2009年08月31日

講演中の時間管理をしていて気が付いたコツ

大体いつも、お伝えしたい事が沢山あって、2時間のところを20〜30分、はみ出してしまうのですが、ある時に、ぴたりと終わったことがありました。

当初90分と伺っていて、そのために内容を設計した、120分ぶんになってしまったので、予備スライドとして、30分を「+α」にしました。

その後、その持ち時間が120分であるとわかり、それならばちょうど呼びも含めて、おさまりがいいとおもって臨みました。

その結果、当初90分枠で終わる内容が終わったのは、120分ちょうどでした。残りの予備スライドには入らずに。

90分の中でも、聴講される方の反応を見て、「すこし具体的なこともお話ししたり」「関連するちょっとアドバンストな内容」もお話ししたりするので、25%程度長くなるのが、原因です。

これを初めからおりこむのは難しいもので、大体、組織によって、「これは聞いたことある」「この辺は興味がない」というのがあります。そこは大抵、最小限の要素をお伝えして、ささっと進みます。聴講されている方にはわかりえないかもしれませんが、いく度が私のワークショップに参加された方は、実施毎に内容もちがうち、同じ内容でもウエイトが違うと感じられると思います。そこにはそういう背景があります。


さて、もどりますが、大体120分の持ち時間があった場合、私のようなタイプは、90分ぶんで組んで、後の30分は予備、という構成が良いようです。少しでも多くのものを渡したい、しかし、早く過ぎて多すぎて何も伝わらないのは、もっと避けたいですから。

追記:

あるいは、波多野先生(波多野卓司先生)のように、配布資料がワードで書いた、「もうほとんどこれは本ですね」というような知の解説書をくばり、それを元に、適宜お話していく、というのもありかもしれません。波多野先生はスライドをめったに使いません。それでもすごく分かりやすくお話しされます。そしてホワイトボードをよくつかわれます。


ということで、話の長くなりがちな講師の場合のコツ、としては「短い時間で終わる内容+予備」でスライドを作ること、と最近思い至りました。
posted by 石井力重 at 16:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2009年08月28日

出張先の朝食に、シリアルバーを

ホテルに泊まることが多い仕事スタイルですが、
いくつかのコツを発見します。その中からご紹介ます。

1.使い捨てのスリッパ

東北新幹線はグリーン車に乗ると、スリッパをくれます。
ホテルでも使い捨てのスリッパのところがあります。
それを一度で捨てないで、数日の旅程で持っておくと
部屋の中やちょっとした休憩のときに足が休めていいです。
ホテルのビニールのスリッパは足が心地悪いですからね。


2.朝食用に、シリアルバー

ホテルに泊まっていると朝が忙しいことがあります。
服を着て、身支度して、朝食会場に行く。
もどってきてまた歯を磨く、外出までにまだ間があれば
一度スーツのズボンを脱ぐ、といった作業があります。(しわになるので)
朝一、起きてから仕事をしていると、意外とホテルの朝食の
時間が煩わしいもので、一連の行為の為に
最低で30分、長いと45分ぐらいかかります。
できれば部屋で取りたいので、おにぎりを買ったりして
置くこともあるのですが、それが意外と、朝食が
食べたくない時などには、無理して食べたり、ということも。
かといって大抵は昼食は外食なので、それを食べる機会がありません。
そこで、ソイジョイのようなシリアルバーがお勧めです。
ホテルで仕事をしながら数分で食べられますし
食べなくてもカバンに入れておけば邪魔になりません。


3.長期滞在には、ボディーソープを

長く滞在する時には、シャンプーを使いなれたものにすると、リラックスして過ごせます。ただ、一泊ぐらいなら、たまには違うのも刺激でいいのですが。


4.LANケーブル

備え付けのものは、机から50センチという短さのランケーブルだったりします。これは短い。つかれた夜に、ベットの上で寝転んで、寝る前にチェックするべきことがあったとしても、机にはりついて読むのはきついです。長いもの(1.5m)があれば、快適です。


