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2009年11月06日

ウォーキング・ブレインストーム

アイデアは、歩きながらだと、いつもと違ったものが出たりします。

会議室にどうしてもいないといけない場合は除き、少人数のアイデア会議を、歩きながらするのもいい方法です。

ケアすべきは2点だけ。記録と情報保護。

記録は、10分おきに、休憩をとって、
各々がメモをする、というのもいいです。
それまでに抜け落ちるのもは、忘却にまかせます。
よく取れるICレコーダを胸に入れておくだけでも
だいぶいいです。ただしとれない発言があります。
騒音の中も歩きますから。

情報保護は、テーマと歩く場所の選定でカバーします。
聞かれても差しさわりないテーマで実施する、というのが
もっとも、きらくです。
後は、可能ならば、河原の道とか国立公園の中とかを選ぶと
いいでしょう。
オフィス街と駅さえさければ、比較的、しゃべりにくいな
ということはないでしょう。


最近、歩きながら、ブレストをしていて、ずっと閉塞していた
ある開発案件に、一気に道が見えました。
もどってからは、汗も拭かずにラフ案をその日のうちに仕上げました。

「歩き会議」は、特に、創造フェーズのものには、いいと思います。
みんなでロフトとかハンズとかヨドバシを歩きながら会議したら
結構面白い案が出そうです。

2009年11月05日

人がアイデアを言う時の7つの状態

アイデアプラントの調査・分析から分かってきたことの一つに
以下のことがあります。



7states_of_idea_consulting.jpg
(クリックすると、PDFファイルで表示されます)




以下、これについて、詳しく説明します。


不定形なこと、新しいことを企画する時に、
人が人にアイデアを言う、
という場面が必ずあります。

アイデアを言われたとき、
どういう対応をしていいか、
人はよく判断に迷います。

まずはアイデアを伸ばすべき対応がいるのか、
それとも懸念事項を指摘して強化材料を提供するべきか、

これについては少しデリケートな対応が必要です。
その時「7つの状態」というのを知っておくと、
効果的に対応できます。

まず、このへんにまつわる活動をを大きく分けると、
「4つのフェーズ」に分けられます。

アイデアを話す時の4つのフェーズ(7つの状態の上位分類)

0「問題を明確にする、分析する」
1「アイデアを出す(広げる)」
2「アイデアを絞る(評価する)」
3「具体化して、アクションプランにする」




フェーズごとに、詳しく
説明します。


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 フェーズ0
 「問題を明確にする、分析する」
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このフェーズには、
3つの状態があります。

  ・情報獲得(インプットを増やそうとする)
  ・基本的な方向性を褒めてもらう(着想の感触を確かめる)
  ・観点だし(見えていない部分を知ろうとする)

”ふと、あることを思いついた。
 でももっとアイデアを引き出す刺激を増やしたい。
 そこで、ある種の情報をもっていないか、とたずねて回る。”
という作業があります。

”思いついたことの方向性が
 社会的におもしろいとおもわれるか、
 ざっくりしたアイデアでも話して周囲の反応をみる。”
という作業があります。

”自分の見えていない部分があるはずで、
 そうした部分を見るために、いろんな人の観点を聞き、
 取り込もうとする。”
という作業があります。

このフェーズの場合は
「問題を明確にしたい」ということを
当事者が明確に意識していると、
効果的な対応ができます。

できていないと、
いきなり解決策の検討をしてしまったり、
生れかかっているアイデアの不備を指摘して
醸成期間のアイデアをつぶしてしまったりします。


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 フェーズ1
 「アイデアを出す(広げる)」
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このフェーズには、
1つの状態があります。

  ・アイデア出し(ブレスト)

自分一人でもするでしょうし、
誰かに参加してもらって
アイデア出しをすることもあります。

ここは「アイデアを一緒に出して欲しい」
ということを、適切に相手に伝えることと
効果的です。

できていないと「アイデアの懸念点を求めているのかな」
と解釈して、広げずに、刈り込む話し合いになって
しまうこともあります。


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 フェーズ2
 「アイデアを絞る(評価する)」
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このフェーズには
2つの状態があります。

  ・評価指標を選び出す
  ・懸念事項を洗い出す(+対策案ブレスト)

”このテーマの場合アイデアを評価するには
 どういった軸が大事なのか、と熟慮して
 評価軸の候補となるものを集めようとする。”
といった活動です。

「多くの人に聞いて、賢明な選択をするための指針を
 導き出そうとしていて、ご意見をいただきたい」
と、その分野のベテランの人に初めに伝えるといいでしょう。

できていないと「広げる」作業をはじめられてしまうことが
あります。

”懸念点をリストアップしたいので
 その分野に詳しい人やひろい知識を持った人に
 アドバイスをもらおう”
といった活動があります。

そして、懸念点を洗い出して、
そして対策案を考える、という活動もあります。
この「対策案を考える」という作業はまたブレストです。
大抵は懸念点を出してくれた人と行いますが、
一人で調べもの的にすることもあるでしょう。
この「絞った後にまたブレスト」というのが
一見すると、後戻りに見えますが、確実に進んでいますので
安心してとりくみます。


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 フェーズ3
 「具体化して、アクションプランにする」
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このフェーズには
1つの状態があります。

  ・リソースの利用可能性を調べる

アイデアの具体化に向け、
社会の各種の情報を得る必要があります。
またアクションプランを立てるには、
必要な全てのリソースが利用可能かどうかを
確認する必要があります。

これらをうまく伝えないと、相手は混乱します。

「アイデアを持ってきた割には
 がっしり基本骨子がある。
 私は一体、この人に、なにをすればいいのか」

といったトーンになります。



以上が、アイデアを人が言うときの7つの状態です。

相談を受ける人は自然とその受け止め方を
調整していますが、本質的にはこういうことを
していることになります。
それを意識しているだけでも、
随分コミュニケーションがスムーズになります。



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国内の様々な企業でのアイデアに関する営みに参加させてもらった中から、多くの人の悩みやアイデアの出し方を聞いて、ざっくりまとめてみました。来週の、ある組織の支店長むけ創造研修において使う資料として、まとめてみました。

2009年11月03日

ゼブラ・ブレインストーミング

時間的に、明確に論理的に言語化する「白」と曖昧に直感的に想像する「黒」が交互にくる、ゼブラのような、フェーズを定期的に切り替えるブレインストーミング、いわば「ゼブラ・ブレインストーミング」とでも表現されるようなスタイルで、ある種の優れた発想者たちはアイデアを出しています。


机の前で、さあ、いつでもアイデア、こい!という状態では、一行もかけないのに、風呂に入っていたらあれこれ、出てきた、という経験はだれでもあると思います。

アイデアの創造は、「説明書のない組み立て家具を、組み立てること」に、似ているようです。

2点、3点を、とりあえずかるくとめたら、残りのパーツがうまく構成できるかな、と遊びのある状態で、ぐるぐると、構造パイプを回転してみて、模索するのがよい方法です。

もしこれを、2点、3点を、その時点で強力に、しめてしまうと、自由度がへって、本来必要だったいちかんけいがとれなくなってしまいます。ゆがめることができる部材なら、無理に入れて、いびつにくみたててしまうところ。

「白」と表現した状態は、いわば、「机の前で、PCをひらいて、さあこい」としている状態。出てきてすぐに、かっちり、論述してしまうと、後に残して調整したい自由度がなくなり、ます。いわば、決めすぎてしまう、わけです。

ある程度、「白」を短くして、また、「黒」のゾーンにして、曖昧に考えます。自由度が残っている中で、曖昧にかんがえると、いろんな構成をためしてみれます。

その中でつかんだ可能性を、また「白」にきりかえて検証してみる。


文章を書く、何か企画を創る、という時に、苦しくなって、散歩してみて、湧いてきて書いて、また、散歩して、ということを一人でもしますね。

これをブレインストーミングの中でも、頻繁に、構造的に入れる、それが、ゼブラBS、とでもよぶべきアイデア会議スタイルの本質ではないか、と思います。

たとえば、5分、明確にアイデアを紹介しあい、5分、曖昧に考えたり、およそ使えそうにもない考えの短編を出したり壁の模造紙に落書きしたりして、また次の5分、明確にアイデアを出し合う。そういう繰り返しで出すこと、そんなスタイルってありなきがします。

CBS(カード・ブレインストーミング)は、まさに、ゼブラ・ブレインストーミングの模範例というべきスタイルで、3分皆でThinkして、それから紹介しあいます。そしてまた、3分Think,これを繰り返します。

ずーっと、黒、そしてずーっと白、よりも、ある程度の短時間で、白黒を繰り返す方が、生産性が高いような気もします。ただし、細かすぎて切り替えが曖昧になるのは避けた方がよいと思われます。その意味では、たとえば、5分砂時計を用意して、落ち着るまで「白」、次の落ち着るまでは「黒」、ということで、一人で原稿を書くときでも、ゼブラThinkでいくのも、おもしろいかな、とおもいます。

これについては、現代の発想する人々から得られた発想のやり方のエッセンスをより詳しく分析して、引き続き、紹介・提案してみたいとおもいます。

2009年08月23日

概念をタンジブルなモノにしてみよう。

概念とは何でしょう。

例えば子供に「がいねんってなに」といわれたら、”ほら、これが概念だよ”と手にとって見せることはできません。

辞書には、こうあります。


がいねん 【概念】
(1)ある事物の概括的な意味内容。
(2)事物が思考によって捉えられたり表現される時の思考内容や表象、またその言語表現(名辞)の意味内容。
(ア)形式論理学では、個々の事物の抽象によって把握される一般的性質を指し、内包(意味内容)と外延(事物の集合)から構成される。
(イ)経験論・心理学では、経験されたさまざまな観念内容を抽象化して概括する表象。
(ウ)合理論・観念論では、人間の経験から独立した概念(先天的概念・イデアなど)の存在を認め、これによって初めて個別的経験も成り立つとする。

三省堂提供「大辞林 第二版」より抜粋・一部加工


つまり、具体的なモノをいくつもみていって、個体の違いはあったとしても、共通する一般的な性質、を概念、と呼ぶようです。犬という概念は、犬にはいろんな犬種も大きさもあるけれど、それらは犬特有の一定の共通点があります。これくらいはまだいいですが、もっと複雑な概念、自分にとってなじみのない概念に、生きているといっぱい出会います。特に「なじみのない複雑な操作や処理」などは習い始めるまでは、頭の中の認知が四苦八苦しているのを感じます。これらについては、たぶん、許容できる既存の概念要素(小さくシンプルな概念)を組み合わせて、それらを再現して繰り返し考えることでそれらに習熟し、次第にそれを一つの概念要素として、受け取りハンドリングできるようになるのだと思います。

さて、複雑な概念をつかってさらに知的な作業をするときには、それをタンジブルなモノにしてみよう、という一つのヒントがあります。一番お勧めなのは、名刺カードに、その概念を”乗せる”ことです。

人間の頭はどうやら「覚え、保持する」と「考え、作る」の2つが一つの能力領域をシェアしているようです。覚えておかないといけないことが多いと、それだけ「考え、作る」ことを少ない能力で行わないといけなくなります。

発想の仕事をしていると、発想に役立つ新しい概念を得た学習者が、一時むしろ発想量が落ち込むように見て感じます。ブレインストーミングやTRIZのように、十分に使える人には有効だけれども、初心者には正確に実施するのが難しい方法があります。それでも懲りずにずっと使っていると次第に習熟し概念要素化して、頭がゆっくりできます。発想が効果的に広がるようになります。

このように時間がかかるのが我慢できなくて、難しいと脱落してしまう人が多いです。新しい学習をするときに、「効果を発揮するまでに訓練が必要だ」というセリフをよく聞きますが、それは、一部にはこういうことがあると思います。

そこで提案、なのですが、自分にとっての新しい概念をつかった知的作業を行うときには、思考力の高負荷となる「新しい概念」をタンジブル(手にとってぐりぐり動かせる)モノにしてみよう、ということです。

かならずなんにでも効くとは限りません。しかし発想法などの分野で、「慣れるまで逆に出せなくなる」ことが感じられた場合などには、この提案はとても相性がいいと思います。

ある種の概念ごとに、ファイルを3分類する、という場合、その概念が自分になじみのないものだと、だんだん、振り分ける資料の理解が頭に残って分類のかなめとなる概念を間違って復唱してしまうことがあります。(5個くらいでは起きませんが、30個40個と分類していると、次第に振り分け基準となる概念が、読み込んだ資料に汚染される経験、ありますよね。)

そういうときには、ファイルの表に、3分類の概念をラベルに端的に表現しておく、それだけで格段に、やりやすさが変わります。それまでは、概念上一番アレなのは赤いフォルダに入れて、えーと…、とやっていたが、一気に資料の読み込みに集中できます。作業は正確で速くなります。PCでいうシングルタスク化した感じ。

私はカードツールを作ることが多いのですが、それも非常に効果的です。あとはレシートの分類のときに、8つの大判のシートを作って、8つの島に投げ込んでいきます。これも早いですね。直感的に作業ができると速くなります。

法則、といえるものはまだないのですが、概念をタンジブルなものにする、というのは重要な一つのヒントになりそうです。

2009年08月14日

オリジナルの発想法を作るヒント

中山正和氏の『創造工学』に興味深いくだりがあります。中山氏はNM法でしられる創造技法の大家です。同書より引用します。

『人に言われなくても自分が持っている☆記憶を引き出すことができるような方法を考えれば、これは一つの「発想法」になります。』(P11)

補足:☆記憶とは、自分の内にはあるけれど思い出そうとしたときに思い出せはしないもの。他の人の発言や刺激などで思い出すことがあるもの。(ただしくは、こう定義されています『コトバとつながってはいるが、人にいわれなければ思い出すことができない』)

このくだりは実に興味深いと思います。SCAMPERカードツール(TOIカード)やTRIZカードツール(智慧カード)は、発想トリガー・セットとしてゲームの中で使われますが、それが本質的に持つ意味を考えるヒントにもなります。

TOIカードも智慧カードも、ともに「膨大な知識からエッセンスを煮つめて、40〜50のパターンに分類した」ものであり、およそ十分な多面的思考をもたらすもの、としてそれ自体に価値があり、かつ、それは発想を引き出すトリガーでもある。

しかし、上記の記述は少し違ったことを価値として見出しています。「人に言われなくても自分が持っている記憶を引き出す方法」です。完全なトリガーセットだとしても、本人には本当に全くなじみのない数枚のカードからは何にも発想は湧いてきません。インプットがなければアウトプットが望めません。その点では、既存のトリガーセットより有効かもしれません。(ただ、万人が同じカードセットを使う、という意味では現在のようなまんべんなく多様なものをベースにしているほうがいいでしょう。)

およそ、対象をもれなく埋め尽くす要素セット(ダブりは許す)を使えば、オリジナル発想法のヒントが得られそうです。今、即興で3つほど考えてみます。

1)47都道府県発想法・・・47都道府県の名産物をヒントに新メニューを発想。
2)かわら発想法・・・河原の景色に見えるものすべてをヒントにしてネーミングを発想。
3)カフェ発想法・・・周りのテーブルから聞こえる単語群から企画を発想。


これを通して少しわかりました。

有限時間内に、容易に、異なる要素を30〜50くらい集めらそうであること。(10では少ない)
それらはその閉空間内で偏りがないこと。(缶コーヒーの名前、はちょっと適さない)
人生で多くの経験をした対象であり記憶の中にかなり再現ができること。

そんな対象を拾い上げることができれば、オリジナルの発想法は作れそうです。

2009年08月13日

創造プロセス(5.PPCO)

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PPCO
アイデアを引出し、磨くプロセス。

アイデアは「先褒後判」。ほめて未成熟なアイデアの可能性を
引き出し、それから懸念事項を列挙し、対策案を提案していく。
この手順の順番が重要。

P(プラス)P(ポテンシャル)
そのアイデアが実現したらこんないいことが起こる。
そのアイデアにはこんな可能性がある。
ということを思いつく限り列挙する。
アイデアは未成熟な存在。その可能性を十分に引き出す作業。

C(コンサーン)
懸念事項を列挙する。
あらゆる懸念事項をあげて、大小さまざまなリスクを表出化する。
皆で、そのリスクに「重要だと思うもの」にチェックを入れて、
チェックの多さでソートしなおす。
上位3つに限定して、対策を立てる。(その理由は別途。)

O(オーバーカム)
対策案を発案する。
上位1位の懸念事項への対策案に限定して、案だし。
十分にでて、懸念事項をカバーできるところまで。
次は上位2位。その次は上位3位。
この懸念事項は、いっぺんに複数をしてはいけない。
チームの力、個人の力を一点集中させて問題に穴を穿つこと。

創造プロセス(4.良いアイデア抽出)

souzou_process04.jpg

良いアイデアの抽出

「ハイライト法」(チームの場合)
全員が全アイデアにチェック(☆)を入れる。
面白と思うもの、広がる可能性のあるものに。
☆のついているものを残す。

「アイデア番付」(個の場合)
アイデアを、1つづつ、比較する。
すべてのアイデアが1番からファイナルまでに整列

「コンセプトの進化と選択プロセス」
選択基準を描き、それらでアイデアを評価。
ベストに近いアイデアを基準アイデアにすることで
速くて質の良い絞り込みが可能。

創造プロセス(3.アイデア出し[what and how])

souzou_process03.jpg

アイデア出し

個かチームかで大きく異なる。
共通するのは、1紙に書く 2アイデアを評価しない(するのはあとの工程)
ということ。


個の場合

「2段階発想 what and how」
what(こうだったらいいのにな)を列挙する
もっとも、良いものを3つ選ぶ。それに対し
how(このように実現しよう)を列挙する
目的地と経路を分けて発想することで、経路の制約から一度離れる。

「アイデアのトリガーリスト」
SCAMPERやTRIZの発明原理のように、 適した発想の引き金となるリストを使う

「思いつく力を引き出すメモ法」
マンダラート、マインドマップ

「9windows」
過去のトレンドを3つの視点で洗い出し、未来を予測し、
予測要素を組み合わせて製品を発想する。

「理想解」
理想的にものはどう進化するか。その指針を用いて
あり得る姿を発想する。

「トレンド」
技術の進化パターンをもちいて、有望度の高い技術アイデアを
発想する。


チームの場合

「2段階発想 what and how」(説明同じ)

「アイデアのトリガーリスト」(説明同じ)

「思いつく力を引き出すメモ法」
カードブレインストーミング、フリップボード会議
大きなマインドマップ

「9windows」(説明同じ)

「理想解」(説明同じ)

「トレンド」(説明同じ)

「ブレインストーミング」
アイデア出しの4つのガイドラインを持った方法。
批判禁止、質より量、など。

「ブレインライティング」
30分間無言で、アイデアを書く。頻繁にシートを循環させ
他の人のアイデアを発想の便乗材料にする。

「範囲を区切って、それぞれを埋める」
対象を切り分け、項目ごとに限定して考える。
(この場合もできる場、複数人のほうが情報が多くやりやすい)
対象を切り分ける(トポロジーの導入)視点として
各種の思考フレームワークを用いるとMECEでよい。
しかし、フレームワークの確かさや、埋めることにこだわらぬこと

創造プロセス(2.分析)

souzou_process02.jpg

問題の分析

属性分析
問題がもっているさまざまな要因(変数)を列挙せよ。
次にその要因が大きくなればなるほど、問題が悪化するものを
「増大関係」のグループにいれよ。
次にその要因が大きくなればなるほど、問題が改善するものを
「減少関係」のグループに入れよ。

創造プロセス(1.問題の定義)

souzou_process01.jpg

問題の定義

問題あるいは課題があるときは、それが十分に定義されている状態にする。
問題自体があいまいである場合は、創造作業は個でもチームでも
パフォーマンスが低くなる。問題の焦点を見つけて定義すること。
問題自体が複数の問題を含んでいる場合は、問題を分ける。
個別の問題をのちに統合的に考えるのでは、たどりつかない問題の場合は
俯瞰し1つの問題になるように視座をとること。

しかし問題が矛盾する要求を抱えていることはかまわない。
小型化と高集積化などなら、問題を解く道はある。

なお次の2つを検討して、再定義を行うこともあり得る。

オーナーシップ。
チームがその問題を所有しているか、本当にそれは我々の問題なのか。
この問いにYESと答えら得ないものは、アイデア出しに取り組んでも
長くは続けられない。
オーナーシップのある問題に、課題を再定義せよ。

下に引く力。
その課題が今課題でありなら、大抵は簡単には解消できない理由がある。
(おもりがぶら下がっている)
そのおもりを外すことを考える。そのおもりが外れるならば外す。それにも
おもりが付いていることが多い。一番下の重りを外すことから行うことが
もっとも近道。一番下まで探っていって、課題を再定義せよ。

創造プロセス(基本形)

・問題の定義
・分析
・アイデア出し(what and how)
・良いアイデア抽出
・PPCO
(及びアクションプランの設定)

この5つ、ないし、6つのプロセス。




souzou_process_basicmodel.jpg

2009年08月12日

アイデアの処理法を持っていますか?

独創的なアイデアを出すには、先に、平凡な、常識的な、アイデアを出し尽くす必要があります。心理学の中でもある程度、そうしたことが古くから知られています。発想技法の専門家でも、別の言葉で同党の考えを提示していたりします。


すごく簡単化して言うと、
ブレストで出てくるアイデアのうち、
前半2/3は、平凡なアイデアです。
新しさや目覚ましい有益性のないものが出ます。
(実は、それは荒っぽいモデルです。本当はスタート直後にも
 ピークがあらわれます)

出しつくしてしまってそこから続ける「後半1/3」は、
独創的なアイデアが出ます。


この時に難しいのは、
出てきたアイデアリストを、「うまく処理できない」で
いたずらに検討会議時間をつぶして、なにも得られない
(あるいは、出てきたアイデアをただリストにしただけの
 活用に困るリストができて終わるだけ)状態になりがちです。


独創的なアイデアを見つけるには、たくさんださねばならない。
しかし、たくさん出すと収拾がつかない。

さて、こまりました。と。

ここには、本当は、次の大事な作業があります。
アイデアの処理方法、もうすこしキチンというと
「アイデアの収束手法」が、創造工学的には、あるのです。



かなりハイレベルの方法・プロセスもあれば、
かなりシンプルで直観的にさっとやれる方法もあります。


本当は、この部分も、アイデアスイッチに入れたかったのですが、
本を書いてみてわかったのですが、読者の多くない専門ノウハウは
商業出版に乗ってこない、ということです。

アイデア出しに困る人を100としたら
アイデアを絞ることに困る人は1です。

だから、本にならない(なりにくい)。

でも、創造技法の専門家たちは、かなり確立した
アイデア収束技法を持っています。

この辺は、ワークショップや講演などで
対面で習う機会だけが、提供されているのが現状です。

さて、脱線はここまで。

アイデアの収束方法を、もっていると、
早く独創フェーズにたどりつき、その中から質の高いものを
効率的に抽出することができます。

はじめから、「独創的なものだけ、出そう」としている脳の
活動よりも、はるかに、思考負荷はすくなく、参加者のストレスも
軽いものです。

具体的には、もっとも、お勧めしたいのは「ハイライト法」です。

これは、CPS(クリエイティブ・プロブレム・ソルビング)の中の技法です。(CPSは、オズボーンの系譜の創造技法で、創造工学の範疇に含まれるものの一つ)


「魅力度」で、直感的に、アイデアを評価して、多人数の評価が集積することで、アイデアの質を可視化します。

100個なりのアイデア、全員が目を通し、各人がペンを持って「面白い」あるいは「広がる可能性がある」と感じるものに、星印を付けます。いくつ付けても構いません。(ただし、1つのアイデアに1人がつけられる星は1つまで。三ツ星、とかはNG)。

ブレストに参加した人(たとえば6人、であるとしてて、)全員が☆をつけておわると、あるアイデアには、最大で☆が6つ付きます。☆6つがない場合でも、5つ、4つあたりは必ずあります。そして☆が3個2個、☆が1個、というものがあります。

☆が1つもない、というのもでます。

おもしろいことに、大体どういうブレストの状況でも、星は全体のアイデアの2〜3割に集中する傾向があります。たまに、4〜5割に届くこともありますが、それでも50%なわけです。

その☆のないものはこの段階で「お蔵入りボックス」へ入れます。別のブレストの時にアイデアの材料としてお使い下さい、といいながらしまいます。

のこった星のついたアイデア(もしこの時にアイデアが多すぎるならば、星1個を、さらに外します。これを外すと一気に、2〜3割まで絞られます)

このようにして得られたアイデアは「人が直感的に、おもしろいな」「いろいろ使えそうだな」と思えるアイデアになっている可能性が高いものです。

この段階からKJ法に入ると、質の高いアイデアの統合なので、えられるアイデアリスト(だいたい3〜7つのアイデアになる)はかなり質の高いアイデアリストです。

この中でベストアイデアを選んで、アイデア創出会議は終えて、検証プロセスにそれを進めます。

(時間にして、私の創造工学ワークショップの場合では、6人で100以上のアイデアだし=20分、ハイライト法(☆つけ)=5分、ハイライト法(アイデアの統合作業)=10分、合計で35分ぐらいです。ところどころに説明が入るので、プラス10分ぐらいで、45分ぐらいでしょう。あとは、アイデア出しのテーマ設定作業から行う時には、大体6分ぐらいかかります。それらの一式を行うと、51分ぐらいです。)


アイデアの処理法がない会議では、膨大なアイデアを前に「判断するにも曖昧すぎるコンセプト」をどう扱っていいか、いたずらに時間をかけて、皆が不完全燃焼で会議がタイムアップになります。

なんとなくアイデアを出してみた。そして、さて、どれやりましょうか。とどことなく頼りない判断作業を延々おこなって、60分の会議時間がすぎて、タイムアップ。議長が後はまとめておきます、といい皆は解散。半端な状態のアイデアの評価作業の書かれたホワイトボードをどうまとめようかと、悩ましい議長が一人残される。そういうことが、よくあります。

