昨日、予定通り、フィンランドより帰国しました。すでにどこも仕事納めが終わっている29日ですが、アイデアプラントは年末年始も通常通り仕事をしていきます。(主に、進行中の案件のワークショップ設計と、新製品の企画、新しい本への原稿執筆など)
北緯67へ
さて、今回のフィンランド滞在は、
北極圏にあるKittila(キッティラ)という街でした。
(正確な表記は、最後のaには、上に点々(点二個)がつく、ドイツ語でいう、ウムラウト付、になります。発音的には、ドイツ語のウムラウトがe音を混じらせるのに対して、フィンランドのこの点々がついてもあまり、発音に変化がないように、聞こえました。)
キッティラは、有名なロヴァニエミ(サンタの本拠地)よりも北で北緯67度です。
私の住む仙台は北緯38度。札幌ですら43度です。67度と言うのは相当な北のほうで、同じ北緯としては、ロシアの北部やアメリカのアラスカがあります。
北極圏といえば、冬は太陽が昇らず、夏は日が落ちないことで有名です。実際に生活をしてみると、午前10時ぐらいまでは夜の様相を呈していて、11時になると夜明け前の明るさになり午後2時ぐらいまでその状態が続き、午後3時には夜の暗さに戻りました。
寒さに関しては、世界中の北極圏を有する国の中でも、北欧は、比較的暖かいとされています。北欧諸国の左にあるノルウェジアン・シーからの温かい風の影響だと何かの書物で読みました。ただ、その分、海洋性の暖かい空気は湿っていて降雨・降雪をもたらし、天候としては曇が常在しがち。
このKittilaに関しては、5泊の滞在の間、気温がプラス1度になって森の木々の雪が解け落ちるという日もあり、低くてもマイナス7度ぐらいという様子で、平均としてはマイナス2,3度といったところでした。(12月22日〜27日の時点で、です。)
今年は天候がおかしい、とOuluに住む知人が教えてくれたので、もしかしたら、この気象は通常ではない(あるいは、2月頃とはレベルが違う)のかもしれません。
暖かさで言えば、仙台での真冬とあまり変わらない体感温度でした。唯一晴れた夜があるのですが晴れるというのは、風があって雲が流れてくれるということでもあり、このときはマイナス3度でしたが、体感温度はそれよりも、5度ぐらい低く感じました。
滞在中、上空の磁場の様子をWEBでずっとチェックしましたが、おしなべて低く、オーロラは見られないだろうとおもっていました。
しかし、クリスマスの夜の5時に、異常なほどの磁場が(WEBサイト上のグラフでは)突如発生し、2時間ほど続きました。このときばかりは、雲と街の光を避け、少しでもオーロラに近づきたいと思い、雪山に上ってみるということもしました。
雲の厚さは相当なもので見られませんでしたが日本ではこの日のオーロラ出現が
ニュースになっていたそうです。なかなか見られないオーロラ。自然現象と言うのは、『行けば見られるテーマパークのアトラクション』じゃないだなぁと、妙な悟りをもったものです。
滞在中は天気もずっとiPod Touchのアプリでチェックしていました。ほとんど曇り。ただ、最終日の深夜に晴れ間が2時間だけ出たので、そのときは外に出て、空を眺めました。オーロラはまったく望めないほどの弱い磁場状況だったので、出現しませんでしたが、夜の森と早く流れる雲と澄んだ夜空に瞬く星の、この2時間は忘れがたい体験となりました。
オーロラは寒い夜に出る、と現地人が教えてくれました。この晴れている間、風が強く雲が流れていて、西側から沸き立つ雲に切れ目が広がるような感じでした。たぶん、風が雲をどかすことが、寒い夜に、ということの原因かもしれません。(それ以外にもあるかもしれません。)
北極圏で重宝したアイテム
この滞在中に、もって来ていて良かったなぁ!と思ったもの、もって来ればよかったのに!と思ったものをまとめてみます。
1.貼るカイロ
数で言うと、一日に、6~8個ぐらいを消費していきました。
