2009年07月14日

縮小基調のトレンド『自分で化』

(学術論文風な、硬い文体の練習をしています。文体が、ブレますがお許しください。)(なお、大学院でこういう研究をしているわけではありません。経済学の大学院には所属していますが、専門は、創造工学です。)


日本において、人口減少というトレンドは、40年以上継続する確率が高いと考えられている。

21世紀のはじめ、ゴールドマンサックスの予想では、2050年の世界は、1.5倍に伸長する一方で、日本は9000万人へ減少をしていると述べられている。

また、日本の政府系の人口に関する統計などを発表する機関は、2100年、日本の人口が江戸時代と同規模になると予想している(3000万人)

メモ:上記の数字は、出典調査中であり、後で、正確な数字への修正が必要である。引用の際に注意されたい。


これらの分析の妥当性が高いとするならば、日本の人口は長らく減少基調の社会になるといえるだろう。(ただし、世界的に人口増をするなかで、日本への移民による外国人増加の可能性も考えられる。ドライブフォースとなりえる、政策や労働資源確保における企業サイドのニーズにより不確定な要因が多いため、この議論では、移民による外国人増加は、無い前提で論じたい。)

社会が拡張基調であった時代には、複雑なことを行うよりも、同じものを早く大量に作る「大量生産、アウトソーシング(事業上の機能の外部化)」が主たるトレンドを占めていて、もはや、疑う余地のないものと考えて経営上の根底ルールの一角の位置を占めていた。

拡大する経済においては、経済は伸長するものであり、消費は市場成長期には急速に拡大するものであった。その中では、自社の強い事業部分に特化して、不得意なものは、外部化する、ということをすることで、企業は資本回転率を最大限まで高めることが、合理的な行動であった。

縮小する経済においては、経済は全体規模が減り始め、市場は、成長期においてさえ、急激な拡大は必ずしも期待できず、規模を稼ぎにくくなった市場成長は、これまでよりも速度が鈍化する。そのため、新陳代謝もおそくなる。結果として2つのことが企業群に見られるようになる。一つは、既存市場における新規事業の登場割合の減少である。急成長を見込みにくくなる社会では、既存マーケットへのチャレンジは、以前のようなベンチャーモデルが難しい。残念なことであるかもしれないが、創造と破壊の循環はその速度をおとすことになるだろう、。二つ目は、『自分で化』である。企業は、これまでの「外部化」(コア・コンピタンスに絞る)することで、大量生産の際の生産性を最大化してきた。「時間はない・金はある」という企業は、自社でやるよりも、外部サービスを使った方が、合理的であった。

現在は、ちょうど逆になっている。「時間はある・金はない」という企業が増えている。しかも規模や分野を問わず、急速に。現場の生産性は十分にあり、意欲の少ない現在の市場のニーズにこたえるには、フル操業の必要がない。人材の時間はたくさんあり、その一方で売り上げが減るので資金がない。そこで、これまでの外部化してきたもの(たとえば、専門企業に依頼していた軽作業)などを、自社で行う『自分で化』が顕著になってくる。

自分で化、という表現は、さも、効率が悪いように感じるが、それは、「拡大基調の判断基準」を持ち続ける経営眼の場合である。「縮小基調の判断基準」に変わった場合、ざっくりいって、これまでの企業が行ってきた行動を逆にたどる行為の中に、多くの価値を見出すことになる。特化した事業で、早く操業が終わってしまって、少ない売り上げで、人材が遊ぶことを許せるほど、事業環境が良好ではないので、結果的に、外部に任せたことを、内部でおこない、そのコストを削減することで、正常な事業収益構造を発生させることになる。

小まとめ:萌芽的なトレンドの一つ『自分で化』

「外部化」の逆としての「自分で化」は、日本企業の多くにとって、長期にわたり見られるトレンドとなる可能性と思われる。



なお、主旨とはずれるが、今後の同行を紡ぎ出すための視点としていくつかの事柄に触れておきたい。

拡大基調の40年間で、おこってきた企業群の行動は、ゆっくりと来た道を戻るようなことを想起するとそのうちのいくつかは、実際におこるトレンドとなって表れるだろう。

単純に、来た道を戻るだけではないため、(戻りの道から想起されることが)必ずしもすべては起こらないであろう。その「単純に戻らない」最大の要因は、技術革新とドミナントデザイン、であるとおもわれる。

高効率エネルギーの機構や家電部品の登場で、デジタルをアナログに退化させることなく、ほとんど電気を消費しない製品への発展を遂げることで、進化を逆戻りする(つまり退化の)道を進まずに、
折り返し地点をまわってくる物事があるだろう。

人間社会の中に認められてしまって、容易に代えがたいもの(ドミナントデザイン、キーボードの配列パターンなど)は、やはり、折り返し地点で純粋に退化するようなプロセスはたどりにくい。

それについては、ドミナントデザインが、変化を阻止しつづけながら、縮小社会で変化を遂げるため、「いびつな退化」をむかえるかもしれない。あるいは、イノベーションによって、退化とはちがう道へと、社会はそれを克服するのかもしれない。


余談:(もはや、論文的な文体をはなれて、アイデアを書きたい)

なお、大きく余談となるが「自分で化」は企業側だけではない。一般消費者、一般家庭の消費動向でも、同様に「自分で化」のトレンドは顕著になるだろう。その場合、企業の大量加工の方が安いものは、人件費割合の少ない工程についてだけをおこない、人件費割合の高い工程はなさずに「半完成品」としての製品が市場に出回るようになる可能性が考えられる。

ユニクロのウエアが、縫いあげられるところは、もし人手であれば、そこをはいした、型紙から切り抜かれたシャツ生地だけを、ユニクロの1/10で提供するような未来企業が登場するかもしれない。当然裁縫を自分でするので、不器用な人には向かない。ホッチキス型のハンドクラフトツールが同時に登場する必要がある。パチン、パチンととめて、それをレンジかけると、針は熱で溶けて、ウエアを縫いとめるようにユウチャクさせる。そうすることで、針を使わずに、縫物を多くの人ができるようになる。また、自分で仕上げるので、カスタマイズは、自分で行えるようになり、安価な購入代金で、自分に合った服を手に入れられる、という構造になる。


<こういう文体は、慣れてしまうと多用してしまう可能性が高いですね…。口語体の方が、伝えられる情報量がおおい(特に感性的なテイストなど)ため、口語体の文体であり続けたいなぁと思っています。>
posted by 石井力重 at 22:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会動向を見る



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