第三弾が発表された。
「巡音ルカ」
めぐりねるか、という名前。
たぶん、歌唱ソフトウエアの声の性格を加味して
名前のオンの印象(※)のテイストが選ばれていると思われる。
オンの印章:音の印象:アルファベットやひらがなの構成文字毎にもつ印象。IやTはシュッとしている、Bは力強い、Mはファミリア的、なもの。正確な出典は探せなかった
MEGURINE RUKA
比較的、丸っこい、滑らかな感じのオンだとおもう。
第二弾は
「鏡音リン・レン(KAGAMINE RIN REN)」
であったが、この
「かがみね りん れん」は、
短くとはっきりした立ち上がりを思わせるオンだった。
このケースでは、アイテムがロードローラー(しかし、すごいな(笑))に
なっていく過程で動画がおおきな役割を果たしている。
実質的に、小さな訴求ポイントが一人もしくは、
疑似的な共同創作メンバー間の直感的な解釈しあいによって
アイテムが登場し、それが大きな支持を得て、定着する。
黄色・オレンジ色の果物、という案もあった模様だが、
大勢はロードローラになったようだ。
この大勢の支持は、そうしたプロセスを経ているが、大勢が支持する水面下のポイントは「提案したアイテムが、キャラクターから感じる印象とマッチしているか」という直感的な部分もあると思われる。
公式サイトに掲示されるキャラクターの性格付け、もあるが、生身の存在ではない「キャラクター」の性格付けは、「シンボルとしての名前」が大きく影響しているとおもわれる。
「めぐりねるか」というアールのついた滑らかな曲線のテイストを持つオンなので、
「滑らかな質感」
「おおぶりの美しい曲線をもったもの」
がアイテムとして登場した時に支持されるのではないだろうか。
(なお、オン(名前の持つ音のイメージ)だけではない、かもしれない。
キャラクターのイラストから感じるテイストは、
その名前のテイストから感じるものと近い。
第三弾も、第二弾も)
人々が創発的にアイデアを作りだし、
それが市場のすばやい評価を受けて
覆しがたい「支持」「不支持」に分かれる。
大きな流れを分岐させるのが、時間空間的には
小さな「点」のような情報の登場である点が
とても興味深い。
あるいは、こうした着眼点は
まったくの的外れかもしれない。
余談:
いずれにしても、昨年学会でお会いしたあの札幌の企業さんの
新しいプロダクトが
市場から期待を持って迎え入れらていて、
(勝手に)うれしく思う。
知識創造が、人口減少社会の日本において
長期的産業になると予想されるが
「創造する道具を創る」のは、その水門を開くための
キーポイントであり、将来、現在を歴史的に振り返ったとき
各分野の「創造する道具」の原点の一つとして位置づけられているのが、
同社の製品及び、ヤマハの要素技術であるとおもう。