2014年10月22日

啐啄同時とブレインストーミング

啐啄同時とBrainstorm.jpg


良いブレインストーミングでは、啐啄同時のような「生まれそうで生まれない揺らめいているアイデアを他の人との相互刺激でどんどん表出化させる」様なところがあります。

啐啄同時、という言葉は過去に何度か、書いたので詳しい話しは、左の検索窓で引いてみていただくとして、話を先に進めますと、この啐啄同時のようなコミュニケションパターンを、ブレストの4つのルール(ただし、ひとつだけ、オズボーンの標準形と違う表現をとっていますが)をこのコミュニケーションパターンで見た場合、上の図のような対比構造があります。

とにかく未成熟な、突飛なアイデアでもいいので言う(黄色のカード)。
質にこだわらず、思いつく限りたくさん出す(緑色のカード)。

そういうアイデアとしての「未成熟な状態のもの」が場に出た場合に、

アイデアの良いところに光を当ててコメントする(褒める)(赤色のカード)。
アイデアの面白い部分をつかって更にアイデアを出す(青色のカード)。

という行動がなされます。

この構造は、広く認知された形式知ではなく、どちかといえば、暗黙知的に、クリエイティブ・リーダが体感として知っていることなんですが、この構造を、啐啄同時のコミュニケーションパターンで照らしてみると、こういう対比構造で表現できます。

(中程度の余談です。ブレスター、というブレストの学習カードゲームを作ったとき、心理学者のN先生が被験者を立って実験をしてくださって面白いことに気がつきました。未成熟なアイデアを出す(黄、緑)の次に、アイデアを引き出してやる(赤、青)の役割の人がいると、アイデア創出数は増えました。この構造の下側、上側の人が、交互に座っていることで、創造的な話し合いの場が醸成できて引き出されていったのだという解釈も出来ますが、定性的な評価として座り方を交互にしたり、連続したり、と変えてみると、その解釈に相当する様子が観察されました。)

ブレインストーミングに充分慣れている組織でアイデア創出ワークショップをする場合、冒頭に「創造的な心理様式の使い方としてのブレストのルールの本質」といった話はしなくてもよいので、そういう時には、一歩進んだ「創造工学の雑談」として、こんなコミュニケーション・パターンの構造があるのかもしれません−−といった話をしています。

(以上、久々に、1ページ・レクチャーでした。)
posted by 石井力重 at 11:29 | アイデアの技法

2014年10月08日

アイデア発想法『ワードダンス法』〜変わった選択はしばしば可能性のある新しい道へと導く〜

アイデア発想をするときには、良いテーマを設定することが大事です。良いテーマが作れると発想推進力は自然と引き出され、ブレストのうまい下手によらず、アイデアがたくさん浮かんできますので。

そのうまいやり方は、創造技法の中にいろいろあります。そのひとつを紹介します。

ワードダンス法.jpg

その詳しい説明は、スライドで。

 ↓


これは、最初の一回、慣れるまでは、無関係連想のように、不思議な作業に思うかもしれませんが、やってみて、自分が気が付いていなかった良いテーマ(解くべき課題)を発見できるでしょう。

補足:

テーマ設定の5つのコツ、と言う話を、ときどきワークショップや講義で紹介しますが、それとコレとはどういう位置づけにあるか、というと、ざっくり言えば、同じ効能を持ったものですので、どちらかをやればOKです。

では、このワードダンスはどういうときにオススメなのか、というと、5つのコツのほうが論理的、理系的な思考テイストなのに対して、こちらのワードダンスは、直感的、文系っぽい感性の生々しさをそのまま扱っていけるような、そんな違いがあります。

ただ、突き詰めれば、本質はすごく似ています。

なので、両方が必要か、といえば、片方だけでも充分でしょう。こちらの手法のほうが相性がよい、という方はこちらを使ってみてください。

posted by 石井力重 at 09:06 | アイデアの技法

2014年09月01日

属性分析(あるいは、特性列挙法、とも)を、アイデア発想法の切り口で、手短に説明してみます

ごちゃごちゃに混乱して、何か考えてよいのか分からないけれど、何か改善ができるはずだ、という時には、アイデアを思いつく常套手段として、「属性分析」が便利です。分析的に発想していくので、いきなり新規なことを考えるのが苦手、という人にも向きます。

zokusei_bunseki.jpg
(クリックで少し大きくなります)

