創造プロセスは
出典
「心理学ワールド」63号
(余談:
ロナルド・A.フィンケらの『創造的認知』の中に、興味深い実験データがあります。ここに掲げた図は、それをグラフにしてみたものです。
グラフのタイトル「妥当な要素より、意外な要素を用いると(実用性のあるアイデアの生成確率はやや減少するが)創造的アイデアを生成する確率は増加する」は、石井にて付けたものです。
実験事実として、異なるものの組み合わせはより創造的になる(確率が高い)と示されているのは、興味深いですね。
同著から、P74~75を引用
4.1.2 部品とカテゴリの制限 最初のいくつかの実験は、部品の風変わりな組合せを使ったり、結果として生じる物体の、型にはまらない解釈を強いられることによって、創造力が強化されるであろうという考えを検証した。これは各試行の始めに部品と物体カテゴリを自由に選べるか、無作為選択で指定されるかを変えることによって実現された。興味を引く条件は三つあった:(1)カテゴリは無作為で部品は選んでよい、(2)カテゴリが選択され部品は無作為、そして(3)カテゴリと部品の両方が無作為選択の場合。(論理的にはカテゴリと部品の両方が自由に選択できるもう一つの条件が存在するが、それでは制約があまりに無意味なものになってしまうので含めなかった。)それぞれの実験参加者は六つの試行に参加し、条件ごとに60名を用いた。 主要な結果は、課題の制約が大きくなるにつれ創造的発明の相対的な数が際立って増えることであった(表4.2)。特に、部隊の部品と解釈用のカテゴリの両方が試行の始めに無作為に特定されたとき、最も多くの創造的発明が得られた。これは、可能な物体とその用法について型にはまらないやり方で考えることを強いられると、創造的発明を生成する確率が増加することを示唆している。 最も成績の良い、部品とカテゴリの両方をランダムに指定する条件下では、参加者は全試行の48.6%において実用的な発明を思い付き、13.6%において創造的は発明をした。参加者は創造的になるようにとの教示は全くうけなかったこと、創造的能力について前もって選抜されたのではないこと、また課題の実行にたった2分間しか与えられなかったことを考慮すると、これは注目すべきことである。 出典:Finke(1990) 注:分類は1080の試行に基づいており、それぞれの条件に360試行が割り当てられた。「創造的」発明は実用的な発明の中で独創的と判定されたものである。 |
「自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、
愚直に、真面目に
自分たちの頭できちんと考え抜き、
情熱をもって取り組んでいる企業」
目次
序章 優秀企業はいかなる特質を有しているのか
優秀企業の「形」と「本質」
第一の条件 分からないことは分けること
第二の条件 自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
第三の条件 客観的に眺め不合理な点を見つけられること
第四の条件 危機を持って企業のチャンスに転化すること
第五の条件 身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること
第六の条件 世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいる
終章 私たちが輝いていた原点へ
P14「本当に優良な成果を上げている企業は、どのような特質を持っているのか。うまくいっていない企業との違いは何か。こういった点を明らかにすれば、閉塞感に包まれた日本企業の新たな発展の道筋もおのずと見出せるのではないか」
P16調査方法と留意点「優秀企業を抽出して、そこに共通的に見出せて、しかも、そうでない企業に見出せない特徴を探したい。」
P16「中長期で見ると、一貫して波のない状態でよい成果が持続する企業はほとんどない。そこで、同業種の平均的な企業と比較して、相対的に、良い時期には良い成果をしめし、悪い時期にもさほどデータが悪くならない企業を探した」
「自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、
愚直に、真面目に
自分たちの頭できちんと考え抜き、
情熱をもって取り組んでいる企業」