2020年12月31日

年末考「蒸発した市場は、今までなかった場所に、新産業の雨を降らせる」

2020nenmatsu_.jpg

2020年を振り返ってみていました。
所感・雑感、心に浮かんでくることを、思うままに書き出してみます。

震災の「壮絶な悲惨→復興するのみ」という構図と違い、疫病は「いつがピークなのか、リスクはどこまで続くのか、が
流動的で、なんとも、次の打ち手の講じようがなく」難しいものです。
ネガティブベースでいえば、「最悪のケース」にも「いざとなったら、即座に対応できる柔軟性」を高めておくこと。持っておくこと。土台には「ずらしても失ってはいけない事業の本質を見出しておくこと」があってほしいと思います。
新しい環境でまずは、楽しんでみること。
その中で、できることを再定義していく。
やりたくないことは把握して、逸脱しない自己ルールを持つこと。
そんなことを、心のうちの舵切指針としてもって、進んできた気がします。


一年のうちの数カ月、「オンライン・ファースト」という未来の働き方を、社会の多くの人が経験しました。

誰もがカオスの中で、新しい社会の中を手探りで進んだり、とまったり、逆戻りしたり。
夏が過ぎ、秋ごろは、もう大丈夫なので昔に戻そう、というムードになったり。
それを時期尚早とみて組織内が分離していたり。
年末にかけて感染の急拡大でまた状況が変わったり。


震災の時も感じましたが、未来イメージというのは大きくゆっくりした変化の先に外挿されるイメージであり、昨年まで気配もなかった大インパクトな現象の発生時には、ほぼ見通しが達成されません。

その空席に、別の未来が座ります。

では、見通しや計画とは無力なのでしょうか?
いいえ。
計画という基準点があるから、軌道修正する際に、何をどれだけ変えるのか、という座標が具体的に定まります。
何がどれだけ違ったのかを振り返ることで、時には、興味深い発見も。


今年立てる年始の目標も、またズレ幅が大きいでしょう。

年始の時点でも、凄く不確定要因の多い年であることが分かっていますので、その分では去年よりは、カオスに備えられますが。
不確定要因は、コロナ。そして、ゆれるオリンピックイヤー、です。
もともと東京オリンピック2020は、20世紀型(超高コスト)オリンピックの最後の開催例、と目されていました。
一年スライド、というのは、かなり社会的にきついものがあり、今年の開催もまだ、危うい。この状況下で国際イベントを開催する判断がどう下されるのか、現時点では全く分かりません。


21世紀は都市型国家の時代、とも言われていました。しかし疫病の中では、都市と通勤→田舎リモート暮らしの流れも。


観光産業や飲食産業には「市場の蒸発」というほどの苛烈な市場変化も起こりましたが、一方で「マスク」「webカメラ」「日用品」「食材」「オンライン購入と配送」「オンライン会議サービス」が急伸しました。


自宅内消費経済に移行したことで、超大手の衣服ブランドの相次ぐ倒産。コロナ感染を嫌って病院に極力いかなくなったことで医療機関が常にすいているどころか、経営問題を抱えるほどに。


2021年が2020年に近いものだとすると、一年以上の事業制限をへて一気に事業者数が減る産業も出現しそうです。


蒸発した市場は、消滅するのではなく、形は全然違いますが、今までなかった場所に、新産業の雨を降らせます。
その市場をこれまで生み出していた「根源的な欲求」をよく見ること。その市場が蒸発しても、欲求は雲となり、今の社会に合った形で、地上に戻ります。

  • 贅沢の仕方がかわる。
  • 時間の使い方が変わる。
  • 体験の様式が変わる。
  • 人付き合いの在り方が変わる。
  • 生活の便利さの中身が変わる。
  • 直接会う、ということの貴重さが変わる。

未来の地点から見れば「当然、コロナが起きればここにビジネスが生まれるよね。どうして当時の人はそんな簡単なことに気づかなかったのだろう。」というものが、あるはずです。
新産業の雨が、どこに振っていくのかを、じっと目を凝らせて、見てゆきたいと思います。



