2015年11月23日

観察の4象限

observation_4_points.jpg


優れたアイデア創出には、出すことだけしか視野にないと行き詰ります。
優れた発想を生み出す人は入れることにも秀でています。

そういう人は何を見ているのか。

面白いことに、人の言っていることをよく聞いているようで、結構違うものを見聞きしてメモしたり、記憶したりしています。
見ているポイントは、社会科学における参与観察の記録のポイントとも符号しています。

相手の話したこと。
これは記録しやすい。これは控えておくのは大前提ですが他にもあります。

相手の身振り。非言語のことば。
言葉で言えないデリケートなことはそこだけ手ぶりで示したりします。
音声言語だけを記録するとそこは無言になりますが、ボディーシグナルは語っています。

自分の感じたこと。
相手が言っている言葉が、建前のように感じた、とか、迷いながら答えのないことに無理に言葉をあてがってしゃべった、などの感触は大事です。

自分の考えたこと。
そういうこう新鮮な情報にふれていくなかで、微かな因果関係が想起されたりして、仮説が瞬間に浮かぶことがあります。それも記録します。後で記録しようとしても、そういうかすかな思考は現場から遠ざかると再現できません。


優れた企画やアイデアを次々出す人は、モノか人か、あるいはその両方を、よくよく見ています。
カフェとか乗り物の中で話していても、視線がよく動いて肩越しにちらちらといろんなものを見ていたり。

フィールドノートをつける、というほどのことまではしていない人が大半ですが、日々、人間観察と物体観察を大量にしている人たちは、いざ発想となった時に、違います。小さくリアルなエピソードをたくさんもっていて、アイデア生成の踏み台として、次々使います。

彼らは、見ているんですね。癖というぐらいに、いつも。


デザインの講義を有田の吉永先生にしていただいたとき、「デザインは見ること」と初めにおっしゃって、私はガーンと衝撃をもってその言葉を記憶しました。分かっている人にはわかっていて、知らない人には新鮮でした。

アイデア創出も、また「見ること」なんですよね。

posted by 石井力重 at 22:43 | アイデアの技法

2015年10月26日

【アイデア創出の授業方法(2)】 (4人構成をメインにしたバージョン) 

高校の授業で、アイデア出しをする、という前提を意識して、授業方法を組んでみました。

(2)としているのは、ここまでSPHの授業では、スピードストーミングをメインにした方法をトレーニングしてきまして、それを(1)としたためです。

スピードストーミングの良いところを、イベント的な大がかりな動きを排し、通常の授業でよくある4人組ワークの集団構造におさめてあります。


学校でアイデア創出をするするというと、文化祭の出し物を決める場面、クラスの目標を決める場面、などが通常はあります。あるいは、実践型の学校では、連携企業さんの商品アイデアを出す、ということも一部の学校ではありますが、その場面など。

そうした場で使うことを想定して、組んだものです。


posted by 石井力重 at 10:17 | アイデアの技法

2015年10月16日

【発想技法】36Wandering(かすかな閃きを拾っていく)

アイデア創出ワークショップ中の一人Thinkingタイムが、もっともっと、閃きのかけらの掘り出しに使えるように、実行可能な発想補助メソッドをつくりました。

ワークシートは二枚目に。
使い方は3枚目のスライドにあります。


メソッドとしては、基本的には、サブ項目付きの発想トリガー法です。

「回遊的に思考をあちこち行かせて考えてみる」とか「Mind Wandering(マインド・ワンダリング)」とか、「一度寝かせる」とか、そういった「うろうろ歩き回っている思考」がもたらす意外な閃き、創造性、というものが、多様な領域で言及されています。

きちんとした研究テーマとして研究されているものもありますし、各種文献やビジネス記事などでも言及されています。

そうした行為の本質にあるものを私も肯定的に見ています。

問題は、短い時間での有意識的な実行には向かない点です。ビジネスは忙しい。今すぐ、やろうと思ってやれないものは、無いに等しい、という辛い場面も少なくなくーいや圧倒的に多いというべきでしょうけれどーそこで何とか少しでも、それに近いことを可能にする思考ツールを作りたいと常々思っていました。

