2013年02月08日

【スライド配布】PPCO(アイデアの強化プロセス)

いかにしてアイデアを磨くか?

アイデアの強化プロセス「PPCO」

その2013年版を掲載します。


補足:

ブレストでは大量発案。
その後の収束では魅力度の高いアイデアを抽出。
そうすると得られているアイデアは、魅力度が高い(しかし、実現性は考慮されていない)アイデア。

この魅力度の高いアイデアを、いかにして、実現性の要素も挙げていくか。

そこについて、創造工学の範疇には非常に良い手法があります。PPCO、というプロセスです。

最近の各所でのワークショップでは、概要をお話しするものの、実施には至らない(他にもお伝えしたいことがいっぱいあって時間切れ)ケースが多かったので、大幅にブラッシュアップしたワークスライドを再掲します。(昔のものよりもかなり変えています。本質は同じですが、イメージを補佐する挿絵や、コツなどを補っています)

アイデアワークショップに過去にご参加いただいた方であれば、内部的な利用であればご自由にお使いください。
 
posted by 石井力重 at 02:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年12月14日

アプリアイデアを発想する方法6種(2012年Final版)

アプリのアイデアを発想したい、という時に、便利な6つの発想方法を紹介します。


本来、アイデアを発想する、というのは、頭が持っている自然な働きです。なので、発想法なんて面倒だ!という時には、余計な道具を持たず、頭一つでアイデア出しに挑むのが良いと思います。

ただ、「今日はなんか調子が悪いなあ」という時や「同僚や後輩交えてブレストしたんだけど、どうもアイデアを出してくれないんだよなあ。何かいいアイデア会議の方法ないだろうか」という時には、役に立つかもしれません。
 
スライドの中から、何枚か紹介します。

app_idea_01.jpg
概要レベルで言えば、こんな発想の切り口です。

app_idea_02.jpg
中には、ゲーム要素を掛け算することで、既存の大きな市場で熟成しつつあるカテゴリーで、新しいコンセプトのアプリを発想する方法も。

app_idea_03.jpg
マンダラートで、日常生活の体験や行動を書き出し、日常の何気ない体験をよりよい体験にするアプリを発想する方法や

app_idea_04.jpg
スマフォを技術の塊として見たときにそれらの持っている機能が、それらの用途と大体割りついていることを利用して

app_idea_05.jpg
意外な原理のアプリを発想する方法もあったり、

app_idea_06.jpg
そんな感じで、ダイジェストでお伝えしましたが、これだけでは中身がわからないと思いますので、ご興味のある方はぜひ、冒頭のスライドシェア



をご覧ください。

本当は、これらをアプリ化して、音声や動画をフルに入れて、ハッカソン専用アイデア発想アプリ、にするのが良いと思うのですが、ブログでスライドシェア、という、割とクラシカルな情報提示の仕方になっています。詳しい内容は、ご興味あれば出張先でタイミングが合えばミニ講座をしますのでお声掛けください。
 


コラム) 「アプリが狙う市場について。」

アプリを日本国内でだけ販売するのか、世界で販売するのか、で大きく違います。

小国から世界へ進出するケースを観察するに、それらには「アイデア」「技術」「デザイン」「言語」という4つの側面がありました。これらについて、日本の若いチームがどういう戦略を取るべきか、項目立てて考えてみました。

「アイデア」と「技術」は、日本の若いチームでも十分かと思います。上記の方法もその足しになれば幸いです。

「デザイン」は、やはり西海岸のギークの界隈で受けるようなものを意識する必要があるのでちょっと難しい面もありますが、逆に「和、京、桜、雅」という「世界から見た日本テイスト」のデザインを強く打ちだしていく切り込み方もあるでしょう。(ちなみに、それは我々日本人が知っている日本テイストとは、ちょっと違いますね。)

「言語」については、高度な教育を受けている日本人でもかなり不利です。ここはなるべく言語をつかわないユーザーインターフェースで、多言語展開する時にほとんど翻訳する必要がない作りにする、という、企画の立て方をするのが良いかもしれません。どうしても言語のいるところを、単語一語で表現するスタイルなら(長文の文章に比べれば)自力でもかなり精度よく翻訳を行うことができます。ネイティブチェックを頼む時にも時間が余りかからず費用面もぐっと圧縮できるでしょう。できる限り、ノンバーバル(非言語)な概念のアプリを作るには、アプリ概要図や画面イメージで日本語を使わない、という工夫もあります。どうしても言葉を入れたい時には、英語を使います。GoとかMakeとかDivideとか、動詞を一語だけ、配置していくようなスタイルです。