それは、議長の能力が足りないわけでもなく、メンバーがやる気がないわけでもないのです。創造的思考には、ある程度、傾向とか特性があります。たとえば、「創造的退行」とよばれるものがありますが、そういったものを活用するには、ブレストのテイストは有効であったりしますし、ブレストの4つの阻害要因、というものが知られていますが、ただブレストを信じてやってみようとしても、さまざまに「人が集まり作業することによって自然と発生するある種の阻害要因」が邪魔します。

それらはちょっとした、会議プロセスのデザインをつけるだけで、創造技法のプロでなくても、うまく迂回して速くゴールまでたどり着けます。そういうことを、参画しながら行ったり、講演やワークショップの場に呼ばれておこなったり私はしていますが、ほとんどの人には、高い創造能力があります。ちょっとした手順をしるだけで、知らなかった時よりははるかに、創造的思考は、活用できるようになる、と体感的に思います。

長くなりましたが、アイデアの処理法は、独創的アイデアの効率的な獲得にはとても有効であり、それは必ずしも、たいそうな作業は必要としていないんです。

もっと多くの人が、自分の持っている創造的な力を使えるようになれれば、と思います。できれば、将来、(かなり商業出版的には苦しいとしても)そういう「アイデアの処理法」についての本の執筆にもトライしてみたいと思います。


【参考:ブレイン・ライティング・シート】

2009年08月08日

50音で発想する方法

あいうえお、これをトリガーにして発想する、もっとも、色のない発想トリガーメソッドを紹介します。

たとえば、女性のキャラクターを考えている時に、名前をつけようとして、思いつく女性の名前を挙げてみると、いがいとそんなに沢山は言えないでしょう。

これまでに多分100以上の名前を見聞きしてきたはずなのに、一ぺんんい100個も出すのはかなり厳しいものです。

その時に、50音で発想する方法が使えます。

まず「あ」です。

あ、で始まる名前を発想してみます。
和名、洋風、東洋系なもの、なんでもよいので発想してみると、最低でも5つは思いつくでしょう。

次に「い」です。

これをしていけば、時間はかかりますが、ほとんどの文字から名前を思い付けるはずです。(ぬ、とか、ん、あたりは、名前がすくないかもしれませんが)

集中して出していけば、多分、500秒ぐらいで、名前は100を超えるでしょう。


アイデアを出す、という行為と、頭の中にある「☆記憶」(知っているけれど、自由にはとりだせない記憶情報)をとりだす技術は、かなり深く関係しています。

あ、い、う、という切り方をしていくことで、文字系の記憶はかなり効果的に引き出すことができます。

(ちなみに、形に関するものであれば、まる、とか、三角、とか、代表的な図形毎に発想すれば似た効果があります。色のテイストのあるものならば、色鉛筆の基本色(7色とか、12色とか、24色とかでおっていけば、かなりでるでしょう。英単語も、abcで、ある程度、無作為発想では出にくい数を超えることができるでしょう)




追記:

今年に入ってから、物語作りの発想の資料として、大量のインプットを行っていました。簡単に言うと、日本で制作されたアニメーション作品(大抵は12話構成、長いものは×4程度の話数)を見ていました。

時間のある時に見てきたのですが、いま整理してみたところ、24作品ありました。各々が12話以上あるので相当な時間、それぞれの作品を見たはずです。

先ほど、これまでに鑑賞した作品名を、列挙してみました。
すると、パッと浮かぶのは、意外にも、7つ程度ぐらいしかありませんでした。30%弱です。

次に「50音で発想する方法」をしました。タイトルだけじゃなく、出てきたキャラクターや何かの固有名称からふと思い出せるだけだしてみたところ、20作品まで思いだせました。80%強です。

長い時間それぞれの作品を見たはずですが、ここまで思い出せないとは、意外でした。一方で、「50音で発想する方法」では、80%以上、引き出せることも、それ以上に意外でした。せいぜい、倍程度(60%)だろうかと思っていたので。

2009年08月06日

着目の仕方、新しくする仕方

アイデア発想のトリガーセットというものが、世の中にはたくさんあります。代表的な本格的なセットとしては、次の2つがあげられます。

1.ビジネス向けではSCAMPER(48の問いかけリスト、簡易版であるオズボーンのチェックリスト)

2.技術向けではTRIZの発明原理(その大幅な意訳版として智慧カードもつくりました)やUSITのUSITオペーレーター

等があります。
これらは、さらに共通性を勘案して本質的な骨組みにしていくと、「着目の仕方」と「新しくする仕方」の2つがあることに気がつきます。

具体的に書きますと次のようなものになります。

『着目の仕方』
・ヒト
・モノ
・時間・空間
・価値・意味
・視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚
・働き・役割

(これは、以前に書いた5観点モデルのベースとなるものです)

『新しくする仕方』
・増やす(激、微)
・減らす(激、微)
・倍にする
・簡素化する
・合わせる
・組みなおす、入れ替える
・別へ(似たもの、異なるもの)
・0→1
・多様化
・密度・頻度を変える


アイデアを引き出そうとしたら、「着目したもの」について「変えてみる(新しくする)」、その上でそれは意味をなすだろうか、という解を探索をすることが、アイデアをぐるぐるっと考えてみる作業のようです。

これを掛け算したマトリックスに、具体的な発想トリガーがはいりますが、たとえば、ビジネスアイデア、技術アイデア以外の分野でも、これらのマトリックスを埋めるように、「1.発想トリガー候補を列挙」して、「2.マトリックスのセルへ整理」していくと、「3.その分野特有の発想トリガーセットができます」

たとえば、「新しいアトラクションのアイデアを出す」とか「組織活性化のためのアイデアを出す」とか「地場産品をつかって新しい商品・サービスを生み出す」といった場合には、先の「着目の仕方」×「新しくする仕方」というグランドマトリックスに、優れた事例群を放り込んでいくと、自然と、発想トリガーセットができあがります。(言うのは簡単ですが、集めて、シンプル化して、セルへ放り込んで、発想トリガーとしての機能性をかんがみてフレーズ化する、というのは、かなり大変な作業ではあります。ただ原理的には、このステップをたどれば、大体は出来ます)

2009年04月24日

ブレストのやり方【まとめ】

ブレストの3つのタイプ




1.BS(ブレイン・ストーミング)

   4つのルール(印刷可能)

   ブレインストーミングを快適にするコツ


2.BW(ブレイン・ライティング)

   初めての方への概要説明


3.CBS(カード・ブレイン・ストーミング)

   はじめての方への概要説明





【補足】

ブレストの適正人数は、欧米では5〜10人ともいわれます。日本人の場合は、コミュニケーション特性の問題から人数規模はもう少し小さく、3〜6人が適切です。これを超える場合は、小グループでブレストをして、アイデアリストを後に統合する「小規模発案・成果統合方式」で行うと効果的です。7人以上のブレストでは、ブレストの4つの阻害要因が強く効き始め、失敗しやすくなります。会議のサイズを適切にコントロールする、ということが、成果を出すには必要です。


上記が、ブレインストーミングをおこなうリーダを支援をするための本質的な情報セットです。



読んでくださった方へ


もし、アイデア出しの会議を行うのだけれど自信がない、あるいは、アイデア出しの会議をやったけれどうまくいかない、という場合には、どうぞお気軽に私(アイデアプラント 代表 石井力重)まで、ご連絡ください。

仙台にいて、知りあいの方がいる組織(NPOや市民団体、研究所、時には、県庁など)から、アドバイスを依頼されることがありますが、気軽にアドバイスしています。

その段階を早くクリアして、いまよりもっと創造的なモノゴトへ取り組んでもらえたら幸いです。その時、もし、私にしかできない創造支援の依頼があれば、一緒に仕事をしましょう。

ご縁があれば、いつの日か、新しいことに挑戦するあなたにお会いできるのを、楽しみにしています。

アイデアプラント 代表 石井力重
連絡先 rikie.ishiiあっとまーくgmail.com
メール件名に「ブレストについての質問」をお書き下さい。
24時間〜1週間以内にライトなお返事でよければ、
お送りいたします。

発言の苦手な人もアイデアを出しやすい「カードブレインストーミング」






ブレストとブレイン・ライティングの中間のような位置づけにあるのが、カード・ブレイン・ストーミングです。

クイズ番組の回答者が一斉にフリップボードをあげてこたえるようなスタイルです。発言のしにくいムードの会議でもアイデアが出やすくなります。

初めにフリップボード(100円ショップのスケッチブックがお勧め、あるいはB5のコピー用紙を一人あたり30枚程度)と太いマジックペンを配り、アイデア出しのテーマをリーダが説明します。そこにアイデアを大きな文字で書いてもらいます。時間は3分。皆がかけたら、では、出してください、ということで、皆、自分の前にフリップを出してもらいます。

これだと、アイデアの順番を待つ間にアイデアを忘れたり、上がってしまって言えなくなるような人も、文字を読み上げるのでぐっと発言がうまくいきやすくなります。絵や図も簡単になります。言葉と身振りで説明するアイデアを絵にするととても速い、ということがありますが、その場合は効果的です。

CBS.jpg

また、先に重鎮メンバーがアイデアを出すとそれになびきやすくなる場でも、各自書いてしまったがアイデアが存在しているので、それぞれのオリジナルな意見を引きや出しやすくなります。この方法もアイデアが紙に残るので、とても良い方法です。

また、便乗アイデアなどが出たら、すぐにホワイトボードに書き留めてください。代替、便乗したものが残らないことが多いですから。

すべてをフリップボードにかく、というやり方以外に、議題の最初の一巡だけ、これをして、のこりは緩やかにブレインストーミングにして流れに乗って膨らませ、また次の議題の初めのアイデアではカードをフリップボードを使う、というスタイルもいいでしょう。

自分のチームの状況をよく見極めて、行ってください。

以上の3つタイルをご紹介しました。これらは、状況に応じて適宜活用してみてください。

メンバーから確実に大量のアイデアを引き出す「ブレイン・ライティング」






西ドイツで開発された手法です。6人で30分間黙ったままアイデアを出し合い108個を生み出す、という手法です。寡黙な人からもたくさんのアイデアを引き出せます。

まず、ブレインストーミングという手法は、案にコミュニケーションスキルの高さを要求されています。間髪入れずアイデアを発言する(あるいは、場の雰囲気にのっとったように発言をする)には、スキルがいります。発言スキルの高い人はたくさん発言し、控えめな人は良いアイデアはあっても出せていません。ブレストと好対照なこの方法、説明します。

まず、ブレストのルールを説明して、それから、A3くらいの大きな紙を全員に配り、紙の上部にアイデア出しのテーマを書きます。

そして、3×6のマス目を紙面いっぱいに書きます。5分間で1行目のマスにアイデアを書きます。1ます1アイデア。時間が来たら、左隣りに回します。また書きます。5分たったら左隣りへ回して・・・を繰り返します。6人でやるので、6回やるとちょうど1周します。

初めの1行は、ただ、アイデアを黙ったまま書くだけなので、遊び心もなにもなく、アイデアをかきました。二行目は、右隣りの人が書いたアイデアが既にあります。それを展開して、こんなアイデアはどうかな、と発想の材料にできます。次の3行目には、さらにシートが変わって、1,2行目に書いていあるアイデアが飛び込んできます。一ぺんに6つも新しいアイデアを目にすると、読んでそのうち、アイデアが出てきます。最後の方になると、シートを回すと、かなり面白いアイデアが出ています。 

ブレイン・ライティングは、ブレストのルールを実行しやすい特性があります。まず、判断遅延が、徹底できること。人は誰かのアイデアを聞くとすぐに、足りていないところが思いつき、ネガティブな判断をしてしまいます。そして、それを発言していまします(批判発言をしてしまう)。でも、書きものの場合、人のアイデアの批判はできません。批判するには、わざわざ書きこんで、こんなの無理!、とかくしかありませんが、よほど批判がましい人をのぞいては、そういうことはしません。
批判が出ない、というのは、未成熟なアイデアを出しやすくなり、アイデアの斬新度が上がります。

そして、突飛さを歓迎しよう、も、よくなります。突飛でできそうにないアイデアを歓迎するのは難しく、ついつい、微妙な顔をしてしまいますが、それは、相手にネガティブフィードバックをして、だんだん突飛なアイデアを言いにくくさせています。でも、書きものの場合、どんな突飛なアイデアも、対面ではないので、出しやすくなります。回した時に、誰かから笑いが起こるのも、そういうアイデアです。

なお、他の人に便乗してアイデアを出す、というのもやりやすくなります。手元に人のアイデアが材料としてあるので、それを組み合わせたり改善したりすることが、ぐっとしやすくなります。

また、ブレストは、全員のシンキング時間が、20分のうち、「聞いている時間」が「アイデアを考えている時間」を減らします。20分のうち、半分あればいいくらいです。ブレイン・ライティングはほとんどの時間、全員がシンキングに使うため、より知的な能力を注入しやすくなります。

また、アイデアが紙に残るので絞る時に非常にやりやすくなります。

なお、ブレストと比べてデメリットもあります。それは、ブレストの方が発言しやすい人がいることと、最後まで目にすることのない良いアイデアが存在することです。自分の書いたシートは最後まで目にしません。自分なら、それ見ていれば、もっと面白いもの思いつけたのに、というものがあったりします。全員が全員のアイデアをしる機会を犠牲にして、発言の苦手な人からもたくさんのアイデアを引き出している、そういう位置づけになります。


※この作業をしやすく、かつ、絞るプロセスも内包させた会議キットとして、アイデア会議マスター01「ブレイン・ライティング・シート」を設計しました。チームのアイデア会議のファシリテーションにまだ不慣れな方が自信を持ってアイデア出しをリードをすることに貢献できたらば幸いです。

2009年04月23日

ブレイン・ストーミングを快適にするコツ






実際にブレイン・ストーミング(アイデア出しの会議)を行うときには、一番重要なルールである「判断遅延」だけを意識するだけでも、かなり効果があります(「判断遅延」=批判禁止の原義)。判断遅延、は、批判禁止、とも表現されます。いずれにしても、ネガティブな判断はアイデア出しの作業が終わる時点まで、しないでおこう、と意識づける。それができれば、かなりブレストに近い状態になります。

なおアイデアを、紙かホワイトボードに残せるように、書記役をひとりきめてください。書記役の人は、できるだけ発言者の発言した通りに書きます。表現を丸めたり言い換えたりはしないでください。発言が長すぎて書きとめにくい場合は、発言者に言い換えてほしいといい、発言者に要約してもらいます。そしてその発言者の内容を書きとめるのがコツです。書記役が要約してしまうことは極力さけます。

20〜30分のブレインストーミングでは、ホワイトボードはいっぱいになるので、アイデア会議にはホワイトボードが3面くらいあるとよいです。あるいは大きな模造紙と裏うつりしないマジックを用いるといいでしょう。今は、巨大なポストイット(イーゼルパッド)という道具も市販されています。書いてはがした紙を、壁に張っていけて便利です。

運営には、ある程度コツがあります。ご説明します。

ブレストをしていて一番おおい悩みは「批判がすぐに出てしまう」ことです。批判能力も創造能力の一部ですから、とても重要なのですが、拡げる段階には害(ブレーキ)。でも、人間は思いついたこと(それがたとえば批判事項であっても)を頭の中にためておくと、新しい考えが行いにくいものです。

4つのコツをおおしえします。

コツ1

どうしても批判したい人には、カードを渡しておいて、アイデアの心配なところ、まずい所は、そこに書いて、ポケットにしまっておこきます。紙に書いておくことで安心して忘れて、次のことを考えられるようになります。そもそも、アイデアは100出しても実行するのはほんの一握りまで、絞ります。90以上のアイデアは、批判力をそそいでも、無駄になります。会話の分だけ、会議時間も消費します。書いたカードの多くは、大量に廃棄になりますが、本来なら、その発言時間分だけ、全員が時間を廃棄したはずなので、とても有効です。

コツ2

批判を生産的なつぶやきに言い換えて、それもアイデアの材料にします。どうしても批判してしまう人がいます。悪気はありません。「批判しないで!」というのもそれはそれで場の空気が難しくなります。そこで、その発言さえも、逆に生産的なつぶやきに変えてみます。
「そんなの誰も欲しくないんじゃない」→「それはそうかもしれない、でも、もしごく稀に、それ欲しい!というマニアックな人がいたら、その人がもっと泣いて喜ぶような仕様ってなんだろう(突飛なアイデアのトリガーにする)」
「それ、確率論的に10回に1回ぐらいしかそうならないでしょ」→「そうだ、じゃあ、同時に20個起こせるやり方ないかな。それなら1個か2個は成功して終わるかも」
「それはコストがかかりすぎるよ」→「なるほど、じゃあ、そのアイデアを、コストが1/10でできるアイデアないかな」
このように、批判の言葉を、次々とそれも発想の引き出しとして使います。批判した人が、立場がなくなるような、いさめ方をするよりも、皆が気分よくブレストを進行できます。おもわず批判をしてしまった人も、居心地が悪くならずにすみます。

コツ3

whatとhowを分けてブレストをします。
最初の10分では、○○だったらいいのにな、という、理想の状態を発案していきます。そして、次の10分では、どうやってそれを実現するか、を発案していきます。20分の発案タイムの中を、このように構造化することで、「どうやって実現すればいいか分からないけれど、こうだったらいいのになぁ」というアイデアがすいすい出るようにします。あとからみんなの力を使って、実現方法をかんがえればいいわけですから。最初の10分で、面白い理想案について出し合う。このときに、批判が出ますが、「実現方法は、今は分からないでもいいよ」としておくことで、判断遅延の思考スタイルになります。

コツ4

なお、ブレストをどこまで脱線していいか、難しい所ですが、きつすぎず、しかし、ある程度の方向感を作る必要があります。ブレストのリーダの技量で変わるのは、ここもあります。方向を延々脱線しない簡単なコツは「アイデア出しの時間をさきに決める」ことです。20分間なら20分間、というように、アイデアを広げる作業の時間を区切ります。そうすることで、メンバーが、時間制限の中で躍動感ある発言を出し合えます。延々と脱線しても、20分時点で、雑談が強制打ち切りなること。こうすることで2時間の会議を大したアイデアも出ないまま雑談に終わってしまうことを防ぎます。

20分と決めなければ、ブレストが、だらだらとした雑談になり、1時間の会議予定時間の終わる数分前に、「大慌てで、アイデアを出し合う」ことが起こり、残りの発案は、各自宿題、持ち帰り、といったことになっています。これを避けます。

なお、これらの会議では、発想トリガーをテーブルに用意し使うのも、いいでしょう。


※こういうシーンで使える発想トリガーのブレスターの中に入っているTOIカード(50枚中、ゲーム用の2枚を除いた48枚)を設計しています。
あるいは、技術系のアイデア出しの会議なら、TRIZの技術的ブレークスルー40パターンを、簡単化した「智慧カード(英語版はIdea Pop-up Cards)」があります。

智慧カードの全カードセットは、このブログの右にある黄色のボタン「発想体験」からご覧になれます。

創造思考のモデル風「面白い!+適良懸約」

人の思いつくたるは、どうなっているのか。これを学術的にも、あるいはグーグルや創造的な企業の人々への取材から実務的にも調べています。

結論からいえば、本質的には、創造思考自体は、難しい話って、特にないんです。

もちろん、難しくも説明できます。普通人が頭の中で創造的なことを考えようとすると、モデル的にはこうなります。


「初期的なアイデアを思いつく」(あ、こういうの、面白い!)
 ↓
「それを自分の状況にあてはめてみる」(あてはめると、どうなるかな?)
 ↓
「それによって状況や物事がどう良くなるか、どういう良さが生じるか、考えてみる」
(良さって、具体的にはなに?)
 ↓
「一方で生じるかもしれない主な懸念点への手当を考える」
(やばそうなとこ(懸念点)、考えておこう)
 ↓
「整理して、1つのアイデアにする」
(要約するに、アイデアとしてこういうべきかな)

モデル風に書きますと「面白い!+適良懸約」です。4字熟語風のは “てきりょうけんやく”とよむ、私の造語です。

日本の文化は「無責任なことを言わない」という良い面を持っています。その文化性は「未成熟なアイデア、口にせず」という思考を作っています。

面白い!の段階のアイデアが頭にひらめくと、ついで、適⇒良⇒懸⇒約を、直感的にやっていて、それが、「え〜と、つまり・・・」とつぶやいている状態です。ステップに分けてやればそれなりにできるのですが、頭の中で同時にやるのは大変です。閃きの多くは、出されずに、却下されています。

ブレストの本質は「面白い!」段階で、アイデアとして出してもいいんだよ、ということなんです。


閃きの多くは、「適良懸約」をこえられません。特に斬新度の高いものほど、「適」がむずかしいし、それ以上に「懸」が難しいんです。だから傾向として、既存にあるものと大きく変わらないものだけが、ゴールまで通り抜けて、発案されます。

すると「アイデアを出している時、アイデアをつい否定してしまう」「小さくまとまったアイデアばかりで突飛なものが出せない」「自分の予想を超えるアイデアが出せない」「斬新なアイデアが出せない」ということが起こります。

難しい説明はここまでにしましょう。

補足:上記はPPCOとよばれるプロセスで、オズボーン系の発想プロセスを主軸に表現しました。アルトシュラーやUSI系の発想プロセスはまた違いますが、根底から違うというわけではなく、本質の姿は極めて似ています。

折を見て、次は、とにかく1人で「ブレスト」がやれるメソッドをご紹介します。

2008年06月30日

「はてなタクシー」に学ぶ――新事業アイデアを見つける方法



1.既存事業の基本的条件をリストアップする。
2.どれか1つをなくす。その状態を端的に表現する(例:道を知らないタクシー運転手モデル)
3.その事業が意味をなすとしたら、どんなものだろうか。アイデアを出す。



このメソッドの出典『スウェーデン式アイデア・ブック』は非常に良い本です。ぜひ一度手に取ってみてください。

2008年06月24日

「今までにないアイデアを出さなきゃ」をかなえる「エクストリーム・ゴール」




1.目標を極端に高い設定に変える(数値設定ができるものは、妥当な数値の10倍)
2.「その目標が達成できた状態」を考え、列挙する
3.その状態から「連想」を広げて、アイデアを見つける

2008年06月20日

ブレインストーミング(ルールの記述を原典にあたってみました)

ブレスト ルール」で検索してこのサイトにいらっしゃる方が多いので、原典の表現をここに抜粋・掲載いたします。

オズボーン(ブレインストーミングを創った人物)の著書によると、ブレストの4つルールは以下の形で表現されています。


(1)判断力は排除すること。アイディアに対する批判は翌日まで押さえておこう。

(2)”乱暴さ”が歓迎される。アイディアが突拍子のないものになるほどよろしい。調子はいつでも下げられるのだから、どんどん思い切った提案をすること。

(3)量が必要である。下手な鉄砲も数打てば当たる。

(4)結合と改善が大切である。自分のアイディアを出すばかりでなく、人の出したアイディアを改良する方法を提案しよう。また、いくつかのアイディアを組み合わせて別のアイディアを作り上げよう。

引用『創造力を生かす』P272


石井からの補足ですが、(2)の“乱暴さ”は原文では“wild”と表現されていると思われます。(理由:オズボーン系の類書の英文表記では、wildとあります)。wildには「乱暴な」という意味のほか「未開の」「野生の」「自然のままの」「激しい」「狂気の」「だらしない」「突飛な、無謀な」「見当違いの」「的外れの」「愉快な」などの意味があります。

なお、それと前後して、オズボーンはこうも書いています。


グループのブレーンストームには簡単な規則が必要だが、リーダーは出席者全員がそれを理解していることを確認しなければならない。開会に際してリーダーは問題の提示とともに次の事柄を説明するべきである。・・・(ここには、上記の文「4つのルール」がかかれています。)・・・リーダーはこれらの注意事項を自分の言葉で述べるべきである。

厳密に正確に行わねばならない唯一の事柄は、提出されたすべてのアイディアの記録である。

(引用、同上)


なお、ブレストのルールについて、表現は微妙に違った様々なものを目にすることがあると思います。ですが、それはそれでいいんだと思います。というのも、オズボーンの記述の中に「自分の言葉で述べるべき」とありますので。

ですが、ブレストの本当の表現をはじめに知っておくことは、重要だと思います。ですので、上記に引用させてもらいました。

なお、あわせて引用元となるその書籍も紹介しておきます。

これらの文章は『創造性を生かす』という書籍にあります。出版社(創元社さん)が良書だとして近年復刊した書籍なんです。

Alex Osborn.jpg

アマゾンのページはこちら


サブタイトルに”38のアイデア”とあります。この引用したのは33章なのですが、そのほかにも、沢山の「創造力」に関して良い記述があります。もちろん、33章の引用外部の部分にも、沢山いいことが書いてあります。写真のしたに散らばるメモは、私が33章で特に重要と思ったことをメモしたことです。33章だけで10枚以上のメモに。

創元社さんのこうした良書を復刊する、という姿勢が素晴らしいと思いました。オズボーンが書いた同署は数十年以上前の書籍ですが、全くと言っていいほど、古くありません。創造性はそうそう人間の中でリニューアルしたり発展したりしませんからね。同書をもとに、IT時代のわれわれが技法を活用すれば、さらに前進できるとおもいます。ぜひ、ブレストや、創造的会議づくりを目指す方は、御覧になってみてください。


最後に、おまけ、です。
同署のまえがきに、「ブレストとは(ブレインストーミングとは)」ということについて、2行のシンプルな説明があります。紹介して今日のブログを終わります。


”ブレーンストーム”とは、少人数の人々が1時間ほどクリエイティブ(創造的)なイマジネーション(想像力)を働かせるためにのみ行う会議の一種−−特定の問題についてアイディアを出し合うもの−−である。



追記(アイデアプラントが現代の日本向けに意訳したブレストの4つのルール)