今回提示したのは、多様な発想ワークを見ていて、発想トリガーのアプローチでわりと、回遊的な、意外な着想も引き出せていたようなケースを観察して、それらの中でも特にシンプルな技法として利用していたものを、メソッドとして整えて作ったものです。

シンプルにすると、自然と、平易かつどのようにもとれる表現のセットになるものですが、何度もの錬成の結果、これもそうなりました。

さりとて、技法として、使い出があるようにある程度の使い込みができるように、技法をデザインしてあります。

いずれまた、本を書く時が来たら、それまでの時期に積みあがる実用をもとにもっときれいにしたものを公表したいとおもいます。今は、技法としてはもうすこし時間によって洗練される余地がある段階です。

説明が不十分ですが、器用な人はこれだけでも使えるでしょう。石井と直接会うかたは、ご興味があれば、打合せの折にお尋ねください。

なんでもできちゃう万能な方法なんてものはありえませんが、これが創造思考を多様なアプローチにしていくことを、補助してくれる道具ぐらいにはなれば、と願っています。

posted by 石井力重 at 12:14 | アイデアの技法

2015年08月12日

ブレインストーミングのルールの本質(+テクニック)


A.F.Osbornの各種文献から、抜粋した言葉(+α)集です。




ブレストってもっと自由でいいんです。
眉間にシワ寄せて、じゃなく。

でも、いざすると、仕事なんだから真面目にっていう空気が蔓延して、かたっくるしくなりがち。

なので、学んで、ブレストの本質を知ることで空気に抗うこと、つまり自由でいることができます。


PDFでも、掲載しておきます。

(小さい文字なので、実際には講演形式ではなく、3段学習方式で学びます。)




補足:

鍵かっこは人名がついていないものはすべてA.F.Osbornのものです。

スライドのヘッドの部分の表現は、現代のブレストの表現として、IDEO本社会議室に掲示されていたものを採用しています。




参考:

IDEOのブレストのルール

IDEO_BS_7.jpg

4,5,6については、オズボーンがルールを述べるくだりで言及したこと対応しています。
ただし、6「Be Visual」だけはオズボーンの言及に相当するもの「記録共有しよう」とは、かなり変わっています。

posted by 石井力重 at 19:53 | アイデアの技法

2015年08月11日

ビデオ・プレゼン(見本テイク、失敗テイク)

アイデアワークショップ(アイデアソン)において、最後の最後にプレゼンをする局面で、全員の前でのプレゼンにする代わりに、ビデオ・プレゼン、という方法がとりえます。ちょっと紹介。

項目は、自由に設定していいのですが、石井のおすすめスタイルとしては

◎アイデアの概要(100〜400文字)
◎絵(製品そのものか、ユーザが使っているシーン)
◎ユーザー像

を必ず入れて、3分以内のものにしてください、と。


会津でのアイデアソンで取った見本ビデオを掲載します。


いきなりこう話せたわけではなく、テイク1では失敗しています。


こうして、何度か撮り直し、客観視していくと、プレゼンがぐっと良くなります。

最後は事務局にこのビデオ提出してもらうと、プレゼンの質は高く、後に残せるので、便利です。

どうしても全員で見たい場合は上映会をします。これは、お好みで。
posted by 石井力重 at 16:22 | アイデアの技法

2015年07月08日

【発想技法】理想解(TRIZの一技法)

