2008年03月11日

折り畳みギターの島野さん、新聞一面に!

3月8日、河北新報の夕刊に、折り畳みギターの島野さんの取材記事が、一面トップに出ました。

shimano_san_oritatamigitaa.jpg

新聞でも、島野さん、とっても評価されていますね。起業家の集まりで島野さんとそのギターを見てから非常に魅かれていて、応援していたのですが、その彼の存在が多くの人の目にとまる機会がきて、とてもうれしく思っています。

彼のギターは特許もありますが、それ以外の部分で、非常によくできた、手をかけて作られた作品であることがわかります。写真ではなかなかものの質感がわかりませんが、折りたたんだりスライドさせたりするときにその精巧な作りがわかります。わかります、というよりも、技術の好きな人にはしびれるようないい出来。難しい構造をぴたりとつくるその腕は、職人と芸術家の両面を感じます。

この人もまた、飾らない人柄なのですが、本物のモノをつくる素晴らしい人です。これからの飛躍がますます期待されますね。



島野さんの記事
(河北新報のWEBユーザ登録(無料)すると閲覧できます)



以前、サロンにいらっしゃったときの動画がYoutubeに。
posted by 石井力重 at 06:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2008年03月10日

円菓(まどか)。差し込む陽光が暖かい。

仙台市泉区の寺岡に『円菓(まどか)』というお店があります。

静かな佇まいのその店は外から見ると車でとおっても通り過ぎてしまうかもしれませんが、よく見るととても「デザインされた佇まい」です。

以前、私のブログで書きましたが、この円菓の社長、半澤さんとは、ある起業家セミナーの場で、お互い講師として呼ばれて、続きでお話をさせていただき、知り合いとなりました。

とてもモノがいい。和菓子なんですが、とても新鮮な印象をうけます。そして、商品の感性イメージもきちんとお客さんに届ける。店舗の空間づくりも非常に思いを込めて考えて考えて構成されています。

今日(3月8日)は、寺岡近くの宮城大で学会があったので、帰りに立ち寄りました。

久しぶりにお店にいきましたが、やっぱり、商品が非常にいい。

madoka.jpg

これはお店に来て観て、ビルエバンスのジャズが流れる中で、透明感ある空気のなかで、作品のように一つ一つが愛情をもって洗練された状態で並んでいます。

お店のコンセプトは非常にお客さんの視点に立っています。お店の接客自体も非常によくデザインされています。それがこのベルに表れています。

bell.jpg

これは一度店舗に行って、なぜこのベルがあるのか、体験してほしいところです。

しばらく、半澤さんにお時間をもらって、いろいろお話をさせてもらいました。

きどらない、気さくな人です。和菓子職人であり、デザイナーであり、社長であり。スーパーマンですが、自然なすこし控えめの接客です。お客さんの要望があれば、いろいろ商品のお話を教えてくれます。

hanzawa_san.jpg

半澤さん、もしかしたら黙っていたらすこしこわい?かも知れませんが、笑顔はとても愛嬌ある方です。僕も出会った場所が場所でなければ、そういう人柄をわからなかったかもしれません。そのヒトトナリがすこしでも伝われば、とおもい、写真を載せておきます。

そんなこんなですっかり、長居してお邪魔してしまいました。お店を出る時に振り返り、店の入り口を一枚。

madoka_iriguchi.jpg

お店に入ってからこの入口を改めてみると、なるほど、自然な中にも統一された透明感やモダン感があります。はじめてくるとその「あっさりさ」が見つけにくいお店、なのかもしれません。しかしぜひ一度覗きに行ってほしいお店です。(私たちがいた間にも「今日は見るだけでー」というお客さん、結構いらっしゃいました。安心して入れます。)

最後に、お店でみた一品です。これは一緒に行った人と帰り道、ずいぶん話題にしていました。

kangoori.jpg

寒氷(かんごおり)

まるでアクセサリーのような繊細で透明感ある一品。これがいくらだと思いますか?ぜひ確かめに、お店の空気を見に、一度お店を訪れてください。きっと、いい作品を作る人の気持ちに、感じるところが多いと思います。



円菓(まどか)
仙台市泉区寺岡5-12-24
posted by 石井力重 at 06:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2008年01月17日