2008年06月16日

ブレストに遊び心を醸す3つのアイテム



ブレストに多様性をもたらすような遊び心のあるアイテムを3つ紹介しています。

その前に、「ブレストの妨げになる5つの条件」を紹介して、どういうものは逆に妨害要因になるのかを、述べています。会議室にそういうものがあれば、それは隠すなり、遠ざけるなりしておきたいものです。

手遊びしながら、遊び心あるアイデア会議を、ぜひ体験してみてください。

2008年06月02日

世の中ネーミング集をヒントに発想する方法




まとめ

ネーミングに使いたい単語を入れて検索する
出力されるリストからネーミングのヒントを見つける
名前のもじり方やテイストを組み合わせてネーミング

2008年05月26日

潜在市場の候補を大量に発見する方法




まとめ

1商品の基本的なキーワードは分解する。消費者視点で言い換える
2住所は「関東」を選ぶと、市場候補を多数ピックアップできる
3出力したリストから3〜6個程度、潜在市場の大きそうなものを見つけ出す

2008年05月22日

5観点モデルと6W3H

5観点モデル6W3Hモデルを比較するとこういう構造になります。


人 Whom,Who
モノ What,How many
プロセス How(どのように(方法)、どんなふうに(具合))
意味・価値 Why,How much
環境 When,Where


howには、意味に幅がありますね。

2008年05月20日

“未来の出来事”から発想する




まとめ

1 アイデア出しのお題を頭に入れる
2 未来年表の3年先の数字を押し、リストを表示する
3 リストを見ながら1〜3個程度、関係するものを見つけて発想する

2008年04月15日

「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」をかなえる方法




手法の要約

1.短時間で48の質問リストを次々見ていく。
2.質問を5秒読んで、だめならすぐパス。関係しそうならチェック。どちらの場合もすぐ次へ。
3.チェックした質問(3〜6個)、でアイデアを出す。

2008年04月09日

ノート1つで100個以上のアイデアを出す方法




手法の要約

1.動物を思い浮かべ、連想できることを書き出す
2.「書き出した言葉」×「アイデア出しのテーマ」でアイデアを出す
3.だめなら、すぐパスする

2008年03月22日

アイデア創造がうまくいかない時のチェックリスト(石井力重バージョン)

アイデア創造がうまくいかない時のチェックリスト

・インプット(情報の収集)は十分したか
・解くべき問題は充分に定義されているか
・解くべき問題を充分に分析したか
・what(こうだったらいいのに)とhow(どうやって実現する)を分けてアイデア出ししたか
・分野ごとの発想のトリガーセットを利用したか
・良いアイデアを抽出しているか
・PPCOの作業でアイデアを引出し、磨きあげたか

2008年03月03日

ブーバとキキ、直感とはなんだろうか。

ブーバ/キキ実験という興味深いものがあります。シンク!(Think! WINTER 2008 No.24)のP19で、その記事に出会いました。調べてみると古くから知られている話なんですね。

簡単にいうと、こういうものです。

設定はこうです。

火星人が使っている文字が発見されました。ひとつはとげとげしたヒトデのような形。ひとつは曲線で構成された広がりつつあるアメーバーのような形。(実際には図があります。)

火星人の会話を聞いて、一方が「ブーバ」で他方が「キキ」と読むことがわかりました。それでは、どちらがブーバで、どちらが危機でしょう。と聞きます。

するとほとんどの人は「とげとげのほうが”キキ”で、曲線のほうが”ブーバ”だ」と答えるそうです。(補足:石井の周りでも実験しましたが、20人中19人がそう答えました。)

これはどんな言語を話す人に見せても、結果は同じだそうです。確率論から言えば5分5分の確率です、まったく手がかりがありませんから。

”こっちがブーバだ””キキって名前はこっちっぽいな”という確信めいたもの(直感)が生まれるようです。

(約80年前、ヴォルフガング・ケーラーの行ったブーバ/キキ実験)

このP19の記事によると、脳の大脳皮質の前頭葉のすぐ内側に「線条体」(ストリアツム)という部位があり、「この絵が気に入った」「この場所はなんとなくよさそう」という直感がここから生まれているそうです。

さらに、ひらめきと直感が違う。とも。ひらめきによって得た答えは、「なぜそれが正解か」自分でわかる。大脳皮質や海馬の仕事。直感は「なぜそう思うか」を口で説明できない。(そして、上記のブーバ/キキ実験が、示されています。)


ここからは私見です。

私はこれまで、直感とはいい加減なもの、説明できない偶発的なもの、というイメージを強く持っていました。直感的な判断はあいまいであり、思いつき的である、と。しかし、芸術の良しあしを感じる心、子供へのある種の感じ、自分が好きと思うこと・きらいとおもうこと。それらについてはある部分が、直感の働きであることを認めてもっと積極的に観察してみよう、と思いました。

特にアイデアを評価する際に、「なぜかは言い難いが、これは筋がいいぞ」と感じたものはやはり最後までのこっていたりします。言葉を連ねて、分析を重ねればそれがなぜいいと感じたのかは、説明可能だろう、とおもっていました。しかし、ブーバ/キキ実験のように、なぜそう思うか説明できないもの、も世の中にあります。アイデアの評価する際に、その部分が決してないわけではない、と思います。

ロジカルな説明責任を常に求める姿勢は尊重されるべきものではありますが、ときには、直感の力をもとに、アイデアを選び取ることともっと正面から付き合ってみる必要がありそうです。

なぜ、それがいいと思ったか、説明ができない。だけれども、確かにそう感じた。ならばそう感じた自分の線条体の働きを信じてもいいのかもしれません。

限界状態、極限状態、未踏領域、最先端、深い深い体験には、説明しがたい本質的な力がある可能性も視野に入れておきたいと思いました。

2008年03月02日

アイデアは紙に書く、無形のものには「よりしろ」を

概念を「タンジブル」に。と書きましたが、関係することがいくつかあります。

アイデアは紙に書く。これは発言者とアイデアを切り離す効果があります。

約束事は議事録に。

経営方針は冊子に、経営計画はビジネスプランシートに。

育児記録は母子手帳に。

興味深い見学の後は、記念グッヅを、ほしくなります。

記憶、体験、概念、進捗。本来無形のものにそれをとどめておく「よりしろ」を人は求める。そんな気がします。

2008年02月23日

関戸さんの井戸端マーケティングゲーム

ある時、関西の企業支援の大ベテラン、関戸さんにお会いしました。彼女は20年もこの仕事をしておられます。20年・・・。この時の流れを経てきたことに感慨深いものがあり、自分の20年後ななお彼女の年齢にすらなっていないわけで、ますます感心してお話を聞いていました。

その中で発想法の意味からとても優れた手法を彼女が独自ワークとしてされているのを聞いて根掘り葉掘り伺っていました。

それが「井戸端マーケティングゲーム」です。詳しく書くことは差し控えたいと思うのですが、発想法の事例として非常に興味深く、その点についてだけ抽出して紹介してみます。

複数人(20人〜数十人の規模)。
書き明確化。
他者の課題を当事者化。
調査しアイデアを募る。
ボードのアイデアにさらに解決案を付加。

これは、いろんな仕掛けが絶妙に入っています。
・アイデアは紙に書く。そうすることで客観化できます。
・人の課題は一種の理想化と一般化をもって近づけさせすぎない。
・本来持っている課題解決の意欲を刺激する。
・解決案やリソースの提供の内発的動機づけ

などなど。これは仙台でも一度試してみたいですね。おととしに行っていた公開型の「アイデアの出し方セミナー」などの場に向くと思います。特に人数が圧倒的に多い場でも十分運営可能、というのはいいですね。

2008年01月14日

アイデアを焦点付ける

アイデアの質を高めようとしたら「焦点付けることがアイデア会議の終盤に必要」と意識してみるだけで大分違います。

そこで、ざっと、アイデアを焦点付ける、という概念を絵にしてみました。

idea_focus.jpg

説明:

アイデアは、思いついたばかりの時は”思いつき”です。そういうアイデアを重要だと考えて沢山だすわけですが、見落とされがちな大事なことがあります。それは「未成熟なアイデア」はそのままでは現実の解決には遠い、ということです。

沢山のアイデアからスターアイデアを取り出していくわけですが、終盤ではアイデアを焦点付けるがあります。これがアイデアの品質を高める重要な作業です。通常は意識しないで「じゃあ、具体的にはどういう風にしようか」といった話し合いをへて焦点付けられています。

手にさわれず見えもしないもの(概念のようなものや制度のようなもの)は、おうおうにしてその焦点付けるフェーズが不十分だったりします。メンバーの創造への知性がばらばらだとこの手の作業は難しかったりします。


絞って具体化する。実はそれだけでなく、全体性をもったシェイプになります。つまり具体化していくときに整合性が自然と担保されます。もちろん、ただたんに具体スペックを書いただけではいびつなもののままです。それを見直し調整するから、そうなります。

2008年01月07日

アイデアの技法、一般化と具体化を繰り返す

アイデアを得たら、紙に書き付けます。その他のアイデア(アイデアの周辺には必ずアイデアがあります。(→アイデア探索ツール5viewpointモデル。)

しかし、そのツールがなじまないような専門的な分野もあります。あるいは、それらの内容を思い出せないときもあります。そんなときに、簡単なステップで周辺に存在するアイデアを見つける方法があります。「一般化と具体化を繰り返す」です。

あるアイデアがあったらそれは、一般化したらどう表現されるだろう、と考えて見ます。あるいは、エッセンスにしたらどうなるだろう、と考えて見ます。そしてそれを書き出します。すると、その一般したセンテンスは、先ほど見つけたアイデア以外のアイデアを思いつかせることがあります。それも書き出します。

そうしたら今度は、書き出せるだけ書き出したら、それらをまた一般化します。異なるセンテンスは別の一般化になることもあります。たとえ単なる言い換えることだけでも、観点がことなり、異なる観点から発想を引き出すことが出来ます。大まかに言えば、観点は5カテゴリにーに分かれています。延々と繰り返せるわけではないですが主要なアイデアを引き出すころにはアイデアは数十と見つかります。

このアイデアの一般化と具体化は、紙に書く、ということが特に重要です。書き留める方法はマインドマップなどが有効です。構造をうまく受け止めることが出来ます。書かないと、次第に迷い込みます。書くことの重要性は観点を変えるような作業をするときには特に重要です。

2007年12月24日

創造的環境の6つの要因

『創造的問題解決』に創造的環境(創造的風土)を作る6つの要因というものがあります。

その6つの要因は職場の環境づくりにおいて示唆に富んだヒントとなります。例えば、オフィスを新しくするときに、あるいは会議室を作るときに、クリエイティブなワークがなされるように、什器(机や椅子)をお金をかけて揃えようとしがちです。実際には、そういうところにお金をかけることよりも、「仕組み、仕掛け、仕事のやり方」といった”買ってきて接地するわけには行かないもの”が重要なんですね。

クリエイティブな会社のムードをこの6項目で見て見ると、よくあたっている気がします。

以下、『創造的問題解決』より引用します。


■■■(引用ここから)■■■


創造的風土をつくるものは何だろう。「すぐれた照明か」「人間工学的な家具か」。事実、テラサ・アマビールの研究は、創造的な環境に顕著な要因を与える6つの刺激要因と2つの妨害要因を明らかにしている。われわれが一度それらの要因がカギとなる次元であることを理解すると、それらの次元に直接的にインパクトを与える行動が起こせる。


6つの刺激要因 この次元をあなたのグループ、チーム、組織に合うように配慮するには、何をすべきであろうか。


組織的な奨励をしなさい

 アイデアに対して公平かつ建設的な判断を通して創造性を奨励しなさい。創造的な仕事に賞を与え承認しなさい。新しいアイデア、アイデアの流れ、さらには組織における共有視座を展開する仕組みを作りなさい。

スーパーバイザー的な奨励をしなさい
 優れた仕事モデルを提供しなさい。ゴールを適切に設定し、仕事集団の中での信頼関係を明確にして支援し、更に個人の寄与を評価しなさい。

支援的な仕事集団をつくりなさい
 より良いコミュニケーションを求めている分立した熟練集団を一緒にすることによって、新たなアイデア、各々の仕事への建設的な挑戦の可能性が生まれ、仕事への関わりを感じることが出来る。

自由
 人々に何の仕事をするべきか、あるいはどのようにそれをするべきかを決定する余地を与えなさい―仕事をコントロールしている感覚。

充分な資源
 資金、資材、設備や情報等の資源に適切に接近可能にする。

挑戦的な仕事
 ハードワークに臆病になることはない。ほとんどの人々は課題にチャレンジしたり、重要なプロジェクトに参加していると感じたときに成長する。









2つの妨害要因 あなたのチーム、集団、組織に関して障害要因のインパクトを最小限にするには、何に配慮すべきであろうか。


組織における妨害物を除きなさい
 内部の政治的問題、新たなアイデアへの行き過ぎた批判、非建設的な内部競争、地位の過度な強調を最小限にする。

仕事負荷の圧力を減らしなさい
 非現実的な時間的圧力と生産性への期待を避ける。





■■■(引用ここまで)■■■


会社の中に独特の仕組みがある会社にいくと「へぇ〜」と感心します。この6つを意識して独自のものを取り組んでみるのも面白いですね。



参考文献

2007年12月05日

創造には、ストレスの少ない状況を。

創造学会で、ある先生がおっしゃったのですが「ストレスがある状況や心配事が気になっている状況では、アイデアは出にくい」ということだそうです。

発想の本質は「既存の要素の新しい組み合わせ」あるいは「強制連結」であり、頭の中の情報要素同士の新しい掛け算作業。心配事のような関心レベルの高いことが頭の中に常駐しているとなかなかうまくその発想のための思考作業が進みません。一時的にそれを忘れるような状況を作ることが必要です。たとえば、紙に書き出してそのことを頭から追い払う。たとえば、いつもの机を離れてカフェのテーブルなど、新鮮な環境に身を移す。

ストレスがたまっているな、とおもったら、あるいは、ここではストレスが多すぎるのでアイデアが出ないな、とおもったら、さっと、別の場所にいくなどの工夫をするのがいいでしょう。

ごくごく平易なことではありますが、とても重要で基礎的なことです。

2007年12月02日

困ることを増やす要素をリストアップしていくと自然とアイデアが出る。

アイデアの技法、それも技術系の課題につよいアイデアの技法として、TRIZの一部の手法をご紹介します。(補足:それは技術的なものだけではなく、ビジネスの課題、組織運営の課題などでも、同様の思考方法が有効に使えます。)



zokusei_bunseki.jpg


この方法は、一見、シンプルな方法です。右肩上がりのグラフ、右肩下がりのグラフを書いて、その図にマッチする属性を挙げていく。そんな方法です。

しかし、実際にやってみると、この方法は非常に、アイデアを生むことを実感する方法。


方法はこうです。

問題を解決と、アイデアを出そうとしています。

1.まず、その対象(モノやシステムや環境)のうち、増えれば増えるほど、問題を悪化させるもの(左の図の関係の要素)を列挙します。

2.逆に、問題を抑制するもの(改善するもの)を列挙します。

3.問題を増やしも減らしもしない属性は対象外。

こうすると、増大関係のリストができます。減少関係のリストが出来ます。ここまでやると、かなりアイデアが沸いてきます。つまり「○○な属性が問題を悪化させるなら、極力これを小さくするような改良をしてみればいいんだ。」ということになり、それが発想のトリガーリストになります。

アイデア出しにどうしても困ったら、「属性分析」を行ってみると意外とアイデアが大量に出せたりします。是非お試し下さい。

出展

2007年11月29日

ランダムなアイデアの見つけ方

全くランダムなアイデア生成が好ましいときってあります。たとえば、なにか新商品のネーミング。ネーミングを出していってもどうも商品から連想されるものがいまいちパッとしない。でももうあらかた出し尽くしてしまった。そんなときに、ランダムに新しい言葉を発生させてアイデアを見つける方法をご紹介します。


「辞書」と「サイコロ」を使います。

サイコロを3回振って、「何ページの、何個めの単語」を拾います。これを3回繰り返して、関係ない3つの単語を手元に抜き出します。

単語1×単語2×単語3

と紙に書いてみて、関係しそうなアイデアをそこに”吸引”します。

こんな作業を繰り返して、ネーミングのアイデアや新しい切り口(アイデア)を、発見しようと試みます。

例えば「コード」×「カレンダー」×「路線」だったら、これを紙の真ん中にぽつん、と書きます。そこからぼんやりと、思いつくことを、マインドマップ的に拡げていくと、かなりいろんなものを発見できます。

ちなみにくふうすれば、辞書は、新聞でも代用できます。雑誌は文字が少なく偏りが大きいのですこし適しません。サイコロが無い場合は、工夫すれば代替できます。たとえば、カード上に切った紙に1〜6の数字を書いて、シャッフルして引けば、サイコロと同じです。

2007年11月28日

実行可能性の高い「ちょっとだけ優れたアイデア」の作り方

アイデアの技法、として、ライトものをご紹介します。

いつもは、ブレストは拡げることに注力し、実現性は後から、というのですが、時間が無いとき・実現可能性の検討を後ですることができない場面でアイデアを生成するとき・クライアントの即決でアイデアを吸い上げていくとき、などには、「実現性は後から。いまは突飛でOK」とばかりも言っていられない。そんなことってあります。

それにはそれで、対処する方法があります。王道ではないのですが、現実解の点で、良い方法。

まず、アイデア出しのテーマについて、過去に似た事例は無いか、と考えるところから始まります。以下。

1.テーマと似たもの(似た事例)を3つくらい探します。
2.それらに共通するエッセンスを考えて見ます。
2.異なる要素を探してみます。
3.アイデア出しのテーマにその異なる要素を「注入」できないか、とぼんやり考えて見ます。

すると、実行可能性の高い「ちょっとだけ優れた選択肢」が見えてくることが多いように思います。

難しい言葉で言えばいろいろあるのですが、実際的にはこの辺で充分ためせるはずです。ぜひお試し下さい。

2007年11月08日

ブレストとブレインライティング(BW)

ブレインストーミング、というアイデア出しの話し合いの方法があります。これは企画系の人々には良く知られています。ブレスト、と略されることが多いです。英語圏の場合は、BS、と略すことが多いですね。

ある調査では、研究開発においてもっとも使われている手法は?との答えには、ブレストが一位、だったそうです。一方で有効度を問う設問では、あまり芳しくない結果が。

多くのブレスト体験者が感じる「ある種の難しさ」があります。その本質は実はコミュニケーション能力の高さを暗に要求していることと関係しています。ブレストを何十と観察しているとわかるのですが、アイデアを出すタイミングや表現の力に力量が問われるんですね、結構。盛り上がっていないときもそうですが、盛り上がっているときも、そうです。アメリカのようなコミュニケーション力の鍛えられている民族とは違う、日本の文化では、結構つらいものがあるのも確か。

日本だけじゃありません。西ドイツでも日本と同じような文化性があるとのこと。それで、西ドイツでブレインストーミングから「話す」という難しい行為を取り払った手法が随分まえに作られました。ブレインライティング、とよばれています。略称は、BW、です。

話さないでブレスト? と、ブレストを良く知る人は、頭をひねるかもしれませんが、実際、30分間、全くしゃべらずに行います。でも、この方法が良くできているのは、他の人のアイデアを発想を適度に材料にしながら、アイデアを出し続ける構造を持っていることです。


やり方を説明します。


<準備>

1.メンバー(推奨は6名。出来れば、4名〜8名くらいにおさめて)を集めます。

2.全員が囲めるテーブルを用意します。

3.全員に紙とペンを配ります。(普通のA4、もしくはA3)

4.紙の上に、少し余白をあけて、紙一杯に、ヨコ3×タテ6のマス目を書きます。余白には長細い四角を書きます。

こんな感じです。(クリック)


<テーマを書き込む>

1.アイデア出しのテーマをメンバーで話し合います。テーマの意味が分からない人がいないか確認し、全員がテーマを理解した状態にします。

2.アイデア出しのテーマを上部の横長の四角に書き込みます。全員が同じ表現でテーマを書きます。

このときに推奨する文のスタイルは
「もっと○○するにはどうすればいいか」
「○○を使った新製品のアイデア」「○○の新しい利用方法」
などの表現がよいです。


<アイデアを出す>

1.5分間で、3つのアイデアを考えます。話をしても結構ですが、手元のシートに書き留めるアイデアは、個々人のアイデアを書きます。書く場所は、一番上の3つの四角の中へ、です。一つの四角に一つのアイデアを。

補足:時間は5分ではなく、3分でも構いません。メンバーの進み具合で調整します。時間はリーダーが計り、時間を知らせます。

補足2:必ず3つ、書きます。駄作でも、平易すぎる・当たり前すぎるアイデアも、結構です。ほんの少し違うアイデアを3つ出しても結構です。(タイヤを3つにする、タイヤを5つにする、タイヤを6つにする、などでもOKです。ほんの少し違うのも新しいアイデアです。)

補足3:簡単な絵や図を書いても結構です。文字を補足的に使って。

2.5分が立ったら、左隣の人へシートをまわします。そして、手元には右手の人からシートがきますので、そこへ5分間でまたアイデアを3つ書きます。二段目の3つの四角へ。

補足:一段目に既に書かれているアイデアを見ます。そしてそこからヒントを得て、便乗したアイデアをだしたり、ほんの少しだけ変えたものを出したりします。全く同じアイデアはだめですが、少しだけ変えたら、それでOKです。

3.同じく時間がきたら、左に回して、3段目をやります。以降同じように、4,5,6段目も。

4.(6人で行っている場合は)自分のシートが手元に戻って、時間は30分経過して、アイデア出し終了。6枚のシートにあげれたアイデアは、108個。30分でかなりの量ですね。

補足:4人や8人で行っているときも、6段目で終わります。自分のシートがめぐってきても続けます。逆に一度も目にしなかったシートも、大人数ではあるでしょう。それで結構です。





ブレインライティングとしては、ここまでで終わりです。6人で30分で、108個のアイデア。この発想過程では、適度に他の人に便乗したり、突飛なアイデアを出せたり。量を出していく、ということも促進されています。そして最もよいのが「批判禁止を徹底できる」ことです。書き物の場合は、批判は出にくくなります。





追記:

アイデアを絞る作業とも相性がよいです。

ハイライト法、という「全てのアイデアを全員がチェックし面白い・広がる可能性がある、というものにチェックを入れる」方法があります。これは、たいていの場合、チェックの入ったアイデアが全体の20%になります。100以上のアイデアをそのまま、コントロールするのは大変ですが、ハイライト法で絞ると、質のいい上位20%を抽出することが出来ます。


<魅力的なアイデアを抽出する>

1.具体的には、BWの終わった後、手元に戻ったシートをみながら「面白いもの・広がる可能性のあるもの」に☆を書き込みます。そして、つけ終わったら左隣へ。

2.まわしてつけて、全てのシートをチェックしたらおわり。たったこれだけです。

なお、回ってきたシートで面白いものに既に☆がついていても気にせず、更に☆をつけます。

最終的には、☆が6つ(6人の場合)つくものもあれば、一個もつかないものもあります。大抵は、80%ちかくのアイデアが「☆無し」になります。それらは、その先のアイデアの深い検討では使いません。

補足:落としたものはそれでいいの?という声は当然の疑問だと思います。ブレストを繰り返して深めていく、という立場を創造工学ではとります。落としたものの中にいいものがあれば、次のときに復活させてもっと拡げてください。と。 ただ、だれかしらが「広がる可能性がある」と感じたものには既に☆がついているので、誰も☆をつけなかったものには、次回に持ち越されるものはほとんどありません。安心して、削り落としてください。




資料:

ブレインライティング・シート

(私が、アイデア出しをサポートするときに使っているシートです。A3サイズで出力するとちょうど一つの四角のサイズが名刺サイズになります。切り出したアイデアカードが、ちょうど名刺サイズなので扱いやすく、遺したいアイデアカードの保存も比較的容易です。

2007年11月07日

アイデアの技法「コンセプトの進化と選択」

アイデアが沢山でたら、その先は?という時に役立つ手法があります。

「アイデア番付法」は、極めて簡単な作業の繰り返しですが、やってみると悩みも出てきます。「他のメンバーとは、アイデアを選ぶ視点がどうも違う。話し合いに一貫性を持たせられない」などなど。そこで、効果的なアイデアの選択と統合を図る方法をご紹介します。





アイデアの収束の手法(2)「コンセプトの進化と選択プロセス


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第一段階。
チームで、アイデアの評価指標を話し合います。

例えば「コストが低いこと」が最も重要と考えているチームでは「コスト性」を評価指標にします。

他には「斬新度が高いこと」ならば、「斬新さ」。「内在的な危険性が低いこと」ならば、「リスクの低さ」。「そのアイデアを実現するのが比較的容易であること」ならば、「実現性」。「使い手にとって価値の高いもの」ならば「ユーザ価値」。などなど。

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「この3つが、意思決定するときのチームの価値基準だ」といえる、評価3項目を決めます。

(どういう評価項目を選ぶかは、慣れていないうちは、難しいと感じると思います。しかし、幾度か行うと慣れます。)

話し合い、3つ、評価項目を決めます。(例:項目1=「ユーザ価値」、項目2=「実現性」、項目3=「コスト性」。以下の文では、この例で表現します。)






第二段階。
アイデアを評価し、質の低いアイデアを落とします。

まず、アイデアの中で、ベストに近いものを「基準アイデア」と位置づけます。基準アイデアの項目1,2,3に、S S S と記入します。

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1つめのアイデアを、項目1について、基準アイデアと比べます。
基準アイデアより勝っている→「+」
基準アイデアより劣っている→「−」
基準アイデアと同じ程度→「S(セイム)」
と書きます。

