2010年03月27日

IDEACARD(アイデアカード)。ほめる文化を育てたい。

3月27日。宮城学院女子大学の西浦先生、澤邊(さわべ)先生が、日本創造学会のサロン(東洋大学、白山キャンパス)で『IDEACARD』をご発表されました。

これは、『ブレスター』(ブレインストーミングのカードゲーム)を、日本語教育のための先生方がプロジェクトとして、「内容を大幅に減らし」「日本語を学ばれる外国の方でも極力わかるように言葉表現にしたもの」です。

もともとのツールとしてのブレスターに示唆を得ていて、ゲーム構造も部分的に似ていますが、『IDEACARD』は独自の表現やカードの使い方をしていて、オリジナリティーがあります。

私たちアイデアプラントは、創る人を大事にする。という方針があります。その意味では、ブレスターを作ってくれたときのメンバーにも十分に敬意を持って接しつつも、このIDEACARDの考案者であるさわべ先生にも、創作者として大きな敬意をはらって接しております。そういう、人々のオリジナリティーを引き出すような形のネタになれれば、ブレスター開発チームとしても、望外の喜びです。

さて、その『IDEACARD』。

どういうゲーム構造になっているか、その心理的な意味合いは何か、を講演していただき、実際にそのカードを実際に皆さん(日本創造学会のサロンにきてきていた方々なので、多分、多くの方は創造技法の専門家か、大学関係の方と思われます)が、2グループに分かれて実施しました。

私は書記役でアイデアの書留係をしたのですが、これは、なかなかたのしいツールでした。試作品を私たちアイデアプラントがデザインしあげてしていたのでゲームの内容はもちろん知っていたのですが、考案者によるファシリテーションで実際に体験するのはとてもおもしろい体験でした。

ブレスター自体も、短く、手軽にできるような改良的なシートがさまざま、あります(時々メルマガでお知らせしています)が、このアイデアカードは、さすがに日本語の先生が再設計されただけあって、多様な年齢層の方(特にご高齢の方)にも、とてもやさしい内容になっています。多分、子供を交えて行うことも、親御さんがいれば可能、と思われます。

実際にやってみると、20分ぐらいの体験で20以上のアイデアが出ていました。最後に、書記役を中心に、アイデアのTOP3を決めて発表してもらう、ということをしてみました。良いアイデアが出る、ということももちろん、ありますが、肯定的に話し合う場や人間関係を作る、ということにとてもよい効果があると感じました。

この開発者の先生方には、よく「これは売っていないのですか?」との打診がくるそうです。たしかに、これは良くできていて、一度体験すればかって帰って同じことをすることができそうなぐらいに、イージーステップ化されています。

この点については、私がチームを代表して、体験しにいったのもそういう背景を踏まえて、可能性を検討したいと思ったからです。なので、これについては、何とか、世の中に広く喜んでもらえるツールとなるように、体制を作ることを考えてみたいと思います。


以下、写真で、ちょっとだけ紹介。

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講演スライドより。「ほめる文化を育てたい」
こういう思想でできています。ぐっときちゃいます。

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中身は実にシンプル。ブレスターと同じ配色の4種のカードがあります。ほめるカード(赤)が、全体の50%ぐらいになるウエイトバランスです。ブレスターにあるTOIカードは、IDEACARDではなくなっています。(これについては、昔、脳機能障害のプロジェクトのために創った「アイデアカルタ」(これは逆にTOIカードだけで構成されたカルタ。ことばをぐっと噛み砕いたもの)を組み合わせて、子供版ブレスターを作ることもできるのではないか、とおもったのでした。

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こんな感じに配って、スタートします。中央の男性は、アップル法、という30年前にブレスターと同じカテゴリーのツールをつくっておられた、伊東先生。大手の企業のベテラン技術者さんの中には、伊東先生のアップル法で新製品アイデア発想術を学んだ方も多いです。伊東先生はさすがの、眼力。すぐに使いこなして、その上アイデアも面白い!

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だんだんと進行していくとカードを場に出していって、手元の枚数が減ります。20分で大体、半分ぐらい使います。ブレスターになく、こちらにある、おもしろい構造は「赤のカード(ほめるカード)」を出してから「黄色・緑・青のいずれかのカード(アイデアをあるパターンで言うカード)」を使う点です。これは、私は素直に、いいなーとおもいました。頻繁にブレスターを使う企業さんで調査させてもらったときに、この「ほめる役割(ブレスターでいう赤のカード、ヨリヨクさん)」は、場に対して非常に重要な効果をしていることがみてとれました。このIDEACARDでは、それを2発言に1度はする、という形になっていてとても場のムードがよくなるエッセンスが豊富です。

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開発者のお二人。アカデミックな先生方がこうした道具をつくり、社会に役立つようにワークショップをひらいている、というあたりでもとても共感します。(写真、NGでしたらすぐに下げます)

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これがパッケージ。アイテムの顔であり、ぱっとみに、おもしろそうだな、とユーザーに感じさせることはとても重要。このデザインのテイストは、みると分かる方にはわかるとおり、ブレスターやIDEAVoteと同じプロダクトデザイナーさんがつくってくれました。私たちアイデアプラントのありかたは、そういう、広がる様を応援するような感じでいつも、ありたい、ですから。

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それから、また講演に。ブレスターを心理学的に分析して、繰り返し使用した場合にある、種のパフォーマンスがあがることが、分析されて示されていました。(実は、これについては、学術論文も発表されていて、私も、名前を載せていただいています。感謝!)

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そして日本語教育版の設計ポイントなどもお話されました。私たちのチームが作るものは、無いものを創るので、後で発展する余地がたくさんあります。それははじめから受け入れていまして、こうした形で、転換されていってとても光栄です。ブレスターは「オリジナル」をしかし、守ってゆこう、とも同時に思想的にもっています。それは「いろんな方向に向かって変化させられるための原点」でありつづけるべきだ、と考えるからです。なので、クイックルールやサイコロでの簡単シートなどもくわえつつも、説明書はずっと変えないのにはそうした理由があります。


以上、こんな感じでした。

「ほめる文化を育てたい。」

そのための具現化ツールとして、ブレスターからIDEACARDが派生したことをとてもうれしい、と思いました。なんとか世の中に多く使われるところになるように、体制を考えてみたいと思います。



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