寝るときに、両肩に貼って寝るとポカポカしてぐっすり眠れました。お風呂で肩までお湯に使って眠くなるあの感じです。日中も、外出のときに、腰と肩に貼っておくと、寒い中、長時間動いても寒くてたまらない、と言うことはありませんでした。
なお、靴の中敷タイプのカイロと、つま先に張るタイプのカイロももって行きましたが、雪道用の靴は結構暖かいので、普通の靴下にモコモコの靴下を重ねて履はけば十分で、ほとんど使いませんでした。(5時間とか、氷の上に立っているような状況であればまた別な感想だったかもしれません。)
靴の中に入れる(中敷、つま先)タイプは使わなかったので、夜寝るときに、貼るカイロの換わりに肩に貼ったりしました。しかし、時間が短い。5時間の暖かさ、と表記されていても、実際は2時間を過ぎたあたりからあまり暖かくなくなってしまって、硬くなっていました。これは靴の中で酸素が少ない中で燃焼をゆっくり続けるから5時間、ということなのかもしれません。私がした応用用途では大量の酸素に触れて早く燃焼できる状態でしたから。
一方で、貼るカイロ、という標準的なカイロは、10時間ずっとぬくぬくのままでした。日本にいるときと変わらない薄着で近所のマーケットに歩いていったりしましたが、着込むより、動きやすいぐらいの軽装で、腰と肩だけ温めて、さっさ、さっさと、歩くほうが、どうも体の新陳代謝が進むのか、気持ちよく散歩できました。日本にいてもこれはお勧めです。
(もしかしたら、未来の服というのは、ポイントに熱源をいれて、後は空気の循環で暖かくなるようなそんな薄い服なのかもしれない、とふとこれを書きながら思いました。)
ちなみに、チャックパックの小さいのを2,3個持っていると便利です。室内に入って暑いくらい、というときには、カイロをその中に入れ空気をぬいてチャック部分をしめます。10分もしないうちに冷えます。出せばまた、発熱します。カイロは、酸素と触れ、さびていくときに発する熱を利用したものなので、酸欠にすれば、反応は止まり、機能を一時的に停止してやることが出来ます。
2.ドリップパックのコーヒー
一日に、3~5個ぐらい消費していきました。
前回のヘルシンキ滞在の時に、どんなに探しても「ドリップパックのコーヒー」というものは見つけられませんでした。
スーパーの売り場にいくと、インスタントコーヒーか、自分の家で度立派ーを使ってドリップしていれるための”挽かれたコーヒー豆”が売っているだけです。日本で良く見る「ドリップ用の使い捨ての紙容器に、一杯分の挽いた豆が入っている」もの(ドリップ・パック)は無いようです。
今回は、部屋で執筆をしながらすごすつもりでしたので、いちいちカフェに買いに行く面倒さを避けて、18個ぐらいもっていきました。一日に3杯の計算です。実際は現地の食事が洋風なので、日本食を食べているときよりももっとたくさんの飲みたくなり、途中で枯渇しました。
そのほかフラッと立ち寄って、カフェでLatte(カフェラテのこと)や、Kahvi(カハヴィ、コーヒーのこと)を良く飲みました。ミルクをたくさん入れるので、コーヒーが熱々じゃないから、ぐいぐい飲める感じです。
3.日本食
もって行かなかったので、何個消費、とはかけません。
今回、一箇所に滞在して構想練りと執筆をしていたのですが、ごくたまに、米飯と味噌汁が食べたい、と思いました。特に、フィジカル面やメンタル面がちょっと弱ったときには。
ひとつの宿にずっといれば食事は同じものが出ます。私は昔ほどたくさん食べなくなったので、朝食ビュッフェで野菜をたくさんとすこしの肉(トナカイ?)と豆、それとパンを食べ、昼と夜はラテを飲んだりマーケットで買ったサラダパックか珍しい食べ物1品を食べたり、という低コストな生活をしていました。
このほうが、体がすっきりして、外に出て体を動かすのが楽ですし、朝にかなり空腹になるので、食事もおいしく感じました。