2つめのアイデアを、項目1について、基準アイデアと比べます。その評価を記入。3つめのアイデア、4つめのアイデア、、、と、次々評価します。

そして、今度は、項目2について、同じように、基準アイデアに比べて、良いか、悪いか、同等か、を比べて記入します。

最後は、項目3について。同様に書いていきます。

これで、全てのアイデアについて、3項目とも埋まりました。





そして「−−−」のもの(評価項目1,2,3のいずれも、基準アイデアより劣るアイデア)は消しこみます。

この方法の優れた点は「基準アイデアとしてベストに近いアイデアを採用すること」です。多くのアイデアは、基準アイデアよりも劣る(つまり「−−−」となる)ので、大幅にアイデアを落とすことが出来ます。

※補足:アイデアに絶対的な優劣があるわけではありません。特に、未成熟なアイデアであるうちは、優劣は一般につけがたい。そこをうまくやっているのがこの方法です。消しこまれるアイデアは、チームが選んだ3項目が変われば、変わります。

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全てがプラスになったアイデアがあれば、それを次の基準アイデアに選びます。それでさらにアイデアが落とされ、より質の高いアイデアに絞り込むことが出来ます。





第三段階。
質の高いアイデアを統合してゆきます。

Sや+のついているアイデアが残っています。あるアイデアは、指標1,2,3が+−−、あるアイデアは−−+だったりします。この場合、2つのアイデアを統合することを試みます。「ユーザ価値」はあっちのアイデア、「コスト性」はこっちのアイデア、といった形で。アイデアを統合して出せた新アイデアを追加します。

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この統合作業で、ベストアイデア作りを狙います。どうやっても統合できないアイデアもあります。強いアイデアへ進化したもの(スターアイデアの候補)が得られてこの作業(アイデアの絞込みの作業)が完了。

技術系の、あるいは、要件が厳しい状況のアイデアを求めるときに、ぜひ一度試してみてください。


関連ページ:以前のブログに同内容があります。
複数のアイデアからスターアイデアへ。(Stuart Pugh コンセプトの進化と選択プロセス)

2007年11月06日

アイデアの技法「アイデア番付法」

アイデアが沢山でたら、その先は?という時に役立つ手法があります。

アイデアの収束の手法(1)「アイデア番付法」
(原典「カード分類法」)

まず、アイデアをカードにしておきます。
(これにはアイデア出しのフェーズで、ブレインライティング(BW)やカードブレインストーミング(CBS)を行っていると、スムーズです。)

やり方は極めて簡単、シンプルなチーム作業です。

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まず、アイデアカードの中から二枚をとりあげて「このアイデアとそのアイデア、どっちがいいアイデア?」といいながら、チームで話し合います。

「じゃあ、こっちのほうがいいね。」となったら、よいほうを上に、そうでないほうを下に。

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次は、アイデアカードの山から一枚とり、一番下のアイデアと比べます。「どっちがいいアイデア?」と。

一番下のアイデア(□□)よりもよければ、それよりも上。

次は、上のアイデア(○○)と比べます。○○と比べて、良ければ上、悪ければ下に。

こうして、単純な比較作業を、続けていくと、最後には、アイデアカードの山が、1番から20番までの順番に並びます。(アイデアが20個ならば。)

アイデアを順位付けするのは一般に簡単ではありません。この作業は、単純な比較作業を繰り返すだけで、チームのもつ価値観でアイデアの上位を抽出する方法です。作業に取り掛かるまでの説明が20秒で済む点も非常にこの手法のよいところです。

なお、「番付」と名づけたのは意味があります。横綱級、小結級、といった「アイデアの優劣つけがたし」状態を、並列に並べておくことを暗に許容している点です。優劣決めがたいアイデアは、大関級、だとして並列においておいて後で詳しく考えてもいいわけです。

補足:

この作業をしている中で、アイデアが更に出れば、それは新しいカードに書いて、アイデアの山に加えてください。アイデアを比較していくチーム作業を通じて、よりよいアイデアを自然と話し合う行為がでてくる効果もありますので。

2007年10月29日

先に褒め、後に判じる。(先褒後判:せんほうごはん)

クリエイティブな心理様式は、「拡げてから、絞る」です。

簡単に言えば、数限りない選択肢やアイデアを作り出し、そこから質のよいものを選び取っていく。あるいは、組み合わせより良いアイデアに進化させていく。

こう表現すると最もな話だ、とうなずく方は多いでしょう。

しかし、その目線を「空からの俯瞰」でなく「陸上を走る実際の目線」に落とすと、かなり意見が割れます。日本の社会の多くに共通する文化性が特に、この心理様式とは矛盾するような思考パターンを持ちます。

「最初に褒めよ(Praise First:プレイズファースト)」

これは日本の社会にいつの時代も足りないのが実情です。景気が低迷すれば「社会の閉塞感」という記事が増えます。2002年のプレジデントにヒントとなる話があります。あるいは、PHPのトヨタの記事にも興味深い話が。

最初に褒めて、後から判じる(批判する)、というのは、いわば、「二階に上らせておいてはしごをはずす」ようなケースも出かねない。そのことが、プレイズファーストを避けさせていると考えられます。

ここについては、最初に褒めないことで、生じる損失(発見していたかもしれない事実やアイデア)のことを意識する必要があります。極端な表現をすれば。


多くの場合、日本のマネージャーは、最初に批判して、後で褒める。これは単に「プレイズファースト」の順序を変えただけ、でしょうか。実はチームの意識の持っていき方、いわば心理学的な部分で違います。

風船のアナロジーです。風船を膨らませるのが「褒め」であり、風船の上に重たい分銅(重り)を乗せるのが「批判」です。

プレイズファーストは、分銅を載せる前に、風船に沢山空気を入れて、ちょっとやそっとでは風船がつぶれてしまわないようにすることです。(シネクティクスなどの手法では、パンパンになるほど、ヘドが出るほど褒める、ということをします。)実はその後、創造工学の手法では、分銅を本当に沢山載せます。懸念点を出尽くすまで上げます。批判ブレスト、とでも言うべき作業をします。それでもつぶれない風船がいるのです。

順番を逆にしたら、どうなるでしょう。先に、分銅を載せまくります。すると風船がつぶれてしまいます。チームとしての意識(その企画への求心力)が折れてしまいます。いわば、そのアイデアはつまらないものにかすんで見えます。その後にどれだけ風船を膨らまそうとしても厳しいものがあります。



先に褒め、後に判じる。(先褒後判:せんほうごはん)

という言葉は、一般にはありませんが、クリエイティブなチームを醸成しようとしたら、”せんほうごはん”を思い出してください。

2007年09月02日

2秒メモ。花のままでは保存がきかない。

アイデアの技法、について、久々のエントリーです。いろんな方の発想の構造を聞いたり、手法を聞いていて、特徴的な、そして、エキスパート以外には見過ごされやすいポイントがあります。そこに『2秒メモ』と名を付してみました。次のようなものです。

アイデアの技法「2秒メモ」

いつもポケットにペンとメモ(お勧めは、名刺サイズのメモカード、30枚くらい)を入れておく。

何かをふと見て、「あ、こうなっているのか」と思ったら、メモ。「あ、それを生かすとこんなこと出来ないかな」とおもいついたら、メモ。「でも、こんな懸念事項がありそうだ。」それもメモ。

ツールとしての要件は、直ぐに立ち止まり、メモを出せること。2アクション以内に(2秒以内に)、ペンを持って書く紙面を手のひらに収められていること。書くべきページを開くのが大変なツールはNGです。

さて、歩いてて何か思いついて、メモします。それぞれのメモは、細かく書かないでOK、正しくない言葉遣いでもOK。そのときの感性イメージをできるだけ、正しくアウトプットします。たとえば「○○てきなもの」とか「□□しちゃうくらいの」といったトーンでもOKです。ビジネス風に書くのは、後でいいです。

そして、できるだけ3行以内に。カードが小さいので必然的に30文字くらいしか書けません。それがいい。書きすぎては駄目。広がりを生む芽ですから。

それから、できるかぎり、「図」をつけたい。それも、ただの「○」と「→」くらいで充分。何か、書きたいことが言葉で出てこなければ、適当な大きさの「○」を1〜3個書いてみてみると意外と、流れ始めたりもします。あるいは、2×2の表もいいです。

さて、この手法のよいところは3つあります。

1.花のままでは保存はきかない

ぱっと思いついたアイデアは、「花」のようなものです。特に朝顔のような。「ああ、いい花がさいたなぁ、後でもっとよく見よう。カメラもどこかにあったよな。」とおもった花。翌日に、青の花、どんなはなだったかな、とみてみると、既にしおれている。う〜んと思い出してみても、さいていたときを思い出せない。

アイデアは、鮮度の短い「花」のようなものです。見つけたその場で、ぶれてもいいから撮影しないと、24時間後には、ほとんどの花は枯れています。アナロジーで言えば、アイデアの花が咲いたら、受粉させて「実」にしましょう。実にしたアイデアは収穫フェーズに進ませることができます。

アイデアを「花」から「実」にするとは、「思いつき」を「紙に書く」なんです。
2.創造活動(原稿を書く、企画を作る)時に、とてもありがたい自分だけのデータブックになる。

連載原稿を書く仕事を始めておどろきました。あふれるほどアイデアがあると思ったのに、そのテーマで書き続けると、アイデアが出てこない、とおもう日もあるものです。世の中の優れたアイデアの事例を探したり、ディスカッションしたりするようになるのですが、そこで得られたものを、既存の著作者に配慮するとなかなかそのまま活用するわけには行きません。そのときに、「転用フリー」のアイデア集ブックがあったらいいとおもいませんか?アイデアのメモストックは、実はそれです。思いついた膨大のアイデアはあなた自身の創作物なので、かなり自由に使えます(もちろん、思いつきのヒントをえるための事例などには、言及する際に配慮がいります)

このアイデア集ブックは、半年で、かなりのボリュームになります。豆に書いているぶんにはストレスとはありません。あなたの企画構想に利用フリーのアイデアデータベースを作ることができます。
3.アイデアマラソンへの助走が出来る。

毎日アイデアを書く、アイデアマラソン、という活動があります。ずっと同じノートを使って毎日発想する。という方法です。継続のもたら効果は大変素晴らしいものがあります。しかし、マラソンにいきなり入れない、もしくは、挫折した、という方は、まずは走り書きを書き留める習慣づけから、スタートしてみてはどうでしょう。一週間に2回メモした。次の週は4回。次は6回。次の週からは毎日1枚のメモが。そこまでいければ、多分アイデアマラソンにもういちどチャレンジすることが難しいことではなくなっているでしょう。
「2秒メモ」これが本当に必要に感じるのは、ごくわずかの方かもしれませんが、「あれ、あのアイデア、どうしても思い出せない。なんかいいこと思いついたと思うんだけど…。どう考えたんだっけな…。」と感じる経験があった暁には、是非一度これを思い出してみてください。ストックされていくアイデアのメモは、あなた独自のアイデア集ブック。あなたの企画の際にとても便利な武器になります。

それから、アイデアメモは、できるだけ24時間以内に、フォルダーなどに移動します。名刺カードサイズのメモカードは、名刺フォルダーに入れることが出来ます。めくってみるとそのときに感じたことが殴り書きしてあります。すこし迷いますが思い出せます。その思い出した部分を補足として、メモに書き加えて、フォルダへ。これが、1週間後の移動だと「なんだこのメモ?」というものばかりになってしまいます。アイデアの鮮度は落ちやすい。このフォルダへの整理も含めて、収穫可能な『実』にするコツなんです。

2007年05月18日

アイデア・グリッド

マイケル・マハルコ『アイデアのおもちゃ箱―独創力を伸ばす発想トレーニング』(1997年、ダイヤモンド社)というアイデアの手法に関する優れた本があります。原書のタイトルはTHINKERTOYS;A HANDBOOK OF BUSINESS CREATIVITY FOR THE'90sです。多様なアイデアの手法が書かれていてかつ読みやすい本です。

この本から「アイデア・グリッド」を紹介します。

前説としてこうあります。「ビジネスの世界もまた個々の事象から成り立っている。チャンスを捉えるには、ビジネス界を構築している個々の事象に目を向け、その事象同士の関係性をあらためて理解する必要がある。これを可能にしてくれるのが、アイデア・グリッドである。」

「グリッドは複雑で大量の情報を圧縮できる強力な道具である。(中略)
アイデア・グリッド
高関与型商品とは、車やセーリング・ボートといった高価な製品のことである。
低関与型商品とは、日用品などの比較的廉価な製品のことである。
思考型商品とは、言葉、数値、分析、認識に関する製品で、その購入に際しては情報や資料が求められる製品のことで、例えば、自動車、セーリング・ボート、コンピューター、カメラなどである。
感覚型商品とは、諸費者の情緒的な欲求や願望に訴える製品のことで、例えば、旅行や美顔や化粧品などをさす。

 製品とその潜在的市場を調査してその製品をグリッド上に載せてみなさい。例えば、生命保険ならば、上/左に入り、殺虫剤なら下/左に、イミテーションアクセサリーならば、下/右に入るだろう。
 製品の位置がいったん決まれば、それでアイデアを生み出す強力な土台を手に入れたことになる。(中略)完璧な企業や穴の無い市場などないし、そもそも商売において完璧などということはありえないことである。そこで新しいアイデアを得る唯一の方法は、市場や産業やビジネスの穴を突き止めることである。アイデアグリッドを用いれば、それが簡単に出来るのである。」

この後、例示として、「どんな方法ならば、4歳から12歳の子供を対象にしたユニークな園芸本ができるだろうか」ということで、既存6社を分析し、それらがすべて、下/左(低関与型、思考型)であると整理。上/左(高関与型、思考型)は百科事典。上/右(高関与型、感覚型)は美術全集など。下/右(低関与型、感覚型)は塗り絵など。

全ての選択肢に目を通した後、下/右を検討することにして、最終的には、『野菜スープの育て方』と題した塗り絵帳としてヒットし、ベストセラーになったそうです。

「この本はまず美味しい野菜スープの説明を行う。それから読者に実際に野菜作りを体験させる仕掛けになっている。種蒔き、水やり、草取り、収穫、そして最後にスープ作りと試食にいたる」

とのこと。

さらに最後にこうまとめています。「グリッドは、マーケットという危険な海のナビゲーターである。言ってみれば、読解を必要とする記号体系ということになる。グリッドは読み方次第で、すべてを教えてくれるか、何も教えてくれないかのいずれかである。」

以上、マイケルマハルコの引用でした。

分析的に考える、というのも創造的思考である、といわれています。分析的なフレームワーク、代表的なものは、SWOT分析、5フォース分析、バリューチェーン分析、プロダクトポートフォリオ分析、市場・製品マトリックス、などなど、マトリックス状のもの(一部、あるいは特徴的な形状のもの、がありますが。)は、効果的に発想や選択肢を引き出すツールでもあります。特にこのアイデア・グリッドでは、2軸として、特徴的なとり方をしています。市場を見るときに、どういうに軸を取るのかは、分析者の腕にかかっていますが、この図の2軸は、優れている2軸ですね。

2007年04月03日

ブレストの4つのルールと、対を成すもの。

オズボーン氏のつくったブレストには4つのルールがあります。(批判禁止、突飛さ歓迎、質より量、他の人に便乗)

そのブレストの後にするものって、なんでしょう。

これは、いわゆる収束作業、ですね。出てきたアイデアを統合したり、発展させたりしながら、未熟なアイデアのリストから、スターアイデアの候補を抽出するわけですね。

その作業を”ポスト-”となづけるならば、ポスト-ブレスト、にも、ブレスト調のルールがあるのでは?とおもいませんか。

実は、オズボーン氏の作ったCPSIという機関では、「発散の4つのルール」(=ブレストの4つのルール)と対を成す、「収束の5つのルール」というものがあります。これは、日本ではあまり知られていません。ブレストそのものの理解度に数段劣るくらいの認知度ではないかと思います。

その「収束の5つのルール」の具体表現は以下です。

 1 肯定的であれ
 2 配慮せよ
 3 目標をチェックせよ
 4 アイデアを改良せよ
 5 目新しさを考慮せよ
 (出典:『創造的問題解決』)

これは、以前のブログ http://ishiirikie.jpn.org/article/1758780.html で少し紹介しました。

この「2 配慮せよ」だけは、なんだか察しにくい、というのもあるので、一言補足すると「粗い判断をせず、全てのアイデアを公平に評価せよ」ということだそうです。

「1 肯定的であれ」は、「何もいいアイデアはない、ということの代わりに、そのアイデアのいいところに目を向けよ」といった意味だそうです。


これらのルールを意識しているだけでも、ずいぶんと、アイデアを効果的に収束させることが出来ます。自分の組織の収束会議を、一度このルールで見直してみてはいかがでしょうか。

なお、良くある収束手法や、創造工学的な収束手法を、整理しておきます。

収束手法1 KJ法(たぶん最もポピュラーでしょう。グルーピングと名づけによる構造化)
収束手法2 ハイライト法(これは以前のブログで紹介しました。)
収束手法3 スチュアート・ピューのコンセプトの進化と選択プロセス(同じく、以前のブログ

これらは、上記の5つのルールにのっとってみると、それぞれ4つくらいを満たしています。その分析をしてみると、この5つのルールがなるほど、洗練されたルールなのだと気が付きますね。

2007年02月18日

SCAMPERの問いの構造分析。

SCAMPERの48の問い、これを、独自版を開発しようとして、SCAMPERの問いの構造分析やグルーピングに取り組んでいます。

わかってきたのは、SCAMPERの問いは、
(1)48の全くの別々の質問ではない。4×10程度の要素の掛け算である。
(2)ただし、それを単純に組み合わせる代わりに、多義的な意味合いを持った
  「あいまいな質問」(そしてそれは、「深いなぁ、という質問」)の表現である。

そして、さらにわかってきたのは、SCAMPERのカードが意味するもの、についてです。
「ブレストにおいて、突飛なアイデアが出されたときに、そのアイデア自体は不可能であったとしても、そのアイデアがもたらした新しい切り口は、新しい展開を発案する引き金になる。」ことがあります。突飛なアイデアのその隣には有効なアイデアがあったりするものですね。一人でブレストをしにくいのは実は、「(自分にとって)突飛なアイデアは自分では出せない。」特性があるからです。自分に思いもよらないアイデアを思いつこう、というようなものですから。

さて、その、「突飛なアイデアの持つ新しい切り口を、転用して、発想の引き金が引かれる」ことを効果的に生じさせるのが、SCAMPERです。実はそのような役割を担っているようです。

また、質より量、で、あらゆる可能性を出していくことで、突飛さの方向も、全方位に飛んでいくわけですが、これも、時間がかかるしメンバーの聡明さによって全方位になるか、限定方位になるか、があります。このときにSCAMPERがあることで、全方位に発想の切り口が広がる機会が提供されるわけです。

SCAMPERを用いて、一人でアイデアだしをする、というのは、「質より量」と「突飛さを歓迎」の2つを担う人と一緒にブレストをしているようなものです。後は、そのアイデアに便乗する(つまり、SCAMPERの問いがトリガーとなって着想が得られる)わけです。

このことは、新しいSCAMPERセット(たとえば、地域活性をかんがえる人のためのSCAMPERセット)を開発する時に大きなヒントとなりそうです。

2007年02月12日

「新しいアイデアを見るときはまずその長所を探す」

アイデアを「広げる作業」と「絞る作業」があります。
これは「generate」と「evaluate」だ、ともいえます。

時々、「このアイデア、どう思います?」という相談を受けることが
ありませんか。そのときに2つの反応があると思います。

1)おもしろいな。もっと広げたり、新しい可能性を加えたりできそうだ。
2)荒削りだな。コストやリスクは十分に洗い出しているのだろうか。

相手が、1と2のどちらを期待しているのかを確認するには、
「アイデアを、広げたい?絞り・磨きたい?」と聞くか
「アイデアを生成したい?評価したい?」をたずねてみるといいでしょう。
相手の気持ちが両方の場合もあるので、
そのときは、1を行って、それから2を行うといいでしょう。

※1をしたいときに2で対応すると「アイデア・キラー」に。
※2をしたいときに1で対応すると「洗練不足」に。なります。


さて、タイトルの言葉「新しいアイデアを見るときはまずその長所を探す」(※)は、1を行うときに必要な、心構えです。普段、2ばかりを行っている人には特に意識しておくべきポイントです。

(※)出典:『創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか?』(B.ミラー、J.ヴィハー、R.ファイアスティン)

出典よりさらに引用、要約すると以下のようになります。(「」は本文の引用を示す。)

「誰かからのアイデアを提案されたり、数多くのアイデアを自分で生み出した後のステップは、それらを評価し発展させることだ。残念なことにわれわれの多くは、アイデアの悪いところをまず評価することで「洗練」させようとする。」

「創造性セミナーで教えるテクニックのうちの1つは、アイデアを評価する際、まずアイデアの長所(pluses)、潜在力(potentials)を探し、次にそのアイデアの心配な点(concerns)を考慮し、最後にその心配な点を克服する(overcome)というもの」

「これは「まずほめる(Praise First)」または略してPPCOとよばれる。」

「1)ある特定のアイデアを選んだ後、そのアイデアについて少なくとも3つ良いところを探す。それらが長所だ。
 2)次に潜在力を探す。そのアイデアが実施された場合の将来におけるなんらかの利益の可能性が潜在力だ。「〜かもしれない。」で文を終えるといいだろう。
 3)どんなアイデアも完璧ではありえない。第三のステップとして、そのアイデアについて心配な点をあげる。ただし、それらの心配点を問題に関する意見表明の形で表すこと。解決策を考えることで、アイデア発展プロセスを続けることができる。仮に、あるアイデアの心配点はコストがかかり過ぎることだとしよう。その場合、「どうやってコストを減らせるだろうか」や「そのアイデアを発展させるためにかかる資金をどう見つければいいだろうか」というように表すといいだろう。
 4)問題に関する意見表明として書かれた心配な点に対して、それを克服するアイデアを考える。こうすることでそのアイデアは強固なものになり、実施する際にまわりから賛同を得られやすくなる。これが、アイデアを評価し洗練させるための建設的で積極的な方法だ。」

P(プラス)P(ポテンシャル)C(コンサーン)O(オーバーカム)。
この順序で効果的に対応することができます。

2007年01月21日

一人でブレストするためのツール。

アイデア出しを一人ですることは往々にしてあります。ブレストのルールの一つ「人のアイデアに便乗」を除けば、一人でもブレスト的なことはできます。

 ※ちなみに、自分ひとりでも、「他の人のアイデアに便乗」をする方法も
  あります。「異なる時間の自分は異なる人間。」人間にはそういう特性
  があります。それを利用します。端的に言えば、紙に書く、後で見る、
  という平易な作業。ある意味「昔の自分とブレストをする」ことなんです。

さて、一人でブレストをする、というときのツールに、大きく分けて「インプット系」と「アウトプット系」の2つがあります。アイデアの質と量を増加させるには、インプット量・アウトプット量を増やすことのどちらも効果があります。両方できればさらにいいです。

■インプット■
 つまり、いかに効果的に情報収集を図るか、です。これに使えるツールは、短時間であれば、グーグルの検索や画像検索、が早いですが、前もって、アイデア出しのテーマ、キーワードがわかっている場合は、グーグルのアラートを利用すると、大量の新鮮な情報を得ることができます。

 最近になって登場した情報(しかもかなりのPVの高い情報)を、アラートが毎日届けてくれます。無料のメルアドにためておいて、「あさ、月曜日の企画会議のために、一人ブレストをするぞ」というときに、たまっていたアラートメールを片っ端から見ていきます。

 ざざざっと情報の中に浸ることでそれだけでも、ずいぶんアイデアが沸いてきたりします。これは良質・大量のアウトプットを出す際にも潜在的に大きく聞きます。

■アウトプット■
 つまり、アイデアをいかに出していくか、です。これにもさまざまな方法があり、「アイデアの出し方 ブログ」などでご紹介していますが、どんなテーマでも6〜7分で、10以上のアイデアを出せる「SCAMPER」というものがあります。(スキャンパー、と発音します。)

 オズボーンの7つの問い(アイデアのチェックリスト)と呼ばれるものがありますが、その詳細版です。48の本質的な質問で構成されたリストです。これを、短時間で次々に、自問自答します。数枚に一枚は、アイデアが出てきます。これはどんなテーマでも、たいていは出てきます。


アイデアを一人で出していくときに、いろんなやり方があります。ツールを使って、そのときの不調に左右されないでアイデアを出していく方法もあります。企画のさいには、ぜひ一度お試しください。

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2007年01月12日

「間違いをすることの大切さ」

失敗と創造性には、深い関係があります。

『創造的問題解決』のP81〜82に非常に興味深い記述があります。ページ脇コメント(この本には脚注以外に、ページの脇に、ショートコラムが任意に記載されている)もふくめて、8つの部分を引用します。(なお、記事タイトルも本文からの引用です。)

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(引用)
「成功する方法は、失敗する率を倍にすることだ」(Thomas Watson, Jr.)
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(引用)
トーマス・エジソンは電球を発明するため、効果的なフィラメントの材料を見つけ出すまで約3,000近い方法を実験した。2,999のそれぞれの方法は失敗だったのだろうか。そうではない。それらはエジソンが願っていた結果を生み出さなかっただけなのだ。
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(引用)
私は失敗などしていない。むしろバッテリーの発明に結びつかない5,000の方法を学んだのだ。そして、私は自分の目標にそれだけ近づいているのだよ。
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(引用)
トム・ピーターのビジネスで成功するための3つの鍵を覚えておこう。
1:すぐにテストする
2:すぐに失敗する
3:すぐに調整する
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(引用)
誤解しないでほしい。完全に正しいことをすることは非常に重要だ。しかしながら、この原理をあまりにも早い時期に使い始めると問題が起きるのだ。残念なことに、人々はこの原理をあまりにもすぐに適用する傾向がある。
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(引用)
失敗を受容する場所でしか、成功につながる考えを生成することはできない
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(引用)
時々間違いをするのは構わない、新しいことを試みるのも構わないという環境において、創造性は繁栄する。創造的であることの一側面は失敗をすることでもあるのだ。
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(引用)
ワークショップ等で参加者がくつろぐことをうながすためのテクニックに、彼らに「間違い指数」を与えることがある。ワークショップ中、彼らは少なくとも間違いを30個行うことが期待される。もしその目標を達成すると、さらに30個の間違いを割り当てられるのだ。これにより参加者たちは、自分たちのアイデアや行ったことが完璧でなくとも笑われないということに気づき、難しい問題を解決する新しい方法を恐れず試みるようになる。こうして彼らはさらに参加し、学ぶ意欲を高めていくのだ。
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2006年12月30日

