http://ishiirikie.jpn.org/article/49421161.html
イベント1:
「ショーケース」
これは、初の試みで、Androidに取り組み始めたばかりのエンジニアが、習作を簡単にプレゼンして、観客から生のフィードバックを受ける、というものです。時間は、40分/登壇希望人数、という決め方で、今回は8人が登壇したので、5分サイクルとなりました。意図としては、人に見せるぞ、というマイルストーンを作ることで、締め切り効果を利用した制作意欲の刺激や、アプリ公開まではいかないとしても作ったものを人々に見てもらい感触がもらえることの面白さを、提供しようとしました。皆さん、予想以上にしっかりした準備をされてきていました。習作の範疇でも「へー、幾つかの機能で、アンドロイドって、こんなことまで、できるんだ」というのに気が付かされたり、作り手が思いを込めて紹介する姿というのはとても楽しいものでした。この街では、常に教育コースに入っているエンジニアの方がいるので、そういう方にとって、使ってもらえるようなイベントとして、今後も時々開催したいと思いました。
イベント2:
「Android学習カードテストプレイ」
この、道具開発のストーリーについては、詳しく別途、書きたいと思いますが、教育コースにいるエンジニアの方、それも最初の数時間の段階で、できるだけAndroidの機能パーツに親しみ、手を動かしながら複数人で学ぶ、ということを助ける道具として、Fandroidに集う人々と、IDEAPLANTで開発しているものです。75枚のカードからなります。これをテーブルにならべます。2枚以上のカードを組み合わせてアプリアイデアとできれば、役が完成し、手元にとれます。組み合わせ枚数の多い方には制限がありません。順番がぐるぐる回り、最終的にもっている札の多い人が勝ちです。カードが減ると残っているカードを組み合わせてアプリのアイデアにするのが難しいのですがそこを何とか乗り越えて発想していくことで、イマジネーションのトレーニングになりつつ、意外なプチ・アプリを発想することがあります。文字ぴったんのような感じになるので「キノピッタン(機能・ぴったん)」となづけました。
もう一つは「分析かるた」です。一つ、アプリを題材にあげます。皆でそれを使ってみます。テーブルに全部のカードを並べて、自分の番が来たら、アプリに使われいる機能要素を、とっていきます。30秒の時間で、取れるだけ取ります。一周したら次のラウンドは、使われていないものを、ひっくり返します。この2ラウンドを繰り返していって、最終的に表になっている札が無くなったら終わります。手持ちの札が最も多い人の勝ち、というゲームルールは一応あるのですが、これもゲームを通じた学習がメインで、ここからが、本領です。手元にひいたカードを出し合って、プログラムの機能の流れをカードの列で再現します。何度も必要なカードは足りませんが、それは無視して、カードの列を作っていくことで、手を動かしてフローチャートの原案のようなものを作っていく感じです。やってみると、凄いアプリでも、実はそれほど複雑なことはしていなくて、みんなでわいわい言いながら、作り方を検討できたりします。後は、使わなかったカードを、加えてみるとこれはこういう開発案もあるね、という雑談にもつながります。
実際にやってみた感想としては、これはある段階の学習者を助ける道具となりそうだ、という手ごたえを感じました。良い道具になりそうなので早く形にして、世の中に提供していきたいです。
イベント3:
「ブレストCafe(笛モールスの発展アイデア)」
ここでは、二日後(10月29日)に、授賞式で発表することになる、仙台発のアイデア「笛モールス」を題材にして、その発展アイデアを、ブレストしました。7分間3人でブレストして、時間が来たら、なるべく組んでいない人と組んでまたブレスト。7分を3セット行います。ブレストの題材は何でも良くて、参加した人同士が、クリエイティビティーを刺激しあうような、創造的な会話をすることがメインですアイデアはいわば副産物。とはいえ、せっかくなのでそれも、授賞式で使わせてください、ということで、笛モールスを題材にしました。久々のブレストCafeでしたが、とても楽しくわいわいと、アイデアが出ました。最後には各人がアイデアスケッチにして、魅力度の高いモノに☆を付けて回し、上位3案については、発案者に簡単に紹介してもらいました。
なお、このアイデアのうち、いくつかのものは、原案として、発表したアイデアの中に仕様詳細として授賞式で紹介させてもらいました。
イベント4:
「UIカフェ」
このパートも今回初の試みです。手を動かして、はさみと糊で、スマフォのUIデザインを学ぼう、という趣向のものです。このパートは進行をIさんにバトンタッチしました。二枚のA3のシートとはさみを配ります。そこには、スマフォの画面デザインのパーツが印刷されています。自分の作りたいアプリの画面をそれらを切り貼りしながら作っていきます。何も題材がないと作りにくいので、先のブレストの題材となった「笛モールス」を題材にしました。アイデアの段階しかなくて、誰も画面をデザインしたことが無かったので。初めに簡単な説明をしたら後は、各テーブルに3人ぐらいで別れて座って、わいわい言いながら工作の時間です。これが予想以上に楽しくて、アナログのこういう作業の可能性をすごく感じたのでした。シールや専用スタンプをつくってもいいなぁとさえ、思っていました。極めて短い時間で作ることにしましたが、ラピッドプロトタイピングのアウトプットを志向したので、その意図通りになりました。時間になって、アイデアを形にしたものが、出来上がっている方のものを、3案ほど教えてもらいました。アイデアの段階では決してわからなかった具体的な発想や、画面上に出せる情報やボタンの量・大きさが実感としてわかって、なるほどこれはデザインを含めて言うと、ありだな、とか、これは実行しようとするとかなり難しいな、というのがわかりました。シンプルですごく直観的な画面をデザインされた方がいらして、それも原案として、授賞式のプレゼンでは紹介させてもらいました。なお、感じを出すためにつくったスマフォの筐体をハレパネにくっつけておいたものを、実際に手に持って、デザインを見てみると、かなり面白い感じがしました。これはありだな、なしだな、とか、押しにくい!見やすい!というのが直観的にわかります。これ行けそう、という感覚を生でうけることがこんなに良い刺激になるのか―、と驚いていました。
そんな感じに、オープンアワーは、盛況のうちに終わりました。各40分ずつ、といったものの、実際は、平均50分ぐらいずつかかって、3時間の所を4時間かかって終りました。今回やったような、短い時間で次々、いろんなものを学べる、というコンセプトについては、軌道修正を受けるべきものがあるのもわかりました。
全体的には、また実施したら参加したいという声を多くいただきました。今後もいろんな形でオープンアワーを実施していきたいと思います。特にブレストCafeは、IDEAPLANT代表の私が、Fandroidの理事長をしていることとも強く関係する「創造的努力や、アイデアをどんどん出す風土」作りの側面がありますので、またやりたいと思います。今回のように、持ち込まれた題材を皆でブレストして、アイデアスケッチを提供するような構成ですので、なにか拡げてほしい企画があれば、ぜひご連絡下さい。タイミングが合えば、皆でいろいろやってみましょう。