感性価値という未来

感性、というキーワードを軸にした産業の新しい展開可能性が見えつつあります。

感性とは、まず何か?そこからはじめると長くなりますので、人がモノやコトを感じること、といったくらいのアバウトに捕らえておきます。(辞書を意訳すると、外部からのインプットを得て心が感じることをさしているようです。なお、外部の刺激を認知することと同一に考えられがちだけれども、認知してそれから、感じる、という作業になるようです。ある種の障害をおった人の事例では、見て存在を理解するけれども感性的な感情変化がない、ということがあるそうです。)

経済産業省が、第四の価値軸の提案を行う『感性価値創造イニシアチブ』を策定しています。


METIサイトから引用します。

『検討内容を「感性価値創造イニシアティブ」として取りまとめ、2010年度までを「感性価値創造イヤー」と定め、感性価値創造の実現に向けた施策を重点的に行います。』

とのことです。

第四の価値軸とは、感性価値、と表現されています。それについて引用します。『我が国が引き続き、暮らしぶりを向上させ、活力のある発展を遂げるためには、従来のものづくりの価値軸(性能、信頼性、価格)に加え、新たな着眼点からの価値創造』『生活者の感性に働きかけ共感・感動を得ることで顕在化する商品・サービスの価値を高める重要な要素を、「感性価値」』

具体的な取り組みの方向性としてはいかが示されています。

「感性価値創造活動の支援・事業環境の整備」
「感性価値実現のための経営学的方法論・人間工学的研究の推進」
「感性価値を生み出す人材の育成・発掘」
「感性を育む感性教育の強化」


感性価値創造イニシアティブのページには各種の資料があります。

上記のプレスリリース、
それから概要が直ぐに分かる資料(ここにはなぜ感知価値か、や、感性価値に優れた企業の共通点、中小企業の取るべき方策、などが示されています。)
事例集(ここには47の事例が載っています。見るだけでも楽しい資料です。この事例リストは示唆に富みます。)


注目される産業動向において、従来の強くて大きくて中央局在方の構造から、小さくて繊細で偏在する感性の活動へ、駆動力やトレンドが生まれる可能性がありそうです。

追記
posted by 石井力重 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2008年01月05日

2007年最大の出会い。中村俊郎さん(中村ブレイス訪問記3)

午後3時ごろから中村ブレイスの別館、メディカルアート研究所を見学しました。中村俊郎さんの奥様にご案内していただきました。

写真を掲載するのは差し控えたいと思いますが、その製品の質感は素晴らしいものでした。触ってみて、皮膚の弾力、張り、表面の皮膚感まで、よく出来ています。乳がんで乳房を無くなった方のための乳房もあります。どれも非常に良くできていいました。

この企業が無かったら困る。そう顧客が心底思うだろうモノづくりをしています。(本当はここが一番書きたいところです。仲間内で訪問記を報告する時にはここを焦点を当てて話しています。同社のモノづくりは、心に響くような別格のクオリティーです。)研究所の内部のことなので配慮して、WEB上には出さずに起きます。ただ、義肢(義手・義足・人工の乳房など)がどのくらいの品質でつくれているのかどうしても知りたい、という方がいらしたらご連絡下さい。多分、同社の製品についてよく知りたいと思っておられる方はずっといるでしょうから。お気軽にご連絡下さい。rikie.ishiiあっとyahoo.co.jp)

その後は、別館の一部である松江銀行本館を移築した建物を見学させてもらいました。詳細は差し控えたいと思いますが、歴史や文化資産を大切にする中村さんの姿勢が形になったようなスペースです。それは思いがけない見学内容でしたが、それもとても興味深く見学しました。

その後、本館に車で戻ると、なんと驚いたことに、中村俊郎さんが社の前でたって待っていてくださいました。これには本当に恐縮し、そして飛び切りうれしかったです。実るほど頭をたれる稲穂かな。中村さんのお人柄だなぁ・・・と深くそのときの光景は焼きついてます。超多忙な社長が縁もゆかりも無い訪問者である私を快く向かえてくださり、午前中一杯お話につきあってくださり、午後は帰り際に見送るために建物の外で待っていてくださる。私はそのときに、圧倒的な何かを感じるのでした。経営学の教科書にあるような大事なマネジメント要素には、ほとんど現れてこないとても大事なものを。

