XB(クロスビー)の専門家に会いました(前編) に、続き、今度は、XBeer(クロスビアー:XB飲み会)の模様を、紹介します。
中盤に差し掛かったときの様子。
そして、ここは、恵比寿駅のすぐ目にある居酒屋の3階で、この窓の下には恵比寿駅があります。ポストイットの張れる空間として、大きな窓のある店を選ばれた模様。ところで、これ、地上階で外から見える席だったら、そうとう通行人に興味持たれたでしょうね。なんかそれだけでも、いろいろ、イベントとか、企画を思いつきそうです。
頭から、順に。
11月7日の夕方、三澤さんとビジネスパーソン6名、そして私石井の合計8名があつまりました。
この6名の方々は、産業技術大学院大学の『人間中心デザイン』プログラム( http://aiit.ac.jp/view.rbz?cd=441 )を履修しているメンバーです。XB法も含め、『人間中心デザイン』ということを学ばれているので、同席してみて思ったのですが、視座や考え方がとても洞察深い方々でした。
さて、じゃあ・・・、といって「お、飲み会、始まるのかな?」と思いきや、「どんっ」とテーブル上におかれたのは、
ポストイットのブロック。
そして、ペンがざららっと。
メンバーからも、A3の白紙がさっと出されました。
「お?お?なんだ」という間に
みんなXBのカードを取り出しました。そして、三澤さんから、XB法についての基本的なコメント。
じゃあ、お題を決めよう。なんにする?というところで、私が「はい!消せる紙で、やりたいんですかどうでしょう?」と提案。
何をするのかもよくわかっていないけれど、面白そうなので、とにかく提案してみました。
その時にちょうど持っていた「消せる紙(パステル・ブルー)」と消せる紙コラボ作品である発想ツール「はちのすボード」を場に出して、「紙でできたホワイトボード」というこの素材で、他に何か商品できないか考えてみたい」と。
じゃあ、それで行こう、ということになりました。
ポストイットのブロック。
参加者のみなさん。新型Mac Book Airも。
・イメージ共有の新しい形
・書いて消せるうれしい体験
・描く、書く、体験
この辺、いろいろと興味深い思考プロセスがあったかと思うのですが、それは聞きそびれました。ただ分かるのは、「お、これは面白いアイデアが出せそうな、良い発想テーマだなあ」ということ。
さて、この後の数分の作業はについては、メンバーといろいろ話し合いながら、XBの7枚のカードから、一枚を選びました。
これはいわば、発想技法における、広義のチェックリスト法に近いことをしているのでが、内容は、「オズボーンのチェックリスト」とは全く違います。ちょっと、説明をぼかしますが、シンプルで具体的なカード表現から、適するものを選定する作業でした。
私には、どれも良さそうなカードに見えましたが、三澤さんたちは話し合って「このテーマの場合には、これはやや違っているかな。これとこれは良さそう」という感じに候補を絞っていき、一枚を選びました。
そしてそのカードの裏に書いている3項目「価値観」「対象」「体験」の欄にあるフレーズを、ポストイットに描き写し、窓ガラスの3面に1つずつはりました。
まずは「価値観」項目に書かれた具体的なフレーズから、思いつくことを、みんなでどんどん考えて書き出していきます。消せる紙とかは、いったん外して、どんどん思いつく限り。5分ぐらいで左側の窓枠の中が一杯になりました。(この時点で、三澤さんの緩急をつけた、発案のフェーズでは主張しすぎないファシリテーションのうまさ、参加メンバーの発想の速さに気が付いて、おお、恐ろしく優秀なメンバーのあつまりだな、ここは。と思いました。)
もうお酒が来ているかどうか、思い出せないぐらい、楽しく出し始めていました。
次は、「体験」の所に書かれたフレーズから、思いつくものを発想していきます。
(予想に反して、2つ目の「対象」ではなく3つ目の「体験」に進んだのは、ワークの効果を考えた進行なのだと思います。この順番は、毎回こうなのかどうかは定かではないのですが、もしかしたら、タンジブルなモノと、触ることのできないイベントやコンセプトを企画するケースで違うのかもしれません。対象、という項目は物体を伴いがちな概念なので、消せる紙というアイテムに引きずられすぎる。それが第二段階で起きてしまうか、第三段階で起こるのかで、大分影響度がかわります。それを考慮してのことかもしれません。)