5.紙パック(1リットル)のお茶

100円でコンビニで買えるパックのお茶。これを1本かっておくと、夜中に乾燥していてのどが渇いたりするときに便利です。ペットボトルの水分だけでは、ちょっと、一日に摂取する水分が足りない、とか、お酒を飲んだ後に大量に水分をとりたい(ビールには利尿さようがあるので、水分を追加しないと)ということもあります。それらに対して、紙パックのお茶は、かなり便利です。コストパフォーマンスもいいです。ホテルの備え付けのお茶は面倒、という人にはとてもいいです。ただ、半分しか飲まないで、チェックアウトを迎えると、もったいないのが難点ですが。
posted by 石井力重 at 10:27 | Comment(2) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

郵便・料金・A4を三つ折りにする封筒での

http://method-and-howto.sblo.jp/article/32017197.html へ移設しました。
posted by 石井力重 at 01:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2009年08月27日

発想事例の作り方

今、講義スライドを作っています。

アイデア創出の技術、というテーマなのですが、発想の方法だけじゃなく、それを用いて実際に発想してみた(というプロセスと出てきたアイデア)というスライドを作成しています。


発想事例。

これは目にするととてもすんなり「ふーん」という感じに感じられるぐらいの平易さで表現するのですが、それに至るまで、思考と作業のステップがいくつかあります。

こんなふうになっています。


1)発想の手法を選定する

想定する参加者(聞き手)にあわせて、最適な発想方法を、選びます。参加者さんが日々の仕事でそれをつかえているシーンがうまくイメージできるものを。

2)発想法で、実際にまず、発想する

他の人には分かりにくい「アイデアの断片」「初期的なアイデア」を出していきます。ステップにのっとって、その思考過程を書きとめていきます。

3)表現を整える

初期的なアイデアは、生のまま人に見せても、理解してもらいにくいものです。また、どうしてそのアイデアにたどりついたのか、跳躍した部分が大きいと、聞き手は思考の森で迷子になりあとでたどり直せません。表現を整え、プロセスをつなげていきます。

4)減らす、簡単にする

論理飛躍の怒らない程度に「無くても成り立つもの」を削り込みます。せっかく書いたのに・・・と思う気持ちがここで生まれますが、削るほどよく伝わるのだ、と言い聞かせて、削ります。(余談ですが、ネット上のメディアでの私の記事の場合、2000文字の原稿を書くのに、6000文字ぐらい書いて、そこから削ります)。

難しい表現や高度な概念的なものは、極力、具体的で誰もが知っている物事に直します。



そうすると、平易な「ふーん、まあ、それぐらいなら、別にやれば、できるかな」というスライドになります。

この時に「凄い発想であると思われたい」なんて気持ちがあると、とたんにスライドは分かりにくくなります。滅私の先に、優れた講義や知的手法の提供事業がある、のだと思います。


以上、発想事例(のスライド)の作り方でした。
posted by 石井力重 at 11:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2009年08月02日

QWAN(無名の質)

1.Alive 生き生きとしていること
2.Whole 全一的なこと
3.Comfortable 居心地の良いこと
4.Free 捕らわれのないこと
5.Exact (知識の)正確なこと
6.Egoless 無我であること
7.Eternal 永遠であること

(引用『知識デザイン企業』)

紺野先生の書かれた本から、引用しました。


アレグザンダーのパタン・ランゲージというものがあります。
いい街がありますが、そこには共通のパタンがある、と。
(TRIZやSCAMPER、あるいはプロフィットパタンなどと共通するものがありますね)
そのパタン・ランゲージの絡んで上記が紹介されています。


基本的には、モノづくりのデザインやワークプレイスのデザインなどの知恵だと思います。
ユニバーサルデザインというものとは、また違った「佇まい」のようなものも
ふくむ面白い7視点だと思います。


ちなみに、QWANはquality without a name(無名の質)だそうです。

これが何に使えるのか、具体的にどういうことを意味するのか、
一生懸命勉強してみます。
posted by 石井力重 at 06:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2009年08月01日

「やる気」を説明する理論




『企業内人材育成入門』という本があります。とても良い本で、人材育成の専門出ない人にも、人間の育つ本質、のようなものが理解できる良い本です。



同書の第三章、動機づけの理論−やる気を出させる方法より、5つの節のタイトルを引用します。(109頁〜146頁)


