2017年11月20日

創新馴化(そうしん じゅんか)

創新馴化.png

新製品構想のアイデア創出に様々に付き合う中で、大企業におけるイノベーション拒絶反応への対応の困難さを感じます。

「異質なアイデアに対する従来組織の拒絶反応」というのは、生物的なアナロジーで言う「免疫システム」なのだと思います。

特に、過去に「やってみて、痛い目を見た経験がある」組織ほど、拒絶が強く、そこも免疫と似ているように思います。

さりとて、市場が変わる、技術やインフラ環境が変わる中で、従前と変わらないことだけをし続ける組織が行きつく未来が、必ずしも、安定した事業成長ではないため、どこかで、新しいことをしなくてはならないわけです。

現実には、産業界においてまったく新しいことをしない組織というのはとても少なく、行政機関や金融機関のような「硬い」組織でさえ、日々かわりゆく社会に対して後手後手であっても否応なく対応をしていきます。長期的に存続するつもりがある組織であれば。

さりとて、免疫システムが全くない組織というのも、ぐだぐだで組織的には継続性が危ういです。芽生える企画をなんでも通してしまえば、未成熟な展開を行ったり、顧客のいないエリアの事業を打ち立ててみたり、するわけです。

なので、「十分に免疫システムがありつつも、創新(イノベーション)を地道に取り組んでいく」という矛盾したバランスが、大事なのだろうと思います。

ーーーーーー

さて、長い導入話しはここまでにして、ワーク・スライドに入ります。


イノベーティブなアイデアはそのままでは組織内で扱いにくい。
その時に行う「アイデア・ブレンド」というワーク方法のスライドです。

「創新馴化」はその中核的コンセプトです。

簡単に言えば、イノベーティブなアイデアがアイデアが手に入った、しかし、このままだと組織内で企画を通せないだろうなぁ、という時点で、従来的な組織にとって受け入れやすいアイデアとブレンドする方法です。(そうすることで、その企画を通し、実行したあとに、成功を材料に徐々にイノベーティブ要素を前面に出していき、本来の姿に展開しく、そんな二段構えのやり方です。)

すべての企業にこれが通じるわけでもなく、またすべての企業にこれが必要なわけでもない。
そう思いますが、「ああ、大企業のイノベーションのジレンマを超えられないなぁ」と悩む人に、ほんの少しでも、ヒントとなれれば幸いと思い、このスライドを掲載します。
posted by 石井力重 at 18:02 | アイデアの技法

2017年11月13日

創造的イマジネーションを強く使うコツ

Brainstorming_tips_Freethinker_and_GiantRider.png

ブレインストーミングというのは、OBゾーンも全部使っていいゴルフ、みたいなものなんです。

そんなことを、ブレストの際に、ちょっとしたTips(コツ)としてコメントしていますが、それをスライドにしてみました。



まず、外れてもいいから、思い切りフルスイングします。成り立つアイデアとはいいがたいものも出てきますが、気にせず、表現していきます。
次に、それを、成り立つようなアイデアへ発展・改良します。フェアウェーに乗せる、ような感じです。
ゴルフだったら、それはペナルティがあったりして避けたいことでしょうけれど、ブレストはいいんです。
むしろ、積極的に、フルスイングして、OBゾーンも全部使って思いっきり遠くまで早くいく方が、得策です。
成り立つことだけ、つまり、細い細い正解エリアをたどるかのごとく、小さく考えてわずかにしか発想が展開しないやり方というのは、「発想する仕事においては非効率」なのです。
仕事を早く終えて次に進みたい。
それが多くのビジネスパーソンの基本的なニーズだと思います。
もし、そう考えるならば、ちまり、ちまり、と正解だけを考えるのは、非効率。
ブレストの時には、OBもつかって、思考の広いエリアで考えて、はやく、創造的な案に到達してください。

ブレストの補助道具、というのは、考え方ひとつ(メンタリティー)みたいなものも、あります。
これもその一つとして誰かの役に立てば幸甚です。

石井力重
posted by 石井力重 at 18:01 | アイデアの技法

2017年05月06日

『カオスまびき法』(矛盾するアイデア群を一度吐き出し、そのほとんどをはぎ取り、僅かにする)

