今回の被災生活で、いろいろと工夫を考えていたのですがその一つをまた、紹介します。
工夫としては簡単で、ポストイット・ラベルで、外付けHDDの中身を書いておきます。

500GBの外付けHDDです。赤くてスポーツカーの様なデザインが気に入っていましたが、美観を損ねてでも貼りました。
私は書斎に幾つか、外付けHDDをもっていました。今回、大きな地震があってから3時間で自宅まで走って帰り、妻や娘の無事を確認して、書斎にいくと、本棚が壊れて、大変なことになっていました。「データさえあれば明日から、どこにいても仕事ができる」と思って、余震が収まるのを見計らって、本や開発資料のごちゃごちゃ海原となった書斎に飛び込んで、実印とPCなどを掘り出していました。次の大きな地震が来るかも、と思うと、恐怖に駆られながらの5分間でした。
あらかた、3分ぐらいで掘り出せたものの、HDDはどれを持っていくか、迷いました。「ポストイットで、ちょろっと中身をメモしておく」スタイルだったので、床に散乱している状態では、はがれて中身がよく分からなくなっていました。やむなく記憶を頼りに中身を推測して持ち出してきました。複数。
夜まで何度も強い余震がありましたが、避難所よりは自宅で様子見をしよう、という判断になり、その晩は服を着て玄関に一番近い部屋で皆で寝ました。
停電のさなかにノートPCのバッテリーを消費しながら、PCを立ち上げて、HDDの中身を確認していってデータ移動とバックアップ作業をしました。中には、わざわざ開いて確認する必要のなかったHDDもありました。その数分間がこういう状況では惜しいと思いました。(なにせ電池が切れたら終わりなので)
とっさの時に、「この中にはなにが入っているか」を即判断できるよう(そして簡単に外れてしまったりしないよう)にしよう、と強く思ったのでした。それが今回の様な、「ラベルに中身を書いて貼る」ということにつながりました。
なお、強粘着ポストイットなので、運用が変わった時には、きれいにはがせます。一方で簡単なことでは外れたりしません。
丁寧に書いてみて、貴重なデータ(アルバムのスキャンや、本棚の全ての本)が入っていることが、目で見て分かるようになったのはとてもいいように思いました。