初めて目にしたもの。人間の認知の特性上、それが何であるのか、どういう意味を持つのか、を理解するまでに、それを手でもてあそんでみたり、いじり回してみたりして、基本的な要素や意味性・構造を理解します。
手にとって触れること−tangible(タンジブル)−は、新しいアイテムの理解にとって非常に重要なようです。
ところでソフトウエア、あるいはPCやネットの中の世界について。これは人はごく初期の段階で、とまどいます。右上のところを押して、とか、○○キーをおしてこうして、といったことを「物理的な認知」をとおして、PC内の仮想世界を、擬似的な物理世界へと再構築しているようです。
その階段をのぼっていると、ソフトウエアの新しいのに触れたときにも、その「擬似タンジブル」ができているので、比較的早く慣れます。
PC初心者が高度なソフトの中の概念についていけないのは、そうした、PCと物理的な実際の世界をつなぐ最初の端がないため、擬似タンジブルが出来ないため、では無いでしょうか。
PCをずっと触っていると持ちはじめるある種の感性、感覚。対象ソフトをぐりぐりと動かしている感じ。(多分マウスやタッチパッドの物理的動作も寄与していると思います)。
PCになれた人でも操作感がおおきくことなるソフトでは随分とまどいます。極端な例としては、数年前におばがかった「ワープロ専用機」というもの。それは独自のOSがあり、キーボードと専用ボタンがいくつも。一見PC風ですが、操作がことごとくPCと違うので、ずいぶんとまどいました。慣れるまでが大変だなぁとおもいました。自分のPCなら直ぐに出来る作業も、それでは2時間かけても出来ませんでした。
これが、タンジブルなものだと大分違うようです。異なる道具でも触っていると「ああ、なるほど」といった感じに比較的早く理解がヒットします。
そこで、tangibleとソフトウエアの橋、という考え方です。本来タンジブルなはずのモノがタンジブルでないケースが増えています。その逆もあって良いとおもいます。玩具、とは本来、tangibleとfunとtoolの3要素がありますが、最近はこのタンジブルがない玩具が増えつつある。デジタルな玩具です。仮想世界でぐりぐりとうごかす感覚が育っているんですね。さて、ではその逆、にヒントを得ると次の可能性が考えられます。
「ソフトウエア修得専用アイテム」
ソフトウエアの世界でぐりぐりと動かす感覚。それをPCに慣れていない人の中に育てるために、ソフトウエアの世界観に近い動きをもったアイテムをソフトウエアに同梱する、というスタイル。具体的にどういう形をしているといいのか、わかりませんが、ある種の基本動作が実際にそのアイテムでアナログの上で行えて、それをもとに、仮想世界内の理解を深める。というアイテムが考えれます。
例えばセカンドライフ。仮想世界の中の操作に疎い人に。操作パネルをプラスチックでつくり、ボタンを押したりダイヤルをひねったりする何か構造をもつ。実際には、それがコントロールする必要は無くて、ただもモックアップでいいのではないかと思います。
先にあげたワープロ専用機ならば、特殊な操作メニュフォルダーの形状を、真似した展開ファイルフォルダーを、実際に紙やビニールでつくって同封しておく、それだけかなり理解が進むと思います。
これからは高度なソフトウエアには、プラスチックで出来たら、「擬似tangible促進アイテム」が入っている時代になるのではないか、ふとそんなことを思いました。
2008年01月21日
2008年01月19日
芸術を感じる心
ある先生のお話で聞いたことです。抽象性の高いある絵を被験者に見せてその視線移動をみると、初めは絵の中にある「目」に視線が行くそうです。人間は目に視線をおきやすいのだそうです。そしてしばらくしてから、その複数の目と目の間を視線が行ったりきたりします。そしてその作業が終わるくらいになると、その絵画の意味が汲み取れる、何を意味しているかを感じ取る、そうです。
先生いわくこれを
「要素の抽出」
「関係性の理解」
という2段階だと。
これは、以前書いたモデル化の基本とよくあっています。人間が意味性を理解することとそのシステムの構造やメカニズムの理解には近いものがあるようです。
感じる心、とは不思議なものですね。誰にでもあるけれど、捉えようとするとたちどころに雲のように消えてしまうもの。しかし、その本質には上記のようなモノがあるようです。
■
続きを読む
先生いわくこれを
「要素の抽出」
「関係性の理解」
という2段階だと。
これは、以前書いたモデル化の基本とよくあっています。人間が意味性を理解することとそのシステムの構造やメカニズムの理解には近いものがあるようです。
感じる心、とは不思議なものですね。誰にでもあるけれど、捉えようとするとたちどころに雲のように消えてしまうもの。しかし、その本質には上記のようなモノがあるようです。
■
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2008年01月18日
カード化の効用
あるコンソーシアムに参加したときのことです。興味深い事例が次々出されたのですが、ブレスター開発者の視点で注目した話がありました。
ある講演者の方が、組織の構成員メンバーとともに発想を拡げるゲームをされているお話をされました。初めにカード(そこには予測された先端技術が書かれている)を引かせて自分の戦略の材料にさせている、という点です。
それから足りないカードは、自分で生成してもいい、という点がさらに面白い点でした。
このカード化されたケースは私に様々なヒントを与えてくれました。
ヒント1