カオスまびき法.jpg

われわれの脳は、アイデアのパーツが閃ては忘却の海にかえりつをしています。その、有意識と無意識の全部をいっぺんに理路整然とした統合的なアイデアとして出てきたらいいのですが、そうは行きません。

そこで、アイデアの辺縁まで全部拾いあげて、テーブルの上にまず、カオス(混沌)をつくります。
考えの欠片の全吐き出しをします。

そこから先が、本当に苦しい世界です。ここから今度は「捨てます」。人は、とくに、クリエータ気質の人は、自分のアイデアに高い価値性を感じるので、「アイデアを没にする」ことは、思いつく以上に、大変な作業です。
それでもは食いしばって、アイデアを捨てていきます。具体的には、心理的抵抗を減らすために、捨てるものを選ぶ代わりに、拾い上げたいものに〇をつけるという方法を取ります。ようは、拾い上げ、です。

更に、捨てたい(〇をつけたものが残り過ぎる)場合には、◎をつけます。そして、〇だけのものをそぎ落としていきます。

こうすると、カオスの海の中から潮が引いて最後に残る宝が分かります。

苦しい思いをしてまで残った要素。これを組み立てて、基本的な骨格を作ります。足りなければ、要素生成を行い、整えていきます。「構造を作るための要素が、数えるほど少ない」つまり、削ぎの作業、を徹底的にやっているとここがうまくいきます。

そうして、シンプルで強い骨格が出来、そこからは具体的な要素(いちど削いだアイデアの欠片)を、付与していき、具体的なアイデアを整えていくわけです。

そういう作業に、名前を(石井が)つけました。『カオスまびき法』です。

京都精華大学のマンガ学部(ストーリーマンガコース)の授業のために、さそうあきらさんとディスカッションを数年かけて行い、開発したメソッドです。(開発したメソッド、というものの、本質的な思考の展開自体は、古くから創造工学の領域にいろんな表現で登場してきているものでありますが。)


posted by 石井力重 at 16:49 | アイデアの技法

2016年12月05日

短時間で完成度の低いものの成果共有に『レビュー・ツアー』を。

アイデア・ワークショップをしていくと最後に「各チームがまとめたものを発表する」という時間を取ることがよくあります。”単純に各班が発表する”、という形式がベストのケースはそれでいいとして、「どうも、短時間でまとめて、発表を行っても浅くて、中身が仕上がっていないので質疑応答でもお茶を濁すような回答ばかり・・・」となるので、なにかの方法を取りたい、という場合に、いい方法があります。

レビュー・ツアー、です。

  • ひとグループが4〜6人
  • グループ数が5~8個ぐらい
  • ディスカッションして発表の軽く準備までするために費やせる30分程度

というよくある状態を前提として、説明します。

行動的には、

  • 説明担当者(1名か2名)」を決め、その人はテーブルに残ります。
  • 他のメンバーは、他のテーブル(好きに選んで)に移動します。
  • 15分ぐらいの時間を使います。
  • 7分ぐらいは、担当者から、ディスカッションの中身の説明。
  • そのあと8分ぐらいは、聞きに来たお客さん(他のテーブルから来た人)が質問や改善フィードバックコメントを出し、ディスカッションしていきます。
ここまでが1ラウンドです。

時間が許せば、2〜3ラウンド行います。

そして、終わったら、元のメンバーが机に戻り、ラウンドで他の人からもらったフィードバックの内、発展材料になるものは共有し、アイデアを発展させていきます。(時間的にはこれも、15分ぐらい)

こうすると、研修やイベントの最後によくある全チーム発表(1時間〜)を行うよりも、実りが大きくなります。(※)

※短時間で完成度が低い成果物でも、小さいグループで親密な場で説明すると、その下に合った部分もすっと話せて、質問でもその辺をつかみやすくなります。結果的にディスカッションからの実りも増えます。

※(補足)実りが大きくなるのは、発表の準備時間が短くまだ完成度の低い場合です。
逆に発表に半日をかけて、仕上がって練習も相当積まれた状態からならば、従来の全チームの登壇プレゼンの方が、実りは大きくなります。仕上がった内容には、濃い内容と鋭い外野の指摘が出現するからです。

以上です。


このレビュー・ツアーは、最後の発表だけの行動様式ではありませんで、グループごとのワークを続けるような長いプロセスの途中で行うような使い方もアリです。

補足)

