バックデートで書いています。2011年3月10日。仙台で、ビジネスとボードゲームの検討会をしました。
この会は、ちょっと面白いメンバーで、毎回、TRUNKのオープンスペースで有志で行っていました。

これは、ものすごくよくできた、ドイツのカードゲーム「ドミニオン」。
使う道具はカードだけ。お金も所有物も、切り札も、能力も、全部カード。それを扱う方法も実に単純。
でも、その単純さが、ゲームを後半、ぐぐっと面白くしてくれます。モノポリーはゲームのルールが同じなのに前半と後半で全く違うゲーム性があらわれますが、それにも似ています。時間とお金と持っているスキル(カードの効果とか)で、明確な勝利条件到達への戦略性も問われます。偶然性もある程度ゆらぎますが、それとは違った大きなスケールで見ると、これは実に面白い知的な遊びでした。
ここには、社会を生きるものの構図、ビジネスの構図、など様々なものがあり、それらは、カードの中の配点や手札の枚数などの「数字のバランス」で実にうまく設計されている点にいたく感心しました。本当に感心しました。これらの数字のチューニングを誤ればゲーム性はへりルーチンのようなつまらないものになるか、ほとんどばくち要素になるかしてしまうところで、絶妙な線で味付けがなされています。
また、日本人同士のコミュニケーションの円滑さを補うのは、過去には麻雀に見られましたが、こういう戦略ゲームで、ああだこうだと、気付きを言いながらやったり、時にはわるぶっせ戦略的なことをいってみたり、そういう場を暖かいものにする要素も、特筆したいものでした。ドイツのボードゲームが、企業教育の分野の人がプライベートでよく興味を持って言及されているのも、むりないな、と思うのでした。
この集まりの面白い所は、毎回、「あー、楽しかったね」ではなく、デザイナ、印刷会社の5代目、大学院生、私、など、多様なメンバーなのですが、いろいろ、面白いビジネスツールも紹介しあって、そこから派生する新製品アイデアも、即興でブレストするようなところです。

この写真のシーンで話されていたアイデアは、その後、いろいろ企画の展開と、縁があって、製品化となることが決定しました。来月には全国出荷を迎えるような、所まできました。
この写真の日は、3月10日。この夜、深夜に帰宅し、そのまま朝方まで、東京の企業向けの講演を作り、昼には、例の311の大地震が来て、すっかり、生活は一変しました。
しかし、皆、生きてその状況を乗り越えて、それぞれの立場で街の復興を展開して、それと同時に、こうした企画ものを製品化に至らせる活動もしてきました。
仙台にはクリエイティブな人、クリエイター、エンジニア、知的産業に従事する人が、かなりいます。学都仙台ともいわれ、人口の8%が学生である街で、知られていないだけで、クリエイティブクラスの領域の人が結構います。そういう人々が、クリエイティブな発展のエンジンをそれぞれでまた、始動しています。私たちのチームからも、そうしたところを、見せて行ければと思います。
(7月1日に、仙台から、新製品を、リリースします)