たとえば、未来予測の資料として、技術版であれば経済産業省のロードマップがあります。社会全般についてであれば、生活総研の未来年表があります。これらはどれも優れていてそこには未来を見越した戦略を立案するためにヒントとなる情報があふれています。それは誰もがアクセスできるWEBに公開されています。しかし一部の人が利用するにとどまっています。ロードマップについては冊子も発行されています。WEBにアクセスすることなく情報が閲覧できます。しかし、それが有効に活用されているのは一部のようです。私も内部でアイデア出しをする際に利用しています。参加者に、印刷した参考資料を発想の材料として閲覧してもらうことがあるのですが、余り有効には効果を発揮していません。これらが、カードであったらどうだろう、と思いました。
2013年
○○が
□□に
なる。
あるいは
2018年
○○技術が
実用化され
□□な課題に
対応できる。
といったシンプルなカードがあってそれらをさささとめくるならば、大分違うでしょう。
ヒント2
ブレスターの母艦となるアイデアボードを開発していたとき(一年前)のことです。ブレスターの発想トリガーカードであるTOIカードには、もともと英語の48の問いかけリストが存在していました。初めはそれを翻訳し、リストにしました。そしてそれを使って発想していました。しかし、どうも全部を試すのは時間がかかるし集中力が保てない。なにせ48もありますから。それから、どこまで見たか分からなくなります、途中で発想作業が深まり始めると。そこでカード型にしたいとおもいました。なぜそう感じたのかは正確には思い出せません。しかし、カードにしてみました。極簡単なものです。ラベルにその問いかけフレーズを印刷して、それを100円ショップのトランプに張りました。たったそれだけ。そしてそれを使って発想をしてみました。するとハッとしました。「出会い頭の発想トリガー効果」とでもいうべきか、あるいは、「視界に入るものが単一な状態の印象効果」とでもいうべきものがありました。
簡単に言えば、「本のページに書き連ねられた文章」を変えて「一ページに一行しか書かない本」にしたような感覚です。本をめくって、ぱっと開いて、たった一行”○○がただ好きだった”と書いてあったら、ハッとしませんか。たまに本の一ページ目に、そういう表現をみかけます。あれです。
カードに戻りますが、一カードに2文ずつ乗せてみたものもあるのですが、格段に「発想トリガー効果」が無いんですね。まず読み取り2つの文があることを理解する。それから一つずつ、発想にヒントとなるか考えてみる。そんな作業になります。これが一文だと、見た瞬間に「発想のヒント」として目に飛び込んできます。このちょっとした差はインスピレーションにとってとても重要のようだ、と感じました。
ヒント3
情報に、感触の記憶を持たせる。ということ。情報を得たときに、それを体感記憶として残せるとそれが右脳的(図形的、イメージ的)なものとして残る気がします。例です。あるブロックをかってみた。すごくかどのアールがきれいにでている。さわるとつるつるで、手の暖かさが直ぐに伝わる。写り込む蛍光灯の光の列。そんなものを体感したときに覚えている記憶。一方それがない記憶、例えばビデオで見せられたもの、写真や文字説明など。それらの間には大きな認知上の差がありそうです。カード化した情報には「感触」があります。カードの角を無意識のうちにしごき、ぴちぴちはじいたりして、手の持つぬくもりや紙の曲げなどを手になじませます。そうした手でもって触れること(タンジブル)なことは、情報をより馴染み深い記憶にとどめる、野ではないかと思います。
ヒント4
『アイデア会議』にでてくることに「アイデアを紙に書く」ということがあります。発言者とアイデアを切り離し客観的に評価、選択できやすくする効果があると。これはとても重要だと思います。それでそれは、カード化の効用と一部関係がありそうです。
カード化がもたらす効能は、昔から人々が気がついていたものがあるだろうとおもいます。発想トリガーとして私なりに気付きを書いてみました。これについてはもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
ある講演者の方が、組織の構成員メンバーとともに発想を拡げるゲームをされているお話をされました。初めにカード(そこには予測された先端技術が書かれている)を引かせて自分の戦略の材料にさせている、という点です。
それから足りないカードは、自分で生成してもいい、という点がさらに面白い点でした。
このカード化されたケースは私に様々なヒントを与えてくれました。
ヒント1
たとえば、未来予測の資料として、技術版であれば経済産業省のロードマップがあります。社会全般についてであれば、生活総研の未来年表があります。これらはどれも優れていてそこには未来を見越した戦略を立案するためにヒントとなる情報があふれています。それは誰もがアクセスできるWEBに公開されています。しかし一部の人が利用するにとどまっています。ロードマップについては冊子も発行されています。WEBにアクセスすることなく情報が閲覧できます。しかし、それが有効に活用されているのは一部のようです。私も内部でアイデア出しをする際に利用しています。参加者に、印刷した参考資料を発想の材料として閲覧してもらうことがあるのですが、余り有効には効果を発揮していません。これらが、カードであったらどうだろう、と思いました。
2013年
○○が
□□に
なる。
あるいは
2018年
○○技術が
実用化され
□□な課題に
対応できる。
といったシンプルなカードがあってそれらをさささとめくるならば、大分違うでしょう。
ヒント2