なお、実際の運営テクニックとしては、場が大きい、どこに班があるのかわかりにくいので、担当者は手を挙げて、自分のいる所が島であることをことを提示します。人数が大きくなった場合は、その担当者は手を下げて、更に人が増えるのを避けるようにします。

posted by 石井力重 at 15:53 | アイデアの技法

2016年07月12日

【発想技法スライド】洞察する(Issue Palette)

これまで、アイデアワークの発想の前段で、洞察する、というワークを行ってきました。何度も、いろんな場所での実施を経て、だいぶこなれてきました。発想の道具として、仕上げてみました。掲載します。

Issue_Palette_2016_IDEAPLANT.png


所要時間:
30分(あっさり説明して、ワークは実質12分×2)
〜55分(座学的な技法の深い使いかたの説明。及びワークは15分×2)

Issueを、良い課題、と表現しています。解くべき課題の事です。
まず世の中から問題を、1DAYバーブ、という、古典的にはシナリオ法(あるいは、A day in the life 法)と呼ばれる方法で、掘り起こしていきます。
次に、6つの観点と、ルートバスターで、色んな攻め口を探していき、発想のネタとして面白いものを見出していきます。

posted by 石井力重 at 17:54 | アイデアの技法

2016年03月09日

【アイデアワーク・ツール】Issue finder(目の付け所の転換)

急遽予定を切り替え、9泊ほど東京に滞在しつつ、打合せとアイデアワークの企画制作をしています。

その中でアイデアワークのツールとして切り出しせるものが出来ました。紹介します。

issue_finder.png

Issue(解くべき課題) finder(発見ツール)です。

使うシーン:

「見つかった問題が、どうも解くのがきつい。出せても、薄っぺらなアイデアしか、立てようがないなぁ」という場面で、使います。

問題○○が見つかると、すぐにアイデアを出したくなります。
つまり、「○○が起こらなくなる装置」という感じのアイデアです。

こういう「問題があったぞ。じゃあ、それに対してアイデアを出そう」という直線的な思考スタイルでは、当初の問題が浅いと、創造的努力が生むものが小さくなります。

ですので、問題の後ろに回り込んで攻め口を探してみたり、その問題を引き起こしている根源的なものに攻め口を探してみるのが上策です。

解くべき課題をいかに設定するかがアイデアワークの肝であり、そのための思考方法はいろいろあります。
それを単純化して、ワークシートに仕立てたのがこのPDFです。

目の付け所がいい、といわれるアイデアは、発想から始めません。問題を見出した後、目の付け所をいくつも考え出してみて、その中で核心のものを選び、課題として定めます。そしてようやくアイデアを出す作業に入ります。
ここまで行くと、成果物を目にした人は「ひねりの効いた解決策だなぁ」と感じます。


使い方:

当初の問題を、6つの観点でみてみると、どういう問題としても考えられるのかをしらべます。範囲を広げて問題を考える、といった感じです。
次に、その問題を生み出しているもの(根っこ部分)に光を当てて、根源は何かと洞察します。
ここまでくると、アイデアを出せたら効果的であろうというもの(すなわち、解くべき課題)が見出せます。
あとは、アイデア出しをします。

チームで行っている場合は、大きな紙に印刷し、皆でわいわい意見を出し合いながら、シートを埋めてゆき、シート上に出てきたものを、深く洞察し、最終的に、何を課題として選定するか、をディスカッションするといいでしょう。


補足:

いわゆる「アイデア発想法」は、最後のブレストの部分について、ジャンプ力を与えたり、出し尽くした先にさらにださせたりすることには有効ですが、課題を同定する、ということ自体は、(大抵の)アイデア発想法の枠組みの外になります。ゆえに、所与の”問題”が陳腐だと出てくるアイデアが陳腐になります。皆の創造的知性からのアウトプットがどうもいまいちだな、という時には、発想力を疑う前に、まず、Issueを熟慮した「発想のお題」になっているかを疑ってみてください。

なお、(大抵の)と書いたのは、洗練された発想技法の中には、それらを持つものもあるからです。使われていくうちに、カバー範囲が広がり、鍛えられ、良く練られたプロセスをもったものになります。それらには、「見る(観察)」「見つける(問題の発見)」「内省する(洞察)(分析)」「定める(課題の設定)」というタイプのステップを見出すことができます。