(若い頃に、バックパッカー(バックパックを担いで低コストの長旅をする人のこと)だったのですが、その頃、どんな料理であっても、空腹で一日ぶりに食べた食事はおいしかったです。それを思い出して、基本、空腹ぎみに生活していました。日本では普段、慢性的な食べすぎだとも気がつく日々でした。)
そういう工夫をしていても、「あー、米が食べたい!味噌汁のみたい!」と感じるときが2度ほどありました。かといって現地でSUSHIと書いてあるパックには、寿司じゃないものが入っていて、しかも現地の食事より高くて、「これを買ったら負けだ」という妙なプライドが声を上げてきて、やめておきました。
若い頃、味噌汁のインスタントを持っていったほうがいい、と地球の歩き方に書いてあって、もっていったことが幾度かあったのですが、一度も食べたくなることがないまま、最終日にユースホステルのスタッフの兄ちゃんたちにあげてきた、という経験をしていました。なので、私が年齢が40になったからこう感じるようになったのかもしれません。あるいは、冬の旅だからかかもしれません。特にバックパッカーは荷物の減らせる夏に旅をし、冬は装備が重くなるので避けるものです。今まで社会人になってからも、真冬に海外に旅したことが無かったことにも、これを書きながら気づきました。(唯一秋以降の海外渡航の経験は、2008年の12月のシリコンバレー滞在ですが、それは日本で言う秋の気持ちいい感じのシーズンでした。)
ホテルの部屋には、ティファールの電気ポットとかは大抵ありますので、味噌汁のインスタントを数個と、お湯を入れて食べられる米飯(旅行コーナーにあります。大手量販店の旅行用プラグのコーナーの近くにもあります)を1つか2つ、もっていけば、体が満足したのかもしれません。
4.シャンプー・ボディーソープ
これも、もってこなかったのでどれぐらい消費、とはかけません。
ホテルで驚いたのは「Gojo」という多用途ソープです。今回の宿は結構サービスがしっかりしていて、バスタオルは二人分があり、希望すれば毎日交換してくれるほどのところです。ですが、洗うものがボディーソープしかないんじゃ困るなぁと思い、フロントに「シャンプーが無いよ」と聞いたら、「Gojoは、ボディーソープであり、シャンプーでもある」と。
これ一つで全部を洗えるとなれば便利は便利なのですが、シャワーからあがってしばらくすると、刺激が強いのか体がかゆくなりました。シャンプーとしてもつかっていましたが、乾かした後に髪がもさもさになりました。たぶん、フィンランド人の髪質、頭皮の資質だと、あのきれいな感じのさらさらになるんでしょう。
仕方なく、風呂上りにはハンドクリームを全身に塗って、髪につけるものは何も無かったので、ハンドクリームが手に残ったのでそのまま髪を何度か撫でて少し潤いを与えることにしました。(ハンドクリームについては後ろで詳細に言及)
日本のコンビニでは、シャンプーとボディーソープの旅行者セットが数百円で売っています。私のお勧めは7−11で売っているもの。今回はあえてそれらを持参せず、北欧の生活をできるだけ肌身で体感しようと考えていたのですが、この辺のものは、もってくればよかったなぁ、と、最初の頃は毎晩思っていました。
私は整髪料をつけないライフスタイルなので、シャンプーとトリートメントと、自分の髪の相性が結構日中の髪のまとまりにきいてきます。
5.濃厚ハンドクリーム
一日に、使用した量で言うと10センチ分ぐらい消費。大ボトルが6〜7割なくなるぐらい、滞在中に使いました。
寒い屋外でも、顔は衣服でカバーできません。そこで、濃厚ハンドクリームを顔に塗りました。冷たい雪が降り注いでもクリームの皮膜が一枚あることでかなり寒さを緩和できます。屋外で運動すると、結構顔から汗をかいていることもありました。
その他、乾燥してかゆくなりそうな肩や腰や踵(かかと)にぐいぐい塗っておきます。雪を触る機会が多いので、手指にも良く塗ります。