ごちゃごちゃの対象(これを私は「系(けい)」と呼称します。理論物理の世界の表現です。ちなみに英語ではSystemの意味です。いずれにしても、考えている対象全体を呼ぶ名称です。)があったとします。

たとえば、非効率なオフィスワーカーの机の上、もありますし、オフィスワーカーの一日で行動に登場するすべての空間を対象にすることもできますし、研究室で素材生成に影響を与える可能性のある空間内全体を対称にすることもできます。いずれにしても、系、があったとします。

その系の中に存在する「属性」をまず列挙します。で、「属性」というのは、なに? 一言で言えば、これは、対象に含まれる、物理的なパラメーター、です。例えば、室温、とか、部屋の明るさ、という、物理単位(℃、ルクス)であらわされるもの。あるいは、「ペンの本数」のようなものも、属性です。床のすべりぐあい(摩擦係数ミュー)もあります。

人間を含んで系を扱っているならば、すこし、物理的パラメーターから離れますが、「他の人の話し声」とか「電話のかかってくる頻度」とか「会議中の上司の発言量」とか「一度にする指示内容の多さ」など、も発想法のときには含めてかまいません。(この辺、どこまで、パラメータを拾えるかが勝負です。変な量でもいいので、とにかく拾いあげてください。)

こうして、その系を記述する属性を列挙します。

(なお、特性列挙法も、本質はほぼ同じです。特性列挙法のほうは、すこし面白くて、名詞的な属性、形容詞的な属性、動詞的な属性、を上げよ、と項目をたてて積極的に広くから拾わせています。(ちなみにそれぞれ、材料/性質/機能、にあたる属性を拾わせていることなのです。)

さて、次は、2つの大きなカゴと1つの小さいかごを用意します。具体的にかカードに書かれた属性をカゴにぽこぽこ、投げ入れていきます。

赤いカゴは「増大関係」。これは、その量(=属性の数値)が増えれば増えるほど、困りごとが増大する、というものを入れていきます。たとえば、デスク上の不要な空き缶(の本数)、という属性。これは、増えるほど、オフィスワーカーの生産性の阻害要因になります。なので、机の上の空き缶の本数は、赤いカゴ。

青いカゴはその逆です。「減少関係」。それが増えるほど困り事が減る、というものです。たとえば「じゃまされずに集中して作業できる時間(の長さ)」です。これは増えるほど、オフィスワーカーの生産性は上がります。青いかごに入れます。ただ、どこまでもそうであるかは、若干わからないな、とおもえても、発想の刺激としてつかうときには、ざっくり進めてしまって結構です。

たまに、どちらになるのかは、良く分からない、自明ではない、数値の帯域によって増減は変わる、という、不確定なものがあります。それは、黄色のかごに入れておきます。たとえば、隣席の人が振ってくる雑談(の回数)、とかはどうでしょう。相手次第だったりしますし、頻度が少ないうちは、気分転換によさそうなので、減少関係、といえそうですが、頻度がある一定以上になると純粋に邪魔になりますので、増大関係です。こいういう、単純な比例関係、あるいは、反比例関係、とはならないものは、黄色に入れておきます。

つぎがいよいよ発想です。やり方は単純。

赤いカゴの中のカード(属性)の量は、出来るだけ減らせないか、と工夫を考えてみます。そうすると、いくつか具体的なアイデアが浮かんできます。増大関係の因子なので、減れば減るほど、うまくいくわけです。