その後、電車の時間が少しあったので、応接にもどり、夫人と同社で働かれている中村さんのご子息のお二人とお話をさせてもらいました。

その中で、私はとても深く感心したモノがありました。同社の社外秘のレポートです。社是とおなじタイトルのその冊子を特別に閲覧させてもらいました。これについては言及を差し控えたいとおもいます。ただ一つ思ったのは、この優れたものを創る優れた企業は、組織全員が知的活動を行なうことに一つの要因がある、ということ。そしてその組織を作ることは非常に難しいことであるが、同社がそれを実現しているのは、志企業であるがゆえ、だと直感しました。

それから駅まで、社員の方に送っていただいたのですが、道すがら、今日も社内に何人か義足の方がいて多分その人を見ていると聞いて驚きました。私は1人だけわずかに、もしかしたらそうかな、とおもったのですが、それ以外の方ではまったく検討がつきませんでした。同社の製品力のすごさ、その真価をしったのは、この一日の訪問の最後の最後でした。

送ってくださった方に御礼をいい、大田市駅で単線の小さな電車を待つ間、私は全てのことをくりかえし思い出していました。同社のことをしっかし頭に入れて帰り、仙台にもどったら仲間たちや私が応援したい企業さんに、今日のことを踏まえて話したいとおもい。


追記:

この訪問記を書くまでに2ヶ月以上の時間がかかりました。忙しかったからではなく、感じ取ったことが多すぎて、どこから書いていいか分からなかった、というのが実情です。今でもまだ、書き出すには早いのかもしれません。

同社のことをお正月に、毎晩寝る前に考えていました。
同社のことを短い言葉で切り取って表現するなら、それは何だろうと。

「THINK、品格、末永く」

知的なクラフトマンの組織、強い組織、その根底は「THINK」
丁寧に手間のかかる工程を重る、ぬくもりの伝わる手作業が生み出す、その優しい製品の根底は同社の風土に感じられた「品格」
顧客の体の一部を創る、分身は非常に長期間使われる、その眼差しは「末永く」未来と顧客を見つめる

そんなことを思いました
2番目の品格は、「優しさ」や「暖かく」と表現しようかとおもったのですが、それよりも一段高いもの=知性、品性を組織風土として感じたので、品格としました。

(ちなみに、シンク・ヒンカク・スエナガク、と韻を踏んでみました)


追記2:(2009年12月31日)

THINK。暖かく。末永く。
の方が、同社を表現するのに、ふさわしい気がします。
posted by 石井力重 at 06:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2008年01月04日

2007年最大の出会い。中村俊郎さん(中村ブレイス訪問記2)

2007年の秋、中村ブレイスを訪問するために島根まで行きました。その朝は気持ちのいい快晴。仙台は寒い時期でしたが島根はまだ秋。コートも要らないくらいの気温でした。

タクシーは大田市駅から大森に向かって走ります。途中、歴史ある建物がぽつぽつ見えてきます。運転手の方の話が道中、「ここも中村ブレイスの建物ですよ」と教えてくれました。後でそこに行って分かるのですが、そこは中村ブレイスのメディカルアート研究所。本当にその人の分身と思えるような義手をつくるところです。

そこから数分、街中に入ると直ぐに中村ブレイスはあります。古い歴史ある町並みにまっちした趣きある建物です。中に入ると上がったり下がったり、増築を重ねたであろう建物の全体像はかなり広いのですが、外から見るとそれほどの大きさには見えません。

歴史的な趣のある概観のためか、石見銀山の観光客の方が時折、同社を観光スポットだと思って入ってこられるようですが、分かる気がします。

タクシーが少し早くついてしまったのでしばらく建屋の前の駐車場で写真を撮ったりしてすごしました。そこには大きな石碑があります。後でしったのでですが、それは松本清張さんから同社に送られた言葉が刻まれているそうです。