ブレスターの母艦となるアイデアボードを開発していたとき(一年前)のことです。ブレスターの発想トリガーカードであるTOIカードには、もともと英語の48の問いかけリストが存在していました。初めはそれを翻訳し、リストにしました。そしてそれを使って発想していました。しかし、どうも全部を試すのは時間がかかるし集中力が保てない。なにせ48もありますから。それから、どこまで見たか分からなくなります、途中で発想作業が深まり始めると。そこでカード型にしたいとおもいました。なぜそう感じたのかは正確には思い出せません。しかし、カードにしてみました。極簡単なものです。ラベルにその問いかけフレーズを印刷して、それを100円ショップのトランプに張りました。たったそれだけ。そしてそれを使って発想をしてみました。するとハッとしました。「出会い頭の発想トリガー効果」とでもいうべきか、あるいは、「視界に入るものが単一な状態の印象効果」とでもいうべきものがありました。
簡単に言えば、「本のページに書き連ねられた文章」を変えて「一ページに一行しか書かない本」にしたような感覚です。本をめくって、ぱっと開いて、たった一行”○○がただ好きだった”と書いてあったら、ハッとしませんか。たまに本の一ページ目に、そういう表現をみかけます。あれです。
カードに戻りますが、一カードに2文ずつ乗せてみたものもあるのですが、格段に「発想トリガー効果」が無いんですね。まず読み取り2つの文があることを理解する。それから一つずつ、発想にヒントとなるか考えてみる。そんな作業になります。これが一文だと、見た瞬間に「発想のヒント」として目に飛び込んできます。このちょっとした差はインスピレーションにとってとても重要のようだ、と感じました。
ヒント3
情報に、感触の記憶を持たせる。ということ。情報を得たときに、それを体感記憶として残せるとそれが右脳的(図形的、イメージ的)なものとして残る気がします。例です。あるブロックをかってみた。すごくかどのアールがきれいにでている。さわるとつるつるで、手の暖かさが直ぐに伝わる。写り込む蛍光灯の光の列。そんなものを体感したときに覚えている記憶。一方それがない記憶、例えばビデオで見せられたもの、写真や文字説明など。それらの間には大きな認知上の差がありそうです。カード化した情報には「感触」があります。カードの角を無意識のうちにしごき、ぴちぴちはじいたりして、手の持つぬくもりや紙の曲げなどを手になじませます。そうした手でもって触れること(タンジブル)なことは、情報をより馴染み深い記憶にとどめる、野ではないかと思います。
ヒント4
『アイデア会議』にでてくることに「アイデアを紙に書く」ということがあります。発言者とアイデアを切り離し客観的に評価、選択できやすくする効果があると。これはとても重要だと思います。それでそれは、カード化の効用と一部関係がありそうです。
カード化がもたらす効能は、昔から人々が気がついていたものがあるだろうとおもいます。発想トリガーとして私なりに気付きを書いてみました。これについてはもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
2007年12月29日
要素を取り出して掛け合わせる発想作業について考察。
発想の技法のいくつかに共通した発想のやり方があります。エクスカーションとよばれる方法です。おもにシネクティクスなどで用いられています。
たとえば、ある粉末状の新材料があった。これをどんな用途にむけて使う商売をしようか、と考えるケースにおいて、こんな風に考えます。
その素材の新しい効能から用途アイデアをブレスト。
しばらくすると、出し尽くして、もうだれもアイデアがでない。
そこから、エクスカーション、という方法に入ります。
「ある動物」たとえば、「カエル」ときめて、
カエルを皆で思い浮かべます。
カエルが持っている特性、特徴、動きなどを、思いつく限りあげていきます。
ポストイットにかいて、ボードに張っていきます。
例えば・・・
・ゲロゲロなく ・ジャンプする ・ぬるぬるする ・緑色
・泳ぐ ・ベロが伸びる ・卵を産む
などなど。
そして、このカード(ポストイット)の内容と、新素材を掛け合わせて何か発想できないか?と問いかけます。
すると結構でます。
例えば・・・
・その素材、ふみつけた音が出るよう加工する。新しいタイプの泣き砂に。
・その素材に炭酸ガスを吸わせて、温度によって噴出させることで、振動する素材として、何かに利用する。
などなど。
不思議だなぁ、とおもうのは、アイデアが出尽くした、と先ほどおもったのに、このカエルの特徴との掛け算を行うとまた大量にアイデアが出ます。さらにそのアイデアを変えたり、逆にしたりすることで、カエルと関係しない要素でアイデア出たりします。
これは、不思議だと思います。
さっき、アイデアを出しつくした、とおもったときに、皆がカエルという動物を全く知らない、ならば、この状況も分かる気がするのですが、そうではない。カエルの属性なんて大体皆が知っているわけです。自分が出したカエルの属性をもとに、自分で先まで気がつかなかったアイデアを広げる。これはなんなんでしょうね。
(この作業は、一人でやっても出来ます。
たとえば、ポケディアのイデアミキサー、でも同じくテンプレートを自分で作れます。
参考 人太郎 第3話 人太郎 第4話 )
※マンダラートを使うと、紙とペンでかなり「要素」を見つけられます。
このプロセスを転用すると、アイデアのチェックリストとか、何かのデータ集がなかったとしても、机の上に紙とペンがあれば、かなりアイデアを出せます。
思考実験的に展開してみます。それは何をしている行為なのか。と後で見るために。
たとえば、机と椅子と、紙とペンだけがある小部屋。テレビも窓もない。
ここで、「新しいコップの企画案を100個出せ」といわれたら、どうするか。
まず、出るだけ出してみます。
次に、発想の引き出し、つまり材料を机の上にとってきます。とってくるといっても、頭の中に覚えていることを、ですが。
コップと関係ないモノ(生物、物体、無形の何か)を20ほどリスアップします。
たとえば、
