2016年01月08日

アイスブレイクで出る馬鹿げたアイデアは問題にアプローチする際に想像的な要素となりえる

ブレストをする前に、短時間でばかげた意見をたくさん出すようなワークをすることがあります。アイスブレイク、と呼んでファシリテータが独自に考案したものだったりします。


それを解釈するうえで、よいくだりが、文献の中にあります。引用します。


「ばかげた」要因に打ち勝つこと


ほとんどのウォームアップ練習は正直なところ「ばかげて」いる。それらは、目的に適った方向に向かうようにデザインされているので、主題は一般的なものであって、威嚇するようなものは含まれていない。(当然のことながら)提唱されているアイデアの多くは、常識に反しているか、実用的ではないように思えるだろう。

ところが、集団が現実に「重要な」問題にアプローチする際には、それらは想像的な心的アイデアセットと成り得る。

それゆえ、「ばかげた」要因について実施することを思いとどまる必要はない。もしあなたが抵抗を感じるなら、ウォームアップ練習の原理を説明し、4分間だけ必要と告げなさい。あなたに必要なのはそれだけである。



そんなことがつづられています。


余談:

なお、アイデア発想法の中には、ヒエログリフを用いるかなり直感的でクリエイティブジャンプの量が大きい手法があります。

「それはアイスブレイクとして使うことも可能ですか?」と鋭い質問をもらうことがありました。
私は ” はい。十分にそれに入るだけの知的柔軟性があれば、それをアイスブレイクにするのもいいでしょう。”と答えました。

でかすぎるメソッドを、アイスブレイクに使うと、その学習自体が重くて、なかなか場が開けない、という懸念点はあります。

相手によって使えるメソッドが変わる。それを踏まえたうえで、選定したならば、それはアイスブレイクとしてつかうのは良いことでしょう。

posted by 石井力重 at 11:25 | アイデアの技法

笑いと探索、共同作業

クリエイティブ・セッションの前にウォームアップ活動をする。
そうすることで、心をしなやかにし、セッションをジャンプスタートさせることができます。

そういう場面で気にすべきことを、CPSという創造技法のひとつの体系の中の教科書的本から、興味深い部分を引用します。

ウォームアップ活動が集団を支援する


● ツールとテクニックを練習しなさい

● 発散的思考の根底ルールを学び、復習しなさい

協同作業することで、気持ちよくなりなさい。

笑いと探索を奨励するような雰囲気を作りなさい。

出典:『創造的リーダーシップ』

後半2つ、特に最後は興味深い指摘だと私は思います。

笑いと探索を奨励する。
そういう雰囲気を作るのだ(ファシリテータが。)

協同作業をする。
それを通じて、気持ちよい状態になることをする。

そういう配慮を自然としている人もいます。

アイデアソンのファシリテータ養成講座を、僭越ながら開いてきて100人以上の人がするファシリテーションの様子を拝見してきました。
プロセスに習熟することに最初は挑むわけで、ムード作りに対してはその次の段階でもいいとおもいますので、それでいい、と思っていますが、素の状態で、人々に、笑い、探索、共同作業、的なムードを醸成するのがうまい人もいて、そういう人は、初見のプロセスであってもファシリテーションの練習時に、いきなり高いパフォーマンスを発揮しています。

そのあとの申請※でも、その様子がうかがえます。
(※これまた僭越ながら、実施報告的な申請書を出してもらい、iCONとして認定をする、ということを行っています。)

アイデアソンの部分を設計するとき、アイスブレイクは毎回工夫していろんなものを投入すると思います、あるいは、アイデアソンでなくとも、なんらかのクリエイティブ・ワークショップとかでは、場のあたためをするでしょう。

その時によりどころとなる一つの指針として、これら「笑いと探索」「共同作業」という要素が役に立つでしょう。

自分のためのメモとして残しておきます。

posted by 石井力重 at 11:08 | アイデアの技法

2015年11月23日

観察の4象限

observation_4_points.jpg


優れたアイデア創出には、出すことだけしか視野にないと行き詰ります。
優れた発想を生み出す人は入れることにも秀でています。

そういう人は何を見ているのか。

面白いことに、人の言っていることをよく聞いているようで、結構違うものを見聞きしてメモしたり、記憶したりしています。
見ているポイントは、社会科学における参与観察の記録のポイントとも符号しています。