「空想の翼で駈け現実の山野を征かん」

この言葉は、中村氏がもつある種の特徴を表現しているとおもいました。壮大な視野と夢があり、暖かなキモチ、情熱、緻密なモノづくり。

午前10時ちょっと前。中に入ると直ぐに応接室に通していただき、午前中から昼食の終わるまで、3時間あまり、中村俊郎さんにお話をじっくり伺いました。

私はWEB上の動画や写真で見た中村俊郎さんが目の前にいることで随分緊張しましたが、飾らない暖かな語り口に、直ぐに緊張をといてもらって、お話を真剣に聞いていました。途中でお茶やお饅頭をだしてくださる事務の女性の方にも、中村さんは丁寧に「ありがとう」とおっしゃりました。その姿を見て、”この人は本当に人が好きなんだなぁ”というのがよく分かりました。(同社の社員の多くの方も、そういっています。)

お聞きした貴重なお話。いくつも書きたいことがあるのですが、それは別の機会に譲ります。お話の後、同社の中にある工場を見学させてもらいました。一つ一つの職場を回り、働く方に声をかけていかれる様子をみて、こうした製品をキモチを込めてつくる職場を育てることの片鱗を見た気がしました。作業中のある方に声をかけて「ここの電気を替えたら明るくなりましたね。うん、随分明るくなって良くなった」と声をかけています。私は義肢装具には詳しくありませんが、そのものづくりをしている方々の眼差し、手の細かい動き、面取り作業の丁寧さ、熟練度は感じ取れました。

強い志によって進み、育った、同社には、暖かさとひたむきさがありました。


どうしてもお聞きしたかったことがあり、近くの食事どころで一緒に昼食を取りながらお伺いしました。

実は、その訪問をする日の朝、私は宿泊していたひなびた宿の小さな机に向かって、”これだけは、どうしても仙台に持ち帰りたいもの。”をカードに書き留めていました。何年もお会いしたい方だったので、山のように聞きたいことがあります、しかし、これだけは、どうしても、というものを「3つだけ」あげるとしたら、何だろう。とじっと考えてまとめたものです。

それは、20年というタイムスケールで、私が私の生き方を続けていく日々で、なんども記憶の中のこの方の後姿に聞きたくなること、だと思いました。そして次のようにまとめました。

1、ディレクション(ぶれない):

   進み続ける方向を指し示し続けるものは何か?

2、困難を越える:

   長く挑戦していれば必ず、壁、障害に出会う。
   のりこえられてきたのは、何があったからか?

3、予測する:

   事業、社会がどう変わるのか、変化にさらされるか、を、
   どう予見している?

これらの質問に対して、中村さんは、どれも、まっすぐに正道で、明快な言葉で、お答えをいただきました。このメモを含めて、この日の訪問では取ったメモは40枚。この40枚のメモを私は、多分、長く長く、懐に入れてもっているだろうともいます。



「ディレクション(ぶれない)。進み続ける方向を指し示し続けるものは何ですか?」

「壮大な夢があり、それは終わることが無い。」と。そして、続けて「世界中の人に、よろこばれることをしないといけん。」とおっしゃいました。

その言葉の意図を深く、正確に知りたいとおもった私は続けてたずねます。

「その”人”とは、どういう人ですか。」

「ある種のものをかかえた人。そしてその人の家族。メディカルアートのようなものはその本人と家族も気持ちが明るくなるもの」

「よろこばれること、とはどうことですか。」

「人がやれないニッチ産業。誰もが必要ではない。しかし深い想いがある。」

中村さんは、義肢装具の仕事に出会ったときに「ああ、これは一生のテーマをもらった。」とお感じになったそうです。


「困難を越える。長く挑戦していれば必ず、壁、障害に出会うとおもいます。のりこえられてきたのは、何があったからかですか?」

「一つずつやれば、必ず出来る。」中村さんは、まっすぐな眼差しで、はっきりと力強くおっしゃいました。その声には、わずかの迷いありません。それは紛れも無い事実なのだと私は感じました。続けておっしゃったのが、「3年5年でやろうとしない。10年20年かければ必ず出来る。」と。