「なぜそれをしたいのか」と「何があなたを制止するのか」

アイデア出しにおいて、「適切に問題を設定する」ということが実はとても重要です。

創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか?のP30に、興味深い記述があります。「問題の根源をつきとめるのを助けるシンプルなツールがある。一見込み入っているように見えても、実際には2つのシンプルな質問で構成されることが多い。「なぜ」「何があなたを制止しているのか」」

それをもとに私なりに、問題の本質化手法を、言い換えてみました。
問題の本質化を行う際に、こうした考え方、ちょっと思い出してみてください。

なぜそれをしたいのか と 何があなたを制止するのか

取り組もうとしていること(目標、願い、挑戦)を書き出します。図のオレンジ色の玉が、その取り組もうとしているもの、です。

なぜそれをしたいのだろう。と問いかけます。すると相手(※)が、**だから、と答えます。繰り返します。なぜ**したいのだろう、と質問します。相手が○○だから、と答えます。これをどんどん繰り返していきます。モチベーションのベースのベースを明らかにしていくんですね。図では黄色い台座がそれです。どこまで、台座を掘り出すか、といえば、「より豊かな、充実した生活を過ごしたいから」まで、です。

※ここで出てくる「相手」は、自問自答するときは「自分」と読み替えます。

こうすると、取り組む際に、そもそもの根本的な目的に反した計画を立てることがなくなります。幸せになるために働いているのに、働くことを全うしていったら幸せでなくなった、なんてことがおきないように、モチベーションの基礎工事を行っておく感じです。

さて、それだけのやりたい、という気持ちがあっても、実際にはそう簡単に実現はしていないわけです。何の課題もなければすればいいだけ。現実には多くの問題があって、それを実現できていないわけです。

ここで、図で言うと、オレンジの玉が上昇しようとするのを、止めている抑制力が働いている、そんな感じです。重たいオモリがついています。これ、がちゃっと外せたらすっきりと玉は上昇し始めます。では、そのオモリと取り払うにはどうしたらいいか。それには、オモリの先のオモリ、一番下のオモリを外すことから取り組めばいい、ということです。いっぺんに全部を外すのはなかなかきつくて難しい。ならば、一つずつ、です。

このさきっちょのオモリを明らかにするのが「何があなたを制止するのか」という問いです。相手に問います。相手は□□だから、とこたえます。相手に問いかけます。「なにが、□□でない状態になるのを制止しているのか。」相手は△△だから、と答えます。相手に問います「なにが△△でない状態になるのを制止しているのか」。これを繰り返していくわけです。

阻害している要因の先っちょは、結構単純なようです。そこまでいけたら、問うのを終えます。


(こちらは抽象的だと分かりにくいですね。例。3キロダイエットをしたい。→なにがあなたのダイエットを阻止しているのか。→おいしいお菓子を売っているケーキ屋が通り道にあるから。→なにが、ケーキ屋の前をとおらないようにすることを阻害しているのか→バス停に行くにはその道しかないから→なにが、バス停に行くのにその道しかない状態を変えるのを阻止しているのか→家と最寄のバス停の位置は動かせないよ、、、だから?→なにが、バス停の位置を動かすのを阻害しているのか(違うバス停を使うのを阻害しているのか)→遠くて時間がかかるし疲れるから。、、、連なっているオモリのしたへしたへ、見ていく感じです。他に使えるバス停は遠すぎるので最寄のバス停を毎日使うが、その道中にすごくおいしいケーキ屋があってどうしてもかって食べてしまう。という記述がオモリの一連を表すことになります。ちなにみ、二番目の答えが「必ずどこかでケーキを買ってしまうから」と答えたならば、展開は変わります。何があなたがケーキを買わないようにするのを阻止しているのか。となり、それは、甘いものが食べたくなってしまうから。となり、なにが甘いものが食べたくなる状態を阻止しているのか。となるわけです。この辺まで来ると決して軽くはないですが、先っちょに近いですね。)

どのようにして実際に問題を探索し明確にするか」ということに悩んだらこれらのことを使ってみてください。


参考(引用)

2006年12月12日

CBS。カードブレインストーミング

発表の苦手な人も発言しやすくなるブレストがあります。
カードブレインストーミング。略してCBS、とも表記されます。

(やり方)基本ルールと基本作業はブレインストーミングと同じです。違うのは、発言のときにカード(大判のポストイットが使われることが多い)にアイデアをまず書くこと。カードに書いてから、”ハイ”といって、カードを見せながら、アイデアを発言する。そういうブレストです。主なメリットは3つ。

 1 アイデアが残る
 2 アイデアの幅が広がる。(絵で伝えるアイデアが。)
 3 発言の苦手な参加者の発言が増える。


これらについて具体的な内容は以下。


1 アイデアが残る

アイデアが残ることは大きなメリットがあります。口頭だけでブレストをすると、アイデアの分岐点に戻ることが難しいものです。本人が分岐点の他の選択肢があったことを忘れてしまう。本人は覚えていても、他のメンバーが忘れているため、”あのアイデアの所の別の発想だけど・・・”という発言をしても皆がついてこれない。カードがあると、そのカードをさしながら、”じゃあ、ここで今度は小さくするアイデアを、、、”とすぐにたどれます。また、アイデア出しの終了後にも役に立ちます。KJ法などでまとめるとき、そのままカードを動かすことができ、便利です。


2 アイデアの幅が広がる。

ブレストをたくさんやっていくと分かることがあります。
ブレストの成否には、コミュニケーション能力の高い低いが、強く影響する」。

人間の脳の役割に、右と左があるといわれます。すこし整理して言うと、
・右脳と左脳
・創造と論理
・図と文字
・”考えること”と”イン・アウトプット作業”
発想作業自体は、創造の部分、つまり右脳。そこでは物事は空間的、図形的なんですね。テキストラインを論理的に処理する作業ではないんですね。

一方で、発言する、誰かの発言を聞く、という会話作業は、論理の部分。つまり左脳。そこでは物事は言語的なんです。言葉は舌と唇の動きを通じて文字情報に近い情報として、相手に伝わります。

ブレストは、頭がすごく活動する状態です。人のアイデアをどんどんインプットしながら、同時に、それを次々と創造エリアに取り込んでは、加工・変化させて、アウトプットしていく。ところが、創造に使える情報は図的なものが多いのに、言葉のみで伝達するのは結構骨が折れます。図で言うとこうなります。

 言語(IN)⇒創造(考える)⇒言語(OUT)→言語(IN)・・・繰り返し。

絵を使うと言語では伝えにくいことが非常に短時間に、アウトプットできることが結構あります。創造性の手法の中では、「絵をかけ」という指示が結構あります、実際。受け取り手も、絵のほうが情報量がぐっと上がることがあります。見たことの無いものを言葉で説明されるとかなり理解がつらい、そういうことです。

その意味では、絵をかくことができるCBS(カードブレインストーミング)は、創造活動を、よりダイレクトにアイデアとしてアウトプットしていきます。出てくる発言が「言語による表現」のみのときに比べて、”アイデアの幅”が広がっていることに気づくでしょう。


3 発言の苦手な参加者の発言が増える。

通常のブレストをすると、どうしてもなかなか発言のタイミングが計れず、そうしているうちに話が流れてしまったり、アイデアがなんだか色あせちゃう。そんなことってありますよね。アイデアマンはそういう経験が少ないかもしれませんが、初めてのブレストの参加者は、ちょっと出せないでまごまごするものです。

また、ブレストがまだはじまったばかりで場が冷えているとか、初対面が多くて、ばかばかしいことを言いにくい雰囲気との時もあります。こういうときに、突飛なアイデアを出したら、みんなの反応が薄い。発言者がなんか罰が悪い。なんとなくみんなも発言しにくくなっていく。そういう負の加速へ。

そういうときには、フリップボード会議、でご紹介したように、紙に書いてしゃべる、ということにするといいんですね。アイデアを書くことで結構整理されます。それから、途中で、「あ、つまらないかも」とおもっても、カードに書いちゃったんだから、とりあえず発言しきらないと。という心理状態になります。自分へのエクスキューズが作られるんですね。発言の苦手な人の発言が増えるゆえです。

以上、CBSのメリットでした。

なお、デメリットもあります。まず、ポストイットやカードというツールが必要になること。ペンもいります。張るための大きな平面も。ポストイットは100円ショップにいけば100円で、100〜200枚くらい手に入りますが。
また、アイデアマンにとっては、書いてから発言、というまどろこっしさがストレスになります。発言をどんどんする人にとっては、スピードが下がるんですね、自分のアイデアを場に出す速度が。これは、アイデアの多様性のため、しゃべらない人のアイデアを引き出すために、我慢してもらいましょう。(アイデアマンは途中から発言を書かなくなります。必ずファシリテータかリーダーは、「よし、そのアイデア、カードに書いて場においてください」とカード化を促すことが必要です。)


以上、本日はCBSの話でした。

机の上に、アイデアのポストイットがどんどんあふれていく姿というのは、たとえ駄作ばかりでも、なんだか、「すごくやれている感」が醸成されます。そうなってくると、安心して突飛な発想もできるし、アウトプットできます。ポストイットがわんさか消費されていくという視覚情報。意外とチームの意識の持っていき方の意味でも、重要な小道具、なんです。一度、だまされたと思って、カードブレストをしてみてはいかがでしょうか。

2006年12月11日

焦点を明確にする。

問題をどう設定するか。
アイデア出しにおいては、テーマ設定が実はとても重要です。

創造作業をする際に、テーマ設定の良し悪しは、出てくるアイデアの成果(質・量)に非常に強い影響を与えます。良い問題設定は、自然と沢山のアイデア、面白いアイデア、が内外から出てきます

プロダクトデザインの会社「IDEO(アイデオ)」の本に、興味深い記述があります。『発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』 


:::「よりよいブレインストーミングのための七つの秘訣」(P68)より引用:::

「よいブレインストーミングは問題について焦点を絞ったテーマの提示から始まる。」「輪郭はぼやけているよりもはっきりしているほうがいい。」「しかるべき範囲に問題を設定して明確に表現するほど、よいスタートが切れる」「主要な話題に立ち戻るのも簡単になる。」「方向性を見失いかけていることに気がついたら、少し時間を割いて問題のテーマを絞ること」

「『中身がこぼれないコーヒーカップの蓋』というのは、ブレインストーミングのテーマとして好ましくない。あまりにも限定されすぎていて、すでに答えが分かっているからだ。」

「もっと自由でよりよいテーマは次のようなものだろう『自転車に乗る人が、こぼしたり舌を火傷したりせずにコーヒーを飲めるようにする方法は?』目指すのは、参加者がより深く取り組める具体的なテーマ、しかも現実可能なソリューションを限定しないテーマである。

「すぐれたテーマとしては、組織のなんらかの目標に焦点をおいた内向きのものよりも、特定の顧客のニーズやサービスの強化に焦点をおいた外向きのもののほうが良い。」

「『ダイヤルアップ・モデムを介して検索する顧客が最初の結果に行き着く時間をどうしたら短縮できるか』といったテーマで、顧客に焦点をおいたより明確なブレインストーミングをすれば、イノベーションへの道が開け(る。)」

:::引用、ここまで:::


アイデアを発散・収束させるには、
実はその前段階である「テーマの設定」が重要なんですね。

ブレストを行っていくと「あれ、問題がなんかおかしいな」
と思い当たることが、実際にあります。

発想作業には、こういう「問題設定」も重要です。

では、具体的にはどうするか。
問題の本質化手法、適切なテーマを設定するためのツール、
といったものが幾種類かあります。
そうしたものも今後ご紹介していきたいと思います。

追記

2006年12月06日

ブレストの実際(6)収束のルール

うまくブレストができ、アイデアが山のように出た。そういうチームが次に知りたくなるのが、収束のやりかた。ブレストでは批判禁止ということで、実現性度外視のアイデアも随分でました。ここからたった一つのスター・アイデアつくりたい。でもどうやるんだっけ?そこでブレストのルールの本にあたってみます。あるいはインターネットで検索します。するとチームで話し合って選ぼう、とか、かなり難しい手順のものまで出てきます。職業上のアイデアマンではないならば、どれも説明が不十分におもえます。行間から何かを読み取らないと、その作業、よくわからないよ、と。

そこで、広げまくったアイデアをどう絞るの?その声に少しだけこのブログ上でお答えします。まず最初に心に留めておいてほしいことは、『広げることよりも、収束することは、慎重に。』ということ。

多くの方は、はじめ聞くとおもいますが、収束の5つルール、というものがあります。

 1 肯定的であれ
 2 配慮せよ
 3 目標をチェックせよ
 4 アイデアを改良せよ
 5 目新しさを考慮せよ (出典:『創造的問題解決』)

なぜ収束にルールがあるの?といえば、それはアイデアリストの中にあるスターアイデアとなるアイデアを選び損ねるのを避けるためです。

アナロジーです。

その海の一番おいしいとされる魚を捕まえたい。漁に出た。網でばっさりと魚を100匹囲い込んだ。そこまではいい。しかし、船に引き上げて、活締めしてもってかえるには、多すぎる。せいぜい2〜3匹でいい。本当にうまい魚をいれるクーラーボックスにどれをいれよう。

さてどうしましょう。

全部引き上げて、はり、いろ、おもさ、おおきさ、胴回りを一つずつ図りますか。100匹やったら、すごい作業です。そして、大きさでまさるけど、はりがよわい魚とか、胴回りはおおきいけれど、いろがわるいとか、優劣が一目瞭然ではない。そして何匹も、比較のために残していって、しだいに船があふれます。はて、どうしたものか。

ここでルールが登場するわけです。

 1 肯定的であれ。

魚をいきなり否定的に捨て始める、っていうのは避けたいです。
しびれるような、完全な獲物がなければ捨てていく。
そういう選び方では、おいしい魚を逃しています。
この魚、どこがいいのかな。どういう料理であじがでるかな。
そういう肯定的な姿勢、重要です

 2 配慮せよ

目の前の魚を手元にひきあげずに、一目見て、その辺の魚は
雑魚ばかり。すてておいてくれ、といいますか。だめです。
すべてを公平にきちんと見ましょう。
そして、自分の魚を見る目が、時々偏っていないか、自己チェックしましょう。

 3 目標をチェックせよ

当初の目標、どんなさかなをつりたい、とおもっていたか、思い出しましょう。
捕まえた魚の中には、思いかけず、すごくステキなのさかなもいます。
刺身で食ったらうまそうな一品にであう。
しかし、忘れないでください。今つりに来た魚は、煮物のための魚です。
煮込むことに向いていない魚をもってかえったら、また出直しです。
刺身用の魚、逃がすのが惜しければ、そっとポケットにいれてください。
そして今は、煮物の魚を探すことに、専念してください。

 4 アイデアを改良せよ

すべての魚がそのまま煮物につかるわけではありません。
一見煮物にむかない顔つきの魚、でもさばきかたを工夫してみると
にものにいけるんじゃない、というのもあります。
また、こいつは煮物に最適、とおもった魚にも、
不用意に料理に使おうとすると致命傷になりそうな鋭い骨があったりします。
魚を素材としてもっと良いものにするために、害を取り除いて
魅力をひきだしましょう。

 5 目新しさを考慮せよ

独特の魚がつれているときがあります。他で見たことない。食ったことない。
そんなの食えないよ。と心の中で声がする。
仲間の猟師も、その魚が珍しいものであり、今まで誰も
食ったことが無いのは、理由があるんだ。つまり食えないってこと。
そういって、すてろすてろという内外声が聞こえます。
ちょっとまってください。本当に、その魚、
食えない理由があって食われていないの?
目新しい魚、すぐに捨てずに、ちょっと、様子をみても、
遅くないでしょう。


以上、アイデアを魚に見立ててのアナロジーでした。
逃がした魚は大きい。といいます。
目で見て、大きさがすぐに分かる魚はまだいいです。
大きければ、逃さずに、すくいあげればいいのですから。
アイデアは目に見えません。目の前に吊り上げられたのは
へんてこで、不思議な体つきの魚です。ちっさいから雑魚。
そうおもって逃がしたら、大海を泳いで、驚くほどの立派な魚になった。
そのときに、アイデアの猟師は、「それ昔、俺も、みつけたのに」
と逃した魚の大きさをくやみます。

逃した魚、あとで丸々太って、他の誰かの吊り上げる姿をみたいですか?
収束にルール。そのルールはそんな悔やむ状況がおきることから
あなたを救ってくれます。

しかし・・・

本当に、この5つでいいの?
ルールははわかったけど、どうすりゃいいのさ?
逆ブレストみたいな、5つのルールで行う作業ってないの?

そんな声もあるでしょう。

ちょっと、収束のステップを一緒に見ていきましょう。
具体的に、どういう作業をするのか、ということを
このあとシリーズでご紹介します。

2006年12月05日

ブレストの実際(5)なぜチームでなのか?

特別編。ブレストのルールではないのですが、ブレストはどうして4人とか7人とか、集団で発想を行う作業なのでしょうか。一人でアイデア出しするときにも、ブレストのルールを自分で意識することで有効な部分があります。それを一人でブレストをする、と表現するならば、チームでのブレストと一人でのブレストがどう違うかを比較してみましょう。そうすることで、個々人の発想力を単に足したものとチームの力が異なることが見えるでしょう。

まず、批判禁止
これは、チーム作業においては非常に重要。他者が要ることをマイナス要因にさせないための重要なルール。なので◎。
一人で行うときに、自分で自分のいかなる発想も否定しない。否定したいときには生産的文章に言い換えることで収束思考を回避する。この意味では○。

次に質より量
これは、チームでも個人でも有効に働く作業。ともに○です。
早くアイデアメーションを終わらせる意味では、チームのほうがより有効。

そして突飛さ歓迎
突飛な発想を自分でするのは非常に難しい。なにせ自分にとって突飛なものというのは、自分のなかにインプット(情報・知識・組み合わせかた)が乏しいものを見聞きしたときの心理状態です。自由奔放という意味では、自分の心理的制限の開放を努力することですが、一人で「さあ、すべての制限を取り払って考えるぞ!」と決めてもそうそう簡単にはいきません。この意味では、個人にとってはやや有効といういみで△です。チームでは、お互いの知らない情報、異なる視点の発言、といったインプットが劇的に増える環境間で突飛さを受け取って自分なりにひねりなおすと他の人にとって突飛な意見になります。チームでは◎です。

そして他の人のアイデアに便乗
これは個人ではゼロです。アイデアを別の頭に植え替える作業はできません。なので評価は−(ハイフン)です。チームではこの作用が非常に大きく作用します。ここが一番でかい、といっても良いでしょう。なのでチームでは◎です。

ブレスト、個人とチームの違い.png

まとめると上記のようになります。

誰かとブレストをしたいなぁ、と感じるのは、そんな創造性の特性を感じていることの表れです。もちろん、面白いブレストをするのがすき、という感覚で十分なのです。

会議で初めてブレストをやってみるか、というとき、4つのルールを紹介して、覚えてもらうことは結構、大変です。ピンとこない。そんな意識が参加者の主な意識でしょう。なので、4つを紹介したあとにこう続けましょう。「細かいことは忘れてもらって結構です。今は、とにかく意見を出して出して発散作業をしましょう。批判禁止、だけをとにかく徹底してください。批判は重要で、収束フェーズでぜひ沢山出してもらいたい。なので、思いついたらメモカードに書き留めて、ブレストの間は胸ポケットに大事にしまっておいてください。」

これでブレストをはじめて、エンジンを一つ、二つ、三つ、と始動していくようにリーダが適宜導くことでブレストを効果的に行うことができます。

2006年12月04日

ブレストの実際(4)なぜ批判禁止なのか。

ブレストのルールは4つあります。本格的なブレストをするとなぜルールがそうなっているのかが、分かる瞬間があります。そのほかの文献で言及されていることも含めて、4回シリーズでご紹介しています。第4回目。

 批判禁止

ブレストのルール、これまでの3つとは性格の異なるものです。他の3つのルールが十分に機能するための土台を整えるものです。比喩でいうと、他の3つがロケットの第一エンジン、第二エンジン、第三エンジン、だとしたら、この批判禁止は、ロケット発射基地であり、エンジン燃料に不純物が混ざらないにする制御機器です。この批判禁止がきちんと機能していないと、まず、ロケットは飛び立ちません。第一エンジンが始動してもそこまで。第二エンジンの荒唐無稽は、ほとんど動かないでしょう。第三も。

ブレスト4つのルールの関係.png

また、チームが飛び上がったあとに、時々、エンジン燃料に不純物が入りそうになります。つまり、「おい、それって、むりじゃないか」とか「そんなの誰も欲しくない」という不純物が。その不純物が混じり始めると、第一・第二・第三エンジンはとたんに推進力をなくします。批判されたら誰だって、荒唐無稽なアイデアを出したりできません。ましてやほかの人の荒唐無稽のアイデアを利用するなんて。なので、批判禁止という制御装置がキチンと常に作用している必要があります。

 発散フェーズでは、発散することに絞る。

批判、というものが、決して無価値であるわけでも、悪いことでもありません。むしろ、批判にさらされて物事は磨かれていきます。創造的な教育であるフィンランドメソッドなどでは、批判の重要性も明確に語れています。批判というのは、収束フェーズの作業。発散フェーズの作業であるブレストでは、発散することに、チームの力を集中させよう。そういうことです。一度に一つずつ。と考えてもらえれば幸い。

批判が好きな人がいます。重要な人材です。常に批判したくてたまらない、批判的な着眼能力が優れているヒトには、物事を見ると、リスクポイントが見えてきます。ブレストなんて効果があるのか?と思っている批判者がチームにいる場合、チームのエンジンが始動せずリーダは苦戦することがあります。そういうときには、試しやすい2つの方法があります。

 1 メンバーが批判行為者を指摘するルールを作る。

批判者は批判される状態に陥るのを潜在的に避けます。ガードが硬い。そういう人物は「批判するとチームメンバーから批判されてしまう。」というルールになった場合には、批判作業をしなくなります。発言が減る可能性もありますが、エンジン燃料に不純物が入れば、チームは驚くほど簡単に失速します。民主的で飛ばないロケットよりも、安心してエンジンを回せるようするロケットのほうがいい、そう割り切ります。収束フェーズでは、批判者の能力が必要ですから。たいていの人にとって、批判するのは自然な思考プロセスですから、その意識を抑える訓練を一時間だけして見るつもりでブレストをしてみましょう。

 2 批判的な考えが生まれたら、生産的なつぶやきに言い換える。

生産的なつぶやきに言い換える。というのは、批判文章「○○が悪い」を思いついたり、誰かがそう発言してしまったならば「○○を劇的によくするアイデアってなんだろう」とか「もっと○○にするとどうなるだろう」という構造に直してみる、ということです。

例1「それってすごくお金がかかるよ」
   ⇒『それに似たことを、お金が1/100ですむ方法って何だろう。』
例2「そんなの誰も欲しくない」
   ⇒『もしごくわずかにそれを欲しい人がいたら、
     その人がもっと喜ぶマニアックな仕様ってなんだろう。』
例3「それって確率的に難しいよ」
   ⇒『10%の確率ならば、その出来事が同時に100個起こせるアイデアって
     ないだろうか。それならば、少なくとも10個は成功するし。』


以上、批判禁止を徹底させるのは重要であり、かつ、難しいのですが、上記のような工夫をすることで、かなりの確率でチームは批判禁止の雰囲気を得ることができます。自分が批判者である場合には、あとでその批判有効に使えますから、メモカードに、さらさらとかいて、胸ポケットにしまっておきましょう。人間、アウトプットしないと、次のことが考えにくいものです。ちょこっとしたメモに書いておくことで、すっきりできる特性が人間にはあります。



追記

2006年12月03日

ブレストの実際(3)なぜ他の人へ便乗なのか。

ブレストのルールは4つあります。本格的なブレストをするとなぜルールがそうなっているのかが、分かる瞬間があります。そのほかの文献で言及されていることも含めて、4回シリーズでご紹介しています。第3回目。

 他人のアイデアに便乗しよう

ブレストがチームで行う作業であることの最大効能が、実はこれです。誰かが出したアイデア、それを思いっきり活用してアイデアを創出しましょう。誰かが行ったアイデアが「お!それ、あたらしい」とか「おおお、その切り口って結構いけるんじゃない?」という、ぴぴぴっという直感にふれることがありますね。そういうときに、「彼の出したアイデアを利用するようできがひける」とか「それ、さらにひねってこう変えたらどうかな。でも、オリジナルの発案者が気分を害するかも」と思っても、それは、ブレストでは気にせず迷わずアイデアを出します。ブレストではテーブルの上に乗るアイデアは私のものでも彼ものでもありません、私たちのアイデアです。私たちのアイデアを私たちがさらに面白くして行くことになんの遠慮も要らない。そういう意識の持って行き方が、じつはチームのシナジを引き出すのには重要。

 アイデアは、芽の出た頭から、別の頭へ移したほうがよく育つ。

この言葉は、ある本に書かれている言葉です。(出典確認中。)。人間の創造性の面白いところです。オリジナルの発案者はその能力はすばらしい。でも、その人のアイデアを、ほか視点を持った頭に移してやると、二段ロケットのように、もっと魅力度やひねりが育つことがあります。

アイデアを他の頭へ.png

ブレストはお互いの生んだアイデアを自分の頭のなかで、ひょいひょいっともっと面白くしていく作業。そのひょいひょいっといじったアイデア、もしかしたら、オリジナルの発言者の意図を誤解してそのベースで発展させているかもしれません。でも、それでもいいんです。分析会議ではそういうわけには行きませんが、誤解が生み出す新しい発想の芽だって、それも新しいアイデアです。往々にして、アイデアマンの発言は破れかぶれのピンポイントコメントです。みんながおもしろい!と感じたようなのでどう面白いと思ったか聞いてみるとそれが全員違った意味で面白いと思っていた、なんてこともよくあります。そしたら全人員分だけ、新しいアイデア。誤解、いい間違い、それも、新しいアイデアの材料でOKです。

この便乗によるアイデアジャンプは、本質的に、他の人の頭脳を使うことがもたら効果です。一人アイデア出しと、チームでのアイデア出し活動の大きな違い。(”質より量””荒唐無稽を歓迎”の2つのルールは自分の意識をそう仕向け効果があるので、一人アイデア出しのときでも有効。もちろん、チームで行ったほうが、より効果的ですが。)

ブレストを観察しているとこういうことが起きます。荒唐無稽なアイデアを誰かが言う。それを聞いて、そのエッセンスだけをうまく利用して、ブレークスルーするアイデアをだす。そんなことが、大なり小なり見られます。実は荒唐無稽、突飛なアイデアを出す人が大切なのは、それがチームのメンバーのほかの頭の中で大きく育つ最初の芽になる可能性があるからです。収束フェーズでは比較的そういう人がいると困ることも多々あるのでメンバーはマネジメントするべきですが、発散フェーズではほかの人のあまたに移植するための突飛な逸材が、実は、すごく貢献しています。

上記のようなノウハウはともかく、忘れてもいいので、実際のブレスト場合には、「誰かの出したアイデアは、ブレストにおいてはチームの共有財産。私のアイデア、彼のアイデア、という意識を持たずに、私たちのアイデア、と考えよう。誰かのアイデアを思いっきりひねったり、逆にしてみたり。オリジナルの発言を誤解して発案したってそれもOK。机の上にのっかる魅力的なアイデアのパーツをいじりまわしてゆこう。」というセリフをいえるほうが重要です。ブレストのチームリーダが意識の持って行きかたを成功させられると、このシナジーが生まれます。あまりうまくいかないときには、このシナジーが生まれていないことが多いようです。"メンバーの意識の持って行き方"が実は創造的組織をリードする人の重要な仕事です。

2006年12月02日

ブレストの実際(2)なぜ荒唐無稽を歓迎なのか。

ブレストのルールは4つあります。本格的なブレストをするとなぜルールがそうなっているのかが、分かる瞬間があります。そのほかの文献で言及されていることも含めて、4回シリーズでご紹介しています。第2回目。

 荒唐無稽、歓迎

ブレストでは、突飛なアイデア、荒唐無稽、自由奔放なアイデアを歓迎します。アイデアを思いついたときに「どうやって実現するかわからないけれど」とか「十分考慮してないけれど」と思ったときには、ブレストでは迷わず出します。時には、ばかばかしいことを無理やりにでも、言わせるというのも良いです。斬新さと実現性の図の3の領域を!