相手の話したこと。
これは記録しやすい。これは控えておくのは大前提ですが他にもあります。

相手の身振り。非言語のことば。
言葉で言えないデリケートなことはそこだけ手ぶりで示したりします。
音声言語だけを記録するとそこは無言になりますが、ボディーシグナルは語っています。

自分の感じたこと。
相手が言っている言葉が、建前のように感じた、とか、迷いながら答えのないことに無理に言葉をあてがってしゃべった、などの感触は大事です。

自分の考えたこと。
そういうこう新鮮な情報にふれていくなかで、微かな因果関係が想起されたりして、仮説が瞬間に浮かぶことがあります。それも記録します。後で記録しようとしても、そういうかすかな思考は現場から遠ざかると再現できません。


優れた企画やアイデアを次々出す人は、モノか人か、あるいはその両方を、よくよく見ています。
カフェとか乗り物の中で話していても、視線がよく動いて肩越しにちらちらといろんなものを見ていたり。

フィールドノートをつける、というほどのことまではしていない人が大半ですが、日々、人間観察と物体観察を大量にしている人たちは、いざ発想となった時に、違います。小さくリアルなエピソードをたくさんもっていて、アイデア生成の踏み台として、次々使います。

彼らは、見ているんですね。癖というぐらいに、いつも。


デザインの講義を有田の吉永先生にしていただいたとき、「デザインは見ること」と初めにおっしゃって、私はガーンと衝撃をもってその言葉を記憶しました。分かっている人にはわかっていて、知らない人には新鮮でした。

アイデア創出も、また「見ること」なんですよね。

posted by 石井力重 at 22:43 | アイデアの技法

2015年10月26日

【アイデア創出の授業方法(2)】 (4人構成をメインにしたバージョン) 

高校の授業で、アイデア出しをする、という前提を意識して、授業方法を組んでみました。

(2)としているのは、ここまでSPHの授業では、スピードストーミングをメインにした方法をトレーニングしてきまして、それを(1)としたためです。

スピードストーミングの良いところを、イベント的な大がかりな動きを排し、通常の授業でよくある4人組ワークの集団構造におさめてあります。


学校でアイデア創出をするするというと、文化祭の出し物を決める場面、クラスの目標を決める場面、などが通常はあります。あるいは、実践型の学校では、連携企業さんの商品アイデアを出す、ということも一部の学校ではありますが、その場面など。

そうした場で使うことを想定して、組んだものです。


posted by 石井力重 at 10:17 | アイデアの技法

2015年10月16日

【発想技法】36Wandering(かすかな閃きを拾っていく)

アイデア創出ワークショップ中の一人Thinkingタイムが、もっともっと、閃きのかけらの掘り出しに使えるように、実行可能な発想補助メソッドをつくりました。

ワークシートは二枚目に。
使い方は3枚目のスライドにあります。


メソッドとしては、基本的には、サブ項目付きの発想トリガー法です。

「回遊的に思考をあちこち行かせて考えてみる」とか「Mind Wandering(マインド・ワンダリング)」とか、「一度寝かせる」とか、そういった「うろうろ歩き回っている思考」がもたらす意外な閃き、創造性、というものが、多様な領域で言及されています。

きちんとした研究テーマとして研究されているものもありますし、各種文献やビジネス記事などでも言及されています。

そうした行為の本質にあるものを私も肯定的に見ています。

問題は、短い時間での有意識的な実行には向かない点です。ビジネスは忙しい。今すぐ、やろうと思ってやれないものは、無いに等しい、という辛い場面も少なくなくーいや圧倒的に多いというべきでしょうけれどーそこで何とか少しでも、それに近いことを可能にする思考ツールを作りたいと常々思っていました。