青いカゴは、その逆です。それが増えるほどうまくいくわけなので、できるだけその属性の量を増やせないか、と考えて、具体的なアイデアを思い浮かべていきます。

どちらかといえば、赤いカゴのアプローチは普段も無意識にやっています。やっていないのは、青いカゴのほうです。助けとなるものをより使う、というのは、(特に日本人の思考傾向だと)発露しにくいようです。ですので、赤の時には、あったりまえ、というのもがでますが、気楽人どんどん発想して、青に入ったら、ちょっと面白いアイデアが出そうだなと言う期待感を持って進めていきます。

そして、最後が、黄色。黄色のカゴの中のカードは、一般には、どちらとも言い切れないものなんですが、条件をくぎったり、一連のプロセスの中の期間を区切ることで、有益な示唆が浮かんできます。なので、そういう、ちぎり、をいれてみて、新しい発想をうめないかと、考えてみます。

たとえば、先の例では、隣席の人の雑談の頻度、でしたが、頻度が8時間に5回ぐらいまでなら、円滑でストレスレスな空気を醸成でき、生産性が上がりそうです。5には根拠がありませんが、仮に、5がひとつの区切り位だと見立ててを立てて考えていきます。5回/DAY以下の領域では、この属性は減少関係になる。なので、少しアイデアとして飛ばしますが、「90分に一度、休憩アワーがやってくるオフィス運営。夏場の公営プールのように、一度、強制的に、その場からひきあげさせる。」というアイデアにもなりそうです。90分に一度、というのは、ざっくりめのこでいっていますので実施の際にはもうすこしチューニングがいるという補足付きですが、とりあえず、ざっと線を引いてみます。

また、5回を越えていくと今度は増大関係になる、とするならば、雑談が気にならない人同士で固まらせて座ってもらうという処置もありでしょう。

黄色の属性は、どこかで、極大値(あるいは、極小地)があります。そのあたりに値を動かしていくことで、ひとつのアイデアになります。この例でもなんとなくそれがわかるかと思います。

ただ、一般には、それほど、単純な増大関係→減少関係(またはその逆)という形のものばかりではなく、もっと、値と困り事の量の関数がふんわりしていてよく分からないものもあります。こういうものは、発想の材料から、はじいておきます。

このようにして、発想をするのが属性分析です。

まとめますと、この発想の方法の、基本戦略は2つ。

困り事を増やす量はなるべく使わないようにする。困り事を減らしてくれる量はなるべく増やす。(複雑な因子は条件で分けてどちらかの戦略に帰着させる。)

この発想技法は、系が複雑で単純な着眼点ではすぐに解決が思いつけないような場合に、分析的に見ていき、徐々に具体的な発想寒天を得ることができます。こまったらぜひ使ってみてください。

なお。

この技法の最もハードルの高いところは「属性を拾い上げる」ところです。温度ー、とか、明るさー、のような分かりやすいものはたちどころに誰でも上げるのですが、そのほか特に人間を含む系では、感性的な要素をどれだけたくさんひろってこれるかが勝負になります。先にコメントしましたが、変な量を拾い上げていたってかまわないんです。とにかく、属性を列挙していく。そこに専念して、対象の系をつぶさに観察したり、イマジネーションの力でそこに浮かび上がる属性を、たくさん、見出してください。


posted by 石井力重 at 10:22 | アイデアの技法

2014年08月30日

「アイデアの通せんぼ/アイデアメーション/ネクストゾーン」(発想の特性)

アイデアワークショップや、創造技法研修の冒頭で紹介している創造性に関する特性やアプローチ法の部分について、今日は表現や図表を再考をしていました。

そして、一枚にまとめみました。

クリエイティブ系のワークショップで、皆が発想を口にするハードルを、ぐいっと引き下げるための導入部分、私が最も伝えたいこと、です。

発想の特性.jpg

このスライドをクローズアップしながらの「60秒トーク」メモもつけておきます。

  1. ブレストを作り想像性に造詣の深かったオズボーンは、“アイデアの通せんぼ”という面白い概念を述べています。「思いついたことを、頭の中で却下していると、他のアイデアの通せんぼをしてしまう」と。

