【!】音が出ます
2011年7月23日、仙台(および、東京、会津、遠野)で、Hack for Japanのイベントがありました。プログラミングをだーっとやってしまう「ハッカソン」が来週有りますが、今週はその前段階の「アイデアを発想する」イベントでした。
(これを、アイデアソン、と言うそうです。IT系の領域以外では、アイデアソン?ソンって村?とよく聞かれますが、簡単に言えば、アイデアワークの一種です)
皆さんから出たアイデアスケッチを掲載します。
2011年07月23日アイデアスケッチ_Hack for Japan (仙台).pdf
(アイデアは合計で75ぐらい出ました。掲載したのは69枚ですが、上位アイデアのあたりの5枚位は、実際に来週創るアイデアになったため、ここには含まれていません。来週お楽しみに!)
備考:
復興に係る人に役立つアプリ・WEBサービスをテーマにして発想したのですがその前段階で、「エクスカージョン」(頭の中から発想を引きだす材料を大量に引き出す発想技法)を行いました。その時に皆さんにかいてもらった動詞リスト(☆付き)を掲載します。
2011年07月23日動詞リスト_Hack for Japan(仙台).pdf
(中には、アプリにもならないし、復興の役に立たないものありますが、それでいいんです。☆のついているものが特にヒントになります。☆の多くついたものを、ざーっと眺めていくとそれだけでも、かなり、発想の刺激になるはずです。)
以下、当日の様子を報告します。
■進行スライド
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被災地向け無料アイデアワークショップ_第1回_002.pdf━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まず、初めに、アイスブレイク的に、2~4人でゲームっぽいアプリを考えるブレストを行いました。
テーマはウォーキングアプリ。そこにゲーム要素を3つ投入して、どんな遊びを持ったアプリになるかを、無責任にどんどん出すというワークです。
次は、各会場(仙台、遠野、会津)から、20分ずつの後援がありました。その際に、被災地や復興のシーンで行っていることを、特に「動詞」を中心にメモをしてください、というお願いをしておきました。詳しい話は省きますが、アプリというのは複雑な行動をサポートするものより、ある一つの行動や体験を寄りよいものにする、というものがヒットしているので、「体験」を「動詞」で考えるアプローチをとろう、という程度の意味づけで。
さて、このイベントは10:30〜18:00まであったのですが、飛び込みでサプライズゲストが。
カヤックの瀬尾さんたちが、Googleの「ピン」うちわをプレゼンしにきてくださいました。仙台駅のデジタルサイネージの紹介もあり。
もらったピンを一斉に頭に立て始めていました。女性の話より、ピンに夢中なあたりが、微笑ましいような、男だらけの会場になるのもわかる気がするような(笑)。
午後に入り、被災直後の生活を振り返り、起きてから寝るまでをずーっと思い起こしそれを、動詞で書きだす、というワークをしました。関係なさそうのが出ても全然OK。終わったらそれをテーブルの中で回します。面白い、広がる可能性がある、と感じるものに☆を付けつつ。戻ってくると、意外な動詞が、☆が集中していることがわかります。さて、それがアプリになるなら、どんなものだろう、と考え始めます。
そこで、今度は、5分交代のペアブレストです。スピードストーミングというブレストの発展形の1つです。冒頭のビデオはそのシーンを映しています。自分が☆をたくさんもらった動詞はこれなんですが、どんなアプリになりそうですかね、と、雑談に近い気楽さでわいわいしゃべっているうちにいくつも、アイデアが出始めました。確か、4ラウンドぐらいやりました。
その後は、アイデアスケッチを書きます。ごくごく簡単なアイデアの表現です。一人3枚位かこう、ということで、10分ぐらいで書きだしました。(23名で75枚だから平均一人3枚以上だったようです)このアイデアスケッチは、3枚以上書くことをお勧めしています。最初のうちはうまく書けないので、とにかく3枚ぐらい書こうとする。すると三枚目あたりはいいものが出てきたりします。
次は、それをテーブルに並べて、全員がペンを持ってテーブルをねりあるきます。「面白い」「広がる可能性がある」と感じるアイデアスケッチに☆をつけていきます。
このワークの部分は、デザイン品評会のような感じです。へー、これおもしろそうだな、とかぶつぶつ言いながらつけて回ります。人が話したアイデアをスケッチにしてもいい、というルールにしていますので、似たアイデアが書かれますが、発案者よりもそれを聞いて解釈した人の表現の方が☆が多いこともあり、アイデアと表現というものの不思議さを思います。
この後は、☆の多いトップ10をレビューして、それらのうち好きなものに、皆が集まり、チームを形成します。中には、元から作りたいアイデアがあった方がおられてそれも一つの題材にしました。また、☆が少なくても、これをぜひやりたい、という人がいればそれも提案できるようにしました。
なお、チームの成立条件を付けました。来週のハッカソン(プログラミングのイベント)に参加できる人が一人でもいる事、と、人数が2~6人の範囲内であること。この2つを満たすように、参加者内で、あの人をこっちに引っ張ってくるなどの工夫をしてもらいました。
結果として、7つのチームができました。
ここは、最大の人数規模で6名だったところ。
さあ、これで、アイデアの詳細を図にして、、、と行きたいところですが、もうひとひねり、つけました。
普段使いできる、遊びの要素を、ブレストしましょう、と。これは、防災アイテムを考案する研究会を昔行っていた時に見いだされたのですが、普段使いされない防災製品は、いざという時に使われにくい、持っていない、ということが多いため、普段使いできるなにかを入れておこう、としたものです。
アプリでいえば、深刻な場面を真剣に使う、だけじゃなく、普段から遊びやちょっとした何かに楽しく使えて、非常時にもそのUIに慣れていることが、大事だろう、と。
そういう方向性で、30分ほど、アイデアを伸ばすブレストを行いました。先のゲーム要素をまた3つ、振りだして。
ブレストしているところ。
さて、最後の1時間は、いよいよ、アイデアの詳細を詰める話し合いです。
方法はお任せに近い形でしたが、アイデアワークの本質的プロセスである「広げて→絞る→本質を得る」の流れに沿った付箋の増やし方、減らし方を紹介しました。
かなり具体的に、練られているところ。
開場の全景としてはこんな感じです。
アイデアを出すことはとても、頭を使います。物事を判断する、選択肢から何かを選ぶ、という行為よりも、選択肢を作り出す、ことは、とても。
楽しいアイデアワークになるようにしていて、楽しんでもらえるように設計していますが、参加者さんの方の頭は非常に疲れた状態になります。皆さんがお菓子を食べながら、夕方まで全力でアイデアワークをして下さった皆様、ありがとうございました。
なお、このワークショップは、企業、個人、団体などからの、アイデアプラントの被災地向け無料ワークショップ(
http://ishiirikie.jpn.org/article/44625537.html )へのご支援をいただいて成り立っています。スポンサードしてくださった皆様、ありがとうございました。
追記
参加者の方のブログ、貴社さんの取材などが、アップされています。
参加者 でぃわおさんのブログ
http://diwao.posterous.com/103
参加者 deptyさんのブログ
http://depty.org/archives/74
日経BP ITPro (記事)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110725/362830/?ST=erm
追記2:
当日のワークが、動画で公開されました。
(1DAYを編集 → 1時間36分 )
追記(2011年8月29日)
Hach for Japanのチームのブログにも、この時の様子が掲載されました。
http://blog.hack4.jp/2011/08/hack-for-japan-723730.html