 
終わりに)

このブログの書き手(私石井)は何を意図して、このスライドを載せるのか、気になる方もおられるでしょう。世の中に創造的な人や組織がどんどん生まれてくる社会を創りたい、というのが、アイデアプラントの志しです。その一助になれば幸いです。いつか読み手の方お会いした時に「このスライドで発想のヒントを得てこのコンセプトが生まれたんですよ」と言ってもらえるように、そして、その時が来たらいまよりもっと良いものを提供できる私ももっと精進します。

発想の道具として、スマートフォンのアイデアを引き出すためのカードセット、というのも2012年の自分の開発目標にしていたのですが、そこには時間的にぎりぎり手が届きそうもないので、現時点での持っているコンテンツを総まとめして掲載しておきます。

ハッカソン前半部分やエンジニアの開発の机上にコロッと転がしておいてもらえるような、アイデアソン・サイコロか、アイデアソン・カード、みたいなものを、作り、世の出したいなぁと思っています。
 
posted by 石井力重 at 17:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

最新版は次の記事をご覧ください)アプリアイデアを発想する方法5+1種





【!】 この記事に掲載した内容を、統合し、説明資料を補ったものを、次の記事に載せました。今から読まれる方は次の記事をご覧ください。

アプリアイデアを発想する方法6種(2012年Final版)





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posted by 石井力重 at 10:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

川柳のための発想ワーク(私案)

全国を回り、アイデアワークショップをしていると、ご縁ができてその後いろんな問いをいただきます。今回は川柳のための発想を促進する方法として何かいい発想法はありませんか?という問いでした。私は川柳、というものの専門家ではないので、ある程度間違っていう可能性も自覚しつつ、私なりに「素人のための川柳づくりのコツ」を探して読み込んで、作ってみました。以下、紹介します。

川柳のための発想ワーク(私案)

1)モチーフを1つ定めます。

例「流星群」でも「帳簿付け」でもいいです。ここでは、「流星群」を選びます。

2)モチーフとした言葉から連想できることを列挙します。マンダラートを使うのもいいでしょう。可能なら、30個挙げます。(10分間で30個、という目標を立てると、頭を使う訓練にもなります。)

例「流星群」→流れ星/星/黄昏/望遠鏡/ダウンジャケット/暖かいお茶/夜中/曇り/恋人/親子/徹夜/クルマの中で/瞬間/瞬き/目の渇き/メガネ/メガネの汚れ/街の灯り/月の灯り/湖畔の灯り/虫の声/野獣の気配/イベント/写真/息が白い/夏草の香り/山に登って/山小屋/視力が大事/特異日

3)これらの中から「シーンが鮮やかに浮かぶ」ものか「人生の悲哀」を醸すものか「日常の小さな幸せ」ものを、選びます。(単語の表現を変えてもいいです。)

例「親子」「息が白い」「暖かいお茶」「視力が大事」「瞬き」

4)つなげて文章にします。

例「流星を見に夜半に親子で庭に出る。子供たちにはいくつかの流星が見えたけれど大人の視力ではよく見えない。しばらく待って寒くなったのでお茶を飲む。湯気が付いた。見えないのでふき取る。流星が良く見えた。”メガネがずいぶん曇っていたんだなぁ”と気が付く。

5)これを、切り取り、5・7・5で文章にします。いくつも作ります。

例「湯気ぬぐい 流星の下 妻見やる」
 「仰ぎ見て 眼鏡かがやく 星のよる」

こんな感じがシンプルなステップでしょう。


補足

なお、1)と2)の材料でどれだけ意外な部品を掘り起こせるかが勝負でしょう。そのための発想技法も2つ紹介します。

1)について

「カラーバス」という手法が良いでしょう。
これは、観察の手法でもあります。

あさ起きたら一つの色を決めます。
例えば「赤」。
そうしたら、起きてから仕事場に着くまでに、
あるいは、寝るまでに、
視界の中に飛び込む「赤いもの」を全てメモしていきます。
ポスト、カバン、車、口紅、書類ケース、パスタ・・・。
予想以上に沢山あることに気が付きます。
それらの中で、川柳のモチーフとして最もおもしろそうなものを
選びます。