(追記:大みそかの夕方、下り坂がブラックアイスバーンになっていて、気づかず激しく転倒して、右腕を痛めてしまいました。大きな厄落としだった、と思います。遠くばかり見ていないで、足元も気をつけよ。そういうメッセージかもしれませんね)

posted by 石井力重 at 16:00 | 日記、価値観、仙台オススメ

2020年12月25日

新刊の著者PRモードを、そろそろ通常運転に。(&そこから学びがありました)

最近の記事は、新刊関連ばかりでした。SNSでも書籍の著者として、全面展開していました。
新刊発売の二週間は、本を出してくれた出版社にも報いたいと思い、”自分らしくない行動である”と思いつつも、PRにいそしんでいました。

”自分らしさ”は、常に更新されるものです。
どういう体験も、まずやってみてから”自分らしくなかった”かどうかを、考えてもいいか、と思っています。
なので、新刊著者というポジションでしかできないことを、とにかくやってきました。

SNS、特にツイッターは、PRをたくさん書きました。
また、普段絶対にしない行動として、知らない方にコメントを書く(読んでくださった方に御礼コメントをする)ということもしてました。

いろんな書き方を実験していくうちに、自分の無意識な「枷」にも気づきました。
授業を担当している4つの大学の生徒さんがフォローしてくれているので、「常に公人であれ」と無意識に思っていたのです。

言いたいことを言わなくなっていたツイッター。
その状態を是認にし「最近の自分らしさ」を規定していたのでした。

この期間でいろんな書き方を試してみて至った心持ちは、「もうすこしばかばかしいことも言うぐらいが自分らしい・・・のかも」というものです。

WEB上に書いていくことは「読んで役に立つこと」と「石井の考え方・性格が会う前に感じてもらえるようなもの」がいいのかもしれないと思いました。

最後に、学びを書いて終わります:

らしくないことをしてみることにもメリットがある。無意識に出来上がっていた「枷」に気づける。「らしくなかった」と「ありだ」で自分バランスポイントがわかる。

(とはいえ、3カ月ぐらいは、新刊プロモーションの期間ですので、ギアを2段階くらい下げて、PRは続きます。その時期は、SNSなどで #すごいブレスト でご質問をいただけば、できるだけ回答をしてゆきますので、どうぞよろしくお願いします。)
posted by 石井力重 at 23:03 | 日記、価値観、仙台オススメ

2020年11月17日

セルフカットの初体験から9度目まで。

selfcut.jpg

久々に、このブログに私的な日記を書きます。

今書いている本の原稿が私の手元を離れました。
鏡をふと見ると、気づけば髪が伸び放題で、セルフカットをしました。
多分これが最後の自分でする散髪になりそうで、ここまでのことをまとめておこうと思います。

過去9回のセルフカットの日程はこんな感じでした。

Screenshot_20201117-105556.png


まず、セルフカットに移行する前に、1月中旬に、最後に理容室で散髪をしています。
出張先の銀座にある理容室なのですが、そこで切ってもらうと2~3カ月は髪型が崩れない切り方をしてくれる凄腕の人がきってくれます。

さて、3月中旬になると散髪を意識したものの、ちょうどこのあたりで、父が死去しました。
喪主として駆けつけて、散発のタイミングを逃し、そのまま社会全体が自粛に入り、床屋さんもいなくなりました。

春、髪がさすがに長くなりすぎました。

そこで、昔ひげを蓄えていた時に買っていたヒゲトリマー付きシェーバーを出してきてカットをしてみました。
それが4月11日です。
予定表にはカットをしたら、それをあとのために書き込んでおきました。
(そして今、こうして見ています)

第二回目以降は、大体3週間おきにカットをしています。
自然とその辺が切りたくなるころなんでしょう。

そして、第8回の後、原稿の追い込みでインターバルが1.5カ月間があって、今日、最後とするだろう9回目をしました。

初めは鏡の中の自分をカットするので、手が逆方向に動いてしまい、全然捗りませんでした。
その結果、襟足は左右バラバラに。前衛?というような仕上がりになりました。

しかし、3度目あたりから、頭が演算するようになり、鏡の中の自分の手が望むように動き出します。

2ブロックなら、境目が隠れるので結構、それなりに見えました。
しかし、長い部分はヒゲトリマーでは難しいので、こまっていました。
際ぞりの刃で、指でつまんだ毛束を切る、ということをしましたが、まあこれはひどい仕上がりで。