1 やる気の出る研修とやる気の理論
key word:生理的動機、親和的動機、達成動機、マズローの欲求段階説

2 外側からのやる気、内側からのやる気
key word:外発的動機づけ、内発的動機づけ、知的好奇心、自己の有能さ、自己決定

3 「やる気のなさ」は学習される?やる気を殺す上司の振る舞い
key word:学習性無力感、統制の所在、原因帰属、随伴性の認知

4 やる気を高める方法
key word:結果期待、効力期待、能力観、ARCSモデル

5 我を忘れて没頭する「フロー理論」
key word:フロー、モチベーション・マネジメント、モチベーション・エンジニアリング




この本に書いてあることは、これまでに、ブレスターの開発や知的道具の調査や、研修に関連する様々なディスカッションを通じて、断片的に知っていた知識、経験的に知っていたことを、どう全体の中に位置づけることができるのか、知らないことが沢山あったこともしれて、非常に感動しています。早く読み進めたい気持ちにさせる本です。

人材開発の部署に移動になった方、部下を持った方、自分自身の育成をしたいと思う方、にとって、とてもとても重要なことがかいてあります。優れた本で、この本は何年にも渡って愛読するだろう本です。厚い本ですが、各章(50ページ弱)毎に完結するので、必要な部分を把握するには充分なコンパクトさと本格さです。
posted by 石井力重 at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2009年06月20日

新しいフレームワークを創り出す手法、ビジネスエスノグラフィー

ビジネス・エスノグラフィー関連の日記が続きます。なぜ「ビジネス」で「エスノグラフィー」(民族誌学)なのか、本質はこの辺になるような気がします。

(来年度のビジネス・エスノグラフィー研修への参加検討をされる方への検討材料になればとおもい、書いてみています。しかし私石井の解釈に基づくものであり、正確な内容の紹介ではない可能性を含みます。あらかじめご了承ください。研修で学んだ知識の発信の仕方として不適切な場合はご指摘ください。すぐに修正いたします)

ビジネスエスノグラフィーの興味深いことの一つに「新しいフレームワークを作り出す」というものがあります。

(1)新しいフレームワークは、どんな良いことをもたらすのか。
(2)そしてその新しいフレームワークはどうやって作りだすのか。

について、理解したベースで書いてみたいと思います。



(1)新しいフレームワークは、どんな良いことをもたらすのか。
    ↓
(1)新しいフレームワークは、新しい事業機会を発見させる。

従来の商品企画では、分析にフレームワークを使うときには、それは誰もが認めるよくしらているものを使います。一方、BEでは、ユーザを観察し、行為や潜在ニーズを考える時に、新しいフレークワークを作り、それをもとに、商品企画を提案します。

これには、労力とメリットがあります。

【労力】
分析のフレームワークを、新しいものにすることは、大変です。新しいフレームワークを作ったなら、企画会議などで、「そのフレームワーク、なぜそれが有効なの」にこたえるところが、まず必要になります。ここについては、in vivo(イン・ビーボ)なもの、声や写真やフィールドワークから得られる様々なマナの情報をベースに、強い共感を引き出していく、ということがあります。エスノグラフィー(民族誌学)の手法のメインである「参与観察」などがそれを可能にしています。(もちろん、実際には、ビジネスエスノグラフィーという発展形なので、エスノグラフィーそのものとは純粋には異なります。より実践的にデザインされた手法だとおもいした)

【メリット】
新しいフレームワークは、新しい事業機会を発見させる、という点です。既存のフレームワークでは、見すごされる弱い兆候、取るに足らない事実、となるものの中に、人間の潜在的なニーズが含まれている場合、それは、やっぱり、既存のフレームワークでは、紡ぎだせません。現場に行った人が感じる「なにか」とか「うまくいえないが、こうしたらいいはず」というものは、それでも存在します。

「フレームワーク」は対象を観察する、論じる時にうまくそれの変化具合を読み取れる「物差し」です。社会の様子を観察して、ひとたび出来上がり説明性が高いと多くの人が使います。だからそれを変えて新しいものをだすと、人は最初、信用はしません。しかし、問題は、「社会は常に変化している」という点です。そのフレームワークを作った当時の社会とは、だんだんと変わっていきます。そのフレームワークではだんだんと読み取りにくくなってきた社会の変化。それが大幅にフレームワークと合わない、という事実が突き付けられると、新しいものが出てきます。しかし、弱いシグナル、かすかな事実、の段階では、「なんか実態と違う」という状態を続けます。消費者は、過去の考え方で作られたメーカの製品に、胸やけ気味で「心くすぐられる商品がないな」と感じます。一方で「でも、なんか違うんだよな」を心の奥底、潜在的に感じていたり。これが言葉にできるタイプのものだと、聞き取り調査で反映されることもありますが、そうでないものの場合は、そのままになります。