・コアラ ・きつね ・さる ・ツチノコ ・龍 ・・・
・くるま ・足つぼふみ ・テレビ ・バイク ・ソファー ・・・
・クラッシック音楽 ・演劇 ・南国の風 ・雨の匂い ・虹・・・
次に、それらを特徴(特徴、特製、動き、独特な要素)分解します。
・コアラ⇒ つめ、けがわ、ころんとしたハナ、お菓子、ユーカリ
・足つぼふみ⇒ とっき、ぐるぐるまわるパーツ、・・・
・演劇⇒ おしゃれ、高い歌声、証明、暗転、・・・
そして、それらの要素合計が100を超えたところで、
コップと掛け合わせてる発想をします。
コップ×つめ⇒ つめがついていて柱に取り付けられるコップ
コップ×とっき⇒ 握りがつぼしげきになってて、リラックス効果倍増マグ
コップ×おしゃれ⇒ 着せ替えマグ、電子レンジで熱すると、絵柄が変わる、とか。マグネットでなぞると釉薬の内側表面に絵が描ける、とか。
こうして、時間が半日あれば、マグのアイデアを100個出せます。
さて、これはどういうことなんでしょうね。
この「関係ないところから要素を引っ張り出してくる」作業をしないでも発想は出来ます。ただ、仮にそれで出尽くした後に、こういう作業をしても、膨大に出せる。その掛け算に使うべき要素は、全て自分の頭の仲にあったはずなのに。
物事を多面的に見る、多面的に可能性を考える、ということは難しい、と専門家の方はいいます。たしかにそうですね。多面的に見ることを人は教えにくい。
興味があります、、、
・人間はなぜ多面的に考えることが難しいのか。
・多面的に見るとはどういうことなのか。
それから、
・多面的な視野を誰もが簡単に持てるようになるには、どうすればいいのか。
最後の問いは、空間的なものならば、比較的らくだと思います。
空間は次元が3次元。なので、前から見て、後ろからみて、上からみて、下から見て、右から見て、左からみる。たとえば素晴らしい造作物ならそうやって、全面から眺めます。あとは中をのぞいてみる、あるいは、回転状態で本質的な意味があるもの(風車とかコマ)ならば、軸回転動作をさせてみる。だいたいこのくらいになります。
ところが、空間だけではなく意味空間のようなものは様々な次元を持ちます。対象物も「人間同士の関係性」だったり「ある種の現象の因果関係」だったりと、手に取れないもの。どういう状況下でも、充分な多面的視点をもつために、必要な観点リスト、といったモノがないのだろうか、と疑問は展開します。
もし、そのリストが出来れば、上に書いた方法は、もっと簡単になるかもしれません。
コップの新商品を考える。
何か思いつくモノを上げる。
観点リストを一つずつおっていく。
アイデアが出る。
なお、SCAMPERが若干性格が似ているかも知れません。でも十分ではないですね。
これに似たものがあります。アイウエオ検索。
しりとりをしていて、もう思いつかないときがあります。
”て”からはじまる言葉は・・・・、と。
その時には
”てX”のX(エックス)に、あ・い・う・・・と入れていきます
てあ・・・?手合い?てあ、、、う〜んパス。
てい・・・?丁寧、低調、定義、ていの後はありそうだな。
⇒そうなったら、ていY、でYをあいうえお検索
てう・・・?てう、、、はないな。
といった感じです。
すると意外と単語が出てきます。さっきは思いつかない、とおもったのに。
この「要素を取り出して掛け合わせる発想作業」というのは、脳が考えやすい方法なんだろうと思います。でもなんでなんでしょうね。
たとえば、ある粉末状の新材料があった。これをどんな用途にむけて使う商売をしようか、と考えるケースにおいて、こんな風に考えます。
その素材の新しい効能から用途アイデアをブレスト。
しばらくすると、出し尽くして、もうだれもアイデアがでない。
そこから、エクスカーション、という方法に入ります。
「ある動物」たとえば、「カエル」ときめて、
カエルを皆で思い浮かべます。
カエルが持っている特性、特徴、動きなどを、思いつく限りあげていきます。
ポストイットにかいて、ボードに張っていきます。
例えば・・・
・ゲロゲロなく ・ジャンプする ・ぬるぬるする ・緑色
・泳ぐ ・ベロが伸びる ・卵を産む
などなど。
そして、このカード(ポストイット)の内容と、新素材を掛け合わせて何か発想できないか?と問いかけます。
すると結構でます。
例えば・・・
・その素材、ふみつけた音が出るよう加工する。新しいタイプの泣き砂に。
・その素材に炭酸ガスを吸わせて、温度によって噴出させることで、振動する素材として、何かに利用する。
などなど。
不思議だなぁ、とおもうのは、アイデアが出尽くした、と先ほどおもったのに、このカエルの特徴との掛け算を行うとまた大量にアイデアが出ます。さらにそのアイデアを変えたり、逆にしたりすることで、カエルと関係しない要素でアイデア出たりします。
これは、不思議だと思います。
さっき、アイデアを出しつくした、とおもったときに、皆がカエルという動物を全く知らない、ならば、この状況も分かる気がするのですが、そうではない。カエルの属性なんて大体皆が知っているわけです。自分が出したカエルの属性をもとに、自分で先まで気がつかなかったアイデアを広げる。これはなんなんでしょうね。
(この作業は、一人でやっても出来ます。
たとえば、ポケディアのイデアミキサー、でも同じくテンプレートを自分で作れます。
参考 人太郎 第3話 人太郎 第4話 )
※マンダラートを使うと、紙とペンでかなり「要素」を見つけられます。
このプロセスを転用すると、アイデアのチェックリストとか、何かのデータ集がなかったとしても、机の上に紙とペンがあれば、かなりアイデアを出せます。
思考実験的に展開してみます。それは何をしている行為なのか。と後で見るために。
たとえば、机と椅子と、紙とペンだけがある小部屋。テレビも窓もない。
