アイデア出しにおいては、テーマ設定が実はとても重要です。
創造作業をする際に、テーマ設定の良し悪しは、出てくるアイデアの成果(質・量)に非常に強い影響を与えます。良い問題設定は、自然と沢山のアイデア、面白いアイデア、が内外から出てきます。
プロダクトデザインの会社「IDEO(アイデオ)」の本に、興味深い記述があります。『発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』
:::「よりよいブレインストーミングのための七つの秘訣」(P68)より引用:::
「よいブレインストーミングは問題について焦点を絞ったテーマの提示から始まる。」「輪郭はぼやけているよりもはっきりしているほうがいい。」「しかるべき範囲に問題を設定して明確に表現するほど、よいスタートが切れる」「主要な話題に立ち戻るのも簡単になる。」「方向性を見失いかけていることに気がついたら、少し時間を割いて問題のテーマを絞ること」
「『中身がこぼれないコーヒーカップの蓋』というのは、ブレインストーミングのテーマとして好ましくない。あまりにも限定されすぎていて、すでに答えが分かっているからだ。」
「もっと自由でよりよいテーマは次のようなものだろう『自転車に乗る人が、こぼしたり舌を火傷したりせずにコーヒーを飲めるようにする方法は?』目指すのは、参加者がより深く取り組める具体的なテーマ、しかも現実可能なソリューションを限定しないテーマである。」
「すぐれたテーマとしては、組織のなんらかの目標に焦点をおいた内向きのものよりも、特定の顧客のニーズやサービスの強化に焦点をおいた外向きのもののほうが良い。」
「『ダイヤルアップ・モデムを介して検索する顧客が最初の結果に行き着く時間をどうしたら短縮できるか』といったテーマで、顧客に焦点をおいたより明確なブレインストーミングをすれば、イノベーションへの道が開け(る。)」
:::引用、ここまで:::
アイデアを発散・収束させるには、
実はその前段階である「テーマの設定」が重要なんですね。
ブレストを行っていくと「あれ、問題がなんかおかしいな」
と思い当たることが、実際にあります。
発想作業には、こういう「問題設定」も重要です。
では、具体的にはどうするか。
問題の本質化手法、適切なテーマを設定するためのツール、
といったものが幾種類かあります。
そうしたものも今後ご紹介していきたいと思います。
■(追記)
この本にはIDEO社のおりなすホットなブレインストーミングの秘訣が述べられています。読み物としても面白いので、ご興味あればよんでみてください。
(ホットなブレストの)7つの秘訣、としていかが述べられています。
1 焦点を明確にする
2 遊び心のあるルール
3 アイデアを数える
4 力を蓄積し、ジャンプする
5 場所は記憶を呼び覚ます
6 精神の筋肉をストレッチする
7 身体を使う