファクチャリング)向けのアイデア創出研修を行います。

3月23日〜24日 両日とも10:00〜12:00
オンラインで少人数での開催です。
費用は有料です。二日分で5,200円。
宮城県へお支払いいただく形になります。

詳細と申し込みは以下からご覧いただけます。

==補足==

AMとは何か?
積層造形、と日本語では表現されます。
Additive(加える)、の意味は、従来の製品の製造方法に対するカウンターパートとしての意味合いがあります。
従来の製造方法は、削る(金属などのかたい素材を削り、形を作る)、伸ばす(金属などの素材を金型を用いプレスして造形する)、というものでした。
これに対して、融解させた金属などを微細に積み上げていき造形していくものや、液体樹脂中に多方向からのレーザーを用いて液体中の一点を凝固させていくことを連続的に続け造形していくものが登場しました。

「ああ、3Dプリンターのことか」と思われた方は、はい、要はそうです。
3Dプリンターを近年目にするようになりました。
大学の新しいモノづくりルームの見学などで実物を見たことがある人も増えてきたようです。

ただ、デスクトップ型の数万円の3Dプリンターで出せるものの精度や、出力までの長さ(手のひらサイズのものを作るのには8〜24時間ぐらいがかかる)などがネックになり、「あれは、廃盤になった樹脂部品の入手にはいいけど、量産には品質もコストも負けるし、ほかに使い道がない」という声が、少なくありませんでした。

ただ、日本では「3Dプリンター、はい、オワコン〜(終わったコンテンツを揶揄する言葉)」と言っている間に、世界ではドイツなどの先進地域では、飛躍的な発展を遂げています。

ドイツのAM企業を訪問し、一泊させてもらい、撮影禁止のエリアに入り、その神髄を見ましたが、「製造業の未来は、AMの可能性もあるのか」などではなく「AMを抜きにした製造業の未来はあるのだろうか」が、率直な感想となりました。

もしかしたら、製造業、という概念自体が、変革されていき、
未来では「機能即時具現化業」というものになっているのかもしれません。
その時に「製造業」という概念が残っているならば、たぶん、DXとかそういうテクノロジーから取り残された、付加価値を引っこ抜かれた業態になっているーーーそんな風に、さえ思われます。

「そうはいっても、安く、高品質に、大量に作るには、金型での従来的な製造にはかなわないでしょう」という声は、ごもっとも。そこに関して、現時点では、議論の余地なく、おっしゃるとおりです。

しかし、新技術が従来技術を超えるまでの時間は長いですが、超え始めたらその上昇速度は一気に従来を抜いていきます。
カメラ業界の例ですが、かつて、デジタルカメラなんて、おもちゃもいいところでした。
銀塩カメラは長年の歴史があり、磨き抜かれたメカニカルとレンズと多様な銀塩フィルムがあり、暗室の技量も非常に職人の技がありました。
一方初期のデジタルカメラは、画素数も荒いし、記録メディアも容量が小さく、なおかつ、高額でした。
ここに未来があるとはとても、思えなかったのですが、結局現在は、フィルムを使うより、SDカードに記録するほうが一般的です。
フィルムはかつてはどこの観光地に行っても買えましたが、いまは探さないと見つかりません。
そして、デジカメはさらに進化して、スマホのカメラへと成長進化していきます。
フィルム時代には想像できなかった普及度と用途へと広がりました。