ここで、「新しいコップの企画案を100個出せ」といわれたら、どうするか。
まず、出るだけ出してみます。
次に、発想の引き出し、つまり材料を机の上にとってきます。とってくるといっても、頭の中に覚えていることを、ですが。
コップと関係ないモノ(生物、物体、無形の何か)を20ほどリスアップします。
たとえば、
・コアラ ・きつね ・さる ・ツチノコ ・龍 ・・・
・くるま ・足つぼふみ ・テレビ ・バイク ・ソファー ・・・
・クラッシック音楽 ・演劇 ・南国の風 ・雨の匂い ・虹・・・
次に、それらを特徴(特徴、特製、動き、独特な要素)分解します。
・コアラ⇒ つめ、けがわ、ころんとしたハナ、お菓子、ユーカリ
・足つぼふみ⇒ とっき、ぐるぐるまわるパーツ、・・・
・演劇⇒ おしゃれ、高い歌声、証明、暗転、・・・
そして、それらの要素合計が100を超えたところで、
コップと掛け合わせてる発想をします。
コップ×つめ⇒ つめがついていて柱に取り付けられるコップ
コップ×とっき⇒ 握りがつぼしげきになってて、リラックス効果倍増マグ
コップ×おしゃれ⇒ 着せ替えマグ、電子レンジで熱すると、絵柄が変わる、とか。マグネットでなぞると釉薬の内側表面に絵が描ける、とか。
こうして、時間が半日あれば、マグのアイデアを100個出せます。
さて、これはどういうことなんでしょうね。
この「関係ないところから要素を引っ張り出してくる」作業をしないでも発想は出来ます。ただ、仮にそれで出尽くした後に、こういう作業をしても、膨大に出せる。その掛け算に使うべき要素は、全て自分の頭の仲にあったはずなのに。
物事を多面的に見る、多面的に可能性を考える、ということは難しい、と専門家の方はいいます。たしかにそうですね。多面的に見ることを人は教えにくい。
興味があります、、、
・人間はなぜ多面的に考えることが難しいのか。
・多面的に見るとはどういうことなのか。
それから、
・多面的な視野を誰もが簡単に持てるようになるには、どうすればいいのか。
最後の問いは、空間的なものならば、比較的らくだと思います。
空間は次元が3次元。なので、前から見て、後ろからみて、上からみて、下から見て、右から見て、左からみる。たとえば素晴らしい造作物ならそうやって、全面から眺めます。あとは中をのぞいてみる、あるいは、回転状態で本質的な意味があるもの(風車とかコマ)ならば、軸回転動作をさせてみる。だいたいこのくらいになります。
ところが、空間だけではなく意味空間のようなものは様々な次元を持ちます。対象物も「人間同士の関係性」だったり「ある種の現象の因果関係」だったりと、手に取れないもの。どういう状況下でも、充分な多面的視点をもつために、必要な観点リスト、といったモノがないのだろうか、と疑問は展開します。
もし、そのリストが出来れば、上に書いた方法は、もっと簡単になるかもしれません。
コップの新商品を考える。
何か思いつくモノを上げる。
観点リストを一つずつおっていく。
アイデアが出る。
なお、SCAMPERが若干性格が似ているかも知れません。でも十分ではないですね。
これに似たものがあります。アイウエオ検索。
しりとりをしていて、もう思いつかないときがあります。
”て”からはじまる言葉は・・・・、と。
その時には
”てX”のX(エックス)に、あ・い・う・・・と入れていきます
てあ・・・?手合い?てあ、、、う〜んパス。
てい・・・?丁寧、低調、定義、ていの後はありそうだな。
⇒そうなったら、ていY、でYをあいうえお検索
てう・・・?てう、、、はないな。
といった感じです。
すると意外と単語が出てきます。さっきは思いつかない、とおもったのに。
この「要素を取り出して掛け合わせる発想作業」というのは、脳が考えやすい方法なんだろうと思います。でもなんでなんでしょうね。
2007年12月21日
具体的な例を3つ見せてもらう。
優れた起業家や、リーダを見ていると、「新規分野の判断能力化(※1)」に共通することがあります。
彼らに共通すること、それは、飛び込んだごく初期の段階で、具体的な事例を精力的に見て回る、ということです。そして初めは謙虚に広く業界を回り「猫をかぶっていた」のかと、驚くほどある時点からはきびすを返したかのように、躍進劇が始まります。(武道でいえば、静から一挙に動に転じるような、試合運び。)
これは、ゲームに参加したときにも見られます。目にしたことの無い新しいゲームに取り組むとき、基本的な打ち手を試してみて、何が起きるか、実際に体験します。ここで奇策や例外的な打ち手はまだ試しません。最初に基本を踏みます。そして、およそ「こうしたら、こうなる」といった基本パターンをつかんだら、飲み込みも早く、次々とせめて行きます。
この静→動、のタイミングを一体いつにするか、ということがその人の仕事の適応性に関係しています。
学者的なひとは、かなり長い期間、その「静」で観察します。およそ例外にあたるものまで含めて、把握して、それから「動」に転じます。一般に仕事の要領が悪いと判断されがちです。しかし、次に類似の仕事を任せた場合に、仕事の処理速度がかなり早い。これは基本をマスターしているからです。
一方で、場当たり的なひとは、その事例にだけ適用できる解決策を直ぐに見出して、仕事を完了します。要領がいいと評価されます。しかし、類似のケースに基本パターンを適用することはないので、類似の仕事が多く来る場合、学者的なひとのやり方に負けることもあります。
優れた起業家やビジネスリーダは、その最適点を行きます。つまりこうです。
学者的に100点を取ろうとすると、一品モノの仕事の時には、時間が借りすぎる。場当たり的にそのケース限りの解決を行うと、応用力がつかなさ過ぎる。なので起業家は、優れた3つくらい事例をみて、それを元に判断基準や極少数の基本パターンをつくり、小さく動き、順次微調整し、確信を早い段階でつかむ」ということをしています。