2)について

「6観点リスト」という手法が良いでしょう。
これは、発想の方向性を次々変えて、広い視野でものを見る手法です。

「人」「モノ」「プロセス」「取り巻くもの」「意味・価値」「五感で感じるもの」という6つの観点。これはおよそ人が発想する時の観点の全範囲を極めてあらっぽく分類するときに現れる構造です。(※この6つの観点の詳細は拙著「アイデア・スイッチ」で詳しく述べています。ご興味あれば図書館でよんでみてください。)

さて、30個の連想を書き出す時にこの6観点を通して何か思い浮かぶものがないか、と見てみます。


「パスタ」×「人」=若い女性、子供、カップル、イタリア人、洋食ずき、古い喫茶店のマスター(←得意料理がナポリタン)
「パスタ」×「モノ」=白い皿、フォーク、ワインのデキャンタ、テーブルクロス、付け合せのガーリックトースト、パスタ鍋、パスタの乾麺、パスタソース、パスタのトング、ガスレンジ
「パスタ」×「プロセス」=くるくるまく、すする(←悪いマナーだけれど)、シャツに赤いのが跳ねる、彼女を誘う、彼女に作ってみせる、ゆで上がりの湯気、ふきこぼれる鍋、湯をきるざる、ソースをフライパンで絡める
「パスタ」×「取り巻くもの」=レストラン、タベルナ、洋食屋、ステーキ屋(付け合せ)、学食、明治屋、紀伊国屋、しゃれたマダムのショッピングセンター、しゃれた食器屋
「パスタ」×「意味価値」=しゃれている、手軽、洋風
「パスタ」×「五感で感じるもの」=赤い、白い、楽しい会話(おしゃべり)、にんにくの香り、あめ色のたまねぎのコク、オリーブオイルの香り、バジルソースの鮮烈なよい青臭さ、ソースをつくるいい香り、カチカチの乾麺、アルデンテの食感、洋食器の手触り、子供の笑顔、満腹でおなかが苦しい

こうして引き出すと、「パスタ」というモチーフから相当量の連想要素が引き出せます。

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以上です。

川柳づくりの所作をプロの人を観察して、その本質を抽出して、発想要素を構造化してつくれば、もっといいものができるかもしれませんが、ご質問から2時間で、「取り急ぎ」書いてみるとしたら、こんな感じになります。そんな私の展開の一つの開示として、紹介してみました。


posted by 石井力重 at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年12月11日

アイデアスケッチ(IAMASスタイル)

「頭の中のアイデアを、紙に落としたい。」

そういう時には、アイデアスケッチをかくわけですが、私が普段行っているワークショップでは「一言で表現したアイデア+詳細補足3つまで」というスタイルを使っています。絵を描く職種ではない人にとり、文字だけで書ける方法は、書き出しの敷居を大幅に下げるという側面があり、私はそれを主要技法として使ってきました。

しかし、絵を描いたスケッチの方が圧倒的に分かりやすく、見る人の想像性を刺激するところがあり、どうやったら、エガク、という要素を敷居を低くしたまま取り入れられるだろうか、と考えていました。

そんな折、IAMASの小林茂先生とトークイベントでご一緒させていただき、IAMASスタイルのアイデアスケッチの描き方を知ることができました。この描き方(絵が入るので、カキカタが、書く、ではなく、描く、になります)を簡単に紹介します。小林先生にご了解をいただきスライドの一部を掲載させてもらいます。



Idea-sketch (IAMASスタイル) の描き方

ideasketch_iamas_style.jpg
(大きな図で恐縮です。ここはしっかり見てもらいたいため、デザインを大幅に崩しても大きく掲載しました)

細いペン

太いペン

カラーペン

グレーペン

という順で描くとのこと。IAMAS(←イアマス、と読みます)の中では、ペンの仕様も決められているそうです。

追記:ペンの仕様を、小林先生にツイッターで教えていただきました。・


アイデアスケッチ(IAMASスタイル)のペン
━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
=ぺんてるサインペン
太=マッキー
キーカラー=マッキー
グレー=コピックスケッチのT3


