■研究のスタート時点の構想(04年3月)■
研究計画として以下のようなことを構想していました。
研究計画書 スライド
研究計画書(書類版)
広範囲にわたるテーマを茫洋と追いかけようとします。
MOTに学ぶからには、という意気込み。
実際にはもう少し絞ったものに落ち着きます。以下。
研究計画書 最終版 スライド
それでもまだまだテーマとしては不十分でした。
実際にはここから少し違う方向に研究が進みます。
■半年間の成果を、学会発表(04年10月、研究技術計画学会)■
▼要旨4ページ
大学発ベンチャー創出と地域環境に関する分析 要旨
▼スライド
大学発ベンチャー創出と地域環境に関する分析 スライド
参考スライド
『大学発ベンチャーの地域的分布が、産業集積地だけではなく全国に広く分布しているという特徴ある。それは何によってもたらされているのか。』というものが研究の着想点です。いくつかの要因によって大学発ベンチャー創出が促進されているのではないか、ということを、簡単な相関分析モデルで分析しました。モデルとしての不備は多く残ります。今回の分析の結論だけを言うと、TLO、大学、三次産業、が大学発ベンチャー創出数と高い相関を持っていた、ということです。(注:相関係数が大きい、ということは必ずしも、その二者間に強い因果関係の存在を示すものではありません)
この後、ある種の研究員面接のために、プレゼン用のポスターを作りました。
ポスター「地域イノベーションシステムの構築を」
■一年間の成果を、学会発表(05年5月、産学連携学会)■
▼要旨2ページ
大学発ベンチャー創出とビジネス環境因子の相関に関する分析 要旨
▼スライド
大学発ベンチャー創出とビジネス環境因子の相関に関する分析 スライド
参考スライド
事業分野ごとに、相関分析を行いました。バイオ分野の環境要因と、IT分野での環境要因では、一口にベンチャーといっても、違った影響要因があるだろう、という視点です。先の分析同様に、相関係数の比較という単純な方法だけですので、因果関係、とまではいえませんが、相関係数の比較を通じて、そこにある可能性のある関係性を議論しています。TLOは大学発ベンチャー創出の影響要因ではないという可能性が高いと示唆されています。そのほか、大学発ベンチャーならではの特性として、事業分野ごとの大学とベンチャーの相関関係に、サイエンスリンケイジに似た傾向があることが見て取れました。(こちらもあくまでも相関係数上、です)
■一年半の成果を、学会発表(05年10月、研究技術計画学会)■
▼要旨4ページ
東北地域の技術型企業の創業と地域的要因に関する研究 要旨
▼スライド
東北地域の技術型企業の創業と地域的要因に関する研究 スライド
▼音声
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統計資料によって行ってきた分析を補うために、大学発ベンチャー及び技術志向型企業(主に第二創業によるベンチャー企業)に創業の影響要因についてインタビュー調査を行い、定量分析と定性調査の比較を行いました。また、大学発ベンチャーと通常のベンチャーの創業要因についても比較分析しました。調査対象地域は、東北地域です。その結果、大学の存在が大学発ベンチャーでは大きいのですが、それと比肩して地域の知的ネットワークの存在が重要であることが顕著に見られました。また、地域の産業規模は、地方立地のベンチャーにおいてはさほど重要な要因となっていないという傾向が見られました。ただし各社ごとに特定企業郡とのつながりが影響していたことから、地域における企業のネットワークの重要性が示唆されています。
さらにそのほかの要因として、住みよい住環境あるいは地域文化の存在も複数見られたことが印象的でした。(注:本インタビューは、対象地域が「東北」であるため、地方立地のベンチャー企業の傾向に偏重している可能性があります。)
■現在(2006年1月)■
2005年12月、これまでの研究内容を投稿論文へとまとめる作業中。
■今後■
現在の研究は、パイロットスタディです。ここで得られた知見をもとに研究を今一度見直し、骨太な研究のフレームワークを構築します。2007年3月に、学位(博士)取得を目指し、研究活動にまい進してゆきたいと思います。
(その他)ベンチャーコンテストにむけ事業計画を作成したり、実際に小さい事業を作り出し自分自身で経営的な活動もしています。それを通じてベンチャー研究において、「起業家の視点」に少しでも近いものを取り込んでいけたらと思います。