難点は衣類にハンドクリームがつくことですが、これは逆に利点になりました。化繊系の衣類の場合、寒いと乾燥からくる静電気のかゆみがおこるものですが、ハンドクリームがついていくことで、かなり抑えられていたように思います。(徹夜で着続けると服が油っぽくなりますが、それをイメージしてもらうといいでしょう)。
6.スリッパ
1足あればOK
日本のホテルではおなじみの、使い手のスリッパ。フィンランドのホテルでは、使い捨てのスリッパも、使い捨てじゃない本物のスリッパも、ありません。
日本ははだしの文化のだからホテルにスリッパが必ずあるのかもしれません。執筆などで、部屋に長くいるスタイルの滞在している時にはスリッパがあると断然便利です。風呂上りや夜中にベッドから降りて洗面所に靴を履くのは抵抗感が強すぎます。
日本でホテルに泊ると「もってかえってOKです」という使い捨てスリッパがありますのでとまったときに持っておくいいでしょう。スリッパがあるとフライトの間も足が楽に出来ていいです。日本のホテルの使い捨てスリッパは買おうと思ったらどこに売っているのか分かりません。
私は、ひところは、100円ショップとかのちゃちなスリッパを持ち歩いていたこともあります。消耗品として半月ぐらいのペースで買い換えていました。かさばりがきにならない人ならば、それを持っていくのもひとつの手です。
部屋の滞在が長いほど、スリッパの中に足を入れている時間が長いので、良いスリッパをもっていると滞在の質が高まります。
(なお、スリッパではラウンジやカフェに出ることが出来ないので、北極圏滞在といえどホテルの中では普通の靴があったほうがいいでしょう。日本を出るとき、帰国したときに、普通の靴が要りますが、それは、現地のホテルでも活用されます。ちょっとカフェやバルコニーへ出るのに、雪靴をいちいち履くのは結構億劫なものです。)
7.ペンとメモ
一日に、5~10枚消費
言葉が通じない世界に行きます。英語の力があれば、何とかなりますが、そうでもないときには、ペンとメモを使って、絵を描いて見せるか、ネットで調べておいて書き写して見せるかしてもいいでしょう。さっと書いて伝えると言う行為を何度を行うという意味では、筆談の道具セット、というイメージが近いです。Nuboardのポケットサイズとかも便利かもしれません。
寒い中でも使うので、ペンが割りと重要です。厳しい環境ではやわなペンはかすれます。
私は、大量にいつも持っているカードを使いました。たとえば、朝の挨拶は「 Hyvaa Huomenta 」だと教えてもらったら、それを書いておいて、次に人に会うときには、それを見て、口の中で何度も読んでおいて発音する、という形で使っていました。
カードがだんだんたまるのはうれしくもありました。
ちなみに、一日に獲得できるセンテンス(といってもほぼ、3単語文章レベル)は、3つが限界だなぁと思いました。長く住むって大事なんでしょうね。
8.千代紙(和柄の紙)
持っていませんでしたが、一日に3~5枚ぐらいあれば、十分。
挨拶ぐらいの言葉しか現地語が出来なくても、食事の時間は長い間、近くに他の家族がいて、ちょっとした言葉をかわしたり、子供がもじもじしながら、寄って来たりします。(人によるでしょう。言語が通じなくても子供は、子供好きな人を見抜きます。)
そういうときに、テーブルナプキンで、鶴を折って、あげたりしたのですが、あるときに、カバンの中に持っていたお懐紙(おかいし。茶道用の紙)を正方形に切って、鶴を折ってあげたら、和紙の風合いがよくて、とてもウエイトレスさんは喜んでくれました。
その時に「ああ、ここでは僕は外国人であり、彼らは外国人からもらうものがいかにも、それっぽいほうが喜ぶんだ」と理解しました。彼らにとってありふれた自国のテーブルナプキンより、ずっと興味を持ったはずです。
そこで分かったのが、ほんの少しでいいので、懐に、千代紙か、和柄の紙をもっておくこと。そうすると、言語が出来なくても、コミュニケーションが楽しく出来ます。