  2. 現代の創造性の大家の一人、フレッドリックへレーンは「はじめ、思いつくものは皆が思いつく」ような、いわば、Informationに、アイデアという体裁をとったようなもの、すなわち、“アイデアメーション”が出ると述べています。

  3. なので、多くの人は、さあアイデアを出そう!と言うとき、どれも取るに足らないアイデアばかりだ、ともって、頭の中で却下してしまいます。
  4. そうすると、だんだん、却下した思い付きが、新しいアイデアの出現を邪魔してそのうち、何も思いつかなくなってしまうーー、ということを、よくやってしまいます。

  5. これらの特性を踏まえると、三つめの図のようになります、「手前は打案ばかり。独創的なアイデアと言うのは奥のほう、であり、手前にあるものが邪魔して、奥の輝きは見えません。」

  6. となると、我々が取るべき戦略は極めて単純です。

  7. 手前にあるものをひたすらつかみ出す努力に注力します。凡案、駄案マシーンとなって、思いつく限りのことを出します。するとそのうち、手前の大きなところは出尽くして、奥に手がリーチします。

  8. このあたりで苦しくなってす出尽くした感じがしますが、ここからが、おいしいゾーン、Next Zoneです。ここからがんばってさらに出とその中には、砂金が含まれているでしょう。

  9. これが、発想の特性をふまえた「創造的努力の方法」です。

  10. 本日はそこまでストイックにやる必要はありませんが、思いついたことを出すことを出すことをためらわないで!ください。”これは凡案だ?”それがなんだというんです。人の頭は誰しもそういう風に出来ているのですから、それでいいんです。思いついた外に出す、ほってほって、はやく、奥に手が届く、ようにしてください。

(執筆余話)

この、三つめの図に名前を付けなさいよ、と先日、とある創造性に造詣の深い方にアドバイスを貰いました。名前は大事。とはいえ、カラーがつきすぎる名称を付与するのも、私の性格的に難しいので、仮称で、Next Zone、と、とりあえず呼ぶことにしました。(なので、図の中で名称にカッコつきで記しています。) ここは好きに呼んでもらえたらいいかなぁと思っています。
posted by 石井力重 at 11:34 | アイデアの技法

2014年07月08日

【発想ツール】アイデア3操作(即興アイデア発想用)

 
 
アイデア3操作_即興版SCAMPER.jpg

 
 
発想ツール作家、と自らを規定している割には、アイデアワークショップばっかりをして全国行脚をしてしまっているのですが、やっぱり自分の本職をしているときが一番、深く、思考できます。

今日は、ツールのアイデアが沸いて、作品を1つ作ることに一日を費やしていました。

作品、といっても、商品になるものを作るばかりが、「発想ツール」ではありません。「(発想系の)思考ツール」もまた、作品の一つです。どちらかといえば、そういう活動が10あって、そのうち1ぐらいが、商品化の香りを持って立ち上ってくるわけで、うちの商品開発は実は商品開発ありきでは無いんです。

と、前置きが長くなりましたが、公開するの恥ずかしいですが、次の高校での授業で使う為につくったツール「アイデア3操作」、公開します。(簡単に言うと、即興版SCAMPER、です)



posted by 石井力重 at 00:57 | アイデアの技法

2014年03月24日

ブレストの4つの阻害要因

「ブレストが、うまくいかない!」という時がありませんか?