新しいフレームワークは、そうした「見すごされる弱い兆候、取るに足らない事実、となるものの中に、人間の潜在的なニーズ」を浮き彫りにして、真正面から議論できる「物差し」となります。つまり、新しいフレームワーク作りのメリットは、商品開発のために、潜在的なニーズをきちんと議論できる物差しが手に入り、それは引いては、事業機会の発見になります。

(私見:おもしろいのは、新しいフレームワークは、「概念上の粒度がそろっていない」と眼にうつることです。何か新しい考えを見聞きした時に、粒度がそろっていない情報だ、と感じた時にぐっとこらえて考えてみるべきだと、思うようになりました)


(2)新しいフレームワークはどうやって作りだすのか。
   ↓
(2)複数のEU観察事例のファクトを説明できそうなものへと「仮説、チェック、修正」する

対象となるものごとを観察します。それが有益な示唆を示していた時に、保存(あるいは、伝達)できるように、文字を中心に記録します(文字以外には、図、写真、ボイスメモ、入手した現物、など)。1時間以内に、事実を記録する作業をします。裏にある関係性を推測する場合は、(たとえ、どんなに多くのケースでその推察が正しいとしても)それは事実と違う、ということを明確に区別した上で書きとめます。あるいは、より事実に近い、推察にします。アイデアも出れば書きます。

一定の意図のものに観察した、複数の観察事例をそうして書きとめます。そして、それらの観察事例を無理なく説明するフレームワークをつくろうとします。事例が一つくらいだと、既存のフレームワークでも当てはまりがちですが、3事例あると既存の分類概念で、粒度のそろったものを並べ立ても、あまりうまくいきません。弱いシグナル、見過ごされがちな事実を、よりクローズアップして見せるようなものが必要です。いわば、「物差しの細かさを、局地的に細かくする」感じに似ています。

つくっては壊す。

この繰り返しです。どれかのケースで、観察事実をうまく説明できるフレームワークをつくってみたら、別のケースではどうか、とやっていきます。すると、ああここはあわないな。要素間の構造自体、変更がいるな、などのことがわかってきます(私見:何度も作って壊すこの作業は「アブダクティブな推論&チェック」をしているようです)。

こうして、観察事例をうまく説明できるものを作り上げます。この作業が半端であれば、共感をもって事実を説明できないでしょうし、そのフレームワークから発想するアイデアは、非常に危ういでしょう。



以上がここで述べたいことでした。

この手法を商品企画の現場で実践してみたいなぁと思うと同時に、大学院での研究における「研究対象となるものをモデル化する作業」に、すごく重要なヒントを得たともいました。それは、研究ノートに書いてみたいと思います。(翌日の研究ノートへ続く)



keyword:ビジネスエスノグラフィー

⇒ ビジネス・エスノグラフィー【まとめ】
posted by 石井力重 at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

マーケティング限界とその先の機会の発見手法としてのビジネス・エスノグラフィー

ビジネス・エスノグラフィーの研修が、先日、最終日を迎えて無事終了しました。感想を述べてみます。

一言で言うと「付加価値の主張なトレンドとなりつつある”感性価値”の高い商品企画に、非常に役立つ実践的手法」だとおもいました。

すこし、3Cに分解して述べてみたいと思います。

1.【コンペチター】現代のような熟成社会では、未充足ニーズの具現化による商品開発は、差別化要因になりにくいですね。業界のライバルとニーズを読み取る視力が同じ程度であれば、わずかな期間の先行者利益をとりあい、どんな開発品も非常に短い時間で腐化します。

2.【カスタマー】物質が豊かになった現代においては、消費者は、機能、品質面で商品が優れていることは「当り前品質」です。ほしい、という気持ちをつよく感じさせる「感動するもの」が望まれています。未充足なニーズは、変化してくく社会で依然として日々生まれています。しかし、それを埋めてくれる程度では、さほどの感動がなく、手にした瞬間からしばらくは「ああ、便利」思うだけで、すぐにそれは当り前に。一方で消費者には「自分すら分かっていない潜在的ニーズ」があります。これはマーケティング調査やグループインタビューでも、本人が説明できないため、見出すことは難しいです。もし、それを埋める具現物があった場合は、顧客には感動する商品やあたらしい経験となります。

