2013年08月27日

2テーマ同時進行のアイデアワークショップ

先日、ある機会をもらって、一つの会場内で2つのテーマを同時に走らせるアイデアワークショップ、しかも、フェーズの変わり目で、違うテーマに乗り変えることを許容するスタイルのものを、実施してみました。

進行上、ワンテーマの場合に比べて、幾分のタイムロスが出るものの、実施が可能でした。タイムロスは標準の所要時間(三時間)に対し、約10%でした。

また、フェーズの切り替わるタイミングでテーマを乗り換えて良いとしたことで、多くの人がテーマの乗り換えを選択して、いつも以上に活況を呈したワークになりました。(過去に同じ組織内で、同規模の人数で、テーマAで実施したケースと、テーマBで実施したケースがあります。毎回、メンバーは新規参加者のみで構成しています。)

具体的なプロセスは以下の通りです。



2テーマ同時進行のアイデアワークショップ



1)テーマ紹介

2)テーマ選択

  • 2テーマから選択してもらった結果、テーマAに対し20名、テーマBに対し10名、となった。
  • ただし、テーマBの人数には、事務局メンバーが二名を含む。
  • スピードストーミングの実施に必要な人数にするため。
  • (彼らには、フェーズ6まで参加協力いただき、フェーズ7”チーム形成”の直前にOutしてもらった。)

3)五分交代のペアブレスト(スピードストーミング)

  • テーマAの二重円、少し離れたところに、テーマBの二重円を形成し、それぞれのテーマにて、次々相手を変えながらアイデア出し。

4)アイデアを書く(アイデアスケッチ)

5)良案抽出(ハイライト法)

  • テーブルにスケッチをおいて、各自がすべてのスケッチを見て回り、魅力的な案に星をつける。
  • テーマAと、テーマBの両方のアイデアスケッチを全員が見て回る方式とした。テーマの切り替えの認知負担を下げるために、テーマAのエリアと、テーマBのエリア、を物理的に分け、「このエリアのスケッチはテーマAだ」ということが容易に認識出来るようにした。
  • (これは、通常に比べ、必要な机の数が50%ほど必要であった。ワークの始まる前は、28人が14台の机に座っていたが、新たに7台の机を会場後方に追加設置し、テーマBのスケッチ置き場とした。)
  • ここは、スケッチを置くための時間として数分のロスタイムがあった。また、会場内の移動面積が増えたことで、数分長く、通常よりも☆つけ作業に時間がかかっていた。

6)アイデアレビュー(上位N案の紹介)

  • ここは、通常であれば、参加者総数/4 個ぐらいのスケッチを紹介する。今回の人数では、通常なら7個、あるいは、すこし幅を見ても10個程度までである。
  • しかし、今回はこのあとのアイデア発展ワークではテーマを超えてアイデアを選べる、としたため、極端な偏りをもった選択に耐えうるように、テーマAの上位7案と、テーマBの上位7案を紹介する必要があった。
  • もちろん、案分して、テーマAを4,5案、テーマBを3,4案とすることも、選択肢の一つとしてはありえた。が、そう実施した場合、人数比の維持に配慮して、そのあとの発展ブレストに向かってチームビルディングする場合に、テーマの乗り換えをしにくいムードが生まれるだろう。
  • また、テーマによって分けず、純粋に星の多い順に上位7案を取り上げて済ます方法も選択肢の一つとしてあった。この場合は、テーマの乗り換えに対する抵抗がなかっただろう。しかし、テーマの違いから、出されるアイデアの☆の獲得具合に有利不利があり、不利側のテーマは、良いアイデアがたくさんあったのに、上位案レビューには、ほとんどのらないことになる。
  • そうした考慮から、上記の様にした。これは、アイデアレビューにかかる時間を純粋に二倍にした。10分弱ぐらい、通常よりも長くかかった。
  • (人数が100名などの場合は、通常でもアイデアスケッチのレビューが25案となり時間がかかるが、ダブルテーマだとレビューを50個必要とし、これは、破綻してしまう。人は一度に40ー50までしか、新しいコンセプトを別物として認識できないゆえ、認知飽和が起こる。この場合は苦肉の策として、上で考慮したやり方に、若干のバッファを持たせて、選択の自由度に余裕を持たせつつ、実施するのが良さそうである。)

7)チーム形成

  • 好きなアイデアに集まり、4名前後で構成するチームを作る。この時、テーマを超えてアイデアを選択してもOKとした。
  • 具体的には、まず、レビューしたアイデアは壁に貼った。アイデアスケッチの書き手がそのチームにはいることは必須ではない、とした。
  • 次に、レビューに届かなかったスケッチは、壁に貼られた上位案に託す形で、類似する案、加えてみたい案など、好きなところに貼ってもらった。(貼る先がないもの、あるいは、持ち帰りたいアイデアは、貼らないで良い、とした。)
  • 結果的には、アイデア出しの際にテーマAだった人、Bだった人は、その縛りを受けず、かなり均一にミックスされたチームを形成した。
  • テーマ数が多いため、最小人数3に達していないところを解消し、チームの人数を調整した。
  • このフェーズは、アイデアスケッチ数がチーム数の二倍あったが、さほど混乱もタイムロスもなく進んだ。アイデアスケッチを張り出す際に、行きたいところの目星がつくから、に、思えた。

8)発展ブレスト&ミニプレゼン用のまとめ

9)ミニプレゼン

  • 途中でアイデアスケッチを両テーマに対し評価して、レビューも両テーマに対して行ったので、ミニプレゼンを聞く上で、最後の発展ブレストにおいてどちらのテーマを選んだチームも、特にしゃべりにくさはなかった模様。

10)ポストイット・フィードバック ⇒ 割愛

  • このフェーズは、タイムロス(18分)を吸収するために、まるごと割愛。

以上、トータル三時間ジャストにて実施。


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〜ファシリテーターの感想〜

今回の実施例は、同じ組織内での三回目の実施で、参加者の対処速度の感触の把握、事務局の方のワーク全容の把握、などが、進んでいたために、三回中、人数最多回の今回、参加者の動機を大切にしたいという判断から、2テーマ同時並行進行スタイルに踏み切りました。(過去二回までは、2テーマの中から、希望者の多い方をその場で選択していました。)

進行上、ロスタイムが10%に抑えられたのは、事務局メンバーの臨機応変なサポートがあったからで、ロスタイムがあったと言っても、最小限のロスタイムが今回の姿だと思われました。

(ロスタイム、という表現は適切ではないかもしれません。複テーマに伴う必要な処理時間増、というべきものです。ただ、文中に何度もそれが出てきてもわかりにくいので、このように表現しました。)

参加者が途中で、他方のテーマから出てくるアイデアに興味を示し、発展ブレストやプレゼンでは、そちら側に入って活躍するのを見て、無理なく複テーマ同時進行は可能だという感触を得ました。

(ただし、人数60名で5テーマぐらいが同時に走り、途中乗り換えあり、とした場合は、上記のロスタイムは飛躍的に最小量を伸ばしてしまい、また、プレゼン時の聞き手の切り替えも追いつきにくくなるでしょう。)

スピードストーミングが成立するには、テーマ当たり10名はいるので、そのことから考えると、20ー60名で、2テーマが同時に走る、ぐらいが、可能な線かもしれません。3テーマまでいくと、ちょっとギリギリかな、といった感触でした。

この方式は、従来のワンテーマ型よりも、アイデアに多様な発想が入り、幅が広がるように感じました。(その分、とことん、深く掘って行く行動はやや阻害されるかもしれません、見えない影響として。)

また、機会があれば、トライしてみたいと思います。



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