35 突飛さ歓迎.png



 発散フェーズにのみできること。ビークレイジー。

アイデア出しには、発散フェーズと収束フェーズがあります。ブレストは発散フェーズの作業です。どれほど突飛なアイデアでも、収束フェーズの手順を踏めば、実現手段を描き出すことは可能です。(下の図のAのパス)。逆に、収束フェーズの作業で突飛さを上げることはできません。(下の図のBのパス)。

斬新さとタ現性のパス3.png

なお、もし、Bの矢印をしようとすると、かなりの確率で「1の領域へ逆行」がおきます。つまり、斬新度を上げようと努力すると、斬新度がわずかしか上がらないのに、実現度が急激に下がります。そうなると、これを取り戻すために、実現度を上げる努力をしてようやく2の領域に戻ります。このプロセスを繰り返して、右上の「星」へたどり着くのは非常に時間と忍耐力が必要。


 [コラム] 理想性とは何か。

理想的な商品やサービス、理想的なモノとは何でしょう。創造工学等におけるさまざまな理論では、ヒントになる言葉があります。

 1 理想性=効能/コスト(もしくは、効能/[コスト+害])。
   理想性を高めるとは、効能を飛躍的に高め、コストを極限までゼロに。
 2 根本目的=目的の目的の目的の・・・目的。行き着くところの目的。
   根本目的は、「よりよい生活の実現」である。
 3 SELF-X(セルフエックス)
   物質やシステムが、自動的に有益な作用を実現する。セルフクリーンなど。

などなど。TRIZやブレークスルー思考法などに学ぶ言葉です。あるいは創造工学・シネクティクスなどでは「○○だったらいいのにな。」というセリフでさまざまな理想的な状態を発案していきます。


実際のブレストでは、以上のようなことがどうこうというよりも、「実現度はともかく、『○○だったら良いのになぁ』というアイデアをどうぞ!実現方法は、別途時間を取って考えますから。」というセリフのほうがはるかに有効です。20年前に、携帯電話で世界中の人の日記がみれる、というアイデアを出した人は当時、荒唐無稽な、といわれたでしょう。目の前のアイデアがそうでない、と言い切れることはありません。4つめに述べる「批判禁止」が徹底されていることが、荒唐無稽の推進の前提条件です。

2006年12月01日

ブレストの実際(1)なぜ質より量なのか。

ブレストのルールは4つあります。本格的なブレストをするとなぜルールがそうなっているのかが、分かる瞬間があります。そのほかの文献で言及されていることも含めて、4回シリーズでご紹介します。

 質より量

ブレストでは、”質”は二の次、とにかく”量”を目指します。少し違うのも新しいアイデア(引用:考具)です。ほとんど同じだから出すのをやめよう、と思ったときには、ブレストでは迷わず出しましょう。なにせ量をたくさん出さないといけないわけなので、こじ付けでもいいからとにかく出す。

なぜか質より量か、といえば、たくさんアイデアをだすといいアイデアも出てくる。人間の創造性にはそうした特性があるようです。

実際に十分にメンバーと時間があるときに、ブレストを観察をすると次のようなことが起きます。

斬新さと実現性のグラフ.png

チームから生まれてくるアイデアを「斬新度」と「実現性」の二軸でみてみると、はじめは、1の領域(あまり斬新でもなく、実現性もそこそこアイデア)です。チームによっては早くここを抜けていきます。ただ、あまり時間がないとか、メンバーが常に批会する場ではこの1の領域でおわってしまうこともあります。そうしたときには「チームでアイデア出ししてもあまりいいのなんかでない」と感じるでしょう。

そして、もう少しアイデア出しをしていくと、次に2の領域(斬新さはともかく、実現性は結構高いアイデア)に差し掛かります。批判者のいる会議では、その批判を検討の材料にして、問題解決会議に近い様相で、実現度の高いものをだしていったり、前例があるので、比較的実行できそうだというアイデアが出されてきます。妥当なアイデア、もっともらしいアイデア、そんなものが場をしめていきます。ブレストなどをあまり経験したことのない企業の社内チームでアイデア出しをするとこの辺を行うことで会議が終了になります。そして「アイデア出しといってもあまり新しいことはそう簡単に出るもんじゃない。まあ、そんなとこか。」と感じるでしょう。

さらに、アイデア出しを続けていくと、3の領域(斬新度は高く、実現度はあまりない。いわゆる、面白いけどそれどうやってやるの、というアイデア)にうつります。もっともらしいアイデアが出尽くすと人は安心して未来的なアイデアを出し始めます。特に若い人や、いろいろとアイデアを考えている人などが。”いや〜、われながらばかばかしいんだけどさぁ”といいながらアイデアが出始めます。そうなってくるとほかの人も結構安心して、じゃあさじゃあさ、という感じに出していけます。前半とはムードがちょっと代わります。なかには、”結構そのきりくち、いいね!”というものがでたりして。


 アイデアメーション

スウェーデン式アイデアブックというセンスあふれる創造テーマの本があります。ここに、アイデアメーションという考え方が出てきます。

アイデア出しや発案の時、はじめに出てくるアイデアは多くの人も思いつくアイデアです。これはアイデアというよりは、インフォメーション、つまり情報、です。これをスウェーデン式アイデアブックでは、アイデアメーション(アイデア&インフォメーションの造語)とよんでいます。ある課題をみらたら多くの人が同じようなアイデアを思いつく、これは、人間の創造性の特性のようです。

はじめのアイデアは色がない.png

頭脳が生み出すアイデアをところてんのようなものだとしたら、はじめのところてんには色がない、透明なところてんです。どんどん透明な部分を出し切って、透明な部分(アイデアメーション)を終わらせよう。透明な部分を出し切ると、そのうちにその人独自の色がついたところてんが出てきます。独創、ともいえるかもしれません。これは、上記の"2や3の領域"に相当します。はじめにばかばかしくも、思いつく当たり前のアイデアを、どんどんだしてしまうことは、意外と重要なのです。

以上、なぜ質より量なのか、ということについて個人とチームの創造活動特性からご紹介しました。こうした難しいことは理屈好きの人にはいいと思いますが、さし当たって「アイデア、沢山だそうよ。よし、じゃあ、品質は問わないので、あと30個出してみよう!」といった台詞のほうが、実践では格段に有用ではありますが。

2006年11月26日

アイデア創出は、繊維質な紙を裂くことに似ている。

アイデア出しの活動や、アイデア創出研修などで参加者の方の発案プロセスを見ると、ふと、感じることがあります。

アイデア創出は、繊維質な紙を裂くことに似ている、と。

繊維質な紙。たとえば新聞紙。新聞紙を手でびりりと裂いてみる。新聞を縦方向に(新聞日付のついているほうから、広告欄のついている下側へ)さく。すると結構きれいに裂けて行きます。で、今度は横に向かって割いてみる。すると、不思議なほど、裂け方がばらばら。きれいに裂くことはほとんどできません。

 繊維質な紙には、裂ける方向がある。アイデア出しにも方向がある?

2006年11月22日

SCAMPER法。企画系のアイデアチェックリスト。

オズボーンのチェックリスト、というものがあります。オズボーンはブレストを作った人物で、のちに、CPSI(創造的問題解決CPSのインスティチュート)を設立するなど、創造性について大きな貢献をされた方です。

そのオズボーンのチェックリスト、現在ではSCAMPER法として、7つの問い、詳細には49の問いから構成されたリストとなっています。

SCAMPER法 発散的なスパークプラグ(出典 創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか? )

S:置き換える(6)
C:組み合わせる(7)
A:当てはめる(3)
M:修正する(17)
P:別の使い道を考える(3)
E:余計なものを削る(4)
R:もう一度整理する(9)

こうしてみると、修正する、というのは実はとても大きな質問です。個別の質問をみていくと、修正する、という問いだけでは思い至らない良い問いがいくつもあります。詳細リストは、追記部分に掲載します。

(私見)なお、詳細リストを見ていくと、USITの質問と似ているものが見られます。また数もどちらも30〜50個程度です。何かの発想を行うとき、多面的に見るべきその視点の数は、せいぜい50個位に集約されるのかもしれません。興味深いです。


SCAMPER 詳細リスト

2006年11月21日

USITオペレータ。技術系のアイデアチェックリスト。

TRIZ分野の話ですが、USITオペレーターという技法があります。TRIZは膨大な発明の分析からうまれた発明的問題解決の理論です。で、USITとはなにか。ざっくりといえば、やさしくしたTRIZです。TRIZは技術課題の解決策発想を行うものですが、エッセンスにしたUSITは企業課題全般について使えるツールになっています。

さて、このUSITですが、日本のTRIZの大家である中川先生(大阪学院大学、教授)により付加価値の高いものになっています。「USITオペレータ」です。USITで問題を分析して、さあ、アイデアを出そう、というときに、USITオペレーターという解決策生成技法を使います。一言で言えば、オズボーンのチェックリスト(SCAMPER法)と使い方が似ています。オズボーンがビジネス・企画系のアイデアチェックリストであるのに対し、中川先生のUSITオペレータは技術開発・企業課題のアイデアチェックリスト。

さて、そのチェックリストはなにか、といえば、5つのカテゴリーからなる”問い”であり、全部で32個あります。参考 TRIZホームページ

※一般の人にはなじみのない単語がいくつかあります。
「オブジェクト」「属性」「スーパーシステム」。
※また、用語が表している意味に深い背景のあるものも。
「有害」「環境」
※いずれの用語も、同じくTRIZホームページに説明があります。グーグル検索で「TRIZ」と「調べたい用語」を検索してみてください。中川先生のTRIZホームページ内の必要な単語にたどり着きます。

技術系の方は、ぜひ一度、上記サイトから、正式版をみてみてください。とても勉強になります。ここでは、完全引用する代わりに、技術系のアイデアチェックリストとして、私が言い回しを変えて使っているものを掲載します。(注意:原文に対し、大幅な加筆・加工をしています。”USITオペレータ”として文章を引用をされる場合には、TRIZホームページの原文を引用くださいますようお願いします。)



技術系のアイデアチェックリスト

2006年11月11日

オーナーシップ。自発的に動くためのキーポイント。

CPS(創造的問題解決)のなかに、『オーナーシップ』という考え方が出てきます。一言で言えば、”それはあなたの問題か”という話です。(参考資料 創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか? P58の「オーナーシップ」問題)

問題解決やプランニングのときに、あいまいにされがちな重要ポイントがあります。”メンバーがそのテーマについて問題意識を持っていること”。自発的に動くための欠かせないポイントです。これなしに発散収束の発想作業を行ってもフラストレーションのたまるエクササイズ(課題)をするに過ぎない、とのこと。
 「それは私たちの問題である」というテーマがテーブルの上に載っているときには、人は成果に興味があり、真剣であり、自発的である。そういう傾向が観察されます。
 また、一見そう見える問題を持ち込んだとき、問題解決に取り組んでいくと次第に、本質部分では自分たちの問題ではない、ということにうすうす気がついていくときがありませんか。ある手法を学ぶために用意された課題で議論を始めたけれど、どうも途中で話が宙に浮く。そんなことってよくありますね。そのときにはテーマのオーナーシップについてちょっと考えてみるとその理由が分かるかもしれません。

なお、『オーナーシップを検証するための質問』として5つのものがあります。以下、引用紹介します。( 創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか? P58 )

 1 あなたはこの挑戦を説明できますか
 2 なたはこの目標を達成することを進んで説明できますか
   (そしてもし、それができなかったとき、その結果に耐えられますか)
 3 これはあなたが解決すべき問題ですか
 4 この問題に対する解決策の実行を、他の誰かがあなたに期待していますか
 5 あなたはこの問題を制していますか(※)


(※問題を制しているとは:もしそれが、あなたが解決すべき問題であって、それについて説明すべき他者との間で合意ができていれば、あなたは説明する義務のある問題を制している。(同ページより引用))


(私見)
 オーナーシップのない人が問題を解く会議に参加するということは、現実社会ではありえることです。(あるいは、問題を解くためのプロジェクトに参加している、ということは。)
 このときにはどうすれば良いでしょうか。オーナーシップのないメンバーは会議が早く終わることに価値を見出します。なまじ深堀をして会議が二度、三度にわたってしまうことを、避けようとします。
 結論から言えば、そのメンバーを会議から外すべきです。仲間はずれにした・仲たがいした、と考える必要はありません。
 「たいていの会議は大きすぎる」「出席者の人数が多くなればなるほど、会議は複雑になる」(引用:会議が絶対うまくいく法 P147 )会議に出てきて、不幸な顔をしている人には2通りいます。会議に持ち込む問題が深刻・重要であり改善したい人。意味を見出せない会議に参加することで人生の貴重な時間が浪費されていく人。後者を生んでいるのは会議を招集するマネジャーの責任です。情報共有はまた別の場ですれば5分で終わります。

 オーナーシップ。

会議やチームの仕事に自発性が足りないと感じたときには、この言葉をちょっと思い出してみてはいかがでしょう。

2006年11月10日

ハイライト法。発散アイデアの山から20%を取し出し構造化する

ハイライト法。という収束のフェーズの技法をご紹介します。この技法の出典は、ブレア・ミラー他 『創造的問題解決』(2006、北大路書房)です。簡単に言うと、パレートの法則と、簡便な評価法(○と☆をつける)と、KJ法を、組み合わせたような作業です。


アイデア出しの活動では、発散技法が多く紹介されていますが、そこを乗り越えた人、あるいはもともと、創造的で発散思考は得意な人、にとっては発散の次の収束の手法を知りたい、というニーズが結構聞かれます。私も自分の方法を整理したり、他の本を見たりしていたのですが、なかなかよい方法が見つかりませんでした。

チェッカーボード、という評価方法や、技術系ではコンセプトの進化と選択、という方法もありますが、なにせ選択肢が多い状況では、精査も楽ではありせん。アイデアを山のように出したがために収束にはいって、どうにも立ち行かない、なんてことはばかばかしいです。アイデアを沢山出したってまとめる段階で、収拾がつかないよ、そんな言葉をおっしゃる方もいます。たいていの場合、そうなるでしょう。そして、えいっと鶴の一声で、一つを選んで適当に体裁をととのえて、まとめていることも多いでしょう。(私のワークショップでも発散メインの時には、そうしています。短時間でまとめてください、といって、一つだけをメインに選んでプレゼンしてもらいます。)

さて、全部を丁寧に評価ボードに挙げて吟味する方法と、えいっと一つだけを選択する方法の他には、何かその中間的な方法がないでしょうか。そこに答えるのが、このハイライト法です。全体のアイデアが100個出ているとしたら、そこから20個程度を選び出す方法です。根底には、全体の8割のエッセンスは2割のもののなかに存在している。という考え方です。必ず20個程度になるとは限りませんが、大体、100個出したら、それくらいのオーダー。そんな意味にとっています。

大まかなステップとしては以下の3ステップです。

 1 ヒットする
 2 クラスター(束)にする
 3 言い換える


はじめにすべてのアイデアカードをレビューして、ある視点(面白い、などなど)で☆印をつけていきます。それによって、2割のアイデアを抽出します。

このときに、面白い、などの☆印をつけるときの視点としては、以下のような視点がポイントになります。(引用文献から表現などを加工しています。)

 将来性がある。パワフルである。好奇心をそそる。革新的である。
 目的にかなっている。きらめいている。
 挑戦したものを解決している。明確・魅力的、正しい方向へ進展している。
 実働可能、おもしろい、金の稼げる、適切、正しいと感じる。


マークしたあとは、重複を避けるために、関係した選択肢をあつめてグループやクラスター(束)にします。

そして言い換えます。具体的には、クラスターのなかの選択肢を結合して一つのステイトメント(宣言文)に統合します。過度に単純化することがポイント。本質を抜き出し、クラスターに生命をあたえがごとくに。

なお、このクラスターの言い換えは、すぐ次のページ(P40,41)で詳しく説明されています。

以上、これらをつかって、評価ボードや、コンセプトの進化と選択を行えば、非常に優位記事作業ができます。収束ができない、となやんだら、ぜひ一度ハイライト法を試してみてください。

2006年11月04日

アイデア会議を成功させる5つの原則

アイデア会議を行うとき、成功させるための5つの原則があります。

1)一つの議題にみんなが集中していること。
2)一つの議事運営方法にみんなが同意していること。
3)誰かが責任を持って、オープンでバランスの取れた発言が交換できるように努力していること。
4)誰かが個人攻撃を受けたら、その人を守る役割の人がいること。
5)会議におけるそれぞれの役割(※)が明確になっていて、誰もがそれに同意していること。(※:ファシリテータ、書記、クライアント。メンバー)

(出展:『会議が絶対うまくいく法』マイケル・ドイル&デヴィッド・ストラウス、P20)

上記の文章は、出展をほぼ100%引用しています。(加筆部分=※印の単語名)この出展となっている本は、アイデア会議だけに限らず、さまざまな会議に用いるためのメソッドを展開している優れた本です。

チームでアイデア会議を開くときにはこうしたことにも、配慮して進めると効果的に組織の想像効果あるアイデア会議ができます。なお、ファシリテータの役割については、少しずつ述べてゆきたいと思います。

2006年09月27日

アイデアの技法 ブレインライティング(BW)

チームで実践する効果的なアイデア出し方法で、ブレインライティング(BW)という方法があります。ブレインライティングとは、30分の間、無言で、しかし、メンバー同士の創造性を掛け合わせながら、アイデア出しをする方法です。実際にワークショップの際に試したりするのですが、簡単な割りにかなり面白い効果がみられます。6人で30分おこなうと108個のアイデアが出ます。

以下、BWの概要です。

6人がそれぞれに、A4の紙に、6×3のマトリックス書きます。

ブレインライティング.png

紙の一番上の余白に「アイデア出しのテーマ」を書き込みます。

はじめ、一行目の3つのセルに、アイデアを書き込みます。5分間。

5分経ったら、左隣の人に、紙を回します。自分は右手の人から紙を受け取ります。

2行目に3つ、アイデアを書きます。前の人がうめたアイデア(一行目のA,B,C)を転用したり、逆にしたりしてみたり、あるいは全く無視して独自に考えたり。5分間。

そして、5分経ったら、また左手に。以降これを繰り返します。(後半ほど、上に出てきたアイデアをひねってみたり、組み合わせてみたりする機会が増え面白くなります。)

こうして、30分後には、3個*6行のアイデアが書かれたシートが6枚出来上がります。つまり108個です。


この発想作業のいいところは、シャイな人でも十分に発想のセンスを発揮してもらうことができるところです。ブレストが持つ課題が克服されています。(ブレストはしゃべり続ける作業なので、じっくり考えて発案したい人には、すでに考えていたことが流れから離れしまっていたり、発言の機会を捉えにくく発案のチャンスを逃したりします。一般に、ブレストは、コミュニケーションスキルの高さが影響します。)

そのほか、BWには、アイデアが残りやすい、荒唐無稽なアイデアを出しやすい、というメリットも、実はあります。

とはいえ、デメリットもあります。BWは、30分で出されるアイデアの数は108個(=18秒に1個)です。メンバーのテンションが高い状況のブレストでば、単位時間当たりにもっと多くのアイデアがでます(およそ、5秒〜10秒に1個)。また、インパクトのあるアイデアが裾野を広げていく機会もやや抑制されます。BWにはこうしたデメリットがあることも理解して、チームの状況にあわせて使うと効果的です。

(参考サイト)日本創造学会 ブレインライティング

続きを読む

2006年09月25日

発散したら、次は収束です。(6W3H)

一人で、あるいはチームで、アイデア出しをすると、テーブルの上にたくさんのアイデア。さて、では、どうやって企画にまとめましょう。アイデアを大量に出すことに成功しても、どうそれをまとめるのか、社会人でも結構、苦労します。

私がいつもお話しするオススメの方法(初級、中級、上級)がいくつかあります。以下に、そのうちの一つ(初級)だけご紹介します。いくつかの手法を混ぜて作業プロセスに直したものです。初級のベースは、収束作業もできるだけ楽しく創造的にしたい、です。

まず、仕事用6W3Hカード。

6W3Hカード.PNG

これが企画要素を描き出す(=発散プロセス)、そして整合性をチェックする(=収束プロセス)作業を自然と行うシートです。

6W3H発散収束プロセス.PNG

作業手順

1)中央と周囲のセルに単語を入れよう。
中央のセル「何を(=ビジネス企画であれば、”商品””提供サービス”)」を入れよう。

そして、周囲の8セルを、埋めよう。
マインドマップから抜き出してもOK。一つのセルに2つ3つ入れてもOK。(例:「どこで」のセルに=“ネットで”“デパートで”“屋台で“の3つの可能性を入れておく)。マインドマップに良いのが無ければ、その場で考えて埋めても、OKです。どうしても埋められないセルは後回し。ただし、企画実行時の詰めの甘さを減らすには、その埋められないセルを埋めようと努めること。

2)複数の単語が入っているセルについて、採用する単語をきめる。
全体の整合性をみながらもっとも採用したい単語に○をつける。丸のつかない残りの単語も消さないでとっておこう。

3)周囲8つのセルから、中央のセルの整合性を検証する。
8つの周囲のセルと中央のセル、その組み合わせで企画としていけるか、修正を受ける必要があるのか、検討する。(全体を統合的に見て、「何を」を再度定義する)。はじめに書いた「何を」は、周囲8要因に囲まれることで、より企画として適切なものにブラッシュアップされる。

4)主要な要素をもれなく含んだ文章として、アイデアを仕上げる。
ヘッドライン化(1〜2行の端的な文章)にアイデアを仕上げよう。人に説明するときには、相手や状況に応じて、必要な要素をピックアップしよう。(9セルの全てを説明するのは長くなりすぎるため)。
ただし、どうしても、時間が無ければ、6W3Hシートをさしながら話してもOK。なお、端的な伝え方の一例としては、上段・中段・下段の中央セル(だれが、なにを、どの程度までする)だけを伝えるのもありです。”誰が何を”する、だけではなく、”どの程度まで”を伝えることで仕事の品質を指定します。

(ポイント)

2006年09月24日

6W3Hカード

追記:2009年7月4日

『アイデア・スイッチ』の付録シートとして、デザインが刷新されたツールシートが使えるようになりました。動画で説明しています。





構想整理のときに、マンダラートの9セルをつかうと効果的に自分に問いかけることができます。仕事のチェックツールとしても使えます。

仕事の依頼を受けるときのチェック項目を、5W1Hではなく5W3Hとしているケースがありますが、ここでは、さらにWが一つ多く、6W3Hを採用しています。

6W3Hカード PPT版 6W3Hシート.gif

■ 詳しい説明

2006年08月21日

アイデアの技法 『未来社会、未来年表』

発想法のひとつとして、9画面法(創造的問題解決の手法TRIZの一手法)を以前ご紹介しました。その作業の第7番目の作業は、未来社会のキーワードを「未来」×「上位システム」のマスに書き込むわけですが、そうした未来社会のキーワードは、どうやって手に入れるか。すこし考えてみたいと思います。