ただ、この時期は仕事がすべてがオンラインなので正面からみて問題なければOK、ということで、続けます。
整髪料で固めれば、まあ、それなりにみえますので。(見えていた、と思う。)

selfcut2.jpg

最後の二回は、「スキばさみ」を手に入れてのカットでした。
後頭部や頭頂部も、ザクザクと髪のボリュームを落とせます。
ただし、刃物を見えないところで動かすので、結構慎重さが要りました。

毎回、仕上がりを撮影してFBには挙げてみていたのですが、追い込みすぎる(手をかけすぎる)と大体失敗の仕上がりになる、という経験則を得ました。

今回は、途中でシェーバーの充電が切れたのでそこでやめたのですが、長くてうっとおしかったので、その反動で、ものすごくたくさんスキばさみを入れ、9回の中でもワースト1,2に入るひどい仕上がりになりました・・・。

「セルフカットの経験を積む」

コロナ状況下でなければできないことは、やっておこうと思い、セルフカットに、ややこだわって取り組んできましたが、そろそろ、意地を張るのをやめ、床屋さんに行こうと思います。

そろそろ、現地講義が増えてきましたので、無茶苦茶なカット(特に後頭部〜襟足)を皆さんに見せるわけにはいきませんので。

セルフカットで得た教訓。

1)いつでも思い立った日に散発できるのは、ストレス発散になる。
2)望む髪形を床屋さんに口で伝えなくてよい(セルフでは切りたいように切れる。変になるとしても)。
3)鏡の中の自分の腕を動かすのは当初無理に思えたけど、数回で脳回路が順応し始めて最後の方はスイスイでき、何事も3度目まではやめない方がいいなと気づく。


その他の気づき
1)カット代金の浮いた分で、ワイン1本飲める
2)はさみは意外と2000円台でセットで買えるし、物がしっかりしていた。
3)ドレッサーを二時間占拠するので、家族がみんないないか、いても娘たちが部屋で勉強しているような時間帯を選ばないといけない。
4)落ちた髪は、服は毛を払ってからコロコロして、頭はシャワーを浴びて、床は新聞紙三枚で、道具の洗浄はタオル1枚で、対処可能。意外と手間がない。
5)図画工作とか、粘土の床屋さんおもちゃみたいな、芸術やデザインの側面があり、楽しい。
6)スキばさみで、髪を「ざし、ざし、」と落としていくのは病みつきになる心地よさ。(10円ハゲみたいなところを作ってしまったのですが、それは夢中で楽しんだため。自制心のある人にはおこりません)
7)オンラインセミナーを流しながら紙を切ると、手間がかかってもじっくり手を動かせてよい。(ただし急に名指しされるようなセミナーだと焦ることはあります。)
8)一年近く、なじみの床屋さんに行っていない(最後に近所の床屋さんに行ったのは、2019年大晦日直前)ので、だんだん、行きにくく感じ始めた。
9)髪を切りたくなる自然な周期は三週間であったことに気づきいた。今までは「毎月のこと」という感覚があって、なんとなく一カ月に一度でかよっていたけれど、それは実は、自分にとっては、ちょっと切りたい時期を超えていたのだとわかった。

そんなところです。

最後の8は、一年行かないと、申し訳なくなってくるので、その意味でも、この辺でまた床屋さんに通い始めなくちゃ、と思っています。
また、9が分かったので、今後は、3週間に一度きりに行こうと思います。
ただし、床屋さんは一か月分の長さをきるもののようで、前に短い周期で通ったときはだんだん髪が短くなったので、それを踏まえ、三週間インターバルで通うよ、と言わないといけない、とも思います。

11か月間かけて、分かったことは、大体予想していたことですが、「自分が切りたいと思うのは平均三週間」ということに気づいた点は、コロナがなければ気づかない発見でした。

