講義時の配布資料(一部のスライドを削っています)はこちらからダウンロードできます。

いつもの座学スタイルの講演ではなくて、TRIZの中で萌芽的な内容であるIT版TRIZについて、ITコーディネータの皆さんの観点から、これはどういう活用シーンがあり得るかアイデアを列挙していただく、というスタイルでやってみました。
列挙していただたその内容は、上のスライドの20ページに、打ちこんであります。
台頭しつつあるIT版TRIZには、TRIZの専門家のコミュニティーでもとても注目されています。本日列挙したアイデアのうち、何割かは、実際の活用シーンを浮き彫りにしていると思います。そうした業務に従事する人々に大きく役立つ道具になれるといいなぁとおもいます。
IT版TRIZの活用シーンのアイデアの列挙
これはターゲットがITアーキテクチャの世界に使える可能が考えられる。システム構築の際の問題、ネットワークの構成、ボトルネックの解消、ループトラブルの解消させるにはどうすればいいか、などに使えそう。ネット上の検索のアルゴリズム、どう効率的に情報を検索するか、などの考案の際にも。
ウイルスの検知ソフトは検出のパターンはたくさんあれば検知性能はあがるが、それによって速度など処理性能がおちる。従来は、両者のバランスをとるように(設計)する。だが、(IT版のTRIZの発想パターンがあれば、両方をよくしたい、という)矛盾点をうまく解決できるかも。
ITにおけるビジネスのモデルを、つくるのには有効かも。たとえば、IT業界というと、人が動いてそれだけおかねがはいる。しかし如何にして人が動かないでも収入が入るか、という矛盾したものを解決するといった、新しいビジネスモデルを検討するさいに有効かもしれない。コピーとか、そういったものには、可能性が。
P-TRIZ/BPMのTRIZというのもあるらしい(が、そうした業務プロセス改善系の考えの中に、ITのTRIZは活用できるのでは)
99%はパターン化できる、1%は人間が作り出す価値である、という可能性について。 ITを使ってかえって人間がいそがしくなっているケースがある。 ITをつかって効率化するには、パターン化と人間がやって強みなる部分、とがあるはず。見極めて、本当に解決しなければならいのはなにか、ということを考えることにもつかえる可能性が。
問題解決ということでいれば、良くしられている理論などでは、矛盾を突きとめて、そこを解決する、ということを指導するものがある。しかし、どう解決するのかは、ない。それにたいして、TRIZは、(どう解決するのかを)具体的に示している。
原理、過去の成功事例(の内容)は、良いと思う。(さらに望むべくは)単純な言葉で、シンプルな言葉で、というスタイルもあるといい。
過去の分析をして、パターン化して、どんどん世の中の事例が積み重なっていく、という思想はいい。(TRIZ的な手法の将来の可能性としては)『動的なパターン・セットにして、(それに応じた事例を動的に)参照させるコンテンツにする』ことが大事ではないだろうか。たとえば、製品の障害事例のなかから、問題の発生のパターンを抽出していく、など。なお、(現在の)ITによる解決ではテキストマイニングから、類似の解決のパターンが導き出される(が、それのTRIZ的なスタイルを、作れないだろうか)。
注:発言いただいたものを、石井がその場でタイプして、それをもとに、後に言葉を補ったり削ったりしております。また内容については、石井の情報提供が不十分であったかもしれませんので、実際にはそういう使い方ができない、というアイデアを含んでいる可能性もあります。あらかじめご了承ください。