まず、検索で「未来社会のキーワード」と検索します。かなり多くのサイトが出てきます。その中でも特に秀逸な2つのサイトがあります。

■FRI(富士通総研)のペーパー
安部忠彦氏『これからの日本のリーディング産業』FRI REVIEW 2000.4

FRIの安田氏の論文を引用します。P33(PDFの9ページ目)
『今後の社会変化のトレンドを予測する方法はいくつかある。ここでは、これまで未来について予測した何冊かの著名な本を集め、その中で予測されている未来社会のキーワードを選び、互いに関連性のあるものを集め、未来変化のストーリーを作った。』
とあります。この著作から抜き出すものだけが絶対ではないとしつつ、一定の方向を浮き彫りにできるものとして、以下をあげておられます。

具体的なトレンド
・デジタル情報ネットワークをベースにした情報化社会
  −各人に合わせたサービスを行う完全受注生産などの、
    企業間や企業と個人間とのネットワークの構築
  −電子民主主義の出現
  −地球規模電子共同体の形成等
・少子高齢化社会
  −非家族がともに住むコレクテイブ住宅の増加
  −在宅介護・医療の発展
・技術進歩の負の面の増加
  −テクノストレスや孤独感からの癒し
  −進みすぎて文化を壊すハイテクへの反感からの文明間の衝突
・オフィス環境ではSOHO(スモールオフィスホームオフィス)
・家庭生活ではやはりSOHO 及び家庭回帰
・その他環境問題への対応、エネルギー問題への対応
・バイオ技術を駆使した食糧問題の解決

(引用文に対して語尾の削除や改行などの加筆を行っています。)

及び

『このようなトレンドの中で、リーディング産業との関係で重要と見られるのは、デジタル情報社会実現に関連する情報通信産業、高齢化社会における介護産業を含む医療・福祉産業、環境産業、バイオ産業である。』

としています。2000年当時(今から6年も昔)に述べられたこの論文で以降に続く文章は、2006年の現在実現のものとなっているものもありとても興味深い論文です。


■博報堂生活総合研究所
未来年表 (もしくはトップページに入り index.html を futuretimeline/index.php へ)

未来年表もとても興味深いものです。まず未来年表的なものは、WEB上にいくつかあります。個人の方などでとてもよく調べておられる方のサイトもあります。この博報堂生活総研の特に優れているところは、出展が新聞・行政などの公的文書データでありその出展名・日付などが掲載されていることです。データ活用の面からも分野検索(※1)、西暦検索、フリーワード検索、索引検索(※2)のなどがありとても使い勝手がよいものです。なお総数は、3836件(2006年8月22日現在)あります。
※1:総分野数12(医療、宇宙、カレンダ、環境、技術、経済、交通、資源、社会、情報、人口、通信)、※2:総索引数161  ともに2006年8月22日現在。

こちらを使うことで、自分の興味あるキーワードで「これから起こるとされていること」を見ることができ、新しい発想のときに、着想のヒントとなるものが得られます。


また、9画面法で、8番目の作業は、未来(目安は5年先)のサブシステム(構成要素、パーツ)を考えることになります。現在の構成要素が5年後にはどういうカタチをとりうるのか。ここで、特にテクノロジーの進化の予測情報が欲しくなります。これを知るのにJST(科学技術振興機構)の提供するサイトが利用できます。

■JSTバーチャル科学館 未来技術年表

これはJSTの5年後にデルファイ法などで行った「技術予測調査」による成果を非常にわかりやすく提示したものです。上記の「未来技術年表」の画面の「enter」から入り、「イラストで見る未来予測」を押します。すると、7分野のアイコン(※3)が出ます。たとえば「家庭生活」をおしてTV部分をクリックすると、「2023立体TV」といった技術とその関連する技術がポップアップします。
※3:家庭生活、健康・医療、社会・産業・企業、安心・安全、環境・エネルギー、地球・海洋・宇宙、ナノテクノロジー

技術について5年先という近い未来の動向は少ないかもしれませんが、長期的にこうなるはずだ、というものがあれば、5年後にはこういう方向になるだろうとある程度予測できます。こうしたものが、8番目の作業時に有効になります。


参考文献

2006年08月11日

アイデアの技法 基本的な条件を取り除く(はてなタクシー)

アイデア出しの技法を紹介します。『スウェーデン式アイデア・ブック』(2005、フレドリック・へレーン)という素敵な創造性を育む本があります。そのなかに「はてなタクシー」という話が出てきます。新しいタクシーサービスを考える際に、既存の条件を挙げてそのうちひとつを取り除いて発想してゆきます。タクシードライバーの基本的条件は『@道に詳しく、A車の運転ができること』とあります。@をとりはらい、割安・見習い運転手タクシー制度へと発想を広げています。この基本ステップを整理すると以下です。

1)対象システムの基本的な条件を挙げる。
2)そのうちのひとつを取り除く。
3)その条件下で実現しうるものを発想する。

オズボーンのチェックリストの「削除する」に相当すると考えられますが、この事例はとてもわかりやすいと思います。特に既存のビジネスから、ニュービジネスにジャンプする時に、既存のものの新結合とあわせて、この発想方法を使うと面白いものができそうです。

なお、Aの車の運転がきることを取り払うと何が発想しえるか、考えてみました。”道に詳しいが車の運転ができない”タクシー。まさにはてなタクシーです。面白いですね。ひとつには自転車(ベロタクシー)という発想もあるでしょうし、街ナビゲート(エスコートサービス)という発想もありそうです。タクシー乗り場でお客さんの要望を聞いて、新米運転手に道を端的に伝える「走行路アドバイザー」という発想もありそうです。この手法の妙ですね。

2006年08月06日

フリップを活用した会議。

人の意見に左右されなくなる。『すごい会議』(大橋禅太郎、2005)では、会議において紙に書かせてから発言させることとその効能が言及されています。

これを実際に行ってみると、結構な効果があります。フリップボードを使って会議参加者に2分程度考えてもらって書いてもらいます。それから一斉にクイズ回答者のように前に出してもらい端から説明してもらいます。こうすると直前の人が否定したことや重複することであっても発言がしっかりしやすくなります。どうも人間社会にはそういう特性があるようです。

比較的自由奔放がなじみにくい文化や重たいテーマで会議をしたときに、参加者が多いほど意見がでなくなることがありますが、フリップを用いてみることをぜひ一度試してみてください。

ちなみに、大型文房具店にいけばフリップはしっかりしたものもありますが、そこまでの予算をかけなくてもできます。フリップのデザイン案を添付しておきます。印刷してA4厚紙(いらなくなった紙ファイルなどでも可)にパンチで穴を開けてリングを通せば出来上がります。

会議用フリップ(デザイン案)

2006年08月02日

複数のアイデアからスターアイデアへ。(Stuart Pugh コンセプトの進化と選択プロセス)

アイデアをどうやって絞り込むか。これはアイデアの評価に関係し難しい問題です。それを行う良い方法として「コンセプトの進化と選択プロセス」というものがあります。スチュアート・ピュー(Stuart Pugh)。

Pugh、コンセプトの進化と選択プロセス.JPG

本格的な方法は、別の機会に譲るとして、アイデア出しの技法ワークショップ用に、簡易版にまとめてみると次のような作業になります。(注:Pughの方法論からアレンジしています。)

1、アイデア群から、主要なアイデアを選びリストアップする。
6〜10のアイデア。
(類似していても独立したアイデアであるとしたいものはリストに。)

2、比続的良いものを選び基準アイデアとする。

3、自チームが重要と考える評価基準(クライテリア)を3つ定める。
デフォルトは、「ユーザの効能」「コスト」「実現しやすさ」。

4、クライテリアでアイデアを評価する。
基準アイデアに対し、優れているもの「+」、同等「S」、劣っているもの「−」。
ディスカッションを通じて得られる洞察も大切。

5、クライテリア毎に「+」がついているアイデアのエッセンスを統合し
スターアイデアを作る。
統合できない場合は最も良いものを採用。


なお、時間が許せば、別の「比続的良い」コンセプトを基準コンセプトとして同様の作業をします。3回できるとベストです。

(参考文献)
TRIZホームページ 
その1 19ページ
その2 5.4
MRIリサーチアソシエイツ(goldfire.jp)
その1 13ページ

2006年07月17日

理想解、というものの考え方。

TRIZの理論の中に『理想解』という考え方があります。理想の解を次のように定義しているのですが、その意味するところはとても示唆にとんでいると感じます。

・理想性=効能/(コスト+害)
・発展の方向は理想性の向上する方向へ発展する
・最終的な理想解は、コストなし・害なしで機能する(効能をもたらす)こと


今日はTRIZ理論としての考察ではありません。ビジネス的な側面とアイデア出しの側面から、これが面白いと感じますのでそれを述べたいと思います。

アイデア出しの組織に持ち込まれるテーマは漠としたものであることが結構あります。どうしたら商品がうれるようになるか、そのアイデア。などといったものも良くあります。テーマを明確にしてから依頼してくださいといえることばかりではないのが現実だとおもいます。(余談:漠としたクライアントの依頼から具体的な提案をかえすのは、コンサルティングファームでいえば戦略系などでは求められるものと聞きます。)

持ち込まれたテーマがどうすると理想的な状態か、これはメンバー間であれこれと意見が分かれます。人間の多様性がアイデアの質と量を生むので意見が複数出るのはいいことですが、方向性そのものはあるレベルでは合意形成できている必要があります。このとき、理想性とは、効能をそのコストと害で割ったものと考えよう。それが極めて向上することを理想状態としよう。と。続きを読む

2006年05月28日

上位3課題を解決すると、残りも同時に解決する。

シネクティクスの中で、興味深いもののひとつに首記の言葉があります。これは一般には自明なことではありません。まず、一部の課題を解決したら山済みの課題はすべて解消する、といわれたら、とてもモチベーションがあがるというよい効果があると思います。しかしそうしたこととは異なる次元で、この言葉には含蓄があるように思います。

そもそも考えられる課題というのは千差万別のようでいて、実はある数の分類に分けることができるのかもしれません。上位三つを解決するということは、その多くの部分の要素を解決する方法を見出しているであり、後の課題はその転用で十分対処できる、ということなのかもしれません。(私のこの発想の根底には、TRIZがあります。)

続きを読む

2006年05月27日

実現性ではなく直感・魅力・好奇心で選ぶ。

シネクティクスでは、アイデアを絞る過程に入るときに、クライアントがアイデアを選択する際に、首記のようなことを選択基準にするそうです。ここも大変興味深い視点だと思います。この前段階で、アイデアを出すだけ出して山となったアイデアを、さあ、しぼろう、とするときに、クライアントが実現性の斧でばさばさばさと絞らずに、直感・可能性の視点でセレクションする。ここにアイデアの収束過程を設計する当たっての重要な要素がありそうです。

アイデアをいかにして絞るか。という話は、アイデアを如何にして生み出すか、という話の次に来る重要なものです。通常、まずアイデアを生み出すことに取り組んだチームは、絞る過程にはいり、ここではたと困ります。(もちろん、そうしたことを含む創造技法は多くありますが、実際には、ユーザーレベルのハウツーとしてはあまり説明が出回わっていません。)ここで、普通のチームだと、じゃあ、できそうなものはどれか、という非常に高いハードルで、アイデアを絞る作業に取り掛かりがちです。そうすると、往々にして、アイデアがたくさん出たけれど、使えるものはほとんどなかった。という状態になります。(アイデアプラントを運営していても、マネジメントが効果的でないときには、この局面を経験しています。)

そこで、アイデアを実現性ではなく直感・魅力・好奇心で選ぶ、ということがひとつのヒントとなりそうです。(他の技法を否定するものではなくあくまでも、一つのスタイル、です。)これはある意味、「実現可能性軸」と「斬新度軸」の平面で、実現可能性軸が低かろうとも、斬新度軸を、生き残らせる手法としてのエッセンスがあると思います。ここにこのシネクティクスのひとつの特徴があると感じます。

なお、その後、「斬新度の高いアイデア」を、次の工程を経て、「実現可能性の高いアイデア」へと引っ張っていきます。それも異分野の頭脳によるアイデアだしというスタイルをとっています。(ここについては、シネクティクスのノウハウに近いと考えられますので、学術研究以外においては、その言及(ブログへの掲載)を差し控えたいと思います。)

私がコーディネートする研究テーマ創出の会議(あるいは商品企画会議)では、こうした「高度にデザインされたアイデア出しの発散・収束の手法」を活用して、効果的な会議を提供できれば、と思います。

(追記)クライアントは、「選択」過程では次のことをする

2006年05月26日

相手を救い上げるには、一緒に穴に落ちないこと。

アイデア出しの技法、のうち精神状態のマネジメントに近い部分のお話ですが、シネクティクスの考え方の中に「情報過多(too much information)」という言葉があります。アイデアを出すチームは、アイデアに煮詰まってこまってやってきたクライアントから、必要最低限の情報だけを端的に説明してもらったら、それ以上に情報をクライアントからもらわないようにします。クライアントは穴の中に落ちている人であり、アイデアチームは穴の外にいます。クライアントを穴の外に引き上げるのが仕事なのですが、あまりに多くの情報を得ていくとしまいにはクライアントと一緒になって「それは難しい問題ですね」と発言するようになってしまい、そうなるとこれはアイデアチームも一緒に穴の中に落ちてしまった状態であり、引き上げることはなかなか困難です。

日本人は特に質問が多く出るそうです。また質問のスタイルをとった「提案」や「批判」も多く出るそうです。私もアイデア出しの対象物のことをよく知ろうとじっくり観察する手法をよくとります。技術者の方にはいろいろと質問をしてよくわかった対象物を自分の中に再構築してそこからアイデアの発想力を広げていきます。しかし、これはシネクティクスの考え方ではまったく逆です。関係のないものを結合して斬新な発想をうみだすシネクティクスはこの辺にひとつ独特の特徴があるような気がします。

相手を救い上げるには、一緒に穴に落ちないこと。

人の相談に乗るときには、時には一緒に穴の中でひざを抱えることも大切なことだと思います。アイデア出しのときにも大事なことだと思います。しかし、それによってたどり着く結果とはまったく違ったものも生まれえるかもしれないとおもうと、時には「あんまり知らない状態」の持つ価値を認めて活用してみるのもいいかもしれません。

(追記)クライアントに質問していいこと

2006年05月25日

アイデアの技法 シネクティクス(Synectics)

シネクティクス、というこの聞きなれない言葉は、「多様性の統合」あるいは「異なった一見関係のないものを結びつける」といった意味のギリシャ語からの造語だそうです。

1950年代に、アーサー・D・リトル社が開発。・研究開発チームが革新的技術を発想するための手法について研究。・創造的な問題解決プロセスへと結実。
  ▼
1960年に技法の開発者退社。シネクティクス社(コンサルティング会社)を設立。
  ▼
以降、事業発展や企業戦略、R&D、マーケティング、新商品開発などの領域で、イノベーション創造発想手法として活用。

海外や日本の一部の企業で活用されているにもかかわらず、2006年現在、日本における創造性技法としてのシネクティクスは、2つの理由からあまり広く認知されていないようです。ひとつはシネクティクスの使い手は”広く”よりも”深く”の展開方針を採っているため普及活動があまり行われていないため。もうひとつは、創造性技法に関係する業界が、古い時代の複雑なシネクティクスを認識したままで、今日的な洗練されたシネクティクスの評価が適切になされていないため。今回、研究プロデューサ養成講座に参加して、今日的なシネクティクスの使い勝手、仕組みが大変優れていたと感じました。

さて、本題のシネクティクスですが、学会のサイトに手順がありますのでご興味があれば見てみてください。(現在のシネクティクスとは構成が多少違います)
シネクティクスのポイントを3つあげるとしたら以下だと思います。

1)何をするか、と同時に、どのくらいするか、も明確にデザインされていること。
アイデア出しテーマに対して発散・収束の明確なプロセスを定義しており、プロセスごとに明確な指標を持っている。

2)高度に役割分担されたアイデアチーム構成。
ファシリテータ(プロセスに責任を持つ)、クライアント(テーマ知識とアイデア評価に責任を持つ)、スプリングボード(複数分野の専門家が交わってアイデア出し)

3)役割分担とデザインされたプロセスにより「門外漢」を効果的に活用すること。
発想者に情報が少ないこと、知らない人の自由な発案、が商品開発を効果的なものにする仕組みがある。(Too Much Information(情報過多になると、援助者が穴に落ちてしまう)状態を避ける。4つのiを常に意識する。)

とても興味深い手法だと思います。アイデアプラントで行ってきたアイデア出しのマネジメントで試行錯誤で開発中だったスキームに対して大きなヒントが得られました。今後、このエッセンスを活用してみたいと思います。

2006年05月10日

ブレスト、4つのルール





Brainstorming rules(ブレインストーミングの4つのルール)を印刷用にしたデータをここに掲載しておきます。




ブレストのルール(IDEAPLANT version)
ブレストのルール.jpg



ブレストのルール(IDEOの会議室バージョン)
brainstormng




IDEAPLANTバージョンは、著作権を私たちIDEAPLANTが持っていますので、ご自由にお使いください(印刷、転用、改編などもOKです。創造的な社会を創るのに役立つのであれば、ご自由にお使い下さい)。はじめてブレストをするメンバーが使いやすいように、配慮して情報をデザインしてあります。

IDEOバージョンは、ルールが7つあります。通常の4つのルールに加えて「ビジュアルで示せ」「ひと時に1つの会話」「トピックにフォーカスを当て続けろ」が加わっています。このプラス3つも、興味深いですね。(IDEOバージョンは転載、改編はご遠慮ください)




―――――――――――――――――――



アイデア出しの組織(アイデアプラント)を運営している時に、ブレストをよく行います。ブレストとは、ブレーンストーミングの略称で集団で行う発想技法です。4つのルールがあります。ブレストの原典的表現はリンク先をご覧ください。以下は、私たちがやってみて経験したことを踏まえて、ルールをご紹介します。(通常、4つルールとして上げられる順番、表現、とは異なっています。説明についても、一歩踏み込み、意訳したものとなっています。)

1、質より量
たくさん出すと、いいのも出てくる。人の創造性にはそういう特性がある、らしい。

2、自由奔放・突飛な発想を歓迎
ばかげたアイデア、と思うなかれ。スケールのでっかいアイデア、未来のアイデアだ、と思おう。

3、ほかの人のアイデアに便乗
ブレストの参加者の意識として、その場で出されるアイデアは「私たちのアイデア」だ、と意識するようにします。「あなたの」「私の」という意識を捨ててください。ブレストの場でみんなが囲むテーブルの上に出されるアイデアは、いわば共有財産。私たちの手によってさらに、面白くしちゃいましょう。Aさんの意見に、BさんCさんがアイデアを発展させます。Dさんは戻ってもいいです。Aさんのアイデアついて、別の視点からDさんが便乗してもOK!もちろん、Aさんもさらに便乗OK!結合してもかまいません。Bさんが出したアイデアとDさんが出したアイデアをくっつけて、新しいアイデアを出してみてもよいです。

4、批判禁止
アイデア出しでは、批判者がいると場は急速に冷えます。脳みそがなぜか硬くなります。「それってお金がかかるよ」とか「誰もそんなのほしくない」とか「無理じゃね?」といいたくなったときには、それさえも活用しましょう。建設的な文章に言い換えます。「小さいお金だったらどういうアイデアになるか」「(もしそれをほしい人がいたとして)極めてまれなほしい人がもっと喜びそうな製品仕様は?」「成功確立が低ければ(たとえば1%だとしたら)、1000回同時にやると、10回成功します。だったら、いっぺんに1000回やるアイデアは」と、自問してみる。あるいは、チームの中でつぶやいてみる。

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2006年05月05日

KJ法(大量で多様な情報の整理分類の手法)

昔、営業マンだったころにシステムアドミニストレータの勉強をする機会があって、その時に役に立つ知識をいくつか学びました。特にプロジェクトマネジメントの基礎的な考え方と、KJ法などをつかってシステム化要件をまとめていく手法がとても勉強になりました。

今日は学会の発表論文を執筆するために、このKJ法を活用して、ある情報群から新しい発見を試みていました。(コーディネータとしての仕事をしつつも、MOT研究者としての活動は継続していますので)。東北地域の起業家・経営者の方に私がインタビューしてきた記録データがあります。それを活用してそこから、当初の想定とは異なるものを引き出してみよう、という作業をしています。

通常、社会科学で行うインタビューでは十分に準備をしてインタビューがなされます。十分に設計されたインタビューでは、構造化された質問項目により定量的な分析ができるようにしてあります。しかしそれ以外にも雑談やインタビュイー(=インタビューを受ける人)による積極的な語りにとても重要なコメントが含まれたいたりします。今回は、そうしたインタビュー会話を文字にした資料から、『地方で起業することの魅力・メリット』を抽出しようと試みています。

この発表にはそれ以前の研究での仮説「特定のビジネス環境要因が地域の大学発ベンチャー創出を促進している」に対する自己批判というか、次の段階への発展の材料、といった意味あいが多分に含まれています。これまでは、主に大学や企業の数、といった定量的な要因をメインにしてそこで十分に説明できるだろうという前提条件で分析をしていたのですが、どうも地方に立地する企業にはその枠組みではあまり説明が出来ません。つまり『なぜビジネス環境要因の比較的乏しい東北を起業の地として選んだのか』という問いに対して、『そういうものとは違ったものがここにはある』というものが複数見られてきました。それを今回は、荒削りながらも、分かったことを分析して発表してゆこうというものです。

さて、KJ法。これは3つのステップからなっている作業です。

1)得られた情報を小さなカードに書き込みます。一枚のカードにはなるべく一つの情報だけを入れるようにします。複数の情報はなるべく分割します。

2)似た内容のカード同士をグルーピングします。グループにはそのグループの構成情報を代表するタイトルをつけてそれを新しいカード(グループ・テーマ・カード)に書きます。全てのカードをグルーピングします。中には他のどれともグループにならないカードもありますが、それは一つのグループとみなします。

3)グループ同士を似たものでまとめて、さらに大きなグループを作ります。同様にその大グループにも新しいテーマ・カードをつけます。この大グループ化を繰り返して、最終的に、2〜3グループになるところまでこの作業を繰り返します。

こうすると当初はばらばらで関係・構成を持たなかった情報の集まりが、ツリー構造になってある文脈で語ることが出来る情報群になります。これが情報から知識を引き出す作業としてのKJ法です。

この手法は情報整理だけではなく、大規模な文章を執筆することにも使えます。執筆しようとする細切れの情報やアイデアの断片をカード化して再構成することで大規模な文章を自然な構造の文章に昇華していくことができます。


これをインタビュー記録を相手に、こつこつをカードを作り、やってみています。最初は手間が面倒だと思ったりもしたのですが、全部をカード化してそれらを分類・統合していくと、予想よりもはるかに多くの思考ステップがすすめられるのを実感します。これまで漠然と記録を読み返していたころよりも、気が付くことの量・質が向上するのが分かります。さて、これを後はどう意味解釈するか。この辺が研究者の資質の一つでもあります。同じデータを見てもその意味付けは必ずしもユニークではないからです。面白い作業、でもあります。

2006年04月29日

アイデアの技法 NM法(中山正和法)

アイデアの技法を一つ紹介します。ブレストのほかにも創造技法とよばれる代表的なものはいくつかあり、その一つに「NM法」とよばれる中山正和氏によるアイデア出しの技法があります。

1)何を解くべきか、問題の本質を抜き出す
2)類比を問いかける(そのことを実現しているものが自然界に何かないか、等)
3)背景を問いかける(それはどうなっているのか)
4)コンセプトの問いかけ(そのことは問題解決のアイデアにならないか)
5)ダメ押しとして「それでも何とかアイデアにならないか」と問いかける

(出展:『図解TRIZ』)

よく、ビジネスプランの検討会などに参加しているとベテラン支援者の方が同種の質問をされていたことが思い出されました。本質的に人間には、簡単ではない問題に直面したときに、それを一度上位の概念に抽象化(モデル化)しそれを解いて現実の状況にアプライ(応用)する、という思考方法があるように感じます。このNM法にはそうした思考構造の本質が端的に表現されているように思えます。

2006年04月09日

アイデアの技法 業種検索(タウンページ)

タウンページの業種検索機能を用いて、アイデア出しを行う方法をご紹介します。これは「○○が活用されそうな業種って何だろう?」というアイデアを出すときに、発想の刺激となります。

たとえば「香り」に関するビジネスを考えている場合に、どのようなシーンで香りが登場するのか。消費者の視点で考えるのは自分の生活の中でできるとしても、ビジネス社会の中でどう使われているのか、自分のイマジネーションだけで洗い出すのはなかなか厳しいものがあります。

そこでタウンページを使います。この検索窓1に「香り」と入れます。検索窓2は地域を入れるものですが、とりあえず「東京都」と入れます。で、「検索」ボタン。

すると、ずらららと、関係する業種が出てきます。その数「442業種」。アロマテラピーから始まって、化粧品、料理屋、などの思いつきやすいものから、すこし忘れがちな、コーヒー豆屋、輸入家具、果ては、カルチャースクール、といった業種も出てきて、最後は、和紙。

こんな具合に、香りが関係しそうな業種をずらりと一覧で見ることが出来ます。これを見ていると、自分の香りのビジネスアイデアの種を各業種に当てはめたらどんな事業が構想できるか、さまざまな発想をえるための刺激になります。

