昔、捨てる技術が台頭した時に、浅いかじり方をした私は、「後でも手に入るものはため込むな。空間の有効活用を思えば、コスト高だ」という趣旨のことを学び、そうだなーと思ったのでした。でも私はものを捨てられない性格で「後で何かに使えるかも箱」は常にあふれかえっていますが。
一方、この度の被災生活では、どんなにお金を積んでも、昨日までどこでだって手に入れられたものが、まったく手に入らない。電池でも、ラジオでも、紙コップでも、帽子でも。これは体験して「しまった!ある日突然ものは手に入らくなるんだ」と思いました。サバイバルに必要のない物(例えば、PC周辺機器とか、ジャズのCDとか、インクカートリッジとか)は、その状況下でなくても”しまった”とは思わないですが、乾電池とかは、非常に”のどから手が出るほど欲しい”と思っていました。
じゃあ、やっぱり、ものをなんでもたっぷりもつほうがいいのか、というと違います。防災の指南書に次のことがかいてあります。大地震で棚の上から降ってくるものが人を傷つける、命と引き換えにとっておきたい荷物かをかんがえよ、と。その意味では捨てる技術はやっぱり必要です。
ここで、私なりに、モノを2つの軸で4象限に分けるべきだと、思い至りました。

「手放すと二度と手に入らないもの ― 手放しても同等品を手に入れられるもの」というX軸と、
「非常事態にないと圧倒的に困るもの ― 非常事態にはあまり必要ないもの」というY軸です。
【左上】ここのアイテムは、常に一定数を持っていて、循環させながら常に新しいものを備蓄しておくべきでしょう。(買占め的な買い方は、うまくありません。消費期限がいっぺんに来るのはリスク分散的にまずい)
【右下】ここは、アルバムやPCのHDDの中身です。無くすと二度と手に入らないものなので平時に無くしてしまうわけにはいかず。ただ、大地震で落下してくるようなところにはおかず、屋根裏部屋やクローゼットの奥などにおいておいてもいいでしょう。PCのバックアップHDDは悩ましい所ですが。ただ、棚に入れておくと、倒れた時に、一気におじゃんになる可能性があるので、できれば、低くて安定なところにしまいたいものです。
【右上】この部分は意外と、書き出してみると無くて、しいて言うなら、信頼と体力かなと。物質ではありませんが。ただ、携帯電話は、平時も緊急時も大事です。
【左下】普段の生活の中で捨てられなかったほとんど使っていない物が、大地震では落下したり通路をふさいだりして、最も大事なもの(自分と家族の命)を奪うことがあります。まめに放出して、誰かに使ってもらうようにしたいものです。ブックオフにあるものは、これのカテゴリーのアイテムと、とても似ています。ブックオフを訪ねて、そこにあるもので自分がしまいこんでいるものがないか、考えるのも一つの手かも。
最近、ようやくモノが手に入るようになってきて、そんな風に思うようになりました。しばらくすると、電池が大事、ボンベが大事、という記憶は薄れるでしょう。自戒をこめて書いておきました。今後、地震の活動期になる可能性もありそうです。日ごろから、要らないものは出し、必要なものは備蓄と入れ替えを行っていきたいなとおもいます。