この言葉は、それ以来、いつも胸の中にあります。


「予測する:事業、社会がどう変わるのか、変化にさらされるか、を、どう予見しているのですか?」

これについては”うまい方法やコツ”といったお答えはありませんでした。しいて言えば、”先天的な才能”に近いものがあるというのがお答えになったことに一番近いかも知れません。もう少し詳しく言うと、未来を考えることが好きだったそうです。それから幅広くいろんなことに興味を持っているともおっしゃいました。芸術、文化。いろんなこと。また、私がその他のお話で感じたのが、義足というのは、その人に10年単位で使われる道具です。その人がこの先の10年でどういうライフスタイルをするのか、社会は動変わっていくのか、その中で義足はどう対応するべきか、といった長い視野で考える必要があります。義足義手といった製品を創ることは常に繊細な未来予想が必要なので、経営感覚にはそれは自然と備わっているのかもしれない、とも思いました。

以上が、私がどうしても聞きたかったことへのお答えでした。この時の40枚のメモ。いつも大事に持っていて、それを開くと情景が鮮明によみがえります。気持ちよく晴れた秋の大森で、和風の食事どころで中村さんと一緒に食事をしながら、私は必死にメモを取っていたその情景が。長く私はこの日のことを思い出すだろうと思います。

ご多忙の中、忙しいそぶりを全く見せずに3時間ゆっくりとお話をしてくださいました。とても恐縮をしながらも、心から感謝し、ありがたくお時間を頂戴しました。

この後、一度同社を出て、中村さんのススメで石見銀山を見学しに2時間ほど山へ一人で行きました。(石見銀山の世界遺産の登録の巻き返しの影にも中村さんのご活躍がありました。しかしそれはまたの機会に譲ります。)夕方前に同社に戻ると、本社から車で数分のところにあるメディカルアート研究所に、奥様がご案内してくださるとのこと。私はさらに恐縮しながらも、是非お願いしますと、いって、見学に連れて行ってもらいます。

− 続く −
posted by 石井力重 at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2008年01月03日

2007年最大の出会い。中村俊郎さん(中村ブレイス訪問記1)

2007年には、私がずっとお会いしたかった方にお会いできました。島根の中村ブレイス(義肢装具メーカ)の創業社長、中村俊郎さんです。

中村ブレイスのことを知ったのは、かつて、私が社会人大学院生をしていたときでした。経営学の文献で同社のこと読みました。経営戦略のその本の中に、同社について書かれたページがありました。それをみて私は、はっとします。当時の私のメモにはこうあります。


非常に感銘を受けた一文。
2005年8月14日


ベンチャーを対象にした研究をしている中で、起業家のマインドに、はっとすることがある。研究対象として読んでいる文献なのだが、人生感・事業感に、感銘をうけた。遅い昼飯を食べながら読んでいたその文章に、しばし時間を忘れて感じ入る。

『ベンチャー企業の成果は、事業の成長性や収益性、株式公開の有無などだけで評価されるものではない。社会の中でさまざまな人から、その企業あるいは事業がないと困ると、その存在が望まれ歓迎されるような事業を創造したときに、その起業家の業績は高く評価される。中村ブレイスはそのような社会的に高い評価を受けている企業である。』

 角田隆太郎『ベンチャー企業経営論』の第2章「起業家とベンチャー企業」54ページ。

そうかもしれない。評価の幅にはもっと深みが必要かもしれない。


そして、そのときのことをその後もずっと考えています。


非常に感銘を受けた一文。
2006年2月26日


ベンチャーを対象にした研究をしている中で、起業家のマインドに、はっとすることがあります。以下の文献は、昨年の夏に、研究対象として読んだものなのですが、人生感・事業感に、感銘をうけました。当時、食堂で遅い昼飯を食べながらその文章に、しばし時間を忘れて感じ入っていたのを覚えています。

『ベンチャー企業の成果は、事業の成長性や収益性、株式公開の有無などだけで評価されるものではない。社会の中でさまざまな人から、その企業あるいは事業がないと困ると、その存在が望まれ歓迎されるような事業を創造したときに、その起業家の業績は高く評価される。中村ブレイスはそのような社会的に高い評価を受けている企業である。』
角田隆太郎『ベンチャー企業経営論』の第2章「起業家とベンチャー企業」54ページ。

(以上、当時のブログ内容を元に、改訂し掲載しました。)
(以下は、今回新たに書き加えたものです。)