今回提示したのは、多様な発想ワークを見ていて、発想トリガーのアプローチでわりと、回遊的な、意外な着想も引き出せていたようなケースを観察して、それらの中でも特にシンプルな技法として利用していたものを、メソッドとして整えて作ったものです。

シンプルにすると、自然と、平易かつどのようにもとれる表現のセットになるものですが、何度もの錬成の結果、これもそうなりました。

さりとて、技法として、使い出があるようにある程度の使い込みができるように、技法をデザインしてあります。

いずれまた、本を書く時が来たら、それまでの時期に積みあがる実用をもとにもっときれいにしたものを公表したいとおもいます。今は、技法としてはもうすこし時間によって洗練される余地がある段階です。

説明が不十分ですが、器用な人はこれだけでも使えるでしょう。石井と直接会うかたは、ご興味があれば、打合せの折にお尋ねください。

なんでもできちゃう万能な方法なんてものはありえませんが、これが創造思考を多様なアプローチにしていくことを、補助してくれる道具ぐらいにはなれば、と願っています。

posted by 石井力重 at 12:14 | アイデアの技法

2015年08月12日

ブレインストーミングのルールの本質(+テクニック)


A.F.Osbornの各種文献から、抜粋した言葉(+α)集です。




ブレストってもっと自由でいいんです。
眉間にシワ寄せて、じゃなく。

でも、いざすると、仕事なんだから真面目にっていう空気が蔓延して、かたっくるしくなりがち。

なので、学んで、ブレストの本質を知ることで空気に抗うこと、つまり自由でいることができます。


PDFでも、掲載しておきます。

(小さい文字なので、実際には講演形式ではなく、3段学習方式で学びます。)




補足:

鍵かっこは人名がついていないものはすべてA.F.Osbornのものです。

スライドのヘッドの部分の表現は、現代のブレストの表現として、IDEO本社会議室に掲示されていたものを採用しています。




参考:

IDEOのブレストのルール

IDEO_BS_7.jpg

4,5,6については、オズボーンがルールを述べるくだりで言及したこと対応しています。
ただし、6「Be Visual」だけはオズボーンの言及に相当するもの「記録共有しよう」とは、かなり変わっています。

posted by 石井力重 at 19:53 | アイデアの技法

2015年08月11日

ビデオ・プレゼン(見本テイク、失敗テイク)

アイデアワークショップ(アイデアソン)において、最後の最後にプレゼンをする局面で、全員の前でのプレゼンにする代わりに、ビデオ・プレゼン、という方法がとりえます。ちょっと紹介。

項目は、自由に設定していいのですが、石井のおすすめスタイルとしては

◎アイデアの概要(100〜400文字)
◎絵(製品そのものか、ユーザが使っているシーン)
◎ユーザー像

を必ず入れて、3分以内のものにしてください、と。


会津でのアイデアソンで取った見本ビデオを掲載します。


いきなりこう話せたわけではなく、テイク1では失敗しています。


こうして、何度か撮り直し、客観視していくと、プレゼンがぐっと良くなります。

最後は事務局にこのビデオ提出してもらうと、プレゼンの質は高く、後に残せるので、便利です。

どうしても全員で見たい場合は上映会をします。これは、お好みで。
posted by 石井力重 at 16:22 | アイデアの技法

2015年07月08日

【発想技法】理想解(TRIZの一技法)

理想解(TRIZの一技法).jpg

過去の延長戦で考えるのではなく、新しいことを考えよう、となった時、では、何から考えればいいのか、となります。

そんな時、「斬新だけれど、高い確率で、付加価値の高くなるほう方向にアイデアが進ませる」ガイドとなるものが、TRIZにはあります。

(究極の、あるいは、最終の)理想解、と呼ばれるものです。

これは、現状を、理想状態まで一度飛ばしてそこから現実可能な線まで徐々に帰ってくる、という思考展開です。

ワークスライドを掲載します。


新しいことを考える手がかりが何にも無い!という企画の場面にとても便利です。製品、サービス、どちらに対しても。
posted by 石井力重 at 17:26 | アイデアの技法



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