目下、新製品開発とそのための調査に東奔西走しています。
ブレインストーミング専用のアイスブレイク・カード、というコンセプトの製品です。
いつもの事ですが、一発でいいものはできません。最終試作品まで行っても実際に製品まで行くのは、1/7ぐらいです。初期の着想を具現化していく中で制約条件を踏まえた上での最適解を作っていきます。なんども、壊しては創る、をします。
もちろん、練り上げていったコンセプトにたいして、軌道修正をするのは、あまり心地よい心理状態ではありません。ですが、それは自己認識しつつも、その感情には冷静な自分もいます。私も含め大半の人は「怠惰、驕り」を持っています。創造工学の領域、特にTRIZの言葉で言えば「心理的惰性」があります。それは創造的思考の展開を阻みます。なので、自分の中に「カエルノハメンドウ」という感情が起こることも無視するのではなく、人間の特性の人として、認知します。
人間は変えたくながるもの。例えそのままではホコロビがあると気が付いていても。
そういうことを野放しにしていたら、傲慢な作り手になります。そこで、そういう「創造への障害となる怠惰」を乗り越える一つのヒントになりそうなものがあります。イマジネーションの促進要因群から、示唆を得るならば、
「共同作業者を作る」。これが、補いとなる可能性があります。
アイデアプラントは、パートナーに恵まれています。開発パートナーのマグネットデザインさんや、公的機関の開発パートナー、大学の研究者もいます。そういった方々とは、お互いにイーブンの関係です。私の提案する製品案について、「それ違うのでは?」を言ってもらえますし、「例えばこういう方向性はどうだろう」ということも言ってもらえます。
私の性格上、もしある程度の大きさの企業の経営者に私がなり、自社の開発部をもっていたなら、こういう対等なコメントをもらえるような関係を社長として作れていないだろうとおもいます。
そうなったら、未成熟なアイデアのまま製品を市場に出すことになります。
でも、それは、顧客への圧倒的な愛が製品のフォルムに宿る、そういう仕事とは程遠いです。
自分の怠惰をつぶして、先へ進むには、「それ、見直そう」と言ってくれる共同作業者、あるいは、パートナーを作る。それが大事。私の場合はきっと、老いても自分の心理的惰性を減らせない、むしろ、としふるほどに、心理的惰性は大きくなってしまうでしょうから、これからも、磨いてくれるパートナーを作り、ともに進んでもらえる関係を構築していきたいと思います。
(未来の自分へのメッセージ)
何度も作っては壊そう。壊してはすぐまた作ろう。
怠惰な気持ちが追いすがってくるよりも早く、先へ先へ、進みたい。
何度も壊すには、よいパートナーが要る。
本当に一生をかけて作るべきものは、物体ではないのかもしれない。