脳医学の専門家の方の書かれた本にあった言葉を思い出していました。独創的な考えを引き出すにあたっての具体的なヒントがたくさんある本なのですがその中でこうおっしゃっていました。
考えたら、4日間離れよ。
とのこと。
その前に考えは整理し、図なりにしておくべし。
とも。
(出典(林成之氏の本)を見ずにブログにメモしているので、上記の表現は私の中で再現していた言い換えが起こっています。)
外山氏の『思考の整理学』や、古い発想技法の文献にも「一度離れる」「寝かせる」(外山先生はこれを、ねさせる、と表現しました。)という概念がよく見られます。一方で現代のビジネス書では、効率を最重視する現代社会の価値観のせいか、そうした概念を明示的に表現する書物は少ない傾向にあります。
離れる日数にも、具体的な数字があるというのは面白いと思いました。一度忘れる、というもののそれが、どれぐらいかを明示的に表現しているものはほとんどないので、この「4日」という数字は印象に特に残りました。
ちなみに、時間で言うと4日はと、約100時間です。
アイデアの技術という観点からもう少し考えてみました。
100時間というとそんなに遠くない気もしますが、実際は100時間前の自分というのは、4日も前の自分なので、その時の体調、考えていたこと、感情が同じままということはめったにありません。いわば100時間前の自分は別の人。その「別の人」とノートやメモを使えば、対話やブレストが成り立ちますが、それは「価値観の良く似た他者と行うブレスト」に近いものがありますね。「価値観の良く似た他者と行うブレスト」というのは自分の中の未成熟な発想の芽を育み、大きく枝葉を伸ばさせることがよくあります。
100時間前の自分。それを利用する知的生産の方法。
そんな観点でいろんな知的生産テクニックや構造のあるノートやアプリが考えられそうです。
posted by 石井力重 at 10:35
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