そういう場合に備えて、知っておくと効果的な話があります。

ブレストは効果的なのだろうか、これについて長年研究がなされていますが、「ブレストの損失を生じさせる、4つの阻害要因」として次のものを見出されています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブレストの4つの阻害要因
1)評価懸念 (evaluation apprehension)
2)発言量の同調 (production matching)
3)ただ乗り (free riding)
4)発話のブロッキング (production blocking)
引用:『会議の科学』P15〜17
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この部分は、とても示唆に満ちています。もう少し、抜粋・引用をいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1)評価懸念 (evaluation apprehension)
「自分の意見が他メンバーから否定的に評価されないかという懸念が生じ、発言を控えてしまう」
2)発言量の同調 (production matching)
「どの程度自分が発言(発案)しようとするかを、他のメンバーの発言量を参照しながら決めてしまう傾向」
「他の人があまり発言をしないようであれば、同じように自分も発言を控える」
3)ただ乗り (free riding)
「他のメンバーの努力に期待する一方で、自分は手を抜き、努力を惜しむこと」
「自分の努力が全体の成果にどの程度貢献するのか、その度合いが明確ではない場合や、自分が何もしなくとも他の優秀なメンバーの頑張りで目標を達成できるような課題において生じがち」
4)発話のブロッキング (production blocking)
「通常の対面集団(顔を実際につき合わせて話し合う集団)では、一時点で発話可能なメンバーが一人であることに起因」
「誰かが発言しているときにはそれに耳を傾けている必要がある。」
「他の人が話している間にもアイデアを考え、しかもそれを忘れないようにしなければならない。」
「アイデアを忘れないように記憶を保持する間は新たなアイデアを考えることができない。」

「4つの阻害要因のうち、ブレインストーミング課題において最も強く作用しているのは、「発話のブロッキング」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

同書は、学術書に属する書籍で、ビジネス書エリアは見かけませんが、会議に関する深い知見をたくさん提供する良い本です。引用部分に興味をもたれたならぜひ一度、手にとって見てください。

さて、この4つの要因、これが自然と効いているならば、なるべくそれを回避する。これが、なすべき打ち手へのヒントになるでしょう。ここからは、アイデアプラントの獲得してきた方法を展開しますが、お付き合いください。


この4)発話のブロッキング、これがもっとも大きいので、これを解消することをてこ入れしたいわけです。
どうするか?
この要因、よくみると、2つのポイントがあります。
・4−1「同時にしゃべれない」
・4−2「記憶を保持している間は、別のことを考えない(考えられない)」
というものです。

「前者(4−1)」を解消する方向に、創造学会の研究グループは歩を進めています。以前「創造する人々」で電子ブレインストーミング(特定の構造を持ったオンラインチャット)のシステム開発の研究者さんをとりあげましたが、「対面でのブレストには、物理的な発言量の上限がある」ことを払拭するために、(たとえばかりに同じ部屋にいて対面しても)端末を通じてアイデアを提示しあうことで、その物理的な上限値をはるかに上げていこうとするアプローチです。

「普通の会議ではどうすれいい?そんな電子システムとかないよ。」という意見も出そうですが、安心してください。ブレストの発展形で紹介したように「シートに書いて回す」(ブレインライティング)という方法は、この要素を最小限にとどめようとする集団発想技法です。それを活用する、というもの一つの手です。

「後者(4−2)」の解消については、とっても簡単な一つの処方があります。「紙に書く」ことです。

このコツは、ある種の人々には効果があります。

アイデアを保持する間は聞いていない。あるいは、まじめに聞いているうちに、思いついていたことを忘れる。そういうことは良くあります。なので、思いついたら、走り書きでもいいので手もとに書き留めて、ストックしておきます。こうすると、他の人の発現を、アイデアを発想の刺激として有効に使える量が多くなり、アイデアの産量は増えます。簡単すぎるコツですが、ある種の人には目に見えるほどの効果が出ます。

それと、経営者の方にも、この「紙に書いておいて、さっさと忘れる」ことは、オススメしたい方法です。

ブレストの間に出てくるアイデアには、「懸念点がいっぱいあり、ついつい、その場での懸念点も言ってしまいたくなる」ものです。これは、短期記憶エリアの保持量を減らしたいという、自然なことだとおもいます。ですが、ブレスト中だと、懸念点の言及は出来ないわけです。なので、よく聞くのが「ブレスト中に、頭の中がそれ(思い浮かぶ懸念点)でいっぱいになっちゃう(なので、次のアイデアが思い浮かばない)。」という言葉です。