話を戻します。

「金型 vs AM」は、ちょうど「フィルムカメラ vs デジカメ」の構造の写し鏡のようです。
15〜20年たつと、シンギラリティー(人間の脳の性能を超えるAIができる)の時期です。
AIは企画し、設計図を起こし、その3次元データを伝送してきます。
仮にそれが、キーボードの製造指示だとして、従来なら、キートップの形は、「標準」「ファンクション」「Shift」「Enter」などの10程度の種類でしたので、量産ができました。
しかし、AIは合理的に「購入者の手のひら、指の長さ、指先の肉付き、指の筋肉量のスキャンから、すべてのキートップを個別に指定する」でしょう。持った人が、手に吸い付くようなしっくり感になる、完全オーダーメイドです。
それを製造し、間違いなく、組み立てる。そのうえで、AIが企画してから、出力までに、半日のタイムで完了させる、ということが、完全ロボット工場ではなされます。
(とはいえ、その時期に、人々が、今ほどキーボード入力をしてはいないでしょうけれど。あくまでも現時点でイメージしやすいものを例にしました。その時代だと、必要な品目は、脳波で文字を打ち、耳掛け式のコンピューターで対話するようになるでしょうから、もう少し、違ったアイテムのはずですが)

その時代に、金型を起こしてーー、という製造方法がとられるならば、いったいどんなニーズなのか、むしろそのほうが想像が難しくなります。

ちょっと考えてみると、ゴミ箱とかは、安く量産品がいいのでは?と思いますが、たぶんゴミ箱こそ、変わるとかんがえられます。人が暮らすそのライフスタイルで、たまるゴミの量は千差万別です。さらに住んでいる部屋の形、捨てるごみの匂いやごみの発生場所から、設計していくと、ゴミ箱はその部屋ごとに最適解が違ってくるはずです。汚くなってきたら買い替えるには安くて量産品がいい、となっていましたが、安くてすぐ手に入る「その部屋の最適解」が売られていたらどうでしょう。

え?そんなの無理でしょう? ーー現時点では、確かにそうなのですが、ゴミ箱とか日用品を一定期間ごとに回収して新しいものを届けるサブスクリプションの日用品サービスモデルが出てきたら、可能性があるかもしれません。
包丁とか、一定期間で新しいものになり、常に切れ味がよく、衛生的に使えますし、引っ越しの時には大半のものは契約もとに返し、新しい街には次の品がセットされているので、思い出の品1箱だけを人々はもって、引っ越すのかもしれません。
季節の良い時期に良い町に住むようなライフスタイルも今よりずっと一般的になっているかもしれず、そのニーズともあいそうです。

また、ベーシックインカムが普及していれば、現時点のような「ある種、ベーシックインカムの不完全な形としての生活保護」の難点が改良されたモデルが登場しているかもしれません。
日用品は、国営の100円ショップみたいなものが、生活費とともに届けるかもしれません。(100円でなく、「ベーシックインカムの用途を制限した、日用品コイン1個」みたいなものであるはずですが。)
そうなったときには、国中のAM能力の夜間遊休能力や、旧モデルの入っている工場などのリソースを国営で時間分だけ買って、人々にAMでできた日用品を、コイン分だけ提供する、ということをしている、可能性もあります。
大量生産の場合は、在庫や輸送のコストがありますが、各都市、各町のAM設備保有者は、法人税の代わりに、AM設備ランニングタイムを「役務として納める」納税の方式もありそうで、そうなると、その街で必要な日用品は生産され製品輸送の無駄は大きく解消されます。
使う人へは、市内にある工場の受け取りBOXから、短距離物流で届きます。ドローンの法整備後の上空ルートかもしれません。

以上は、引用できるまとまった出展があるわけでなく、私が領域を超えていろんな企業の人々や専門家と議論して、徐々に描かれてきた未来イメージの一つです。

絶対にこうなる?といわれたら、答えは、「確証はない。しかし、そういう可能性が少なからずある」というものになります。

===

以上、長くを蛇足を書きましたが、AMの領域に進んでいくものづく企業さんを、まずは、創造性の発揮という入口の段階で応援したいと思い、こうした講座を企画しました。

万人向け、ではありませんが、まさにそこだ。という企業さんがいらしたら、ぜひご参加ください。
定員10名です。

posted by 石井力重 at 12:42 | アイデアプラント 5th(2018-2020)



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