冒頭の Issue finder は、そうした高度なプロセスをもつ発想技法群から抽出した要素群をもとに、複雑で網羅的なステップを形成し、そこから削ぎに削いで、シンプルにしてみたものです。

posted by 石井力重 at 04:41 | アイデアの技法

2016年01月08日

クリエイティブの共同作業のための9つの提案

グループワークをすることが企業や学校や地域活動などでありますが、「報告会議」や「意思決定会議」のみがグループで作業の仕方であるかのように経験を通じて学んでしまっているので、常にそういう「言って」「決める」方式だけを行いがちです。

そういう場を何とかするために、いろんなファシリテータがいるのですが、私はファシリテータをあまり前面に押し出した考え方はしていません。(石井自身の仕事の何割かが「ファシリテータとしてワークショップの設計と進行をする仕事」ではありますので、自己矛盾的かもしれません。)

しかし思うのです、本当に獲得すべきことは、良いファシリテータではなく、良い成果を生み出す組織であり、そのための集団的知性のうまい使い方ができること、であると。

必要に応じてメンバーの誰かがさっとファシリテーション(集団作業を促進するプロセスを組み運営すること)ができるほうが、よりよいはずです。

そういうい場面で役に立つ情報をシェアしたいと思い、少し書きます。

クリエイティブの共同作業は、意思決定会議のような「眉間にしわ寄せて、厳しさをfullに発揮する討議」とはちょっと違っています。そういう時には、以下の言葉(文献からの引用)を一つか二つでも意識してもらうと、だいぶ良くなります。

共同作業のための提案


以下の提案は単純に思えるかもしれないが、
厳密に適用すると、通常の集団に並外れた成果をもたらすのに役立つ。

友達のように振る舞え
お互いに敬意を払いなさい。サポートしなさい。他者が成功するように援助しなさい。

自分を表出せよ
参加者が進んで傾聴するように、心の内を話しなさい。

可能なものを探索せよ
障害となるものではなく、可能なものに焦点を当てなさい。

本気で学習せよ
好奇心を持ち、驚き、あなたの思考を導き出しなさい。

選んで挑戦せよ
自分自身の安全に対する責任を果たしなさい。プレッシャーを与えるのではなく、サポートすることで他者を勇気づけなさい。

謝意(=感謝の気持ち)を表明し、価値を認めよ
他者の貢献に謝意を表明する時間を設け、他者の偉大さの価値を認めなさい。

寛容な心で傾聴せよ
自分自身の判断、確信、仮説を延期するようにしなさい。

コーチのように振舞え
フィードバックを受け入れ、自分の思考、意見、行動を進んで変えなさい。

楽しみを持て
自分自身を楽しみなさい。一所懸命に仕事はするが、過度にまじめになる必要はない。

P29 『創造的リーダーシップ ファシリテーションの極意をつかめ!』
 

最後から2番目の、「コーチのように振る舞え」というのは、自分がコーチのように、という意味ではなく、あたかも相手がコーチであるかのように振る舞え、という趣旨であろうと、一行補足から読み取れます。

(余談:この文献は、なんといいますか・・・、創造性のエッセンスの深いところを、ダイナミックに突き通して見せてくれるようなところがあり、言葉もエネルギーに満ちています。その対価として、おとなしめの文献にあるような、緻密な語りの要素は少な目かもしれません。初心者が読み解くにはきつい、行間を読み取る力を前提として要求しているような文献だろうと、私は思います。100年書棚に残したい、良い本なんですけれどね。)
posted by 石井力重 at 11:50 | アイデアの技法

アイスブレイクで出る馬鹿げたアイデアは問題にアプローチする際に想像的な要素となりえる

ブレストをする前に、短時間でばかげた意見をたくさん出すようなワークをすることがあります。アイスブレイク、と呼んでファシリテータが独自に考案したものだったりします。


それを解釈するうえで、よいくだりが、文献の中にあります。引用します。


「ばかげた」要因に打ち勝つこと


ほとんどのウォームアップ練習は正直なところ「ばかげて」いる。それらは、目的に適った方向に向かうようにデザインされているので、主題は一般的なものであって、威嚇するようなものは含まれていない。(当然のことながら)提唱されているアイデアの多くは、常識に反しているか、実用的ではないように思えるだろう。