この文献によると「中村ブレイス」社は、義手義足の企業で、島根県の石見銀山にあります。単になくなった身体の一部を機能的に補うという視点だけではなく、人工乳房などのメディカルアート、といった分野を展開しています。文献によると、世界中からこの島根の石見銀山まで、お客さんが来て、依頼されるそうです。決して、短期間で大規模な事業収益をあげる事業ではありませんが、ある分野では世界中から尊敬される企業です。

今思うと「ハイテクスタートアップスばかりがベンチャーではない。」と、このあたりの事例に触れるようになってから、ベンチャービジネスに対する私の中の価値観の幅が広がり始めたのだと思います。ライフワークとして、今後もベンチャービジネスを研究してゆきたいと思います。


そして去年の夏に、ようやく詳しい文献が手に入ります。


『よみがえるおっぱい 義肢装具士・中村俊郎の挑戦』
2007年8月14日


アマゾンでは新品が手に入らない本をようやくセブンアンドワイで入手しました。千葉望さんの書かれた『よみがえるおっぱい 義肢装具士・中村俊郎の挑戦』という本です。2000年に海拓社から出ています。

本を開いて表紙の裏を見るとこう一言。

身体の欠損を補うことによって、欠損した心まで補いたい。


この本は、きわめて真摯に会社を経営し、社会に本当に喜ばれるようなものをつくる企業「中村ブレイス」を取材し経営者の意志を十分につむぎだした、とてもよい本です。

(中略)

中に出てくる写真が「メディカルアート」というレベルの本当に良く出来た義手でした。鼻も指も乳房もあります。これが本当につくりものなのか、とおもうくらい良く出来ています。本人の皮膚間をよく調べて、肌の色、質感を再現しています。指にはえる毛も一本一本植えていくそうです。先天的にあるいは後天的に身体の一部を失うことがどういうことなのか、そしてそれを補うとはどういうことを提供するものなのか、深く深く、感じ入りながら読みました。思わず、ため息が出ます。周りの人に「ほら、これみてよ」と私が普段しないような行動も。それほど、この本には、中村ブレイスの仕事と、社長である中村俊郎氏の「意志・思想」というべきものが詰まっています。

(中略)

この会社は、使う側にして見れば「この会社があってくれて、本当によかった!」という会社でしょう。ある日、事故や病気で腕や顔の一部が欠損したら、相当な心身の負担です。仮に、生命に支障が無いほど回復しても、「社会性を生きる人間」という動物としては・・・。

私は思うのですが、


「この会社があって、本当によかった」
そういってくれる人が、世界中にいる。


そんな事業を創り出すことは、起業家の重要な役割の一つではないか、と強く思います。

(中略)

一人一品の繊細な対応というのは、往々にしてコスト高であり、収益性の意味では、相当な知恵と情熱が必要とされます。

(中略)

私は中村ブレイスのような、(ある種の業界では)世界中から尊敬される企業、をこの仙台から次々と輩出されるような地域にしたい、20年かけてそういう面白い土地にしたいと、本気で思っています。覚悟、気概、人への愛情、情熱、創造性。それが全面に出てばかりではうまくないかもしれませんが、そういうものを内に秘め、これまでも、これからも、進んでいきたい。


以上、過去のメモを引用しました。三年間、ずっと中村氏にお会いできる機会が無いか探していたのですが、なかなかありませんでした。著名な方なので講演などもされていたのですが、ちょうどタイミングのあうときがありませんでした。

そこで、意を決して手紙を書きます。
世界中から尊敬される企業を次々と輩出する地域に仙台をしたいと考えて活動をしていること。
その理想のモデル企業は、中村ブレイスであること。
お会いして直接お話をお伺いしたい、ということ。

私は普段、こうした手紙を書くことはほとんどありません。本当にお会いしたいと思ったときだけです。なので、ビジネス文書ではうまく熱意をつたえられそうにない、とおもい口語体で本当の思いを手紙で書きました。