以上、まとめます。
「新規分野の判断能力化」を早く行うには、
「具体的な例を3つ、素早く見て基準を作る」ことが近道のようです。
※1「新規分野の判断能力化」とは
(注:ここで初めて定義します。)新規分野に飛び込んだビジネスリーダは、初めは分野の中を探索し発見し理解する。そして仮説をもとに小さく行動し行動を微修正していく。次第に、大きなアクションを起すようになる。そのころになると、彼らは、業界内の平均以上の判断能力を身に着けている。その状態を、その分野における判断の能力がついた状態「新規分野の判断能力化」と定義します。
彼らに共通すること、それは、飛び込んだごく初期の段階で、具体的な事例を精力的に見て回る、ということです。そして初めは謙虚に広く業界を回り「猫をかぶっていた」のかと、驚くほどある時点からはきびすを返したかのように、躍進劇が始まります。(武道でいえば、静から一挙に動に転じるような、試合運び。)
これは、ゲームに参加したときにも見られます。目にしたことの無い新しいゲームに取り組むとき、基本的な打ち手を試してみて、何が起きるか、実際に体験します。ここで奇策や例外的な打ち手はまだ試しません。最初に基本を踏みます。そして、およそ「こうしたら、こうなる」といった基本パターンをつかんだら、飲み込みも早く、次々とせめて行きます。
この静→動、のタイミングを一体いつにするか、ということがその人の仕事の適応性に関係しています。
学者的なひとは、かなり長い期間、その「静」で観察します。およそ例外にあたるものまで含めて、把握して、それから「動」に転じます。一般に仕事の要領が悪いと判断されがちです。しかし、次に類似の仕事を任せた場合に、仕事の処理速度がかなり早い。これは基本をマスターしているからです。
一方で、場当たり的なひとは、その事例にだけ適用できる解決策を直ぐに見出して、仕事を完了します。要領がいいと評価されます。しかし、類似のケースに基本パターンを適用することはないので、類似の仕事が多く来る場合、学者的なひとのやり方に負けることもあります。
優れた起業家やビジネスリーダは、その最適点を行きます。つまりこうです。
学者的に100点を取ろうとすると、一品モノの仕事の時には、時間が借りすぎる。場当たり的にそのケース限りの解決を行うと、応用力がつかなさ過ぎる。なので起業家は、優れた3つくらい事例をみて、それを元に判断基準や極少数の基本パターンをつくり、小さく動き、順次微調整し、確信を早い段階でつかむ」ということをしています。
以上、まとめます。
「新規分野の判断能力化」を早く行うには、
「具体的な例を3つ、素早く見て基準を作る」ことが近道のようです。
2007年12月20日
熟達者の特徴
「企業内人材育成入門」のP55から引用します。
(引用ここから)
(引用ここまで)
この節は、人が「熟達すること」を論じているとても面白い節だとおもいました。とても興味深いですね、人はいかに育つか。そしてそのエッセンスは、これからの知的娯楽産業の要素が大きくなる現代社会ではとても貴重な産業資源。
そして心に留まった一言があります。続きを読む
(引用ここから)
熟達者は初心者と比べてどのような特徴を持っているのだろうか。ここでは
@記憶力の向上、
A下位技能の自動化、
B問題の直感的把握、
などに分けて説明する。(中略)
@記憶力の向上は、文字通り、自分の土俵で覚えなければならないことをより高速に、確実に覚えられること。(中略)
A下位技能の自動化とは、熟達者は、ある課題を遂行する際に、特段に注意を払わなくても出来てしまう部分が多くなっていくという意味である。多くの技法が自動処理によって行われるから、処理がすばやくエラーも少ない。(中略)
B問題の直感的把握とは、熟達者は初心者に比べて、見るべきところを注視し、そこに認知的資源を傾けることができるということである。一般に熟練者は初心者に比べて、膨大な知識をもっている。
(引用ここまで)
この節は、人が「熟達すること」を論じているとても面白い節だとおもいました。とても興味深いですね、人はいかに育つか。そしてそのエッセンスは、これからの知的娯楽産業の要素が大きくなる現代社会ではとても貴重な産業資源。
そして心に留まった一言があります。続きを読む
2007年12月11日
air way, track way
飛行機で地形の上を俯瞰しながら飛ぶのと、実際に地上を走るトラックで木や道を見ながら走るのでは随分違います。
当たり前のことですが、途中までトラックでいってそこから急にトラックが飛び立つことは出来ない。トラックで走り始めたならば、そこを走りきって、開けたところなどに行かないと、飛行機に乗り換えられない。
会議、というものも、"air way"と"track way"があります。全体を俯瞰した議論の粒度で話しているのはザラッとできる。しかし、トラックにのって、個別の議論を始めると、その議論項目が終わるまでは進めないといけない。いつの間にか、俯瞰的な記憶も薄れて、方向に迷います。小路に迷い込んでしまうと、air wayの議論は一時的に役に立たなくなります。
しかし、会議は、突然、トラックをやめて、飛行機に乗り換えてしまいます。話は総論に。
俯瞰的な大枠議論をおえて、詳細・個別の話が必要なのでやりはじめたのに、途中で小路に迷って、また、総論・大枠的な議論に戻る。そして、言います。
「いや、なかなか、簡単にはいきませんね。」
こうして、個別の議論というものは、先送りになります。
実際の話、小路に迷っているような場合、あるいは、アップダウンの難所をいくようなtrack wayの場合、俯瞰的なMAPは役に立ちません。俯瞰的に見たときに見えた情報の粒度は、個別事例の特異性をなんら含んでいないことも多いからです。
では、小道に入ったらどうするか?