以上、久々の日記のブログでした。

posted by 石井力重 at 15:37 | 日記、価値観、仙台オススメ

2020年05月08日

オンライン・アート

Online_arts.png

今日は純粋に情報紹介です。

オンラインの芸術・美術が今後伸びそうです。
鑑賞を楽しむサイトとしては

Google Arts & Culture

がおすすめです。

個別の美術館のオンライン鑑賞も結構出てきましたが、現地語&独自UIで、手間の高さ、表示の乏しさ、開くまでの重さがネックで、あまり食指が動きませんでした。
Googleのこれは、その点、Googleらしい情報量です。

見ていて2点、思い浮かぶことがありました。

1)PCの四角画面、せいぜいA3程度しかない画面で美術品を鑑賞するのは、無理があります。
ゴーグル型のディスプレイが、そろそろ、市民権を得るのではないかと思います。

2)世界の街を旅して、行くのは主に次の4つです。
歴史的町並み、マーケット、バルや夜市、そして、Museum、です。
歴史、生活、飲食、文化。これらは、いろんなスタイルで、オンライン市場を形成するでしょう。
特に文化。リアルに匹敵する充分な鑑賞ができるなら、現地に行くことがかなわないなら、
オンラインの鑑賞(現地と同じ入場料〜20€とか)を払ってもいい人は相当数います。

オンラインファーストの美術作品も今後は出てくるだろうと思います。
virtual空間で制作され、virtual空間で人々が鑑賞する。
それは、きっと面白い「芸術の拡張」が起こるだろうと思います。

補足:

とはいえ、現地現物の良さも捨てがたいです。

現地に行くと、有名な絵画が「え、こんなに小さい作品だったの?」と思うことがあります。
肉眼で細部まで見るには絵に近づいてしげしげと眺めたくなります。
絵画を楽しむのは、結構体力が要ります。
私は小さい美術館・博物館でも数時間見ていますが、出てくるとへとへとです。
そういう体験が、よかったりします。

叫び.jpg

オスロにムンクの叫びを見に行きましたが、
足首と目が疲れた体で、輝く北欧の夏の日差しの中を宿まで歩いたな、とか、
そこにいったからにはフィヨルドも見に行こう、タラのトマト煮も食べよう、
という総合体験が記憶に刻まれます。

将来的には、リアルとvirtualの両方を鑑賞して、
作品の本当の鑑賞が完成する作品、なんていうのも出てくるかもしれません。

posted by 石井力重 at 10:20 | 日記、価値観、仙台オススメ

2020年05月03日

オンライン慶弔(StayHome)

今日は、千葉の実家で、父の49日法要がありました。

喪主なのですが、物理的には行かずに”参加”しました。
遺族の間で相当に議論しての実施です。

これから、葬式・法要がある方は、
「オンライン参列」も選択肢に
入るように、体験談を、公開します。

儀式、というのは、同時性が本質だと感じました。
平たく言えば、「大事なのは、思い」です。

行かずに参列、呼ばずに配信。
それでも、なにも損なわれません。

#StayHome

(他の方に参考になれば、と思います。
 これが、誰かかの何かを刺激してしまって、
 炎上になるようでしたら、すぐに消します。)


posted by 石井力重 at 19:59 | 日記、価値観、仙台オススメ

2019年08月27日

タイヤの交換できるキャリーバッグ(その2)「スワニー」

旅仕事の道具はかなり厳選しています。
腰を痛めて回復した300日のことを書きました。
それ以降も予防保全的に腰によい鞄がいいので、スワニーを使っています。
他のカバンにない利点が2つあります。

1)ハンドルが重心の真上にあるので押しやすい。
2)ハンドルに体重をかけても大丈夫なので腰が楽。

重心が真上はほんとにいいです。ほかのキャリーバッグは背面から出たハンドルなので、カバンが回転しようとするモーメントも人間がうちけすわけで、ひどい腰痛の人には結構負担です。

また昔から、どのキャリーにも体重をかけて使ってきましたがだいたい半年でハンドルがダメになります。ひっこまなくなるんです。スワニーはそれ用になっているのでそんなことが故障がなく快適。電車で揺れた時にもいい支えになります。