具体的に場面を想像できるほうが人間の創造性は高まるという性質があるようです。ざっくりと「香り」と考えることから一歩進めて具体的な業種を頭に思い浮かべながら、そのビジネスアイデアのアプリケーションを想像することで、大量のアイデアが生まれ、さらにそれらの組み合わせも考えるとすこし面白いアイデアが量産できるようになります。是非一度試してみてください。

2006年02月23日

アイデアの基礎体力=「インプット」×「アウトプット」

私は、アイデアの定義を先日掲載したとおり、「アイデアは既存のもの同士の新しい組み合わせ」と考えています。その考えからすると、アイデア出しには「既存のもの」をたくさん引き出しにもっておいたほうがいいということになります。また、「新しい組み合わせ」というアウトプットをたくさん出すには、一見関係のなさそうなモノとモノとを強制的に組み合わせて新しい組み合わせとして面白そうな切り口がないか、という作業が重要になります。一般的には関係なさそうなものは、頭の中でつながりがない(もしくは弱い)ので、アイデア出しのときにつながっていないモノ同士に新結合のための「力をかけてやる」わけです。

これまでご紹介してきたアイデアの技法は実は「既存のもの」をたくさん収集する、というためのものと、「新しい組み合わせ」をシステマチックにたくさん生み出すものがありました。

質の良いアイデアを生む可能性を高めるには、アイデアをたくさん出すことが重要なのですが、上述の通り、アイデアをたくさん出すための基礎体力を養うには

1.既存のもの・既知の知見をたくさん自分の中に取り込む
2.関係性の無いモノ同士の組み合わせを日々考えて、頭の外に出す(書き留める・話す)


ということを習慣づけていくことが効果的なようです。(2.の書き留める、というのは、読めないメモでもOKです。「頭から外に出す」作業がどうも効能があるようです。)

2006年02月22日

アイデアの技法 マインドマップ

A3の紙とペンだけあれば良い、面白くって効果的な技法をご紹介します。トニーブザンという方の手法です。

人間の思考は、直線的なものではありません。ある事柄からいくつも何かを連想したり、時には関係のない話題同士がつながったりします。そういう思考の広がりは、脳の中にあるシナプスがいくつも腕を持っていることが関係しているのかもしれません。また、繰り返し行ったり考えることはシナプスが太くなっていつでもその思考回路はオンに近い状態のようです。

こうした脳の働きに極めて近いノート法として、マインドマップがあります。(私なりの解釈です。)さて、ざっくりとどんなものかというと、以下のような形になります。

マインドマップ.gif

アイデア出ししたいテーマや整理したいテーマ「△△」を、紙の真ん中に、シンプルに書きます。そこから、「△△」といえば、「□□」。と思い浮かぶことをテーマの近くに書いて、それを丸で囲みます。そして、その中心の「△△」との間に一本線を引きます。基本的にはこれを繰り返します。このときに、思いつく思考の分だけ枝が伸び、伸びるたびにその神経経路となる幹を太くしていきます。多くの枝葉の伸びた経路にはぶっとい幹ができる、そういった感じです。伸びていった枝葉同士がつながるときもあります。このときには、他の線を横切って、えいっと、つないじゃってください。見た目が汚くなることはこの際、我慢。意外とこのつないじゃった線が重要なものを気が付かせてくれることもあるので、気にしないでどんどんごちゃごちゃにしてください。

アイデア出しはその発想がしなやかに、のびやかに、すいすいと感性の赴くままに進むことが良い場合が多いわけですが、このマインドマップの手法を用いてアイデア出しを行えば、驚くほど好きなだけアイデアが広がります。

なお、私はグループワークや打ち合わせメモのときにも、自然とマインドマップを使っていることが多いのですが、とてもすんなりとメモが出来ます。また、関係性を見直すときもとても楽です。ただ、そのときには、この幹を太くする、という作業は手間がかかるのでおこないません。上の図のように、細い直線でつなぐだけです。また、グループワークで最後にまとめるときなどには、出来るだけ多くの情報とリンクしているキーワードを見出して整理することになるのですが、そのときには、つながりの多さに応じて丸を何度も太くしていきます。そうすることで次第に言葉の海であるマインドマップから、みんなの意識の集積点が見えてきます。


(※)この技法は、大変奥が深いです。上記は私が4年前に本で読んでから我流で使って私なりの説明をしています。より詳しい情報や、本式の情報を知りたい方は下記をご覧ください。

詳細情報:mindmap.jp(詳しくかつ分かりやすいです。)
http://mindmap.jp/01basic/index.html

参考図書:ザ・マインドマップ 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478760993/250-5457100-9991458


(私見)アイデア出しの観点からみると、マンダラートという3かける3のマス目を用いたものと、このマインドマップは同じく発想を広げるツールです。マンダラートは、中心1つに対して、8つ連想させる、という強制力を働かせるツールです。こちらは、中心一つに対して、いくつでも(1でも2でもいいし、8でも20でも良い)広がる気楽さ、脳本来の働きにそった思考展開が出来るツールです。テーマによって、あるいは、人によって、使いやすいものがあるようです。

2006年02月20日

つぶさに観察する。(イノベーションと温故知新)

本格的に時間のかかる、成果レベルの高い発想法をご紹介します。素晴らしいプロダクトデザインをされる2つの企業が、同音異句におっしゃっていることですが、「つぶさに観察をする」ということです。

一つ目は、IDEO社(アイデオ)。私が、到達できたら本当に素晴らしいと思っている会社です。アメリカにあるプロダクトデザインを行う会社で、その経営姿勢は夢中で遊びながら仕事が突き抜けたレベルで遂行されていく、ようなスタイルです。『発想する会社』という本でその会社のプロダクトデザインを生み出すための発想過程が紹介されています。

その本の一節に、『観察する』ことが言及されています。現場に行き見ること。対象物が使われている様子をとてもつぶさに観察せよ。といった趣旨のことが述べられています。そのケースでは、そのときに医療器具の新デザインを提案するにいたりました。けっして専門ではない分野。でもその現場で本質を見てきた結果、彼らはとても機能性の向上した新デザインを生み出しました。

もう一社は、日本のG社。ある業界のトップ企業でずっと洗練された商品開発と特許取得をされてきた方が独立した企業です。その方が昨年、公開セミナーで、こうお話されていました。「(すでにこの業界では10年前の技法ですが)特許化する技術を開発するには、ライバル企業の特許をザーッとつぶさに見ていくことです。」相手の企業がやったことを今更見ても、、、と思うなかれ、と。他の企業が出願した特許をずーっと見ていくと、着想がわいてくるそうです。どんなにたくさんの特許がとられていたとしても、そうして先行者の技術をつぶさに観察していくことで、新しい発想がうまれてくる。

IDEOでは、対象物を製品とその運用現場としていましたが、G社では、対象物を取り巻く特許技術情報を対象としてつぶさに観察せよ、といっています。

つぶさに観察していく。というのは地道な作業です。新しいことを生み出そういう人が、今更ながらのモノやコトをみるという、ある意味逆の流れを進むことであり、普通は無意識的な抵抗感があるかもしれません。でも、既知のことをつぶさに見ていくことが新しいことを生む、という一側面があるというのは、なんともアイデア・発明の妙であるとおもいます。

孔子の言葉に「温故知新」という言葉があります。「子曰く、故きを温ねて(たずねて)、新しきを知れば、以って師と為るべし」この言葉には人間社会に関する非常に深い洞察があるのだと思います。

20世紀には、特許の膨大な分析をしてそこから発明という行為を構造的な知として研究がされ、ついに発明の方法として生み出された理論があります。ロシアで生まれてアメリカにわたり近年では、アジア諸国にも普及しつつある膨大な知識ベースですが、その思想の根底には、孔子の「温故知新」と同じ、人間と人間が織り成す社会への本質的な洞察があるのかも知れません。

歴史を学ぶ・先人に学ぶ、ということがいつの時代においても尊重される部分がありますが、そういったことも関係があるのかもしれません。

2006年02月17日

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」

昨日ご紹介した『考具』のP25ページに書かれているアイデアの定義です。ジャック・フォスター(『アイデアのヒント』著者)らの採用する定義を、考具の著者、加藤氏も採用しています。その定義に続けて次のような文章が述べれています。

「ゼロから生まれるアイデアは存在しない …中略…。どれほど素晴らしいアイデアであっても、その発想の素になったアイデアがある。わたしはこの考え方に出会ってから、とても気が楽になりました。宙(ちゅう)から取り出さなくても、十分に新しいアイデアは生まれる!」(『考具』P26)

…大変素晴らしい定義!だと、思いました。まず感じたのは、シュンペーターのイノベーション(経営革新・技術革新)の定義では、イノベーションの本質が既存のモノとモノの新しい組み合わせ(新結合)だと、述べていたことでした。アイデアとイノベーションは部分的な近似性があるため、その定義の本質が『既存+既存⇒新しい』であることに、しばし感心しました。

もちろん、アイデアの定義がこれに限定されるわけではなく、さまざまな人がさまざまな定義をなされていると思うのですが、私はこの定義を基本にすえて、アイデア出しという行為を気負うことなく、のびのびと進めていくことが大変好きです。アイデア出しは、そんなに難しいことではない、でも何が生まれるかは、そこに参加する人がもつ創造性によってバラエティーや味わいが出てくる。そんなことを、私なりの「アイデアの哲学」として大切にもってゆきたいと考えています。

2006年02月11日

アイデアの技法 速記メモ

速記メモ、という比較的時間的余裕があるときにアイデアの引き出しをたくさん作るための作業をご紹介します。技法というよりもコツ、といった趣です。

セミナーや講義に出席します。その会場で話されていることをひたすら追いつく限りのスピードでメモをしていきます。私ははじめは手書きでやっていたのですが、キーボードのタイピングのほうが速度で勝るようになったので今はPCをつかって、速記メモを取っています。(余談ですが、こうすると眠くならないんです。話の構成がさかのぼれるので、よく分かるようになりますから。また疑問に思ったことを、前後の話の間に「メモ」しておけるので、後で質問のするときにも、役に立ちます。また隣の人に「メールで送ってくれませんか」といわれてお送りしたら、なんとコシヒカリを頂いたことも。←これは超レアケースでしょうけれど。)

聞きながら理解して、言葉を全部ではなく文意をだだだだっとメモします。およそ人間が講演でしゃべるときには10秒間で3文くらいから構成される一連のセリフをしゃべります。1つの文章は、5W1Hなどを中心におよそ2〜6程度の単語を含んでいます。なので、10秒間に出てくる単語は、6〜18くらい。重複をのぞいてそのセリフで中心的な単語で短文を再構成するならば、10秒間でおよそ5つの単語をつなげて短文にしてメモしていくような感じです。聞き取れないところは悩まずに「***」と書いて、次へ。

不思議なことにこうしてメモを書き取っていくと、別の用途への転用を思いついたり、逆に言えばこんなことがいえるかも、とふと思うときがあります。それをすかさずメモします。ちなみに私は、アイデアをそのまま、速記メモの中に速度を落とさずに書き込みます。「★、」という形で、講師がしゃべったこととは違うよ、という自分へのしるしにします。

なぜこうすることでアイデアが生まれるのかは、今のところよく分かりません。ですが、何もメモを取らないで腕組みして聞いているときに比べて思いつくことが何倍も多いようなのです。速記メモを取ることで、頭を非常に早く回転させるので創造性も引き出されるのかもしれません。また普通の聞いた情報は言葉をそのまま覚えるのではなくその話の趣旨を入れていきます。ある程度の抽象化のプロセスをリアルタイムでして行くような感じでしょうか。それが、速記メモではかなり明確に相手の発信した情報を受け取ることになります。以前書きましたがある種、具体性は創造性を高めるのに効果があるようだ、ということに関係するのかもしれません。

このアイデアの技法は、試すのが簡単ではないかもしれないですが、せっかく講演を聴くならばこういう副次的な効果も得ながらメモを取ってみるのもなかなか面白いかもしれません。

2006年02月08日

アイデアの技法 マンダラート

マンダラート、という3かける3の図を使って発想を行う技法をご紹介します。準備するものはいたって簡単。大きな正方形を区切った9つのセル。ただそれだけです。紙に手書きしてもよいし、パワーポイントで3*3の表を作ってもいいです。

マンダラート マインドマップ.jpg

中央のセルにアイデア出ししたいテーマを書き入れます。たとえば「新しいオフィス」のアイデアを出したいということで、中央に「オフィス」とかきます。周りの8つのセルにオフィスから発想できることを書き入れます。このとき、とにかく関係なさそうでも8つうめる、というすこしの強制力が発想を促進するようです。

では実際にやってみます。オフィスといえば、机。上のセルに「机」と書き入れれます。机といえば「椅子」も。それから「PC」もやっぱりほしいです。PCといえば、投影できる「プロジェクター」があって大きな「スクリーン」もほしい。これで5つ。残り3つをう〜んとしばし考えます。やはり「本棚」がほしいですね。人が来たら「応接するセット」これは本当に必要かな、とおもいつつも、とりあえず書いておきます。必要ないかもしれないけれど、「観葉植物」。ここでじゃあ「スーツハンガー」もほしい。でもマス目がもうありません。でも気にしないで欄外に、「スーツハンガー」と書いておきます。のりのりでもっとでたら、気にしないでどんどん欄外に書きます。あるいは、別のマンダラートに書いてもいいです。私はPCで行うときには、3かける3を増やして、5かける5くらいに増設します。

こうして、オフィスというときに、最低8つの切り口が出来ました。この先にすることは、各切り口を中心に新しいマインドマップを作ります。たとえば、「スクリーン」。新しいマンダラートの中心に「スクリーン」と書きます。で、スクリーンといえばと、と8つのセルを埋めていきます。たとえば、スクリーンといえば「白いシート」。白いシートをカーテンに見立てて、「ついたて」兼用のシートもいいですね。本当に集中したいときに、それを立てて小さい空間にこもる、とか。スクリーンといえば、掛け軸ににていますね。で「掛け軸」。ここまでで、3つ。文字が書いてあるシートという意味では、表面は白いシートで、裏面にすると自社の企業理念とか今期の目標が掲げられているのもいいですね。この辺になってくると、商品化のアイデアだしが一気に広がっていったりします。そのときには残りのマス目や他のキーワードをほおりだしてそのアイデア出しをすすめてください。全部をきっちりやることがアイデア出しに必ずしも適している方法ではありません。そこを一気に進めきってから、またもどりたいときにマンダラの続きをやればいいわけです。

このマンダラート、という技法は「企画」に落とし込むときに5W1Hのフォーマットでも活躍します。また、私は、7かける7や、9かける9のマンダラートを作って、PCをもちいたヒアリングのときに、マインドマップの代わりに利用したりしています。マインドマップ方の入力は、普通のエディターソフトでは手間がかかりますから。

※このマンダラートは、今泉氏が生み出した技法です。詳しくはhttp://www.mandal-art.com/index.htmlにあります。シンプルですが、非常におくが深い技法です。シェアウエアもあります。

2006年01月29日

アイデアの技法 「場所」

場所? そう、場所です。「場所」というアイデア出しの技法をご紹介します。プロダクトデザインのすばらしい企業、IDEO社が発想の秘訣を7つ挙げていて、その一つに「場所」ということを言っています。

人は、その場所に行くと記憶を呼び起こされることがあります。その場所には、目から入る情報に加えて、周囲のざわめき、空気のにおい、肌で感じる雰囲気など、複合的な情報が脳を刺激して似たインプット信号の状況下で考えたこと、感じたことが引き出されやすくなるようです。

また、そこで感じたことを思い出すだけではありません。「現場に行く」というのは、非常に大切で、アイデア出しの優れた本『考具』でもそのことが述べられています。現場に入った名刑事が犯人のヒントを得ていくなど。私もある依頼でどうしてもアイデアが出にくいことがありました。よく考えるとその現場をあまりよく見たことがなかったことに気が付いて、その晩、徹底してその現場を観察してみました。デジカメで50枚以上の写真をとり、動画で端から端まで歩きながら撮影。そして、そこの状況を一番表している場所が見える場所に陣取り一時間、ひたすら人々の動きを観察しました。そこにどんな人が来るか、どれぐらいの割合か、何をするか、何を探すか、誰と話すか、そうすると仮説が浮かんだりします。その仮説に基づいてさらに観察をつづけると思い過ごしだったり、最後まで否定されない仮設としていきのこったり。また人々が不便だ、と感じていることを複数人の行動の共通点から気づくこともありました。おもしろいことに個々にはそれを強い不満とは感じていないようで、多分インタビューしてもそれをはっきり不満という人がいないように見えました。このような意味で、新しい場所でも現場に言ってみると着想というのは驚くほどたくさん手に入ります。

また、ブレストの相手がいないときも有効です。人々がほしいものが並ぶ高級デパートなどをまわると社会のニーズに関してさまざまな切り口が実感として得られ発想が広がります。最近の郊外の大型ショッピングセンターは結構センスのいいところも多く、家族と買い物に行くときに、自分の興味ないエリアでもいってみると意外な視点やコンセプトが得られたりします。娘の気ままな行動についていって普段なら手に取らないようなものを目にしてそれがヒントになって、実は今の案件の提案書の切り口が見つかりました。(もちろん、思いつきだけでは進められないので、その後に、それが適切かを検証します。)

以上、アイデア出しに煮詰まったらその「場所にたってみる」「現場に行ってみる」というのは意外と効果が高いのでぜひ試してみてください。(なお、体を使うというのはアイデア出しの秘訣の一つ、とIDEO社は言及しています。)

2006年01月23日

ブレストの準備体操「しりとらず」

ブレストをする際には、創造性・思いつきのもととなる脳の部位が活発な状態で無いと、なかなか波に乗るまでが難しいものです。

以前、くらたまなぶ氏が起業系のセミナーでアイデア出しの講義をされたときに「しりとらず」というブレストの準備体操を紹介されました。これが何の道具も要らず人さえいれば出来るものなので、ぜひブレストを始める前に、この準備体操を試してみてください。多分、しなかったときに比べ創造性がホットになっていることと思います。

ブレストをするメンバーが4人だとします。A君は、何でもいい適当なモノ・名称を、B君に告げます。たとえば、「ガラスのコップ」と。
B君は、即座に「え〜ガラスコップ、ガラスコップといえば、ベネチアですが・・・」と、ガラスコップについてあらん限りのことをしゃべります。3分がたったときに、B君は、急に全く関係の無いモノで話を閉めます。「え〜、というわけで、次、靴下」と。
するとC君は、突然ふられた靴下について即興で靴下に関する説明を行います。「え〜くつしたは、通常先が丸いですが、おじさんを中心に指われのものもあり、むれ対策に・・・」という感じです。
メンバーの人数によりますが、これを4〜5周行うと、その後のブレストは驚くほど円滑に頭が回るようになります。

2006年01月22日

限定は、創造性を高める。

アイデア出しの事業を運営していて、あるいは学生イベントのお手伝いをしていて、面白いことに「ある種の制約・限定があると、人の創造性はより高まる」ということが観察されました。

ある種のイベントを考えるときに”何でもいいから面白いイベント”というよりも”雪を使って面白いイベント”のほうが、発案しやすいという感じです。雪を使って、ということを考えると、真冬の屋外の雪原をイメージする人もいれば、ゲレンデをイメージする人もいるでしょう。このイメージがどうも大切なようです。そこにたつ自分をリアルに考えることが出来ることが。

これは「具体的」ということとも関係しているようです。テーマは具体的なほど、アイデアは出しやすい、という趣旨のことが「考具」(アイデア出しについてすばらしい記述がなされている本)に書かれています。アレもできるかもしれない、これは出来ないかもしれない、という不確定の環境はなかなかイメージしにくい、という人間の頭の構造があるのかもしれません。

技法、とまでは言えませんが、アイデアを「出し始めるときのコツ」として。
広いテーマをもらったら、いったん自主的に狭めて、創造性のエンジンを回す。
 ▼
その条件下でアイデアをたくさん出す。そして、そのアイデア群で一点突破。
 ▼
制約をはずし(雪を使った→何でも)アイデア出し、
もしくは、限定を段階的に広げ(雪を使った→自然物を使った)アイデア出し。
 
※はじめに自主的に制限をつけるときに「雪を使って」ではアイデア出しをしにくい場合は「木を使って」と、限定内容を変えてみるものいいでしょう。または、さらに制約をつけて「雪を使って、30代が参加したくなるような」というのもいいかもしれません。

2006年01月20日

アイデアの技法 連想検索

ネーミング案や、キャッチ・コピーを考える際に、表現したい考えや対象を別の単語や言い回しで表現したい時があります。そんなときに「連想検索」をしてみると、自分がそのときに思いつかなかったジャストフィットな言葉が見つかるかもしれません。あるいはアイデア出しのときに「全く逆の単語」が、発想を広げたりします。

一例として、NIIの提供する連想検索機能を用いて見ます。webcat plusという、サイトを使ってみましょう。そこに単語や文章をいれて、「連想検索」を行うと、打ち込んだ文章に、関連する単語が右側に表示されます。

ちょっとこれで遊んでみます。たとえば最初に、「大きい扉」といれます。で、検索。そうすると、いろいろ出てきます。扉の連想なのか、「ソウルジョブ」なんていうものも出てきます。
この連想語リストから2つ「小さい」「世界」を採用して、「小さい世界」と入れ、検索。するとまた面白い言葉が出てきました。そこから、「二」と「釘」を採用して、「2つの釘」という言葉を作って、検索・・・。すると、「プロ」「地蔵」なんていう言葉が出ます。

「大きな扉」という一言だけでも、意外な、でも、連想でつながる言葉が出てきました。リストはロボットが出してきますが、リストの中からどれを選ぶか、ここに人間の発想・センス・運が生きてきますから、同じ言葉ではじめても、5回繰り返したら、人によって全く違うコトバが手に入ります。

2006年01月16日

アイデアの技法 アイデアを刺激する7つの問い

数ある発想法の中で代表的なオズボーンさんが考案した7つの問い(アイデアのチェックシート)というものがあります。

1)『代用』 代用品はないか
結婚式の披露宴で、上司代役を提供するサービス

2)『結合』  結びつけることはできないか
ガソリンスタンドとコンビニ

3)『応用』  応用することはできるか
小売業のテクニックを生かし、小口投資家むけの証券会社

4)『修正あるいは拡大』  修正あるいは拡大できないか
マルボロ、女性向けから、タフな男性向けへ180度転換

5)『他の使いみち』  他の使いみちはないか
ジャンクボンドを敵対的買収に融資に利用(詳細不明)

6)『削除あるいは削減』  削除か、削減できないか
100円ショップ、仕入れ60円→ほぼ100円。値打ちある商品

7)『逆あるいは再構成』  逆にするか、再構成できないか
株主の権利を買うのに負債を使う(借入金に頼る企業買収)


オーソドックスでかつ、活用範囲が広そうです。アイデア出しに困ったら、一度この7つの問いを自分に投げかけてみてください。

2006年01月13日

アイデアの技法、フォトリーディング

アイデア出しの技法をひとつご紹介します。おもしろいとおもったかたは、活用してみてください。

アイデアの技法『フォトリーディング』

これは、写真をみてそこから刺激を受けて次々発想していく、というものです。たとえば、芝生の庭で、水浴びをしている子供の写真。そこから、なにをおもうか。 水。笑顔。しぶき。草。まぶしさ。・・・・。

では、アイデア出しのテーマに沿ったたくさんの写真を見てみましょう。
どうやってテーマにあった写真を短時間でたくさん見るか?これにはグーグルのイメージ検索( http://images.google.co.jp/imghp?hl=ja )を一例として使ってみます。
たとえば、テーマが、「万年筆」の場合。検索すると以下のURLのように万年筆のさまざまな写真が出てきます。何百枚と。
http://images.google.co.jp/images?q=%E4%B8%87%E5%B9%B4%E7%AD%86&hl=ja&btnG=%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E6%A4%9C%E7%B4%A2

これを、ざざ〜とみていってください。万年筆は、いろんな形をしていることがわかります。大きさ、厚さ、長さ、デザイン、色、素材。それに刺激されて出てくるアイデア・着想を自分に読める程度の文字でメモしてください。

いかがですか、フォトリーディング。一度だまされたと思って、10分間、ひたすら自分のテーマの写真をながめていってみてください。きっと、今のテーマと将来につながるものが得られます。

(参考:速読の技術「書物を画像的によむ手法」として「フォトリーディング」という言葉が使われますが、上記とは異なるものです。)

2006年01月06日

アイデアの技法、カラーバス

(アイデアプラントでは、アイデア出しに参加してもらう学生のメンバーの方に、時折、アイデア出しの技法を私から紹介しています。そのメールを一部紹介します。)

〜ブレストマネージャーからのメール〜

『カラーバス』

どうしてもアイデアが出ないときに試してみてください。
朝、家をでるときに、キーカラーを決めてください。たとえば、赤。
目に付く赤色をよーく見てください。
真っ赤な「車」、駅の「広告の文字」、大学の友人が持っている「鞄」、
はたまた、街角で配られる「ティッシュ」。
などなど。
目に付くすべての「赤」のついているモノを記憶か、メモしたりしておきます。
こうすると、という○○○(クライアント殿の依頼テーマ)について、
発想が自然と広がります。

たとえば、メモされたものを見て以下のように発想してみてください。

たとえば「車」、・・・
車と○○○を混ぜたら・・・・じゃあ、車のドア、に着目してみよう。
うんそうだ!
家の中の○○○はすべてドアの様に開けられる仕組みにしたらどうか。

とか。

たとえば、「ティッシュ」、・・・・
家の中の○○○を「ティッシュ」でつくったらどうか。
湿気を通すので群れにくいし、バリバリとやぶって
再配置するたのしさもある。

などなど。
「赤」という色自体は直接関係のない話ですが、これは
「一件関係ないものを強制的に結びつけるための素材あつめ」という行為です。

だまされてやってみてください。
暇な通学時間も、ちょっと、時間つぶしになりますから。
では!

(参考文献:本技法は、加藤昌治氏の著書、『考具』に着想を得ています。)
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