その結果、非常に気さくに快くお返事をいただきました。ご多忙の中でも日程を取っていただけて、数ヵ月後、訪問する運びとなりました。


中村ブレイスは島根の石見銀山にあります。仙台から、西日本へ所用と兼ねて移動したので、静岡や京都を経由して、電車でゆきました。大きな荷物をかかえて、訪問の前夜、最寄り駅(大田市駅)についたのは夜10時を過ぎていました。駅の近くの古い旅館は空調設備が良くないようで、匂いが鼻につきますがそれもひなびた味わい。この日は道中の長旅でかなり疲れていましたが、翌日のことを思うとなかなか寝付けませんでした。

翌朝、駅前からタクシーで20分ほど、山の中へ移動します。そこに”大森”とよばれるまちがあります。石見銀山のふもとの町で人口数百人、歴史あるふるい街並みののんびりしたまちです。そのまちが中ほどに中村ブレイスはあります。

― 続く ―
posted by 石井力重 at 23:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2008年01月02日

2007年の活動総括。

■受賞
新商品「ブレスター」が優秀賞を受賞(みやぎものづくり大賞)

■研究
ブレインストーミングカードゲーム(ブレスター)の開発に関する事例を学会発表(日本創造学会)

■講演
同志社大学(京都)でアイデアの出し方(ブレインストーミングとTRIZ)に関する講演を実施。ブレスター・ワークショップを実施。

■メディア
河北新報に新商品の記事が掲載される(ブレスター)
ITmediaに新商品の記事が掲載される(ブレスター)
ITmediaに新商品の記事が掲載される(智慧カード)
ミヤギテレビで、受賞式他が報じられる。(みやぎものづくり大賞)

■コーディネータの仕事、多様性が出てくる。
産学連携・起業家支援の支援
 →地域の産業団体の産業育成施策の委員会に参加。支援イベントなどに協力。
 →起業家、起業家検討者の方の相談にのり、事業構想の明確化作業をサポート。
 →大学からの起業家チームが、大企業との連携フェーズに。
事業化の支援
 →大学のシーズをベースにした事業化案件において、事業化リーダとして活動。
 →大手企業の新事業サポートが増えはじめる。
 →事業構想を行う社員向けに創造手法の社内研修の依頼が増える。
事業アイデア創造の支援
 →新規事業を検討する層に対し幅広く、ビジネスプランの種となる事業アイデアの着想に関する手法をアドバイス。

事業化リーダとして商品化したブレスターが、発売初年度で、第三版まで増刷。沖縄から北海道まで、広く受注。ごく少量ではあるが、アメリカへの出荷も果たす。

■アイデアプラント
企画したアイデア出しのカードゲームがデュナミスから事業化(ブレスター)
オータムセミナー(市民による市民のための授業イベント)にてお話をする。

■宮城TRIZ研究会
宮城県産業技術総合センターのTRIZセミナー(講師:中川徹先生)について、開催の協力。
地域企業の技術課題、技術トレンドを分析する独自調査事業を実施。(大規模アンケートの配布と回収が完了。現在分析中)
毎月、勉強会を開催(合計12回)
初心者向けのTRIZ活用カードツール「智慧(ちえ)カード」を開発

■創造工学に関する研究
各種の創造手法について知識・経験を元に、体系的理解と、理系手法と文系的手法の共通点についての考察を行う。(現在、研究本格化に向けて構想づくり中)


□家族
長女が幼稚園に入園。
posted by 石井力重 at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般

2007年01月13日

ブログロックで、第3走者。書初め。

1月13日。今日はFive Bridgeで、ブログロックフェスティバル〜オレ式★駅伝リレートークLIVE〜が朝7時から、夜中まで、開催されています。一馬さんがこのイベントをリアルタイムでブログ中継しています。

http://1uma.jugem.jp/?eid=533 ここからどんどん時間を追いかけてみてください。たぶん30〜40ページくらい、連なるはずです。

私は日中他の仕事があるので、私石井が第三走者を勤めさせていただきました。時間が早い!なんと朝8:40〜9:00が出番。出張から帰ってきたばかりで、ほとんど徹夜の状態でした。。。その様子は、一馬さんのブログ アイデアだしの手法/石井さん にて。そのときのPPTファイルはこちら。ブレーンストーミングの実際 ブログロック用.ppt


この後もさまざまな人が来て盛り上がります。皆さんぜひおいでください!








書初め
posted by 石井力重 at 09:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/全般



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