その時は、こうします。

  1. 名刺サイズのメモカードを50枚、束にして(輪ゴムでとめて)胸ポケットに入れる。
  2. 気になることがあったら書き留める。
  3. 書いたら、忘れて、アイデア創出の作業にすぐ戻る。
これだけで、ブレストに参加しやすくなります。
ブレストの後の「アイデアのブラッシュアップ」の時に、そのカードは、役に立ちますので、もっておいてください。

実際にやってみると、”その場では気になっても、あまり注目する必要が無かった懸念点、というのも結構あるんだ”と自己認識するでしょう。


本稿は、誠ブログを、一部加筆修整し、掲載しました。
posted by 石井力重 at 12:29 | アイデアの技法

2014年01月07日

アイデアに便乗するとは:

 

ブレストの際に「人のアイデアに便乗してアイデアを出す」ということが、よく分からない、という声を良く聞きます。

できるだけ、言語化して、シンプルなステップで表現してみました。

(ちなみに、講義やワークショップで、私はこの思考活動をさして、『アイデアの衣を引き剥がして、新しい衣を着せるんです』と一言で説明しています。もう少し、きちんと言うと、上のスライドのような思考ステップとして説明できます。いつも、講義などでは、言いたいことがたくさんあり、この辺を圧縮してしゃべっています。)
posted by 石井力重 at 14:39 | アイデアの技法

2013年11月14日

ブレスト(ブレインストーミング)のやり方

ブレストのやり方.png


ブレインストーミングのやり方について、いろんなタイプのものを紹介し、ワークショップでも実施してきましたが、その前にそもそも、普通のブレストのやり方を紹介していない(そこはスキップしている)ことが多いなと、気が付きましたので、紹介します。

ブレストですべてがうまくいくわけでもないし、アイデア創出の会議の基本所作に過ぎないわけですが、それでも、ドリブルの技術がうまければ、より高度な戦術展開においても、すいすいとそのフェーズに行けますし、いろんな局面でも基礎力の高さはやはりものを言います。

そういうわけで、ブレストの基本的な所を紹介してみました。


posted by 石井力重 at 16:41 | アイデアの技法

2013年10月28日

【スライド】二段階ブレスト(批判禁止がなじまない組織でもやれるブレスト)

「うちの組織風土じゃ、ブレストって、難しいよ。すぐに批判が出ちゃってさ、、、」

そんな声を、企業内研修や、大学校での経営者層クラスで、良く聞きます。

そういう場面で多様なブレスト技法の講義をするのですが、ブレストっぽい雰囲気が作りにくい組織において、受けがいいのが「二段階ブレスト」です。

先に10分間、What(理想案)だけをブレストし、
次に、その中で最も魅力的なものを選び、
今後は、10分間、How(実現方法)だけをブレストする、

というものです。

「What⇒How」ブレスト、といってもいいでしょう。

スライドを掲載します。

(初めの二枚は、無視して結構です。発想体験ワーク時の、仮想テーマですので。)


文章での詳しい説明は、

拙著『アイデア・スイッチ』

のブレストの章をご覧ください。
posted by 石井力重 at 12:22 | アイデアの技法

2013年10月11日

【スライド】発想トリガー(遊び、実践、理論)

発想トリガー_90min_workshop.png

発想トリガーを学ぶワークショップに役立つように、スライドを作ってみました。

1)まず、効果を知ってもらうために気軽に遊んでもらって、
2)次に汎用性の高い手法で実践し、
3)最後に各種のトリガーの紹介、という構成です。

 

アイデアトランプをお持ちの方で、社内で発想法の講義かワークをしなくちゃ、、、という方がいらしたら、ぜひ使ってみてください。
 

posted by 石井力重 at 23:07 | アイデアの技法

2013年09月04日

新しい製品を発想するミニワーク(6観点リストで、新製品アイデア)

 
ワークショップの実施の際に、その対象者向けに、既存の手法を、コンパクトなミニワークにまとめることがあります。

既存の製品に対して新製品アイデアを発想するためのミニワークとして、「6観点リスト」という方法を使って発想するワークを作りました。

6kanten.png


ワーク・スライドを掲載します。


※このスライドは、スライドの12枚目から始まるように設定しています。
 より、前置き的な所に興味のある方は、1枚目からご覧ください。

(初見では、前置き無しに、核心から見る方が、ざっくり雰囲気がわかっていいでしょう。)

