安全で欠けているところがなく、みなが健康に日々を暮らせて、特段のことも無くつむがれていく毎日の、なんとありがたいこと。ご飯がありがたい。発想法とかツール開発とか専門性のことは抜きに、そう、深く思うのでした。お客さん、パートナー、社会を構成する人々。家族。無事な日常を、ありがとう。
本日3月31日で、アイデアプラント(個人事業主としてのアイデアプラント)は、創業1年目を、無事に終えます。本を買ってくださった方々、アイデアプラントの作品(発想支援ツール)を使ってくださった方々、アイデアワークショップや講演(アイデア創出の技法)においでくださった方々、皆様、本当に有難うございます。また、パートナーとして、東京、大阪、京都、鎌倉、福島、仙台の皆様にも多大な、ほんとうに助かるご支援をいただいきまして、心から感謝いたします。おかげで無事一年を終えるどころか、次の一年へ向けて大きく構想もできました。
個人的には、この創業期は、人生で初の出版を経験した年であり、かつ、最長開発期間の作品「IDEAVote」の上市が実現した年でもあり、とても思い出深い一年となりました。ブレスターの誕生した3年前からずっと暖めていた「アイデア収束ツール」は、ごくごく小規模の販売で、これを求めてくれる方にゆっくり少しずつ届けばいいなと思っております。発想支援ツールは、本来的価値とはずれた流行商品になってしまわないように、むしろ、押さえ気味に売れていくぐらいがちょうど、いい、と思います。
私は時々思います。後何年、寿命があるのだろう。と。
心身ともに健康ですが、石井家は家系的に、代々短命なので、いつもくいのない日々を、命の限り生きよう、決して足踏しないし、迷ったら進む、と強く思っています。スティーブ・ジョブズの講演に「今日が人生最後の日だとしたら、今日の予定は本当にやりたいことだろうか」(※多少、不正確です)という言葉あります。
まさにそのとおりだと思います。
刹那的に生きることの肯定ではなく、やり直しのきかない瞬間にこそ、生命の輝きがある。そう思います。毎日、情熱という命の熱量を最大火力で生きていたい、と。
私は、尊敬される企業が次々と生まれてくる20年後を作りたいおもい、そのために、創造的な人や組織が次々生まれてくる社会をつくりたいとおもっています。アイデアプラントの理念が、それです。
そのために、私たちの活動のまなざしの先に、いつもあるのは、Creative Leader(クリエイティブ・リーダー)。その人は、今の、あるいは、未来の、クリエイティブな活動を導くリーダです。彼・彼女らが、自分の資質を引き出し、チームの資質を引き出す、そのために必要な、有効な、道具や発想技法を提供してく、それが私の仕事の根底にある。あります。
だから、アイデアプラントの作る作品のターゲットユーザは「Creactive Leader」です。常に、そこが原点で、そこが最後の日まで追い求めるものです。
資質を持った人が、Creative Leaderとして、創造的な能力をほんの少しだけ使えるようになる。私たちのした仕事で。
そして、その人が創造的なチームや組織を作り率いて、創造的な事業や製品を作り出す。
そのうちの何割かは、社会にとても喜ばれ、顧客から「この会社があって本当に良かった」「この会社の製品がなかったら本当に困る」といわれるような仕事をする。
ニッチでもいい、ある種の分野では世界中から尊敬を集めるような仕事をする、そういう企業が、1社2社じゃなく、毎年毎年、日本から輩出されて行く。そういういまよりも、さらに希望ある未来を、子供の世代につくって行きたい。その中で、名もしられず、でも心豊かな社会に囲まれて、安寧な気持ちで人生を全うできる。そういう人生を、ずっとゆきたい、と思っています。
