- 壊れやすい概念空間の新しい発見物を、目を凝らして見つける。
- それを、とにかくそっと引き上げることに専念する。未成熟でも言う。
- 胆力を持って、リスクセンサーを無視する。
- あいまいなアイデアを受け止める。
- 具象レベルを透過して、魅力の源泉となるものを感じとる。
- 問題がある具象部分は剥ぎ取り、新しい肉をつける。
- 展開アイデアは、リスクを減らし魅力を際立たせたものになる。
補足1:
「1.壊れやすい概念空間の新しい発見物」とは、斬新さの高いアイデア。通常生成できる確率の高いなじみのある概念操作ではない組み合わせ。生成確率の低い偶発的なものは、その構成要素群のつながりが弱い。一度、つながりを手放したら、もう一度思い出そうとしても、なかなか思い出せない。
補足2:
「2.とにかくそっと引き上げることに専念する」ことを邪魔するのは、周囲の声よりも、むしろ自分の声。しっかり整えてから引き上げよう、と考えて、弄り回してしまう。壊れて概念空間の海に沈む。
補足3:
「3.リスクセンサー」、というのはなにか、というと、長いので以下に箇条書きにしました。
リスク感受の知性は、新しいアイデアを殺したがる。
- 新しいアイデアほど、不確実要因を多く内包する。
- 不確実要因は、懸念材料(リスク、実行困難さ)を増やす。
- 人の知性は、懸念材料に気づきやすい。大人になるほどそう。
- この知性を野放しにしていると、新案即否が生じる。
- 新しいアイデアは消され、妥当な案、実績のある案のみになる。
- やればできるリスクの無いアイデア群が出来上がるが、既存の焼き直し的アイデアのみ。
補足4:
「6.問題がある具象部分は剥ぎ取り、新しい肉をつける」という部分について、少し長い言葉で説明します。
概念加工の作業台の上では、中核以外は引き剥がして新しく出来る。
- アイデアは流動性が高い。提示した後でも、揺らめいていて、あいまいで、いろんな化け方をする。
- 具象レベルは、どうとでも変えられる。
- 具体的には:
- 提示されたアイデアには、魅力の源泉となる中核がある。
- 人によって魅力の感じ方はちがう。
- よって、切り出せる中核が変わる。
- 心で感じた中核に新しい衣を着せて、提示すると、当初案を展開したアイデアになる。
- 人が複数人いれば、1案が複数の展開アイデアになる。
- 懸念点は、この概念操作でいかようにでも無害化できる。
- 展開アイデアに、同じ概念操作をすると、また違う魅力中核を見出せたりする。
- 一度では無害化ができなくても、緩和は出来る。
- 中核化と具現を繰りかえすと、だんだん懸念部分から縁の切れたアイデアに。
長く書きましたが、コンパクトにまとめますと、創る人は、
(1)創造的胆力をまず持つ
(2)リスク含みのアイデアの光る中核を見出す
(3)具象レベルはPivotして、展開アイデアを作る
という精神的努力が重要です。
『アイデアプラント・ノート』