「体験」も、短時間で次々発案。
三つ目は「対象」です。どんどん出していきます。
ここもだいたい、出そろいました。
にこやかな三澤さんが、ポストイットをみる時の表情は、プロの顔、・・・そうですね、職人のような眼光があります。
すると、各セグメントから、三澤さんが、
という感じに、1枚ずつピックアップしてきてテーブルの上に並べて貼りました。
「ずっと持ち続けている」「読んだページ」「一生懸命に書いた」
この3つが意味を持つとしたらそれはどんなものだろうか。
ここで消せる紙が念頭に置かれながら、アイデアを出していきます。
「ずっと持ち続けている、読んだページか、、、そうだなぁ、、、あっそうだ、たとえば・・・」
「ずっと持ち続けていて、一生懸命書いたもの、、、、じゃあね、こういうのはどうだろう・・・」
「1月1日ノート」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10年間以上使えるノートで、毎年1月1日にそれを書きます。お正月に去年の決意を書きつづった紙そのものに、また今年も向う。そして、10年間、毎年、お正月にはその紙の前に来る。それが同じようなノート、ではなく、まったく同一の紙、であるというコンセプト。10年前の自分もその紙に左手を添え、何かを・・・、何かの決意を、書いたんだ。そんなノートです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これがいいアイデアといえるかわかりませんが、とにかく出しました。
この組み合わせでしばらく出したら、次のセットへ。
「ずっと大切にしてきた」「前回書いた文章の筆跡が写っていた」「10年間書き続けた」
これを用いて、またアイデアを出していきます。
詳しい流れは、省きますが、中には「前のものが写る」というコンセプトから、下に書いてあるものが透けて見える「ホワイトボードペーパー」というアイデアも出ました。
通常、ホワイトボードは、他のことを書こうとすると、消すか、送るしかない。でも今書いたものを保存しながら、その上に一枚レイヤーを置いてそこに重ねるように描き加えたい、という時があります。デジタルになれた世代には、そういう「レイヤーを重ねる」ような作業を求めるも、できない。これが「トレーシングペーパーのような透けて見えるホワイトボードペーパー」がかなえてくれたら、かなりニーズがあるかもしれません。鉄板でできたホワイトボードにはない、紙だけの有効機能が提供できるかもしれません。あるいは、大きなポスターや地図のようなものの上に、重ねて、矢印やルートなどを、書き込めるホワイトボードができるかもしれません。ホワイトボード加工された地図は、地域向けの仕事をしている営業部隊には結構ニーズがありあそうです。透過性のホワイトボードペーパはその辺に訴求するかもしれません。また、そこから「ツダる作業を良い体験にする道具」というのアイデアも出ました。ここについては、脱線しすぎるので割愛します。(ご興味あれば聞いてください)
他の発想技法(たとえばブレインライティング法)などでもアイデアを大量に出すことは可能です。しかし、これだけエッジのたった濃度の濃いものを出すのは、正直、かなりすごいと思います。
おそるべし、XBのコミュニティー、というのが、私の正直な感想でした。
みなさん、ありがとうございました!
とても興味深いので是非ご覧になってみてください。
「第一回XB法飲み会(クロスビア)」に参加した。
http://d.hatena.ne.jp/cha-cha-ki/searchdiary?word=%2A%5B%BF%CD%B4%D6%C3%E6%BF%B4%5D
http://d.hatena.ne.jp/cha-cha-ki/searchdiary?word=%2A%5B%BF%CD%B4%D6%C3%E6%BF%B4%5D