2015年04月28日

【発想技法】シーズニーズ変換ワーク

要素技術を商品化しよう、事業化しよう、というときに、用途アイデアがなかなか、出ない、ということ、ありますよね。


で、開発チームでブレストをすると、いつも同じメンバーで、同じようなアイデアばかり出てしまう。

もっと、広く、用途アイデアを出したいのだけれど、どうすればいいのだろう。

そんなときに、シーズニーズ変換(及び、そのあとの手早い調査)のワークプロセスをスライドにしてみました。

ビジネスと技術のメンバーがチームを作って、社から新製品を生み出そう、という時にも有効です。

ぜひ使ってみてください。


追記:

なお、狭義のシーズニーズ変換、の後に続くプロセスも良い技法をつなげて、全体ワークプロセスとして作っています。

出典の書いてある技法は、深く知りたい、という時には、それぞれの原典を当たってみてください。それぞれに、こんな短い言葉では語れない深いナレッジが拡がっています。



余談:組織が創造する

シーズニーズ変換ワーク.jpg
事業部の企画や営業メンバーと、研究所の研究や開発のメンバーで、時折行う情報交換が、大企業だとあると思いますが、そもでは、いつもは「技術」から「商品」への一足飛びのジャンプが見出せるものしか、言及できないはずです。ゆえん、細い。

ここに紹介したシーズ・ニーズの変換ワークは途中に「ファンクション」フィールドをかませることで、一旦は遠回りに見えることをしますが、結果的に、可能性の糸を太く出来ます。

そういうことは、知らなくても、瞬間瞬間に、優れた企画センスのある人は頭の中でやっているわけですが、その途中(ファンクション・フィールド)も共有していくと、一人のセンスではつなぎきれない、可能性の糸を沢山、使うことができます。

センスのいい人には当たり前のこと。考えあぐねていた人には福音となる。
それが、組織にとってのよい発想技法なんだと思います。

企業内でじっくりやる創造活動とは、そういう「優れた人の当たり前の共通体験化」が、ベースであろう、とおもいます。

トップ5%のCreativeに頼りきりにならず、組織が創造するようになるでしょう。

posted by 石井力重 at 14:39 | アイデアの技法

2015年04月26日

【発想技法】エクスカージョン(&バイオミミクリー)

頭の中にある発想の材料をザクザク掘り出して、アイデアをノートひとつで大量に作り出せる方法(のひとつ)、エクスカージョンの特別版スライドです。


特別なのは、ここでは、動物エクスカージョンと呼ばれるものを拡張して、生物(動物+植物+生態系などの自然環境)を発想起点にしている点です。

Ideation_Method_E.jpg

また、それらから有益な要素を発想するために、バイオミミクリーの観点4つを借りて使っています。

そのために、本来のメソッドに入る前に、「バイオミミクリー」という知についても手短に解説する構成にしてあります。

biomimicry_for_brainstorming_session.jpg

学習用なので、ペアで練習課題をする設定にしてありますが、通常であれば、一人ブレストをする時に使ったり、プロジェクトメンバーでブレインストーミングに新しいスパークがほしい時に使ったり、、という使い方をします。


メリットは大きいです。

発想の材料を頭の中から掘り出すことを先にするので、発想の思考作業という高負荷な作業でも多様な考えを次々浮かばせることが出来ます。

デメリットもあります。

発想に入る前に、20分ほど、掘り出す作業が必要になる、という点です。なので、新鮮なアイデアが生まれているような局面であれば、これをやると、もたもたした感じも出るでしょうから、出尽くしたその先へいこう、となったときなどに使ってみてください。強力な道具です。

posted by 石井力重 at 18:59 | アイデアの技法

2015年04月24日

【発想技法】ブレイン・ライティング と グルーピング作業

一言もしゃべらずに出来るブレインストーミングの方法があります。

書くタイプのブレスト「ブレイン・ライティング」です。


やり方は、結構簡単です。

皆で一枚ずつシートを持ち、5分間で各自がアイデアを三つ書く。
時間が来たら時計回りに回す。
回ってきた紙に既に書かれているアイデアも発想の刺激にして、そこに新しいアイデアを三つ書く。

これを6行目まで繰りかえします。

30分で6人で108個を生み出すことが出来ます。

より詳しい説明は、昔、外部に書いたブログ ITmedia オルタナティブ・ブログ 記事 2010年4月22日 をご覧ください。

余談)