新製品を発想する手法、というのは、非常にたくさん世の中にあります。これが唯一無二、なんてことはなくて、使い手の相性と発想する対象、その2つから最適なものを選ぶと良いと思います。選択肢の一つとして置いておきます。他の手法よりもこれが向くだろうな、というのは、その対象物に対して、新製品を発想する切り口があまりよく分かっていないときに使うと良いでしょう。(逆に発想するためのフレームワークを既存の知的な営みの中から見出せているような場合はそれを発想するトリガーするほうが精度が高いので、そちらを使う方が良いと思います。)

以上、一つのミニワークの内容を、紹介しました。

(過去にも同じ手法を紹介しましたが、若干テイストが変わっているかと思います。技法、というのは、熟練と本質化(≒単純化)と個別適用(≒具体化)により、使い方が、変化をしています。これもそういう事例の一つとして、ご覧ください。)

補足:

このスライドは、拙著  アイデアスイッチの中で紹介した『6観点リスト』を、ワークショップ形式にしたものです。書いた5年前とは、既に知識や、人間の学習に対する見方が変わっていますので、若干、内容的には、違いがあるかもしれませんが、今はあまり説明しなくなった、くどい説明(より正確にものを説明しようとして書いた文章)が、載っています。
 




ご案内


2013年9月12日より、3か月にわたり、アイデアワークショップのファシリテータを養成する講座を開催します。

出来るようになることは三つ。

  • アイデアワークショップやアイデアソンの基本的なプロセスを自分で進行できるようになる。
  • アレンジを効かせた進行内容を、独力で設計できるようになる。
  • 自分の部門や組織において、ブレインストーミング・セッションを進行する際に、よりうまい進め方を思い付き、実践することができるようになる。


平日の夜や土曜日の午後、関内(横浜)で実施します。主催者、iCON、というアイデア創発に資する活動をするNPO法人(すごく珍しいNPO)です。

まだ、参加申し込みを受け付けています。今回は第一期目です。二期目以降はスムーズにいくでしょうけれど、一期目というのは、一期目特有の「過剰なまでに、手厚く情報を出す、深く教えていく」という現象が、今回も起こるでしょう。そういう環境の中で出会う仲間というのもまた、組織を超えて刺激しあえます、ご興味あればぜひご参加ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

詳細はこちら(私の少し前のブログです。)

【ご案内】アイデア創発ファシリテーター養成講座



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
posted by 石井力重 at 22:22 | アイデアの技法

2013年06月26日

30circles、3つの効果

イマジネーション(想像力)が上手くはらたかないときに、ウィーミングアップとして、30circlesは良い方法です。

 ⇒ 30サークルズ (3年前の記事)
  1. A4の紙に、直径3〜4センチ程度の円を30個描きます。
  2. その円に、線を書き加えて出来るだけいろんな絵を描きます。似たものだけをだーっと出すのではなく、出来るだけ多様なモチーフを描こうと努力します。
  3. 時間は5分間。
30circles_20130626.png


久々に、ブログ(ITmedia 誠ブログ)で30circlesに触れたので、効果について、少し綴ります。

石井が行うアイデアワークショップの導入部分では、時々、30circles(サーティー・サークルズ)を、想像性の準備運動(ウォーミングアップ)として、用いています。

このワークには、想像性を促進するための狙い(効果)が3つあります。

効果性の科学的な測定を経たわけではなく、たくさんの試行と観察の中から、得てきたことを整理したものと位置付けてお読みください。

  • 一つ目は、絵を描くことで言語的な(左脳的な)思考状態から、絵的な(右脳的な)思考状態が優位になることが期待できます。このワークのように、何らかのゲーム性を持たせて短時間で絵を描くワークを行うことは、アイデア系の作業をするときには、プラスとなります。