さて。

そのスワニーをヘビーに使っていたら、タイヤが左右に高速で振れるようになりました。腰がよくなってきたら歩行速度が上がり思い切り歩くとその振動が抵抗になるんです。

私の使っているのは、スワニーのスターツコラボバッグ、というやつですなのですが、WEBでその交換部品を見たら、タイヤが交換できる、と。
更にインチアップ(標準で60oタイヤ)も可能だとサポートセンターで聞いてわかりまして、75oを購入して、タイヤの換装をしてみました。


結論としては簡単でした。ドライバー一本で、できます。1タイヤあたり3ネジあるので、時間は少しかかりますが、組み立て家具を作る人なら造作もないでしょう。(むしろ作業はとても単純です)

スワニー_60oと75o.jpg

左が75mm。右が60o。結構違います。

スターツコラボのスワニーのタイヤをインチアップ.jpg

付け替えた印象。
このかばんは結構大きめなので、ほかのスワニーよりもタイヤの大きさがそんなに目立ちません。
機内持ち込みサイズ的に、大丈夫かなと思いましたが、問題なく。(写真は仙台空港搭乗ゲート前です)

付け替えてみて良かった点が3つ。

1)視覚障碍者用誘導ブロック(黄色い突起)を、スイっと超えられる(60oの時は、ハンドルで前輪を浮かさないと、ガツン、と乗り越える感じがしました)
2)早く歩いてもタイヤの転がり抵抗の負担を感じにくくなりました。
3)わずかに高くなり、押しやすくなりました。(このモデルは私には2センチほど理想より低かったのが1センチになった感じ)

付け替えた後に感じた違和感は2つ。

1)タイヤの直進性が高い感じがして、60oのころよりきちんと方向を変えてあげないといけない感じがしました(すぐ慣れました)
2)タイヤロックの時に前よりも倍ぐらい大きく動かさないといけませんでした(これも慣れました)

なお、交換した後は、左右の振動は起こりませんでした。交換したときに、4つともタイヤはボロボロだったので、ロックした状態で数十センチ引きずることが何度かありそれでタイヤの片べりなどを起こしていたのが原因だったのかもしれません。)

以上です。

スワニーのタイヤ交換は、WEBで見るだけだと、「このバッグにはどの交換部品つくのかな」と迷いますが、サポートセンターは丁寧に教えて下さるので確認して買えばあとは交換は結構簡単です。
なお、前にこのブログで紹介したフリークエンタ―のタイヤ交換よりも、素人的には楽です。あちらもかなり楽ですが、六角レンチ(同梱)で回す時、下手するとなめちゃいそうなんですよね。

スワニーは高齢の方が使っているイメージですが、私と同じような、腰の悪い40代の方にもいいと思います。

以上、旅仕事の道具の話でした。

━━━━━━━━━━

余談:

昨日から秋の旅仕事が始まりました。
今回は、連続で35泊、各地のホテル暮らしです。

次に仙台に戻ると、もう、秋の終わりで寒くなっているでしょう。

新しくなったタイヤも今年中には、交換がいるかもしれません。
旅する私には、カバンは死活問題で、いい鞄はほんとにありがたいです。

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posted by 石井力重 at 22:55 | 日記、価値観、仙台オススメ

2019年08月17日

300日の回復の記録

45歳の10月、出張先での講演の直前に、腰痛に見舞われました。
昔から腰痛もちしたのでこれも数日で治るものとおもっていました。

しかし違っていました。

ひどい腰痛になって、300日の回復の時間経て、ようやく依然と同じレベルになりました(※重い物は持ち上げず、常に腰の負荷のないきれいな姿勢でいるならば、という条件のものとで、ですが。)

自分の今後に役立てるために、その変遷を整理してみました。

回復過程を、フェイスブックの日々の記述から拾って、痛みの程度を主観尺度で、数値化しました。
以下のグラフのようになりました。(クリックで拡大)

Yotu_300Days.png

<<サマリ>>

グラフはかなりきれいに下降曲線をたどります。
およその傾向は「100日ごとに1/3になる」感じです。
100日目の数値は31。
200日目の数値は10。
300日目の数値は3。