実際の事例を一つ掲載します。

ideasketch_iamas_style_ex.jpg
(いいですね、はっきりしていて、わかりやすい)

このIAMASスタイルで描かれたアイデアスケッチは、張り出して皆で議論する時に、誰の絵も似たテイストになる効果があるそうです。

それの何がいいかについて、述べます。多くの創造技法において、いわば鉄則として語られることですが、アイデアを評価する段階では、評価対象のすべてのアイデアを個別の紙片に書かせるべきです。それは評価において発案者の社会的ステータスと、発案内容を切り離して、アイデアを率直に評価できる可能性が上げるからです。また発案者本人も頭の中の想像は自分で冷静評価しにくいですが、紙に落とし込まれて物理的に距離を持ってみてみると、自分でアイデアの質を正しく見ることができ始めます。

ただ、通常のアイデアをかく方法は、手描きであれば、文字や絵には個性があり、仲間が見ればそれが誰のものかは色濃く分かります。切り離すという点では少し課題を抱えています。それに対し、このIAMASスタイルはそれをかなりそぎ落とすことができる、という点で、とても優秀なスタイルです。

また、描けない、と思っている人でも、この4つのステップで描けば、描ける、という側面もあるそうです。ここにも私は大きく価値を感じます。「創造のプロセスを歩いていくうえでのハードルをずっと下げる。それは多くの人に、より本格的な創造的な営みに入るための補助となる。いずれ本格化した時には、単純化した技法や手順は窮屈になる。その時はそれを脱げばよい。進みて熟せば脱ぎ捨てられるべきものを、道の入口には用意すべし。」と私は考えるからです。

以上、IAMASスタイルのIdea-sketchの紹介でした。

補足:

このカキカタの考案者は、IAMAS教員のデザイナー、James Gibson氏です。

関連する研究発表もされておられるようです。
http://g-i-f.jp/2011/08/16/405/


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さて、自分で使ってみると、技法というのは要諦がわかります。

まずは、書いてみました。

イアマス流アイデアスケッチ.jpg

ペンは、私が普段から、文具鞄(いつも持っている黒い小さい鞄)に入っているものと、プロッキー(黒)と、トンボの蛍光ペン、です。(IAMAS指定のペンは、岐阜訪問時によく聞いてきます。今はありものでトライしました。)

ノートの字が汚いのは、小林先生の講演を登壇者席に並んで、ハイスピードでかきとっていたからです。

その対談イベントの夜、実際に、そのノートの余白に書いてみたのですが、あれよあれよと、それっぽくかけました。拡大します。

ideasketch_iamas_style_1st_try_focus.jpg
ルールを無視して、黒くて太いプロッキーを使わずに、細いグレーで周辺輪郭を付け始めたら、汚くなったので、すぐに黒いプロッキーに変えました。左上の方に髭みたいなのが伸びているのはその名残です。

私は立体物を描くなどの作業はほとんどせず、いつも、平たい「人型さん」を書くだけでした。でも、お手本を見ながら同じように描いてみたらかけてしまいました。

それで、今度は私の頭の中にしかない図を書いてみようと試みに描いてみました。

ideasketch_iamas_style_2nd_try.jpg
(これは、昔から、講演の時に欲しいなーと、おもっている「ジブンでコントローラー」というアイテム案です。簡単に言えば物理的にボタンを押すコントローラーです。離れたとこにある会場スイッチをオフにしたり、特殊な操作パネルで、とにかく意図したタイミングでクリックだけできればなぁという時に使いたい道具です。部屋にある石油ファンヒーターのスイッチを物理的に遠隔で押したい、という欲求もあります。)

これを描くにあたって、いきなり細ペンを動かすのは難しかったのでBの鉛筆で軽く下書きをしました。形をとるのが鉛筆ならば楽ですから。なおその線は最後に消しました。

ステップを1,2,3とやっていくと、結構、わかりやすいスケッチがかけました。(自分の中では。)


それで、「あっそうだ、ステップ4、グレーで質感を出す」を忘れていた、と思って、書いてみました。実はこの加筆は悪夢の始まりでした。

ideasketch_iamas_style_2nd_try_.jpg
(な、、、なんだか、右側のは、わかりにくい、、、汚い、、、でも、ペンで一発書きしたから戻せない。。。)