  • 二つ目は、次々無関係なことを想起させる思考の巡りがよくなることが期待できます。ブレインストーミング・セッションでは、ジャンプするような思考展開の自由さがあるとよいのですが、その準備運動として、"多様なことを想起させる時間"に身を浴させることは、プラスとなります。

  • 三つ目は、正解のない問題への探索的思考が優位になることが期待できます。普通、ビジネスマンは「問題に対して正解が存在しそれを捜し当てるまではしゃべってはいけない」という判断力がアイデア創出を妨げています。これが正解だといえるようなモノゴトが存在しない作業に没頭することは、プラスとなります。

文章で書くと堅苦しい表現になりますが、実際はやってみて多くの方が感じたことです。それを明文化したものにすぎません。

こうして書いてみると、30サークルズを体験した方々が述べる効果というのは、実はこの手法限定の示唆ではないことに気が付きます。

「イマジネーションの準備運動」(イマジネーション・ウォーミングアップ)というコンセプトで見てみると、世の中で、遊びの一種としてやられている事の中には、これら3つの要素を兼ね備えているものがいくつか見出されます。

終わりに・・・石井は職業を「ファシリテータ」とはせずに「道具作家」と自己規定します。イマジネーション・ウォーミング・アップカード、というコンセプトの”道具”を近々出したいなぁと思っています。【ブレスター/智慧カード/アイデアトランプ】といった発想ツールの導入ワークとして役立ち、かつ、アイデアワークショップの導入パートでワークとしても使えるようなものを。アイデアプラントのパートナーの皆さんの所を打ち合わせに回る日々を7月からは展開します。




memo

ワークショップ【シート】集のページに、A4サイズの印刷用のPDFがあります。


posted by 石井力重 at 15:17 | アイデアの技法



カテゴリ
プレスリリース&メディア掲載(61)
ideaplant 作品(26)
一人ブレスト(20)
電子書籍コンテンツを意識して(2)
今日の一枚(2)
IDEAVote/アイデアを、チームでスマートに楽しく評価していくツール(45)
アイデアプラントの試作の目線(84)
知であそぼう(4)
アイデアプラント 1st (2005-2008)(251)
アイデアプラント 2nd (2009-2011)(580)
アイデアプラント 3rd(2012-2014)(122)
アイデアプラント 4th(2015-2017)(163)
アイデアワークショップ(&アイデア創出の技術&創造工学の講演)(359)
アイデア・スイッチ(38)
アイデアの技法(219)
メソッド&ハウツー(189)
研究(創造工学)/検討メモ&資料(119)
研究(創造工学)/発表論文&スライド(13)
TRIZ(143)
日記、価値観、仙台オススメ(434)
仙台(4)
Fandroid(11)
フリー・オートシェープ素材(ご自由にどうぞ)(2)
創造工学の絵本(5)
社会活動/全般(39)
社会活動/Five Bridge(11)
シリコンバレー(23)
面白法人KAYAC(9)
社会動向を見る(9)
カード・メソッド(todoとideaと会話をカードで可視化)(2)
研究(MOT)/検討メモ&資料(41)
研究(MOT)/発表論文&スライド(3)
ベンチャープラン「音co知心」(8)
MMJ(37)
事業化コーディネータのお仕事(165)
航海マネジメント・ツール(11)
道具考/pomera(6)
道具考/scansnap(14)
道具考/YUREX(1)
道具考/iPod touch(21)
道具考/ALL(32)
道具考/iPad(8)
ブレイン・ペーパー(1)
石井力重とは(9)
8月22日(13)
311special(5)
ideaplantに、お仕事を依頼してみませんか(9)
創業初年度の確定申告(8)
こども用(4)
iPad+アイデアワーク(10)
旅先にて(11)
Finland(5)
新しい知識を学ぶ(1)
ブレストカフェ(2)
気づきは仮説に過ぎず。だが表現すべし。(1)
アイデアプラント・ノート(1)
加藤昌治さんと石井力重の「往復書簡」(4)
ファシリテータの小ネタ(1)