
このブログでは2004年の夏からずっと活動を報告してきましたが、
唯一、その少し前から続いていたことゆえ、
その活動の開始を報告していなかったことがあります。
それは、2004年の春に、東北大学の博士課程に、
社会人院生枠で在籍していたことです。
結論から申しますと、2010年3月31日をもって、
その博士課程を退学いたしました。
創造工学の研究は、今後も実践の中で示唆を得て、定期的に、論文などの形で発表したいと思います。しかし、大学に「院生として」籍を置いている身分は、昨日で終了しました。
これまでをダイジェストしますと
2004年4月〜2006年3月(2年)
東北大学 大学院 工学研究科 博士課程 MOT(技術経営)専攻
おもに、ハイテクベンチャーの経営戦略論や
大学初ベンチャー創出の地域要因について、研究を行う。
主な学会:産学連携学会、ベンチャー学会、知財学会
2006年4月〜2008年9月(2.5年)
休学(フェローとして、産学連携の支援者に従事)
2008年10月
転研究科(工学から経営学へ、試験を受けて転籍)
2008年10月〜2009年9月(1年)
東北大学 大学院 経済学研究科 経済経営学専攻
創造工学を研究領域として
アイデア創出のプロセスに関する研究を行う。
主な学会:日本創造学会、感性工学会
2009年10月〜2010年3月(0.5年)
休学(アイデアプラント創業期の多忙のため)
2010年3月
退学
このような経緯で現在に至ります。
合計で6年間、東北大学に学籍があったことになります。
ちなみに、私は、学部と修士も東北大学でしたので
学籍を通算で12年間、もっていた、ということになります。
東北大学の卒業生の中でも、最長の部類に入るのではないかと思います。
さて本題に戻りますが、
アイデアプラントの創業期の今、大学院での十分な研究時間を取れないため、休学をしていたのですが、以前に長い休学を入れていたこともあり、半年しか休学猶予期間が無い状態で休学に入りましたが、復学か退学かの判断で、ここは一度、きちんと選ぼう、ということで退学をきめました。
多分、ですが、将来、また、研究環境を作るために、大学に席を置くことがあるかもしれない。そう思います。
博士号をとることが目的であった時期もありました。商社を辞めて大学院に戻ったばかりのころです。しかし、当時に比べて今はだいぶフィールドが見えるようになりました。そして、本当の価値は、博士号の証書ではなく、生涯学び続ける姿勢であると、思うようになりました。
私の今の仕事は、そのまま研究分野と一致しているので、アイデア創出の支援者として、日々の仕事をしつつ、アイデアプラントの研究課題として、アイデア創出のプロセスを、研究し続けていこうと思っています。
アイデアプラントは、日本創造学会に所属している、創造手法に関する研究機関の一つである。と、自らを規定しています。その自己規定にしたがい、これからも論文発表や研究活動を続けてまいります。
ちなみに、博士を退学する場合に、「単位満了退学」とよく表現します。私の場合は、工学の博士課程にいた時代にも、経済の博士課程にいた時代にも、卒業に必要な単位合計数よりも多い単位がありました。多分。ただし、博士論文はかけていなかったので、卒業に必要なカテゴリーの単位はそろっていませんでした。その意味では、単位満了退学、とも違いますが、工学と経済の博士課程で、論文を除く博士に必要な全単位をとったことは、私のささやかなほこりです。それを知識として生かすような仕事をして、社会に還元していきたいといつも思っています。
生涯、学び続ける姿勢を持つ、その心のありようが大事なのだ。
そう、指導教官が、言外におしえて下さっていたことを、
一生、忘れたくない、そう思うのでした。