急なときにはメモに使ったり、ノートが足りなければ日記を書いたりするつもりで、懐に3〜5枚入れておくと便利です。お懐紙を正方形に切っておくのもいいでしょう。お懐紙は多用途な紙ですから。
以上です。
(気がついたら追記します)
そのほかにも、グローブとか、ズボンの下にはくタイツとか、書き上げるといろいろもっていって使ったものはありますが、それは(日本の中で)スキーに行く準備に含まれるものと同じです。しいて違いを言う言うなら、耳の隠れる帽子、ぐらいでしょうか。私はクマフラー(熊の絵柄が入った帽子・耳あて・マフラーの一体化したもの)を使っていました。ちなみにそれはイオンで購入。
それから、もって行かず、現地で調達したほうがいいものもあります。
現地で調達したほうがいいもの
・マグカップ・紅茶パック・インスタント食品、多用途ボウル
です。
マグカップ、多用途ボウルは、現地で部屋に長くいるならば、近くのマーケットで買うといいでしょう。マーケットがなくてもホテルや何かの施設のお土産やさんにも大抵マグはあります。
ホテルのティーカップは小さくて、ずっと使っている用途にしては、やや寂しかったりします。これはフィンランドだけではなく日本でもそうです。
もちろんホテルによっては、大きいマグが部屋にあることもあります。(夏にヘルシンキに滞在した時はOmenaホテルでしたがその時は安宿のわりにマグは立派なものでした)。ある場合は、かわずに済ませてもいいでしょう。
日本に帰ってからも、滞在中の生活がしのばれるのは、新品のお土産用のマグではなく毎日使ったマグだったりしますので、結構お勧めです。特にフィンランドでは、その辺のマーケットでも、アラビアやイッタラのマグが日常品として売られていて、結構うれしくなります。価格は、、、日本のマグが100円〜1000円で売られているのに対し、こちらのマグは基本的に良いものなので17~20ユーロ(ユーロは大体130円〜150円)で、結構な値段の買い物になるという点は、ありますが。。
紅茶ならば、Tパックがホテルの部屋にもあります。飲みきっても補充してくれますが、マーケットへ行くのもいいでしょう。日本で買うよりずっといろんなものがあって楽しいです。
部屋にポットがあって、近くでインスタント食品が売っているなら、いろいろ試してみてみるのもいいでしょう。日本で買うのとは味が違って面白いです。この場合、マグと同じく、多用途に使える小ぶりのボウルも手に入れてもいいでしょう。ボウルが無ければ大き目のマグで代用してもいいでしょう。
ガイドブック&空路と寝床の手配
最後に、「
旅行ガイドブック」について。
日本語ではあまり良いガイドが無い地域はどうするか?そういうときには、世界的に見て旅行ガイドとして有名な
”Lonely Planet”をお勧めします。世界的見てメジャーな旅行ガイドは、他にもいくつか、ありますが、内容がよく、広く売られていて手に入りやすいという点ではこれをがお勧めです。英語で表記されています。日本語版も少しあるようです。
20年前のバックパッカーだった私から見ると、『地球の歩き方』は、当時とは違っています。ある意味、バックパッカーだった若い読者たちが、家庭持ちのちょいセレブ旅をする40代になっています。その読者が求めるものは、るるぶっぽい方向にシフトした感があり、それにうまく適合しているともいえます。
日本の旅行ガイドブックは、他にもいろいろありますが、総じていえるのは、今の若者が、自分なりの冒険をしに行こうとすると、ちょっと力不足な面は否めません。
高価な食事、高級な海外土産の手に入る店の情報、タクシー利用、安定的に人気のある超定番スポットのみの情報。これらは、ほとんどエージェント任せて旅を手配し、短いフリータイムを満喫する旅には便利です。でも僕らの若者時代にしたような、お金を節約して、出来るだけ自分でやって、長く広く世界を周り、自分の目で世界を見てやろうという向きの若者には、旅の構想段階の資料として、非力すぎます。