理想解(TRIZの一技法).jpg

過去の延長戦で考えるのではなく、新しいことを考えよう、となった時、では、何から考えればいいのか、となります。

そんな時、「斬新だけれど、高い確率で、付加価値の高くなるほう方向にアイデアが進ませる」ガイドとなるものが、TRIZにはあります。

(究極の、あるいは、最終の)理想解、と呼ばれるものです。

これは、現状を、理想状態まで一度飛ばしてそこから現実可能な線まで徐々に帰ってくる、という思考展開です。

ワークスライドを掲載します。


新しいことを考える手がかりが何にも無い!という企画の場面にとても便利です。製品、サービス、どちらに対しても。
posted by 石井力重 at 17:26 | アイデアの技法

2015年07月07日

【発想技法】531ストレンジ

531ストレンジ_はてなタクシー.jpg

一般に、新事業が創出しにくくなります、業界が熟成していくほど。

しかし、常に変化の起こるIT業界などのようなところでなくても、熟成産業でもあっても、大きな変革の芽が水面下では、萌芽の時を待っていることが良くあります。

そういう新事業のアイデア発想を助けるワークがあります。はてなタクシー、および、それをよりメソッド的にした、531ストレンジです。

一番重要な要素を手順を追って見つけ出し、それを引っこ抜くと、一見奇妙な事業モデルになります。「教えない塾」とか「食材のない食堂」とか。

そこから、そのモデルが仮に意味をもつとしたらなんだろうか、と発想していくと、中には、萌芽の時を待っていた芽に出会います。

そのワークスライドを掲載します。


ジリ貧で、商売の土台がシュリンクしてきて、もうこのままじゃ、立ち行かなくなる、という状況に到達するならば、こういう発想で、大きく変革した事業モデルも、可能性を出せるでしょう。

縮み行くビジネスの中で、低利益、長時間労働で何とかしていく、ということが、良く見られますが、仕事の付加価値を上げて、従業員も顧客もハッピーになるには、経済構造の変動に押しつぶされてしまう前に、立ち位置を変えることも、必要です。

そういうときに、思い出して、トライしてみてください。
(自分の本の推薦で恐縮ですが、文章で読みたい方は、拙著『アイデア・スイッチ』の記述をご覧ください。)

posted by 石井力重 at 17:15 | アイデアの技法

2015年07月06日

【発想技法】TRIZ for B


TRIZの発明原理を、本質的なイノベーションのパターンとしてとらえなおして、それを技術領域から、ビジネス領域に写像したものを作る動きが近年良く見られています。
宮城TRIZ研究会会長として、石井が作ったバージョンのそれを、発想技法として仕立てたスライドを掲載します。

(もっと時代が下ると、より強力で、発想しやすい表現集が登場すると思われますが、近年のビジネスの流れにおいては、大体カバーできるようにしてあります。技術工学の領域の技術的ブレイクスルーと、経営戦略論の領域のイノベーションマネージメントの両方に対しての、ごく初期の荒い架け橋のようなもの、だと私は考えています、これを。)

TRIZ_for_B.jpg

なお、こういう「他所の領域での成功を、自分のところに持ってくる。そして、示唆として使う」といのは、かなり概念適用の柔軟性が要ります。

そういうときの心理様式を絵にしてみました。

従来にあるやり方をいろいろひずませてしまいます、新しいものを仮に取り入れた姿を想像してみると。

でも、それをいったん受けれてしまうんですね。

それから、調整を図ってみて、しっくり来るように全部を整えなおしてみる。

こういう作業は認知上の処理資源を多く使うので、通常頭が面倒がってやろうとしません。自分の立っている領域で過去にうまくいった経験が多いほど。ひずむのはいやだ、と。

そういう心理的な省力化、思考という演算処理の軽量化をしよう、という働きに、イノベーションの初期には抗せねばなりません。そういう心象風景を、シンボリックに絵にしてみたものです。

ぜひ、練習課題での発想を経て、自分の事業へ発想のやり方を適用をしてみてください。

私自身も、面倒で変えたくない、と思っている思考が閉塞を生み出していることを、こういう技法を使うときに気がつきます。

posted by 石井力重 at 16:48 | アイデアの技法



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