詳細MAPを持っておく。
小路を乗り切るためのツールセットを持っておく。
このどちらかです。
俯瞰的ツールは役に立つ場合と役に立たない場合があります。小路を行く時は、使うべきツールが違う、ということですね。
小路を抜けて広いところに言ったら、つまり議論の議題にくぎりがついたが、飛行機にのって俯瞰的な議論をしてもいいと思います。
小道に入って、議論を急に飛行機に乗り換えたらば、議論はいつまでも「具体的に考えると、結構難しいね。」となって総論にもどってしまいます。そして堂々巡り。
目の前の小路、多少時間がかかっても乗り越えませんか?
そう、自分自身に問いかけてみたいと思います、時々は。
当たり前のことですが、途中までトラックでいってそこから急にトラックが飛び立つことは出来ない。トラックで走り始めたならば、そこを走りきって、開けたところなどに行かないと、飛行機に乗り換えられない。
会議、というものも、"air way"と"track way"があります。全体を俯瞰した議論の粒度で話しているのはザラッとできる。しかし、トラックにのって、個別の議論を始めると、その議論項目が終わるまでは進めないといけない。いつの間にか、俯瞰的な記憶も薄れて、方向に迷います。小路に迷い込んでしまうと、air wayの議論は一時的に役に立たなくなります。
しかし、会議は、突然、トラックをやめて、飛行機に乗り換えてしまいます。話は総論に。
俯瞰的な大枠議論をおえて、詳細・個別の話が必要なのでやりはじめたのに、途中で小路に迷って、また、総論・大枠的な議論に戻る。そして、言います。
「いや、なかなか、簡単にはいきませんね。」
こうして、個別の議論というものは、先送りになります。
実際の話、小路に迷っているような場合、あるいは、アップダウンの難所をいくようなtrack wayの場合、俯瞰的なMAPは役に立ちません。俯瞰的に見たときに見えた情報の粒度は、個別事例の特異性をなんら含んでいないことも多いからです。
では、小道に入ったらどうするか?
詳細MAPを持っておく。
小路を乗り切るためのツールセットを持っておく。
このどちらかです。
俯瞰的ツールは役に立つ場合と役に立たない場合があります。小路を行く時は、使うべきツールが違う、ということですね。
小路を抜けて広いところに言ったら、つまり議論の議題にくぎりがついたが、飛行機にのって俯瞰的な議論をしてもいいと思います。
小道に入って、議論を急に飛行機に乗り換えたらば、議論はいつまでも「具体的に考えると、結構難しいね。」となって総論にもどってしまいます。そして堂々巡り。
目の前の小路、多少時間がかかっても乗り越えませんか?
そう、自分自身に問いかけてみたいと思います、時々は。
2007年12月08日
コンテンツとプロセス。知の二大要素。
プロセス。
これはなんだかよくわからないもの、ですね。日本のビジネス社会では。プロセスとは”一定の目的にたどり着くための手順をならべたもの”などをさします。
医薬品の製造のプロセス、といえば、いろんなケミカルな処理を次々としていって、最終的にタブレットや顆粒上の薬品ができるまで。いわゆる工場見学で目にする一連の工程。
コンテンツは、具体的に知識のなかみ。目次、を”コンテンツ”とも言いますし、アニメなどの映像をコンテンツ、とも言います。具体的になに、という部分です。
知と言うものを、大きく分けると、コンテンツとプロセス、に変われます。日本人はコンテンツを対象に価値を見出し共有することは普通に出来ますが、プロセスについては、価値を見出しにくい傾向があると思います。
プロセス≒どうやるのか。
コンテンツ≒何をやるのか。
プロセス≒How
コンテンツ≒What
プロセス≒手順
コンテンツ≒具体 とも。
この2要素は、バランスして存在して初めて、提供価値になっています。
会議では、何を議論するかは注目されても、どう議論するかはあまり注目されません。その辺については、会議の科学、とでもいうべきものが最近はよく増えました。いかに会議するか。を改善するべきノウハウ。
さて、プロセスが具体でない、ふわふわしたもののようで、扱いにくいわけですが、それらを可視化して、「モノ」にしている事例があります。例えば、「○○分析シート」のようなものは、一定の考える手順をシートにしたものです。ワークブック、の類はすべからく、”プロセス”をものにしたもの。
ここからが、螺旋(らせん)に入るところです。
ワークブックや○○分析シートにおいては、そこに書かれているプロセスは、そのツール(あるいは商品)の「コンテンツ」である、ということです。
プロセスは、熟度があがるとコンテンツになります。プロセスそのものを伝えるコンテンツに。
整理できていませんが、関係するある言葉があります。「記号を付与することで、論理学は発達する。」(※1)
(※1)これは、大学時代に数学科にいたときに、先生がおっしゃった言葉です。ある演算の塊を、一つの記号として定義し、その記号が持つ特性を明らかにする。すると、記号同士の演算という作業が登場します。毎回毎回ある種の高等演算を必要としてた数式変換が、あるしゅの記号化によって、初等数学で演算できる、といったこともあります。
プロセス、という扱いにくいふわふわしたものも、ある種のシートやブック、カード、アイテムなどに押し込むことができると、扱いやすいコンテンツに。そしてそのコンテンツをぐいぐいと使っていくことで、新しい知が得られます。発見される知のリスト、これはいわばコンテンツ。
