昔、講演で呼んでいただいたご縁で、お付き合いのあるVE協会さんを訪問してきました。

正式には、日本バリュー・エンジニアリング協会さん。
http://www.sjve.org/ve/summary/
あと4年で、設立50年に手が届く、非常に歴史のある技術系の協会さんです。日本には、開発工学の範疇の協会がいくつかありますが、VE協会さんは、資格試験制度やその講習制度もしっかりしていて、収益的にも健全でサスティナブルな組織です。

研修が行われる時は、この、駒澤大学前のVE協会さんのビルの大会議室で行うそうです。広くて使いやすそうな会議室でした。
創造的な研修も、思想としてお持ちの協会なので、いろいろと意見交換を時おりさせていただいていました。
下のホワイトボードは、私が、打ち合わせしながら書いたもの。

「事例、を非常に好む」という特徴があるそうで、その「事例」というものにもう少し光を当てたいと思い、マンダラート形式で8つほど書きだしてみました。「事例、から、連想できること」私も意見を出したので正解のリスト、ではないのですが、拡げるだけ広げてしまって、特に重要な所にマークをする、というスタイルをとりました。
「事例」
〜「具体的にイメージできる」
〜「成功体験」
〜「サンプル」「見本」
事例、という言葉に隣接する概念としては、こんなものがあるようです。
開発工学の中では、企業が期待する手法がいくつかあります。VE,TRIZ,タグチメソッド。(私は専門としては、この中ではTRIZですが、開発工学の中に限らず、創造技法全般を扱います。)VEの世界で考えているものの見方は、非常に思考プロセスが明確で、ツール的です。個人的にはとても興味深い所です。
事務局のOさんと、多分、4時間半ぐらい、意見交換や、企画の打ち合わせをさせてもらいました。真剣な方には、いつも引き出されてしまって、ついつい長居。
VE協会さんの活動が、この国の企業活動をより一層よいものにしてくれるよう、いつも応援しています。
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ここからは、すこし、長い、細かい話。
VEの中には、代替え案生成、というフェーズがあり、そこでは、Brainstormが推奨されています。ただただ、ブレストをしても出ないものは出ない、ということやはりあります。TRIZをアイデア出しに使おうということで、VEからTRIZを学びに来るケースは結構あります。
私は創造工学という範疇のことを専門にしているのですが、文系的、企画的な領域では、CPS系の技法(これにはブレストや他のブレスト的技法を含む)と、理系的、技術的な領域ではTRIZの手法を含んでいて、その両方を使い分けています。
VEの代替え案生成のところは、テーマが何であるのかで、手法は使い分けたほうがいいだろうと思います。組織問題や企画的なテーマではアイデアがTRIZでは出しにくいし、技術的なテーマなら、単にブレストしても出にくい。その両方の良い所を使い分けたり、混ぜたり。そういうことが要りますよね。そんなあたりの知見も、いずれ提供したいな、と思います。