そういうと、人から驚かれます。でも、実際のところ、そうなんです。ただ、正確にいうと、「本がとても好きで、数ページも読むとあれこれ想起されて、いつの間にか他のこと(大抵は、文章を書くか、絵か図を書く作業)をはじめてしまう」のです。
小学生の頃は、とても本の虫で、実家のある土気の、土気小学校の裏にある図書館の子供本コーナーを50%近く読みきったと思います。オレンジ党、とか、ずっこけ三人組、とか、そういうものや、義務教育とは子供にとって学ぶ権利があり親は学ばせる義務がある、といった子供向けの社会学的なものまで。
大人になって状況が変わりました。文学ではなく、ビジネス書をよむというのは、読書という行為は同じでも、体験は、、、違うんですよね。ビジネス書はハウツーであり、いろんなことに次々と気づくわけで、そこから連想して、memoをとったり、ネットでしらべたり、という感じになります。そして、長く集中しない。とくにPCをさわると、思考が寸断されて集中度合いはおちて、もどしにくくなります。
さて、本題です。
「短い時間で、すっと本に集中するにはどうすればいいか」
これについて、道具を作ることで一つの打開策を見出してみよう、と思いました。
そして作ってみたのがこれです。
「スポットライトしおり」

試作品なので、ありあわせの素材で作っています。
1)クリアファイルをビジネス書サイズに切ります。
2)中央に、ビジネス書の3行分ぐらいをあけて、外側に向かって色を塗ります。写真はプロッキーを使いました。なお、いろは、外側に向かって徐々に暗い色(濃い色)を使います。中心に近いところは色はつくけど透けて見える、ぐらいにします。(あまり、重ね塗りしない)
3)乾かして完成
使い方はきわめて単純。読むときにこれをスライドさせていく。それだけです。
使ってみた結果、かなり集中力をたもって読書ができました。読書が何かの理由で分断された後でも、すぐに、すっと、集中できました。
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試作の背景
「意識のスポットライト」と「夜、懐中電灯での読書」に示唆をえています。
人間、ある種の集中状態では、視野のうちの一部にスポットライトが当たったようになっています。それはかなりの意志の力がいります。それを補助する道具があったらどうだろう、と考えました。
また、「夜、懐中電灯での読書」ですが、これは、飛行機の中の経験が示唆をくれました。サンフランシスコ空港から成田までの飛行機に乗るとき、小さなスティック上のLEDブックライトを買いました。飛行機がくらくなったときに、手元をちょっと照らしたかったからです。いざくらくなって、本を読みたいときにそれで照らしてみました。小さいライトなので3行程度を照らし出します。そのスポットライトをすーっと移動していくと、その速度で本が読み続けられることに気がつきました。腕を意識して早めに動かせば読書速度もあがりました(限界はありますが)。
この「スポットライト読書」は、強制的に意識をそこへ吸引する効果がありそうだ、とおもいました。
しかし、問題は、電池がもったいないことと、普通、部屋はくらくない、ということです。目も悪くなりそうですし。
そこで、「中央はよく見え、外に行くに従い徐々に見えにくい状態をなにか、道具で作れないだろうか」、と。
その場で、さっとはさみで切って、ペンで塗ってつくったので、とてもラフなつくりです。でも、これだけでも十分、効果がありました。
この「スポットライトしおり」あるいは「集中力しおり」は、機会があれば、きちんとしたアイテムにしてみたいと思います。