3.【カンパニー】経営戦略にきちんと配慮して成長してきた企業の場合、開発会議において、アンケート調査など定量分析データをもちいて開発プロジェクトの軌道修正やKillをきめます。問題は、マーケティングが万能ではない、という点です。過去は大規模調査の成り立つものが、市場化できるものであり、十分な大きさでした。マーケティング手法では、センシングできないものがある、ということは、これまで「科学的管理手法」にはあわない、として無視してきました。

定量調査がきかない、マーケティング手法では扱えないものとはなにか。それについてマーケティングのプロの方とディスカッションしたことがあります。詳しくは省きますが、ポイントとなるのはこうでした。先進的な企業の考え方として興味深いものがあります。「あっても、言葉で説明ことができないニーズ」「自分自身がニーズの存在に気がつかない潜在的なニーズ(プロトタイプを手にとってみてはじめて、ああ、自分はずいぶん、不満があったんだ、と気がつくニーズ)」が、人にはある、ということです。(例:IDEOの本の中ではショッピングカードの設計をするくだりがありますが、彼らは、ラピッドプロトタイピングを行って、スーパーの顧客が”たとえ聞いても答えられなかっただろう”不満をもっていて、それを解消するカートを提案し、早急に試作しました)

マーケティングのきくものは、コモディティー化が激しく、消費者もそれにはすぐに飽きてしまう。大規模マーケティング調査が効かないニーズが、付加価値の主なトレンドとなりはじめたら、自社の開発活動では、いったいなにをすればいいのか。

これらの1.2.3.をかんがみると、ビジネスエスノグラフィーは、そこに答えを与えるものになりそうです。もちろん、この手法が唯一無二である、というわけではなく、マーケティングの効かないところから潜在ニーズを引き出す手法の一つ、というべきでしょうけれど。

潜在的ニーズを、明示的に把握し、材料として使うために「エクストリームユーザ観察」というのは、実効性の高いすぐれたアイデアです。しかし、エクスリームユーザの観察だけが、潜在ニーズの把握方法とはいいきれず、ペルソナを用いた手法を高度に発展されば、把握できる可能性があるかもしれません。いくつかきっとある中でも、ビジネスエスノは、実効性に優れている、という点が今後も評価はされるだろうと思います。



keyword:ビジネスエスノグラフィー

⇒ ビジネス・エスノグラフィー【まとめ】
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内容は既知なるも、実施プロセスは非凡

ビジネスエスノグラフィー研修をうけていて、「ああ、ここは非凡だなぁ、なるほど体験してみると確かにこの方法は効果が高い」とおもうことがいくつもありました。特に印象に残るのは「ダウンロード」という作業です。

【エスノグラフィーについて整理】

エスノグラフィー(民族誌学)は、異なる文化などの研究のために、研究者が対象社会に参与しながら観察する(参与観察する)手法をとります(フィールドワーク、ともいいます)。

自然科学では、対象物を観察者がこわさない、影響を与えないようにするのに対し、エスノグラフィーは、その社会の中で一緒に行動をして観察対象社会に自分が参画している点が大きく違います。

注:学生時代に、経営学の講義でならったこと、佐藤郁也先生の本で読んだことの記憶ですので、正しい表現は少し違うかもしれません。


さて、ダウンロードについて、です。参与観察ですが、今回の研修では完全な長期の参与観察をするわけではなく、ユーザ宅への訪問インタビューとユーザの自然な行動に同行させてもらい同行インタビューをする、というものでした。とにかく、同行インタビュー、訪問インタビューをチームで行ったのですが、このあとが、とても印象深い経験でした。

通常営業マンなども顧客訪問をして、設備投資計画やシステム化要件などをヒアリングします。上司と部下で言った場合には、ちょっとしたディスカッションを、客先を出てから喫茶店ですることもあります。しかしそれは本当に「これが正解じゃないか、これがニーズじゃないか」という決め打ちにちかいごく少ない正しそうな発見事項をいいあうだけ、です。しかも、企業秘密が多いので、喫茶店でそれほどしっかり話し合うわけにいかず、話し方も、ある程度丸めたり、隠語を使ったりしないといけません。あるいはその日は解散して、どちらかがレポートを書いて相手がコメントをフィードバックするということをします。しかし、早くても当日の夜、ひどい場合は一週間すぐ経ちます。