ところが、集団が現実に「重要な」問題にアプローチする際には、それらは想像的な心的アイデアセットと成り得る。

それゆえ、「ばかげた」要因について実施することを思いとどまる必要はない。もしあなたが抵抗を感じるなら、ウォームアップ練習の原理を説明し、4分間だけ必要と告げなさい。あなたに必要なのはそれだけである。



そんなことがつづられています。


余談:

なお、アイデア発想法の中には、ヒエログリフを用いるかなり直感的でクリエイティブジャンプの量が大きい手法があります。

「それはアイスブレイクとして使うことも可能ですか?」と鋭い質問をもらうことがありました。
私は ” はい。十分にそれに入るだけの知的柔軟性があれば、それをアイスブレイクにするのもいいでしょう。”と答えました。

でかすぎるメソッドを、アイスブレイクに使うと、その学習自体が重くて、なかなか場が開けない、という懸念点はあります。

相手によって使えるメソッドが変わる。それを踏まえたうえで、選定したならば、それはアイスブレイクとしてつかうのは良いことでしょう。

posted by 石井力重 at 11:25 | アイデアの技法

笑いと探索、共同作業

クリエイティブ・セッションの前にウォームアップ活動をする。
そうすることで、心をしなやかにし、セッションをジャンプスタートさせることができます。

そういう場面で気にすべきことを、CPSという創造技法のひとつの体系の中の教科書的本から、興味深い部分を引用します。

ウォームアップ活動が集団を支援する


● ツールとテクニックを練習しなさい

● 発散的思考の根底ルールを学び、復習しなさい

協同作業することで、気持ちよくなりなさい。

笑いと探索を奨励するような雰囲気を作りなさい。

出典:『創造的リーダーシップ』

後半2つ、特に最後は興味深い指摘だと私は思います。

笑いと探索を奨励する。
そういう雰囲気を作るのだ(ファシリテータが。)

協同作業をする。
それを通じて、気持ちよい状態になることをする。

そういう配慮を自然としている人もいます。

アイデアソンのファシリテータ養成講座を、僭越ながら開いてきて100人以上の人がするファシリテーションの様子を拝見してきました。
プロセスに習熟することに最初は挑むわけで、ムード作りに対してはその次の段階でもいいとおもいますので、それでいい、と思っていますが、素の状態で、人々に、笑い、探索、共同作業、的なムードを醸成するのがうまい人もいて、そういう人は、初見のプロセスであってもファシリテーションの練習時に、いきなり高いパフォーマンスを発揮しています。

そのあとの申請※でも、その様子がうかがえます。
(※これまた僭越ながら、実施報告的な申請書を出してもらい、iCONとして認定をする、ということを行っています。)

アイデアソンの部分を設計するとき、アイスブレイクは毎回工夫していろんなものを投入すると思います、あるいは、アイデアソンでなくとも、なんらかのクリエイティブ・ワークショップとかでは、場のあたためをするでしょう。

その時によりどころとなる一つの指針として、これら「笑いと探索」「共同作業」という要素が役に立つでしょう。

自分のためのメモとして残しておきます。

posted by 石井力重 at 11:08 | アイデアの技法

2015年11月23日

観察の4象限

observation_4_points.jpg


優れたアイデア創出には、出すことだけしか視野にないと行き詰ります。
優れた発想を生み出す人は入れることにも秀でています。

そういう人は何を見ているのか。

面白いことに、人の言っていることをよく聞いているようで、結構違うものを見聞きしてメモしたり、記憶したりしています。
見ているポイントは、社会科学における参与観察の記録のポイントとも符号しています。

相手の話したこと。
これは記録しやすい。これは控えておくのは大前提ですが他にもあります。

相手の身振り。非言語のことば。
言葉で言えないデリケートなことはそこだけ手ぶりで示したりします。
音声言語だけを記録するとそこは無言になりますが、ボディーシグナルは語っています。

自分の感じたこと。
相手が言っている言葉が、建前のように感じた、とか、迷いながら答えのないことに無理に言葉をあてがってしゃべった、などの感触は大事です。

自分の考えたこと。
そういうこう新鮮な情報にふれていくなかで、微かな因果関係が想起されたりして、仮説が瞬間に浮かぶことがあります。それも記録します。後で記録しようとしても、そういうかすかな思考は現場から遠ざかると再現できません。