この技法は、理詰めのワークショップをするような場においてアイデア発散が必要な局面などでも、重宝されます。

「あ、私の研修でも、ブレイン・ライティング使ってますよ。便利ですよね」とおっしゃる講師の方が、私の周辺に結構おられます。創造的な専門性よりも、ロジカルな方向性の専門性の方が好んで使われるようです。

やれば必ず大量のアイデアが出ます。ブレインストーミングの進行が得意であろうと、苦手であろうと、一定水準を得られる点は、この技法の最大の強みでしょう。

posted by 石井力重 at 22:02 | アイデアの技法

2015年04月23日

【発想技法】「属性分析」と「属性列挙法」

「属性分析」と「属性列挙法」は、思考展開上は殆ど同じです。

両方の共通部分を太く説明するとこんな感じ(スライドの中身)です。

要は、「分けて、ずらす」という思考展開。

なお、テクニックレベルでは、両方のいいとこを融合してあります。



ものの本で、属性列挙法を調べて使ってみようとすると、難しくて良く分からなかった、という声を良く聞きます。

主に、VEなど、開発工学領域のことを学んでいる方々からです。

ですが、実際は簡単な発想ステップです。

良く分かっている人と、ゼロ知識の人とでは、学ぶべき知の見せ方は変えるべきなので、ここではゼロの方に向けて表現してみました。緻密にやろうとすると急激に、作業コストが上がりますので、アバウトに属性っぽいものをあげちゃう、ぐらいのトーンで、ひとまわし、ふたまわし、するのが良いでしょう。

課題解決にしろ、既存製品の改良案にしろ、結構出せます。


追記:

企業内研修でも、エンジニア系の場で、創造研修系だと、この「属性列挙法」あるいは「属性分析」をやってください、というリクエストを良く貰います。

何十回とやってきた中で、皆が飲みこむのに苦労するごつごつしたところを削り、補ってきたものが、このスライドです。

社内で、その辺の技法を講習しなくちゃ、という方に、参考になれば幸いです。


追記2:

ロジカルな思考が好きな人々(or組織)において、創造研修をするような場合にも、はじめのメソッドとしては、この当たりはいいでしょう。

いきなり、アートな技法をやるとみんなの気持ちが入りませんが、こういうロジカルに、分析的に、発想する方法、しかもさほど、クリエイティブ・ジャンプを必要としない方法、というのは、そういう場では皆の入りが良いです。

で、徐々に回転数を上げていくと、もっと、創造的な飛躍をする思考技術も出来たりします。


posted by 石井力重 at 15:29 | アイデアの技法

2015年04月21日

「INNOディスカッション・リスト」

INNOディスカッション_リスト.jpg

これは、部門横断で新しいことをやろう、というチームにおいて、着想にいたるための自然な雑談(カジュアルミーティング)のスターターとして、つかってもらうために作りました。

好きなもの選んで雑談するのもいいでしょうし、ブレインストーミング・セッションとして本格的にやるのもいいでしょう。あらかじめ考えてきてもらって、情報共有する、というよりは、お茶でも飲みながら、わいわい話すほうがよい、と感触的には思います。

(参考情報)


文献:マッキンゼー流ブレインストーミング術「製品開発をめぐる21の質問ハーバード・ビジネス・レビュー2008.8


講義メモ:早稲田大学・柳孝一教授「メガトレンドの傍流」 衛星講義)

これらをベースに、発想お題として整え、多様な企業での製品アイデア創出ワークショップを実施。そのうち、発想の引き金として有効性の特に高かったもの9つを選出したものです。本格的なことを知りたい方はぜひ元・文献を当たってみてください。問い意外にも示唆深い内容がつづられています。



中でも、私が好きな切り口は、「顧客の手直し」です。

「顧客が製品にした手直し(改良)は?」というトピックは、現場に出ている人に多く情報があります。

企画部、技術部という本社づとめの人よりも、営業、サービス、輸送、という顧客接触部門のメンバーが吸い上げるリアルの空気が、場を沸かせます。

posted by 石井力重 at 14:49 | アイデアの技法

2015年04月10日

【テーマを設定する技法】「カオス・まびき法」

今年も、京都精華大学の漫画学部のゲスト講師をしにいきます。

漫画学部の授業の発想ワークのなかで、かなり、仮説的な手法を実験的に行っています。

その中で、「主題の辺縁にあるものを広げて、その中から主骨格となるものを引き上げてくる」ワークがあります。

カオスまびき法.jpg

それを「カオス・まびき法」と名づけました。

スライドを掲載します。


このブログにたどり着いて読まれる方は、ビジネスマンが圧倒的におおいので、そういう方々にむけて補足をします。

これは、「漫画専用」というわけではなく、用語をズラしてやれば、ビジネスにおいて、「(企画・開発の)テーマを設定する」ことにも使えます。

実験的な手法であり、まだまだはっきり説明できないところも多い、未成熟な発想技法ですが(なにせ、石井が、新たに作ってしまいましたのでーー。)ですが、人によっては、使えるエッセンスがあるでしょう。