質感を出す、というのは、意外に絵心がない人には難しい作業だと分かりました。私は最近、自分の能力育成のために、「3DSLLの新・絵心教室」で、いろいろ描き方を習い始めました。すこしだけ、絵の理屈、というものを、そのソフトから知りはじめたのですが、今の半端な理解の段階の私が、私なりの技量でグレーを入れたら、汚くなってしまいました。。。たぶん、ソフトの後半にこういうよくある汚くなってしまうことへの対応方法も出てきそうな気もします。

グレーを入れて明暗と質感を出す、という点は、何度か描いて学習する必要がありそうです。でも、今の段階でも、グレーを足さなければ、そこそこ、わかるものがかけるなぁというのが私の感想です。この辺は、このIAMASスタイルのアイデアスケッチを採用されるときに、1つの要諦となる情報かもしれません。

総括していえば、概念を図にして、人に説明する時、このスタイルはとても重宝しそうです。
 

posted by 石井力重 at 23:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年10月03日

発散と収束の根底ルール

創造的に選択肢を作りだし、創造的に選択肢を絞り込んでいく特に、役立つ『発散の根底ルール』と、『収束の根底ルール』について、ワークショップで言及しつつも時間切れで紹介ができないケースがよくありました。それをここにまとめておきます。



発散の4つのルール(Brainstormのルール)
4rules.jpg




収束の5つのルール
( Creative Problem Solving における、収束の根底ルール)

5rules.jpg





文字がつぶれてしまうので、PDFファイルでも掲載しておきます。

スライド 「発散の根底ルール、収束の根底ルール」
4rules_and_5rules.pdf






(備考)

収束の根底ルール、というのは、なんでこうなんだろうか、という疑問もあるかと思います。昔何度もブログに断片的なことを書きましたが、簡単に言うと
「アイデアは本質的に未成熟な存在。その潜在的な可能性が充分に発露していない部分もたくさんある。そういうものを荒っぽく評価して切り捨てると、創造的な企画はみんなゴミ箱行きになり、正しく選んだが全く退屈な答えしか出てこない、という事態になる。本当は、発散よりも収束はより慎重さが必要になる。そうはいっても、全部を実施するわけにもいかない。潜在的な可能性を沢山持った優れたアイデアを捨ててしまわずにうまくアイデアを収束させていくには何に気を付けるべきか。その場面における知性の基本的な使い方を、この5つのルールは示してくれている」
というものです。全然簡単に言えていませんが。


新しい可能性を作りだし、道を切り開いていく人々にとって、これが何か少しでも役に立てば幸いです。
 
posted by 石井力重 at 11:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年07月19日

アイデア収束時の根底ルール


ブレストはアイデア発散のルールなのですが、それと対を成す「収束の5つのルール」があります。

スライド
収束に関する根底ルール.pdf
shuusoku.jpg

文章の出典は創造学会のトップをされている弓野先生らの翻訳出版された『創造的問題解決』です。スライドの絵は最近、私が書きました。

アイデア収束というのは、アイデア発散よりもずっとデリケートさを必要とします。この作業のことを明確に説明するというのはなかなか難しいものがあります。さらに、ブレストのルールと同じくこれを具体的な行動指針として示すというのはなかなか難しいものがあります。そこで、がんばって作ったのが「IDEAVote」という8色のチップの投票によりアイデアの質を可視化する道具で、繰り返しそれをプレイしているとアイデア収束時に気を付けるべき心構えが自然と身につくようになっています。

ただ、いつも同じことを言いますが、道具がなくったってできることがもっとも好ましいですし、理屈としてわかってそれを自分流に直せる人がいればそれもいいことだと思います。その意味では、ここに掲げたスライドがわずかの人でもその人にとって役に立つものとなれば幸いです。
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posted by 石井力重 at 14:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年07月17日

描かれるビジネスプランの3段階

描かれるビジネスプランの3段階.jpg


アイデア創出という仕事をしていると、よくビジネスプランコンテストに縁があり、主催者さんと話をします。たくさんのビジコンにも参加者として応募して、いろんなことをそこで見て学びました。

そうした中で、ビジネスプランを始めて書くような人が徐々に上がっていく階段、が見えました。

ビジコンでファイナリストになるような1%の人と、そうでない人はプランの何が違うのか。大体これらのどこかのレベルでダメになる3つの段階があります。逆に言えば、その3つを超えるようなビジネスアイデアをプランにしていけば、割とプランが簡素でもよい線まで行けます。それはプランコンテストに勝つ勝たない、というだけなく、自分自身の船をこいでいくときに冒険の計画書を立てるうえでも有効です。ちょっとそれを小紹介してみます。

