2014年03月24日

ブレストの4つの阻害要因

「ブレストが、うまくいかない!」という時がありませんか?

そういう場合に備えて、知っておくと効果的な話があります。

ブレストは効果的なのだろうか、これについて長年研究がなされていますが、「ブレストの損失を生じさせる、4つの阻害要因」として次のものを見出されています。

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ブレストの4つの阻害要因
1)評価懸念 (evaluation apprehension)
2)発言量の同調 (production matching)
3)ただ乗り (free riding)
4)発話のブロッキング (production blocking)
引用:『会議の科学』P15〜17
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この部分は、とても示唆に満ちています。もう少し、抜粋・引用をいたします。

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1)評価懸念 (evaluation apprehension)
「自分の意見が他メンバーから否定的に評価されないかという懸念が生じ、発言を控えてしまう」
2)発言量の同調 (production matching)
「どの程度自分が発言(発案)しようとするかを、他のメンバーの発言量を参照しながら決めてしまう傾向」
「他の人があまり発言をしないようであれば、同じように自分も発言を控える」
3)ただ乗り (free riding)
「他のメンバーの努力に期待する一方で、自分は手を抜き、努力を惜しむこと」
「自分の努力が全体の成果にどの程度貢献するのか、その度合いが明確ではない場合や、自分が何もしなくとも他の優秀なメンバーの頑張りで目標を達成できるような課題において生じがち」
4)発話のブロッキング (production blocking)
「通常の対面集団(顔を実際につき合わせて話し合う集団)では、一時点で発話可能なメンバーが一人であることに起因」
「誰かが発言しているときにはそれに耳を傾けている必要がある。」
「他の人が話している間にもアイデアを考え、しかもそれを忘れないようにしなければならない。」
「アイデアを忘れないように記憶を保持する間は新たなアイデアを考えることができない。」

「4つの阻害要因のうち、ブレインストーミング課題において最も強く作用しているのは、「発話のブロッキング」
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同書は、学術書に属する書籍で、ビジネス書エリアは見かけませんが、会議に関する深い知見をたくさん提供する良い本です。引用部分に興味をもたれたならぜひ一度、手にとって見てください。

さて、この4つの要因、これが自然と効いているならば、なるべくそれを回避する。これが、なすべき打ち手へのヒントになるでしょう。ここからは、アイデアプラントの獲得してきた方法を展開しますが、お付き合いください。


この4)発話のブロッキング、これがもっとも大きいので、これを解消することをてこ入れしたいわけです。
どうするか?
この要因、よくみると、2つのポイントがあります。
・4−1「同時にしゃべれない」
・4−2「記憶を保持している間は、別のことを考えない(考えられない)」
というものです。

「前者(4−1)」を解消する方向に、創造学会の研究グループは歩を進めています。以前「創造する人々」で電子ブレインストーミング(特定の構造を持ったオンラインチャット)のシステム開発の研究者さんをとりあげましたが、「対面でのブレストには、物理的な発言量の上限がある」ことを払拭するために、(たとえばかりに同じ部屋にいて対面しても)端末を通じてアイデアを提示しあうことで、その物理的な上限値をはるかに上げていこうとするアプローチです。

「普通の会議ではどうすれいい?そんな電子システムとかないよ。」という意見も出そうですが、安心してください。ブレストの発展形で紹介したように「シートに書いて回す」(ブレインライティング)という方法は、この要素を最小限にとどめようとする集団発想技法です。それを活用する、というもの一つの手です。

「後者(4−2)」の解消については、とっても簡単な一つの処方があります。「紙に書く」ことです。

このコツは、ある種の人々には効果があります。

アイデアを保持する間は聞いていない。あるいは、まじめに聞いているうちに、思いついていたことを忘れる。そういうことは良くあります。なので、思いついたら、走り書きでもいいので手もとに書き留めて、ストックしておきます。こうすると、他の人の発現を、アイデアを発想の刺激として有効に使える量が多くなり、アイデアの産量は増えます。簡単すぎるコツですが、ある種の人には目に見えるほどの効果が出ます。

それと、経営者の方にも、この「紙に書いておいて、さっさと忘れる」ことは、オススメしたい方法です。

ブレストの間に出てくるアイデアには、「懸念点がいっぱいあり、ついつい、その場での懸念点も言ってしまいたくなる」ものです。これは、短期記憶エリアの保持量を減らしたいという、自然なことだとおもいます。ですが、ブレスト中だと、懸念点の言及は出来ないわけです。なので、よく聞くのが「ブレスト中に、頭の中がそれ(思い浮かぶ懸念点)でいっぱいになっちゃう(なので、次のアイデアが思い浮かばない)。」という言葉です。

その時は、こうします。

  1. 名刺サイズのメモカードを50枚、束にして(輪ゴムでとめて)胸ポケットに入れる。
  2. 気になることがあったら書き留める。
  3. 書いたら、忘れて、アイデア創出の作業にすぐ戻る。
これだけで、ブレストに参加しやすくなります。
ブレストの後の「アイデアのブラッシュアップ」の時に、そのカードは、役に立ちますので、もっておいてください。

実際にやってみると、”その場では気になっても、あまり注目する必要が無かった懸念点、というのも結構あるんだ”と自己認識するでしょう。


本稿は、誠ブログを、一部加筆修整し、掲載しました。
posted by 石井力重 at 12:29 | アイデアの技法



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