ながい、補足:

そもそも、テーマ設定のプロセスを体系化した時に、人々にそれを試してもらい、その様子をつぶさに見て分かったのですが、人はこういうことを、メソッドが無くても、もやもや、やっているわけです。

で、うまくいったり、いかないときがあったり。

そういう複雑で暗黙的な思考の中の属人的な営み。
これは、教えられなければ絶対に出来ない、というものではありません。

体術みたいなもので、誰に習うでもなく自然と人々は目的に向かって自然と体の使い方を知り、目的を達成しているわけです。

ただ、身体科学のようなものを知っておくと、能力を高い水準で使うことができるように、そういうものが思考作業にもあります。

そういうわけで、いろんな創造技法から抽出した「テーマを設定する、思考のうまい手順」を創ったわけです、当時。

それを、思い切り漫画領域に、ずらしたものが、これ(カオス・まびき法)です。

漫画学部の生徒さん向けの資料なので、テイストが非常に、あいまいな感性語をつかって書いていますが、そういう香りがあったほうが、伝わりやすいこともあります。

この資料は、それを狙って、そのまま、公開するものです。


最後に:

手法は便利、ですが、面倒なもの、でもあります。
自転車みたいなもので、自分の能力を高い生産性に変えてくれる。
しかし、乗り始めは、なかなかうまく進まない。
ちょこっと進めばそれでいい、という人には、自転車を覚えるコストは無駄なんです。

そういうわけで、コンセプトワークの作業が、日々の仕事でよくある人、には、思考法というのは良い手法でありましょうが、ごくたまにしか必要ない、と言う人には、徒手空拳に頭が自然とする処理をまっているほうが、いいのだとも、思います。
posted by 石井力重 at 16:12 | アイデアの技法

2015年02月01日

コラム「発想法は、いつ使う?」

講義&ワークショップ中にコメントすると、多くの人が腑に落ちた、という顔をされるコメントがあります。今日はそれを紹介します。


【1】

「発想法、これをいつ使うのか?

 いきなり使う?

 それも、ありといえばありですが、お勧めは違います。

 アイデア発想技法というのは、いわば「型」がある思考展開です。
 頭が、自然にアイデアを沢山想起させてくる段階では、「型」は制約になります。不自由でやりにくい。

 そういう段階では、まず、徒手空拳に、型もなにもなしに、バーっと、発想していけばいいんです。

 そして、”発想し尽くしたよ・もう出ない”という時点がきます。

 発想力の得意な人、不得意な人、いろいろいますが、いずれにしても、5個なり、20個なり、人によっては100個なり、
 アイデアを発想して、「出し尽くした地点」があるわけです。

 で、創造的な努力が始まるわけです。頭の中で。概念要素の順当な組み合わせの、その先に行こうとする。
 でも、なかなか出ない。

 そういう段階になってから、やおら、発想法を使うんです。
 そうすると、驚くことに、出し尽くした、、、と思っていたところに、アイデアが出ます。結構、でる。

 その辺に入ってくると、頭の中のアイデアメーション(インフォメーションにアイデアの衣をまとわせただけのもの)を
 はるかに振り切った地点のアイデアなので、苦し紛れのアイデア、奇妙な、整合性のない像の想起だったりしますが、
 それでも出していくんです。

 そうして、出していくとその中には、”出し尽くしの先”という
 創造性のおいしいゾーンでの、あなたしか思いつけないモノが出てきたりもします。

 ・・・。

 講義では、アイデア発想技法は、紹介するなり、いきなり実践(演習)、という流れで使いますので、
 職場でアイデアがいる会議の時にも「発想する作業の頭っから使おう」となりがちですが、
 そうじゃあないんです。出し尽くしてみんな撃沈。でも、まだ、足りない。・・・そんな風になって初めて使うと
 技法と言うのはありがたいし、その先に歩いていけるわけです。