優れた企画やアイデアを次々出す人は、モノか人か、あるいはその両方を、よくよく見ています。
カフェとか乗り物の中で話していても、視線がよく動いて肩越しにちらちらといろんなものを見ていたり。

フィールドノートをつける、というほどのことまではしていない人が大半ですが、日々、人間観察と物体観察を大量にしている人たちは、いざ発想となった時に、違います。小さくリアルなエピソードをたくさんもっていて、アイデア生成の踏み台として、次々使います。

彼らは、見ているんですね。癖というぐらいに、いつも。


デザインの講義を有田の吉永先生にしていただいたとき、「デザインは見ること」と初めにおっしゃって、私はガーンと衝撃をもってその言葉を記憶しました。分かっている人にはわかっていて、知らない人には新鮮でした。

アイデア創出も、また「見ること」なんですよね。

posted by 石井力重 at 22:43 | アイデアの技法

2015年10月26日

【アイデア創出の授業方法(2)】 (4人構成をメインにしたバージョン) 

高校の授業で、アイデア出しをする、という前提を意識して、授業方法を組んでみました。

(2)としているのは、ここまでSPHの授業では、スピードストーミングをメインにした方法をトレーニングしてきまして、それを(1)としたためです。

スピードストーミングの良いところを、イベント的な大がかりな動きを排し、通常の授業でよくある4人組ワークの集団構造におさめてあります。


学校でアイデア創出をするするというと、文化祭の出し物を決める場面、クラスの目標を決める場面、などが通常はあります。あるいは、実践型の学校では、連携企業さんの商品アイデアを出す、ということも一部の学校ではありますが、その場面など。

そうした場で使うことを想定して、組んだものです。


posted by 石井力重 at 10:17 | アイデアの技法

2015年10月16日

【発想技法】36Wandering(かすかな閃きを拾っていく)

アイデア創出ワークショップ中の一人Thinkingタイムが、もっともっと、閃きのかけらの掘り出しに使えるように、実行可能な発想補助メソッドをつくりました。

ワークシートは二枚目に。
使い方は3枚目のスライドにあります。


メソッドとしては、基本的には、サブ項目付きの発想トリガー法です。

「回遊的に思考をあちこち行かせて考えてみる」とか「Mind Wandering(マインド・ワンダリング)」とか、「一度寝かせる」とか、そういった「うろうろ歩き回っている思考」がもたらす意外な閃き、創造性、というものが、多様な領域で言及されています。

きちんとした研究テーマとして研究されているものもありますし、各種文献やビジネス記事などでも言及されています。

そうした行為の本質にあるものを私も肯定的に見ています。

問題は、短い時間での有意識的な実行には向かない点です。ビジネスは忙しい。今すぐ、やろうと思ってやれないものは、無いに等しい、という辛い場面も少なくなくーいや圧倒的に多いというべきでしょうけれどーそこで何とか少しでも、それに近いことを可能にする思考ツールを作りたいと常々思っていました。

今回提示したのは、多様な発想ワークを見ていて、発想トリガーのアプローチでわりと、回遊的な、意外な着想も引き出せていたようなケースを観察して、それらの中でも特にシンプルな技法として利用していたものを、メソッドとして整えて作ったものです。

シンプルにすると、自然と、平易かつどのようにもとれる表現のセットになるものですが、何度もの錬成の結果、これもそうなりました。

さりとて、技法として、使い出があるようにある程度の使い込みができるように、技法をデザインしてあります。

いずれまた、本を書く時が来たら、それまでの時期に積みあがる実用をもとにもっときれいにしたものを公表したいとおもいます。今は、技法としてはもうすこし時間によって洗練される余地がある段階です。

説明が不十分ですが、器用な人はこれだけでも使えるでしょう。石井と直接会うかたは、ご興味があれば、打合せの折にお尋ねください。

なんでもできちゃう万能な方法なんてものはありえませんが、これが創造思考を多様なアプローチにしていくことを、補助してくれる道具ぐらいにはなれば、と願っています。

posted by 石井力重 at 12:14 | アイデアの技法



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