レベル1)回せない

”その事業計画、あちこち整合性がない””一番のネックは、君のやりたいことは誰も欲しいと思っていないサービスだな。”

そんなセリフは、ごまんと、聞きます。人間の認知能力というのはそんなに高いわけでもないので、おうおうにしてそうしたことは起こります。まずは、回せるレベルにないようなプラン、誰も買わなそうな商品企画の段階を超える必要があります。これは、ある程度何度も書き直したり、人に聞いてほしいと思われる物事への感度を上げることが有効でしょう。

レベル2)儲からない

”やれるか、やれないかでいえば、やればやれるだろうなそれ。ただ、収益でないだろ、それ”

実にこれもよくよく、耳にするセリフです。”儲からなくなっていいんです!”という返しもほぼ何度も耳にします。それももちろんありではありますが、ビジネスプランを書いて計画を立てるという行為においては、回すほどに赤字、それも未来永劫に。という事業書を是とはできません。私自身もさほど儲かることは気にせず大好きなことで飯が食えたらそれでいい、というたちなのですが、ビジネスプランコンテストであれば話は別です。きちんとした収益モデルを検討し設計します。

大体、創業したら18か月ぐらいはどんどん、貯金が減っていくもので、計画上、上向き、となっているぐらいでも水平飛行。計画上、下向きとなっていれば、急降下の日々でどきどきしながら道を行くことになります。

事業をヨリヨクしていくにはある程度の+が必要で、適切な範囲での収益を長期的には出せるように、頑張って設計する必要があります。永続性がある回し方せよ、という点は、当たり前なようでいて、よく、ビジネスアイデアのレベルからプランの水準へと数字で測っていく段階で超えられていないレベルの一つになります。

レベル3)大手に模倣される

”やれそうだし、収益モデルもなかなか。だが、それ、君の所が一番、上手にやれるの?””やってみて、儲かるモデルであることが分かったなら、早晩、資本体力のもっとあるところが入ってくる。それに抗することができるのか?”

収益モデルがいい水準まで行けるのも結構少ないですがその水準に残った人たちが最後に超えるべき壁はここです。「儲かったら大手が来るで。」それはその通りで、さりとて特許でもとって知財的な保護を、、、と短絡的に答えがちですが、特許なんてとれない場合がほとんどです。(サービスの提供の仕方で、その一部が技術的要素があって、云々、というのはもちろんありますが、そういうもので守れるような事業以外にも、事業機会はいっぱいあります。さらに言うと、特許で固めてありますー、といっても、内容をみると迂回技術はいくらでも作れそうな凄く狭い内容の特許を見ると「おおぅ・・・」と思ったり。)

より好ましいのは、@その事業モデル、ビジネスを回して収益を出していくことができるのは、ある種の強み(特定領域の顧客との関係性であったり、特殊な技能であったり)を有するからでありA自分はその強みを特に大きく持っていて、Bそれを有していない事業者に大手といえどはうまく収益の出せる水準で事業を回すことができない、というビジネスアイデアです。

この要件を満たせるものを書ける人は、ほとんどいなくて、ビジネスプランコンテストのファイナリストを見ていると、(2)までの状態で、勝ち残っています。優勝を果たせる人はそんな中で(3)の水準を現在もしくは将来的に(連携などにより)達成できるプランであることが多いです。


あるケース)

あくまで仮想のケースですが、たとえば、大手スーパーのバイヤーをしていて、個人で独立して新しい流通と生産の特殊なビジネスを興そう、という方の場合、さすがに「回せる」し「収益構造も十分に期待できる」ものを描いているので成功しそうなのですが、「自身の強みに立脚して、それが将来のライバル候補たちの中で一番強い」と言えるかというと、△、になったりします。もといた会社の看板を外すと、その強みと思っているカードが急速に小さいものになる。大きな個人資産を投入するといっても、大きな川の中に、プールの水で応戦するようなもので、それは厳しいです。