 人はスイスイ動けるときには、型を与えられるのは、かたっくるしさ、もたもた、を感じてストレスです。

 はじめは自由に。それで出し切る。
 で、その先に進んでもらおうとなったら、手法を使ってみる。
 考える方途がない時期だと、技法と言うのは、よすがになって先に進ませてくれる。

 そんな風に、使ってみてください。」

と。

【2】

たとえば、アイデア発想法でもっとも汎用性が高く、知名度が高いのはSCAMPER(あるいは、オズボーンのチェックリスト)です。これは、古くはE.P.トーランスの文献にも原型がみられるので、オズボーンのリストというのは、うーん、、まぁ、、、と思わなくもないのですが、とにかく、「発想のときの具体的な7~9つの問い」があります。「くっつけてみたら?削ってみた?逆にしてみたら?形を変えてみたら?」などなど。

こういう手法をいきなり使うのも、悪くないし、石井の書いた本もふくめて、そういう手法は、解説⇒使うとこうなる、という「すぐ使う」な感じに書いてあります。

でも、実際は会議でいきなりそれを使うのはきつかったりする。

ファシリテータあるいは議長として引っ張っているときに、
「じゃあ、今日は、このテーマでアイデアを出してください」という時には
はじめは、すいすい、アイデアが表出化しそうなテーマの時には、
場の流れに任せてたくさんだしてもらいます。

で、沈黙の30秒が出現するぐらいまできたら、

「じゃあ、ちょっとだけ、アイデア発想を助ける道具(=手法)を使ってみましょう」

といって、SCAMPERなりを投入します。

ここで説明が長たらしいと、場の流れや思考なかで進む醸成を壊してしまうので
きわめて、簡単に

「例えば、こういう、問いかけのリストがあります。
 ((⇒SCAMPERのリストを、スライドに投影))
 自分の心に、アピールするものがないか探してみてください。

 すぐにアイデアを引き出してくれなくても、
 ”なんか、これ気になるぞ”、というのがあれば
 しばらく耳を済ませて
 心の中でもやもや立ち上がるイメージを見てみてください。」

と説明します。大体、わたしはこれを、10秒で話します。
間も取りつつ、コンパクトにしゃべる。

そうすると、結構そこからアイデアが生み出されたりもします。


【3】

で、発言はしない誰かの表情に、アイデアが浮かんではまた沈んでいくような
そんな感じが、見て取れたら、言います。

「アイデアとして不完全な状態でも良いので、思いつくことがあれば
 教えてください。
 わたし(ファシリテータ)も、それをひっぱり出すのを助けます。」

と。

ファシリテータは、意見をはさまない、というのが、基本ではありますが
アイデア創出のプロセスにおいて、それを「促進する(ファシリテートする)」ことは
役目として、ありです。

イマジネーション・フィールドの上で、結像しかかっているアイデアの鼻っ面を
彼と一緒になって、思考の海の中から引き出していく、そんな感じです。

彼の想起する立ち居地に一緒に立ってみる。
 ↓
そこで見えるものを一緒に見る。
 ↓
その部分的な表出したなにかの良い点を探して、言葉にしてみる。
 ↓
そうすると、それがフックとなって、よいしょっと、思考の海の中から
残りの下側も引き上げられる。

ときどき、フックをさす位置をまちがえてしまって、
うまく引き上げられなかったり、奇妙な姿でひきあげちゃったりもしますが、
それはそれでいいんです。

そういうときは、プレイバック。
 ↓
さっきの出始めの像にもどって、そこに別の光を当てる。別のフックを付けてあげる。
 ↓
それで、別バージョンのアイデア表出化を、二人で、する。

そんな感じに手伝ってあげるんです。

【4】

このコラムのタイトルに書いた「発想法は、いつ使う?」について述べるには【1】だけでいいんですが、書いているうちに、余談として【2】とさらに、一歩進んだ【3】も、口が滑って出てきましたので、そのままつづりました。

とくに、【3】のところは、アイデアソン、アイデアワークショップのファシリテータとして動くときには、とても役に立つイメージです。

もっというなら、自分自身が出したアイデアにたいして、別の時間の自分がファシリテータとして寄り添うことで、手伝ってあげることもできます。ちょっと面倒ですけれどね。いったん忘れる(寝かせる)、という時間が必要ですから。



posted by 石井力重 at 09:31 | アイデアの技法



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