特に、日本語で書かれた地図は、現地では使いにくいです。ストリートネームは現地語で書かれていて、それを読み読み、カタカナ語に当てはめる、というのはストレスフルですし、現地の方に、今ここってどこにいるの?と聞いても、「ふーむ、、、読めないね!書かれている地図も見たことない書き方だし。どうもこのまちの地図だってのはわかるけれど、細かい道がなさ過ぎる」と返されます。日本の街角で、読めない言語の外国人がいて、その方が持っている地図が、見慣れない表記の色合いで、細い路地もろくにない地図で、とおりの名称も読めない文字で書かれている、、、のを想像するとこの状況は理解に難くないでしょう。せめて、アルファベットで表記されていないと。
また、足と宿についても、問題があります。
低コストキャリアと安くていい宿を自分で抑えて、ぐいぐい旅をしていこうという人には日本の旅行ガイドブックは向いていません。高くてエスタブリッシュなエアラインを使って、サービスの整った高級〜中級の上ぐらいのホテルを紹介しています。
旅行代理店系の出版ガイドブックが紹介するのは、その旅行代理店で手配が可能な、良いホテルが大半です。ビジュアル系のガイドの場合、飛行機の手配については、ほとんどノータッチ。
現在のIT環境では、自分で航空便を選べば、かなり安い便が使えることも分かります。ヨーロッパ滞在中に思い立って隣国日帰りも電車感覚+αぐらいで可能ですが、そういう旅の仕方を日本のガイドを見ていてもできません。
ローコストキャリア含め、飛行機便を調べるのにお勧めのアプリは、
Skyscanner。
これに最寄の空港と行きたい空港を入れて検索すると、行きと帰りの便の日程ごとの最安値が出ます。ヨーロッパの都市間だと「え?こんなもんで往復できるの?あ、明日行ってあさって帰りも出来るじゃん」ということもわかったりします。
ホテルは、ややハードルがあがりますが、
エクスペディア、や、
Booking.com が便利です。
私の今回の宿は、じゃらんENAという、じゃらんの海外版を使いましたが、予約のステップで細かい表記を良く見てみると、エクスペディアがPowered by していました。なんなら、それをつかっても良かったんだと分かります。
ただ、時々、”エクスペディアで自分でホテルを取って現地に行ったが、フロントで予約がないといわれて泊まれず困窮した”、とか、”その上宿泊フィーはとられた”、という記事も拝見します。なので、じゃらんENAのような代理店経由でおさえてもらうのも、一つの安全策かもしれません。日本語で予約が完了でき、スリップ(予約表)が送信されてきて、確実に予約が通っていることが分かりますし、値段も直接エクスペディアなどのサイトでとるのとそんなに変わらない印象です。
このたびのフライトで、旅なれた日本人に飛行機で会った時は、”自分でとってるよー(エクスペディアで)”、といっていました。
旅に出てヨーロッパ各国を回るたびをされているそうで、行った先々でホテルを決めているそうです。日本国内でならば私も似たようなことをしているのですが、海外でもそれが可能な時代になっています。
ちなみに、
Finnair のページで、Online-CheckInをしていて気づいたのですが、Finnairのサイト上で空港の近くの現地のホテルを予約することが出来ます。こちらは、裏側で動いているシステムは、Booking.comのようでした。
なので、Finairで現地に行くのであれば、フライトをFinnairのサイトから予約して、ホテルも空港近くでよければ、そのサイトから予約してしまえば、急な現地一泊出張や、乗換えでヘルシンキ(Vantaa)空港一泊になっても、けっこう簡単に、足と宿を取ることができます。
━━━━ ・・・
以上です。
アイデアプラントの海外研修は、語学研修、日本の固定概念の打破、心身鍛錬、および、サバイバルの知恵の獲得、といういくつかのテーマがあります。
今回はそうしたものの一部として、道具の知恵+αについて、紹介しました。