私が、受ける講演の仕事は、ある種、主催者さんに取ってとても面倒かもしれません。想定する参加者のプロファイルは?どんな職務に従事している?どんなふうになりたいと願っている?ということを、(想定で、しか、答えようがないので、想定で)お答えいただきます。私の講演が喜んでいただける時は、その像がシャープにいただけて、私がそれに答えられる構成をくめたとき、です。蓋を開けてみたら、想定と違う、ということは、もちろん、よくあります。それでも、一貫した人物像に向けて構成された講演内容は、受講者に取って理解に迷うことがすくなく、楽しく学ぶことに注力できるようです。講演主催者さんにとって「ああ、面倒だなぁ」ときらわれたくない、とおもうと、あまり面倒なことを聞かない方が、と内心ためらいますが、それでは、ただ、講演代をもらうだけ。本当に未来の可能性を作り出す資質のあった人を、引せる可能性をへらしてしまいます。それは、ひいては、その人が勤める企業にとっても、将来価値の損失です。だから、僕はいつも、クリエイティブ・リーダになるかもしれない方々に向けて、気持ちをこめて内容を作り、表現をかえ、メッセージを織り込みます。
私の方法は、スマートではない、のかもしれません。しかし、一生、それでいい、とおもっています。ビデオコンテンツになった時の写りのいい、綺麗で毎回同じことを話せる講師には、たぶん、一生ならない。そういう強い気持ちを受講者に渡せる講師は限られていて、それは、お行儀の良いコンテンツスピーカーでは、ありえない、と私は思います。思うからです。
自己満足にならないように、練習と作り込みに励みます。しかしそれでも、満足いただけないこともあります。満足度が90%のときでも、10%の方には、残念な時間だったのかもしれません。その方にも伝わるように、役立ててもらえるように、次の講演では、もっともっと、情熱と時間を注いで講演内容を作ろう、と思うのです。
そして、作品(発想支援ツール)の開発でも、そうです。
このアイテムは使いにくくないだろうか、わかりにくくないだろうか。もし、わが子が使うのだとしたら、果たしてこの加工品質でいいのだろうか。使ってくれる方を、わが子だと思って、デザインし、加工しています。だから、開発パートナーにも、相当な負担があるでしょう。それも、私はよしと腹をくくっています。もちろん、パートナーには、迷惑な話、ではあるのですが。ただ、そういう徹した姿勢の先に、自分を信じられ、相手から信じてもらえて、創造ツールと言う、見えないものを作り出すプロジェクトを、やり抜くことができるのだ、と思います。
妥協しない、と、考えているわけじゃないのですが、徹して信じる、気持ち、私はこれを「徹信(てっしん)」とよんでいますが、その徹して信じる、を作り出す行為は、「妥協をしない」とよく似た表面をもったものであるともおもいます。結果的に。
4月から、新しい年度が始まります。
私は、電子書籍の展開や、電子デバイスの直感的なものの普及にともない、それらをいかした、コンテンツ提供を、展開していきたいと思います。まずは、本を書く、というところが、最初ですが、二冊目に当たる本を、ニッチマーケットにむけて、書き上げたいと思っています。なにせ、アイデア・スイッチは、一人アイデア出し、のために絞っていますが、実社会では、メンバーと行うことが多いわけで、それに役立つ内容を、書きたいと思っています。
また、長期的に3〜7年で、私たちは次のステージにむけて、動きます。人間の足の筋力、徒歩と自転車。それを人間の思考の能力、で、比喩したもので、話します。
自転車は、人間の脚力をあげるわけじゃないけれど、少ない脚力で、一定時間に徒歩より、かなりの距離を達成できる。
頭、とくに、創造的思考についても、おなじで、徒歩(ただ、頭で考える)よりも、自転車(軽い思考能力でも、早い速度でアイデアを算出できる、道具を、作り出したいと思っています。
2013〜2017ごろ、そういう道具を提供する存在となるために、すこし事業の成長カーブを、ほんのちょっと、上向きに軌道修正することになるでしょう。
アイデアプラントには、多くの人が資源を投じてくれます。そういう幸運もあって、私は代表として多くの人や組織に、価値を提供できています。こういう皆さんのご支援があってプロ(の駆け出し)になれたわけで、その恩を受けてわれわれにしかできない社会的使命−大志−を掲げて進んで行くべきだとおもっています。
アイデアプラントがなかったら、存在しなかったはずの作品を、
これからも全力で作り出そうと思います。
皆様、ぜひご支援ください。
何卒よろしくお願いします。