さて、印象深いのは、BEの場合は、初めに喫茶店などを、インタビュー先に程近い場所を調べて選んでおきます。一日に複数のインタビューを行う場合も、インタビュー2時間に対し、喫茶店での時間も1.5時間ぐらい取り、さらに移動が可能なだけの工程を組みます(なおインタビュー先のポイントに30分前につくように余裕も採ります)。

インタビュー先をでたら30分以内に喫茶店にはいり、ポストイットをだして「印象に残ったこと」をファクトベースで書いていきます。20分くらい、それぞれコーヒーを飲みながら書き出していき、それから皆で出し合います。順にひとつづつ出していき、関連したカードがあれば、そのカードにつなげる形で出していきます。初心者チームでも、8つくらいの観点がでてきて、それぞれにカードが10〜20枚付きます(8つの観点も誰かのカードにつなげる形ででます)。

また、ファクトは黄色、ファインディングスと仮説は赤、アイデアは青、ときめて書き出すことで、ファクトベースの議論を明確にします。色を分けることでファインディングスも出しやすくなります。この時にあまり事実性とはなれた仮説を作ることはしません。ファクトベースに近い仮説(○○な傾向がある)という程度のものにします。アイデアは出してもいいですが数は少なくていいようです。

この時に、1時間以内だと、非常にたくさん、ファクトを書き出すことができる、ということにびっくりしました。だれかが出したファクトのカードに関連する事実を、「これは別に重要じゃない」とおもっていたことでも、思い出せるんですね。たとえば、本がずらりと並んでいたのですが、その本が極めてきれいな状態を保っていたこと。これは特に意識して記憶しようとしたりメモしたりはしていないのですが、誰かが言った言葉に関連する事実として、出すことができます。1時間以内ならば、そういう重要・非重要の事実をざかざかと紙に落としていくことができます。これがダウンロードという作業です。

この作業は書き出す20分をすぎたあと40分から60分くらい行います。カードを出し合うだけじゃなく、そこで話あったり思い出してカードを増やしたりしますから。

最後にカードを3〜6枚くらいのグループにして、後で張り出しやすいようにたばべてカバンにしまいます。

遣っていることは、KJ法だったり、ヒアリング行為だったりディスカッションだったりします。しかし、実施のプロセスは非凡です。この作業は、これからきっと、意識的に行うだろうと思います。




keyword:ビジネスエスノグラフィー

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posted by 石井力重 at 04:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

ビジネスエスノグラフィーという手法

博報堂のイノベーションラボのチームが提供するビジネスエスノグラフィー研修はとても興味深いです。

全部の資料をご紹介したいくらいなのですが、それはコンテンツ保護の面から避けたいと思います。ですが、とても良い手法・良い研修なので、興味をもたれた方が来年の研修に参加されるときの検討材料になればという思いもあって、すこしだけ、印象に残った部分を書きたいと思います。

※私の解釈による記述には、間違いを含んでいる可能性があります。あらかじめご了承ください。


「エクストリーム・ユーザ(極端なユーザ)は、色濃く見せる。本来人間が持つ願望を」

「そのもっと薄まったものを、多くのユーザは持っている。つまり潜在的なニーズを」

「しかし一般のユーザは、エクストリーム・ユーザほどには、それについての手間や時間をかけないので、潜在的な願望は実現されないままでいる」

「そこに機会領域は見出される。その願望の本質を具現化する新カテゴリーを創造しよう」


きわめて、抽象表現です。ですが、私がこの手法の本質であると感じ取ったのはこんな感じのものでした。もちろん、この印象部分の前後には、それが必要とする前調査や分析からはじまった様々な作業があります。それは結構緻密であったり深い検討を必要であったりします。

それから、もうひとつ、この手法の興味深い所がありました。それは「エクストリームユーザをインタビューして、何に困っている?をたずねても、何も困っていない」という点です。従来の開発だとニーズを拾ってきますが、それはユーザは何に困っているかを聞いたり見つけたりする作業になります。しかしエクストリームユーザは、極端な使いこみ方をして、十分にしたいことを自分で達成しています。かれらのインタビュー結果を分析していて、はじめ「あれ?この人の調査ケースからは注目すべきニーズがない」「おかしいな、こっちの人もだ」という不思議な感覚でした。これは、従来の「ビジネスチャンスは、困っていることを聞き出すこと」であるという疑わない前提条件的な意識を、見直す出来事になりました。すごく興味深いと思います。