<<腰痛発生の当日と前後一日>>

発生当日(10/5)は講演の直前でした。
痛いなっ、と思ったものの講演をしないわけにはいかず、痛みを我慢しつつ動き回り講演をして、夜中まで宴席に。

翌日(一日目とカウント)、朝起きると、痛みはひどくなっていて、カバンを引っ張って飛行機に乗り、仙台に戻る頃には、上半身の重さを何かに預けないと、痛みでカタカタ震えるような状態に。ここを「100」としました。

(発生時は「50」ぐらいでした。初動を間違えてなければ、50からの回復で済んだかもしれません。)

また、講演の前日は、飛行機移動と長時間打ち合わせがあり、腰に大きな負担をかけていて、痛みもそこそこありました。数値「10」ぐらい。

なお、昔から腰痛もちで、常に軽度の痛みがありました。数値で言うと「5」程度。なので、腰痛前日の痛み「10」は、そこそこ危険な水準にあったのだと思います。

<<正直なところ・・・>>

今だから正直に書きますが、最初の1〜2ヵ月は、絶望・諦観、という気持ちがありました。
腰の痛みで何も持てず、一日のほとんどの時間をベッドの上で過ごす。
寝ていても痛い。くしゃみをすると悶絶。
起き上がる時は激痛で歯を食いしばる。
風呂トイレ食事も最短時間で済ませたい。
そんな時期でした。

そして、その間にも出張して講義&ファシリテーションをしています。
できる限り演台から動かず、しがみついて、声もあまり大きく出せず、よろよろでも、とにかく登壇していたと思います。

この時期のグラフは、下降曲線を頻繁に外れた点があります。
出張するたびに、大幅に悪化してしまう、という感じでした。
まだ、杖もコルセットもないまま、登壇していました。

80日を過ぎたあたりからは、道具体制もでき、きれいに下がっていきます。


<<アイテム>>

回復の過程で、アイテムも様々に入手していきます。

最初から全部もっていれば、回復は早かったかもしれません。
実際には、心理ハードルがあって、さっさと使うことも難しいのですが。

その辺も含め、綴ってみます。


==杖==

「自分は、杖がいるほど腰が悪い」ということを認められず、杖なしで最も痛い時期を過ごしています。

一カ月たち、杖を突くことを、受け入れます。
杖を買うまではどこで売っているのかわからず、もたもたしていたのですが、旅道具を買っていたモンベルショップに軽量で機能性の高い杖があるとわかり、購入。

それ以降、買い替えながら、310日目まで、毎日使いました。

※なお、つき始めて5,6カ月のあたりに、肩が痛くなり水平よりも上がらなくなりました。50肩だという診断に。
今は、つき方の改善対処をして軽減されました。
杖を初めて常用すると、数カ月もすると肩を痛める、というのはやってみて初めて分かりました。

==コルセット==

整形外科に行っても、腰痛は治らなかった過去があり、今回診察を受けたのは60日目でした。そこでコルセットも入手。それでかなり楽になります。(シップと塗り薬も2か月ほど使いました。)

コルセットを一度つけると外せなくなる。
というのは腰痛の多い職場でよく聞く言葉ですが、そう思って敬遠していたのもあります。ですが、背に腹は代えられず。つけたら大幅に楽なんです。飛行機に乗るような長時間着座の日はコルセットはかなり良いです。

==スワニー(杖になるバッグ)==

旅行される高齢の方が駅や繁華街で押しているスワニー。このビジネスカバン版が、スターツコラボでちょうど出ていて、買いました。旅仕事の多い私は、キャリーバッグは書斎に大中小あわせて7つぐらいあり、機能性の追求もしてきました。その中で、スワニーにかえたのは、「腰が悪いのに、押して歩いても苦にならない」からです。
転がりの良さならフリークエンタ、軽量さならゼログラがあります。でも、ハンドルが重心の真上に来るように傾斜しているものはスワニーの他になく、また持ち手も広くて持ちやすいです。ほかのバッグはカバンをまっすぐ押すには幾分腰に負担がかかっていることに、今回気づきました。
キャリーからバッグを外せるので、ホテルで段ボールをフロントにもっていくときにも重宝します。
(できることなら、タイヤを、フリークエンタのものと換装できるといいのですが。また、178cmの私には、ハンドルがあと10センチ高い方がうれしいです。)
タイヤストッパーは電車の中で、かなり腰が楽です。それまでのカバンでは転がらないように手で押さえていたのですが、腰のねじれが起こりきつかったです。