そういう場合、その人が、会社を辞めた後でも、強みとして保有しているものがなんであるのかを、列挙して認識しなおして、その強みがあるからこそできるビジネスアイデアを構想しなおします。それが上手く構想で来てうまく実施できた場合、大きくて資本力があるところが仮に入ろうとしても、収益の出る回し方をするには、同じだけの強みが必要でそれを最もうまくできる人物との勝負になればかなり分の悪い勝負を相手はすることになります。もっといえば、競うより人こみで仕組み丸ごと買い取ったほうが効果的だ、という判断にもなるでしょう。

補足)

6W3Hシートを書くときの話について、述べますと、Who(誰がやるの?)の項目というのは、その最後の3段目を超えさせるための仕掛けになっています。そこに「私がやる」と書くわけですが、モデルを実施するのが最も効果的なのが「私」ではなく「ライバル」であると認識されるならば、早晩それは倒れます。適切な収益モデルがあるならば。



画餅だが、航路図である

チャレンジャーの中で、時々こういう声をききます。

”ビジネスプラン?そんなもの、絵に描いた餅だよ。書いたってその通りにならない。だから意味ないよ”

私はこの意見については、部分的に賛同し部分的に別の意見を唱えます。まず、賛同の部分。リスクゼロになるまで調べてから船出する、というマインドセットになると永遠に船出できる日は来ません。寿命で死ぬ日に、もっと別の道があったのでは、と思うかもしれません。それはさみしい。形を作るより走り出す、というマインドセットを私はかなり肯定しています。(私自身もそういう面がありますし、そういう動いてから考えるとスタイルは創造的に何かを生み出す時に効果的だと思います)

次に異を唱える部分。計画書はいわば航路図。実際は未踏領域の地図というのは進んでいくと、決めた通りの航路を行けないこともありますし、陸地がなかったり、行ってみると暗礁があって通れない航路もあります。港で書いた未踏海域の航路をそのままいける人は10%でしょう(たしか、創業系の機関が調べたところ、創業後3年?ぐらいたった人に、事業計画通りに進んでいますか?と尋ねたところ、Yesと答えたのは10%ぐらいだったそうです)。

しかし、もともと描いた航路からずれを知ることができます。具体的に何%ずれているかを数字ではじき出すこともできます。修正するにしても、元の航路図を手掛かりにして何%下方修正するのが現実的に正しいかを再設定することができると翌月からの目安もできます。全く航路図がないと、行ってみてやってみてできた出来高が唯一無二の数字。翌月もできた量が唯一の経営上数字になります。船が大きな流れに乗っているときには多少の舵きりが甘くても大きな方向に進みます。しかし、自力航行を始める時にそういう船は困ります。どこに向かえばいいのだろう。流れに沿って全力前進、方式が悪いとはいいきれませんが、潮目をみ、もう一方で大局も見据えつつ、自分たちで取捨選択が素早く常に行える状態にしておく必要があります。航路図があると、判断指針があるので、ブレずに一航海をつつけることができます。判断までの時間も早く、一人孤独でも、計画書と対話しながらエイッと覚悟を決めることができます。人は弱い生き物で、気弱なとき、疲れている時、思考力が低酩酊している時には「そこから逃げる」という原始的な考えに支配されます。しかし、理性がもう一方で警鐘もならしています。猛烈な嵐の中で司会もろくに効かず、判断に迷っている時間もほとんどない、そんなかなで進路を変更をする時に、なにをよりどころにするか。そういう時に、ろくでもない人にコロッとだまされたりするのを結構見たりしませんか。人はそういうところがありますが、この世で信頼に足る人、十分な時間をつかって真摯に調べ頭を使った過去の自分の描いた地図は、大きなよりどころになるでしょう。暗闇の中で握りしめて、一心不乱に進むべき地図。そういったものを未来の自分の残す、そういう意味合いもあります。

しまらない余談)