そんなとても学びと刺激に満ちた手法でした。この手法を用いて、創造ツールの開発をしてみたいなぁと、思ってみていました。



keyword:ビジネスエスノグラフィー

⇒ ビジネス・エスノグラフィー【まとめ】
posted by 石井力重 at 03:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

エクストリーム・ユーザの探し方

Extreme User(エクストリーム・ユーザ)という概念があります。IDEOのイノベーションのメソッドでも、キー概念のひとつとして挙げられています。

This is the IDEO Way
Five steps in the process of designing a better consumer experience
(businessweekの2004年記事)

そのビジネスウイークの中の説明によると、「Extreme User」は「people who really know―or know nothing」を意味します。

ビジネス・エスノグラフィー(英語ではbusiness ethnographyという表現なしないようです。あるいは、検索にかかるほどには一般的な言葉ではないようです)という手法は、参与観察を主軸とした商品開発のための観察手法として、さまざまにあったものを、IDEOのイノベーションのメソッドと博報堂のイノベーションラボのスタイルをもとに、博報堂の同ラボが手法として整備したものです(※この、石井の解釈には、誤りがあるかもしれません。その場合は、ご指摘ください)

さて、エクストリーム・ユーザはいかにして探すか。自分たちが調査したエクストリーム・ユーザは本当に、エクストリームユーザ足る人々であったのかをどう担保するのか。これについて、先日の研修で、検討を行いました。

体系的な方法といえないかもしれませんが、こういう方法で、探して列挙して、選び出すことはできるかもしれません。

1.極端な使い方をしている人を探す、紹介してもらう。

2.その人に、別の極端な使い方をしている人を紹介してもらう。

3.それを繰り返していく。

4.様々なタイプの極端な使い方をする人が見出せるが、似たものをカテゴリーにしていくと、ある人数にたっすると、新しいカテゴリーは見出されなくなり、だいたい既存のカテゴリーに当てはまるようになる。

<ある先生は、この現象を、理論飽和、と表現されました。詳細は検索しても見つけることができませんでしたで、言葉の紹介にとどめます>

5.各グループから、グループを代表する人物をピックアップして、観察対象となるエクストリーム・ユーザのリストとする。


あるいは、ユーザと接する人(たとえば、製品の売り子さん)にヒアリングして、極端なユーザのタイプを列挙していく、という方もうも考えられます。複数人からヒアリングして、統合すると、極端な人にもグループがあるとわかるでしょう。その後、そのグループにマッチする人を探し出す(たとえばレジ近くで、スカウトして調査協力を依頼する)ことができます。


聞きやすい人に聞いてみただけ、では、ビジネスエスノグラフィーの真価を発揮できません。エクストリーム・ユーザ探しをして、その調査対象者リストが、有効であることを、まず確保したいものです。

もっとも、事前調査段階で、エキスパートユーザへのインタビューを通じて、トレンド感や、切り込む視点をもっているはずですので、まったくの全方位的なエクストリームユーザ・リストである必要は必ずしもない、と思いますが。



keyword:ビジネスエスノグラフィー

⇒ ビジネス・エスノグラフィー【まとめ】
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博報堂・JMAの提供する研修に参加しています。

博報堂のイノベーションラボの方々が提供する研修に参加しています。とても興味深い、そして、実践的な研修です。

ビジネス・エスノグラフィー、という手法です。

エスノグラフィーは人類学者が異なる文化にはいり、自身も行為の実施者として観察する(参与観察する)方法です。学術向けの方には佐藤郁也先生の本などが素晴らしく参考になります。

これをビジネスで使うとういう手法です。博報堂やIDEOでその調査手法が使われています。

今ない商品を創造していくには、従来の大規模・定量の調査ではでてこないものがあり、それをあぶり出すにはどうするか。ということで、この手法が効果を発揮します。

くわしくは、今、書く時間がないのですが、また、レポートしたいと思います。



keyword:ビジネスエスノグラフィー

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気づきは仮説に過ぎず。だが表現すべし。(1)
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