==二本杖==

折りたたみのウォーキングポールを買いました。これだと、はや歩きの人と同じ速度で歩けます。滞在先の街や観光地を1キロ以上あるくなら、この杖があった方が、行動しやすいです。


==低周波治療器==

オムロンの4000円もしないようなものですが、かなりいいです。ある時ホテルの温泉で電気風呂にはいり、腰にビビビとやったら腰痛の鈍痛がおおきくへり、「あ、電気治療っていいんだ」と実感し、低周波治療器を買い求めました。前夜にこれをしておくと翌日の登壇がかなり楽に。

==スポンジクッション==

数カ月目で、持ち歩くように。列車の座席がよくない時に腰にクッションを入れ、骨盤を立てて、背骨をまっすぐにする場所にはさみます。それだけでだいぶ楽に。


以上が、回復の300日のアイテムでした。


<<他に特筆すること、2つ>>

腹筋と背筋を鍛える腰痛体操は、実際、重要です。
整形外科でもらえる冊子に詳しくはあります。
無理をしないような軽度なものです。
毎日やると徐々に腹筋背筋が付き、腰も楽になっていきました。

寒くなくても腰にホッカイロをつけておくのもよかったです。
特に座りっぱなしの日に、腰の落差が違います。
意外と、真夏の冷房の効きすぎる会議室なんかにも重宝します。


posted by 石井力重 at 04:27 | 日記、価値観、仙台オススメ

2017年02月09日

重要なのはマイナスのものから利益を得ること

”人生で最も重要なことは、プラスのものをうまく使いこなすことではない。
それは馬鹿にでもできる。
本当に重要なのはマイナスのものから利益を得ることだ。
それには頭がいる。
それが知恵のある者と愚か者とを分ける。”

デール・カーネギー
『原題:How To Stop Worrying And Start Living(邦題:悩まずに進め)』

この文章のくだりでは、こんなことが語られています。

ある時、がらがら蛇ばかりの使いようのない土地を所有してしまった人がいた。がっかりするかわりに、そこを使って、ガラガラヘビ農場(養蛇場、という意味だと思われます)を始めます。
そして、ガラガラヘビが医薬品企業に売れていきます。ガラガラヘビから薬ができるため。
最終的にその街は、ガラガラヘビの有名な観光地になっていき、地名にもなった、と。

プラスを高度に使い事も大変すばらしいと思いますが、それはさておき、重要なのはマイナスのものから利益を得ること、と言い切るあたり、気持ちいいです。(補足:正確には、この文章自体は、カーネギーが別の同時代の作家の言葉の引用として、用いていますが。)

マイナスが多くて使いようのない土地、欠点が多くて使いにくい素材、マイナス的要素を多く持つ組織、そうしたものをカバーして消し去る、かわりに、それをそのまま活かしてしまうことを、発想の視点としては、大事にしたいなぁと、アイデアの側に立つ私も思うのです。

余談です)

旅仕事の始まる前、急な仕事の増加で深夜仕事をして、いま、上がる寸前にこのブログを更新しています。
仕事というのは平均的にあらわれず、突発的にピークを迎えることが年に何度かあります。
それを何とかしよう、というのが、カバーする考え方ですが、そのまま活かすことで何か利益を得ることができないか、利益といっても貨幣的なものだけでなく、そのほかの何か、、、例えば、『突発的に仕事のピークが出現した時の処方箋』をメモしておいて、ある程度たまったら、それを編集して、一つの本にしてみる、とか。あるいは、例えば、『忙しい時に限って湧く、発想』がありますが、それをメモしておいて、アイデアストックを充実させる、というももありそうです。

忙しくなくなるようにする、のではない。
忙しいままであることを受け止め、そこから何か有益なものを引き出すせるはずだ。
そんなことを考えつつ、今日は、帰路を行こうと思います。
posted by 石井力重 at 02:45 | 日記、価値観、仙台オススメ



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