そのコンテンツが充分に溜まってくると、代数的な扱いが生まれます。つまり、コンテンツが何であっても、成り立つ作業手順、知的な作業手順。それは複数のコンテンツに対応した「やり方」です。
これは、新しいプロセス、ですね。
螺旋、と表現したのは、コンテンツ←→プロセス、というのはお互いに、誕生をさせあう関係にある、という意味で、です。
なお、暗黙知と形式知の発展プロセスにも関係する話題があります。
ある種の暗黙知があります。たとえば、職人さんのかんなで曲線を創り出す技能。これがきちんと人に伝えられる言葉や数字と伴い始めると、伝達可能な知に変わります。いわば「形式知」。
この形式知が登場すると、それらの技術をつかってその上に更に高度な技が発展します。それらは、次第に新しい暗黙知を醸成していきます。
暗黙知が、形式知をうむ。
形式知が、新しい暗黙地を生む。
この螺旋階段が、技術発展の歴史、であると。
以上、まだまだ整理できていませんが、知の二大要素である「コンテンツ」と「プロセス」。
具現化(プロセスのモノ化⇒コンテンツ誕生)と
代数化(複数のコンテンツの作業の共通部分の記号化⇒プロセス誕生)
この両輪があることを意識してみると、知の時代である現代の仕事というものが、よく分かるような気がします。
(一般に、プロセスの部分は、光が当たっていないので、コンテンツが次世代にジャンプするように誕生するように見える。実は光のあたっていない部分がある螺旋階段である。そこにも目を向けると見える構造がある。)
■本エントリーを書くきっかけになったもの
これはなんだかよくわからないもの、ですね。日本のビジネス社会では。プロセスとは”一定の目的にたどり着くための手順をならべたもの”などをさします。
医薬品の製造のプロセス、といえば、いろんなケミカルな処理を次々としていって、最終的にタブレットや顆粒上の薬品ができるまで。いわゆる工場見学で目にする一連の工程。
コンテンツは、具体的に知識のなかみ。目次、を”コンテンツ”とも言いますし、アニメなどの映像をコンテンツ、とも言います。具体的になに、という部分です。
知と言うものを、大きく分けると、コンテンツとプロセス、に変われます。日本人はコンテンツを対象に価値を見出し共有することは普通に出来ますが、プロセスについては、価値を見出しにくい傾向があると思います。
プロセス≒どうやるのか。
コンテンツ≒何をやるのか。
プロセス≒How
コンテンツ≒What
プロセス≒手順
コンテンツ≒具体 とも。
この2要素は、バランスして存在して初めて、提供価値になっています。
会議では、何を議論するかは注目されても、どう議論するかはあまり注目されません。その辺については、会議の科学、とでもいうべきものが最近はよく増えました。いかに会議するか。を改善するべきノウハウ。
さて、プロセスが具体でない、ふわふわしたもののようで、扱いにくいわけですが、それらを可視化して、「モノ」にしている事例があります。例えば、「○○分析シート」のようなものは、一定の考える手順をシートにしたものです。ワークブック、の類はすべからく、”プロセス”をものにしたもの。
ここからが、螺旋(らせん)に入るところです。
ワークブックや○○分析シートにおいては、そこに書かれているプロセスは、そのツール(あるいは商品)の「コンテンツ」である、ということです。
プロセスは、熟度があがるとコンテンツになります。プロセスそのものを伝えるコンテンツに。
整理できていませんが、関係するある言葉があります。「記号を付与することで、論理学は発達する。」(※1)
(※1)これは、大学時代に数学科にいたときに、先生がおっしゃった言葉です。ある演算の塊を、一つの記号として定義し、その記号が持つ特性を明らかにする。すると、記号同士の演算という作業が登場します。毎回毎回ある種の高等演算を必要としてた数式変換が、あるしゅの記号化によって、初等数学で演算できる、といったこともあります。
プロセス、という扱いにくいふわふわしたものも、ある種のシートやブック、カード、アイテムなどに押し込むことができると、扱いやすいコンテンツに。そしてそのコンテンツをぐいぐいと使っていくことで、新しい知が得られます。発見される知のリスト、これはいわばコンテンツ。
そのコンテンツが充分に溜まってくると、代数的な扱いが生まれます。つまり、コンテンツが何であっても、成り立つ作業手順、知的な作業手順。それは複数のコンテンツに対応した「やり方」です。
これは、新しいプロセス、ですね。
螺旋、と表現したのは、コンテンツ←→プロセス、というのはお互いに、誕生をさせあう関係にある、という意味で、です。
なお、暗黙知と形式知の発展プロセスにも関係する話題があります。
ある種の暗黙知があります。たとえば、職人さんのかんなで曲線を創り出す技能。これがきちんと人に伝えられる言葉や数字と伴い始めると、伝達可能な知に変わります。いわば「形式知」。
この形式知が登場すると、それらの技術をつかってその上に更に高度な技が発展します。それらは、次第に新しい暗黙知を醸成していきます。
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以上、まだまだ整理できていませんが、知の二大要素である「コンテンツ」と「プロセス」。
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