(書くための時間が付きました。もう一つ書きたいことがあります。地図、という意味では、雪山の地図、という逸話を経営戦略論の授業の中で学んだことがあります。どこかに書いたつもりでいたのですがうまく探せませんでした。 関連するものとしては http://ishiirikie.jpn.org/article/22033560.html ぐらいかな。 その話というのは、軍隊が演習で山に登ったが気候の良い時期ですぐに下山する予定で地図がなかったが、突然の吹雪で道がわからなくなり、軽装備しかないので下山をせざるを得ない状況になった時に、一人の人がコートの中に地図があった、ということでそれを頼りに下山を開始したが行く先々で地図が不正確であることを知り、その地形を修正書き込みをしながら苦労して下山したというもので、よく見てみるとそれは違う山の地図だった、という話。地図が正確であるに越したことはないが、自分たちがどこにいるのかを知る道具になり、地形を把握するための道具になるもの、それが地図という道具の本質である、という話だったと記憶しています。O先生の講義は聞かせる講義でしたが、出典のない、概要化された話でこれもその一つでした。ただ、本質はなるほどと。)
 
posted by 石井力重 at 17:22 | Comment(2) | TrackBack(0) | アイデアの技法

IdeaからPlanへ(6W3Hシート・ワーク)

アイデアをビジネスプランの骨子へと発展させるためのワークを時々行います。最近、バージョンアップしたのでアップします。

スライド
6W3Hワーク_(Idea to Plan)

ワークシート

6W3Hシート.jpg

拙著、『アイデアスイッチ』(2009)の中ごろでも、このシートについて言及しています。本に記載された図版から、更に、使いやすいように発展させました。

次の記事で、これに関連してもう一つ、関連する話を紹介します。
 
posted by 石井力重 at 16:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年07月03日

【ブレストのコツ】プレイズ・ファースト

アイデアをゼロから紡ぎだす時には、「最初に褒めよ」。

ポジティブとネガティブ、両方が見えたとしてどちらから言うかはあなたの自由ではない。他者のアイデアを伸ばしていく段階であれば、順番は、プレイズ(褒める)が先でなければならない。逆の順番だと、未成熟なアイデアというのはうまく育たない。そういうものである。

そんなことを、時々お話しします。

その辺を、スライドにしてみたものを、カットアウトして、おいておきます。

プレイズファースト

よく「今日のブレストは何だか盛り上がったなあ」というフィードバックをいただきますが、創造的な話し合いの場を作るエッセンスはこのぐらいで充分なんです。ワークショップに参加いただいた方は思い出してみていただきたいのですが、あまり大したコントロールをフ石井はしていないですよね?ブレストのルールを削りに削って1個だけ伝えることができるとしたらそれは何か。それを突き詰めて、これを採用しています。

ブレスト、なんて大げさな、という時ももちろんあってそういう場もいいと思うのですが、そういう場でもアイデアを拡げていく空気を作るには、このプレイズファーストがとても役に立ちます。
 
 
posted by 石井力重 at 23:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

【創造力を使う】(1)発散ルール (2)収束ルール

ブレストの4つのルールというのは、より一般的な枠組みから言えば、「発散の4つのルールと収束の5つのルール」のうちの、発散の4つのルールです。

発散と収束の両方について、それぞれ、ワークショップで話すことがありますが、いっぺんにまとまった形で話すことがあまりないのですが、それをペアで掲載してみます。

発散の4つのルール(とその周辺)
収束の5つのルール(とその周辺)

例によって、これだけ見てもわからない!という内容ではありますが、過去にワークショップで片方だけ聞いた方、両方ともを飲み会かどこかでちらっと聞いたことのある方にとって、何らかのお役にたてば幸いです。

いつかもっと、整理した形のモノにしたいのですが、今のところは、石井の力量不足で、対照的な語り方ではありません。いつか、もっと、うまく説明を試みます。
 

posted by 石井力重 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

【発想の技法】6観点リスト

大きく発想の観点を変えたい、そんなとき、具体的には何をしたらいいのわからない。そういうことってありますね。

発想トリガーというものはいろんな分野でそれとわからない形で結構あるのですが、それぞれの領域用につくられているので、しっくりくるような法堂りがーがない、こまった。そんな場面もあります。

そういう時には、6観点リストを使って発想してみてください。

6観点リスト

これは、発想トリガーを大量に集めて、各発想トリガーのセットがもっている知の構造を分析した時にたまたま抽出できた副産物のようなもので、人間の発想の観点を広くサーベイし大きく束ねなおすとこれになります。短期的に固定化してしまった時にこれをみると、広い観点からの発想を再び行えるようになります。

すこし玄人向けの内容ですが、発想法のスタンダードなところより、もうすこし先のものを求めている方に、ほんの少しでもこれがお役に立てば幸いです。
 
posted by 石井力重 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法



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