2017年07月28日

「Brainstorming Cards」を含む、フルセット(11点セット)が販売開始になりました。(そして、御礼)

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新製品「Brainstorming Cards」が今週発売になり、それに合わせて、「アイデアプラント製品フルセット」もリニューアルしました。今年のリリース4製品が入った「11点セット」です。

アイデアプラント製品フルセット (オンラインショップ:書類関係の対応が手厚いです。)

(あるいは Amazon でも、販売しています。ときどき在庫切れします。)


このフルセットという「全部乗せ」商品が、意外と出ます。興味深いのは、特に、年度の始まり、年度の終わり、あるいは、なぜか、企業が長く休みに入る前あたりに、よくオーダーをいただきます。

今年は、アイデアプラント製品上市10周年、ということで、過去最多の「4つの新製品リリース」をした年でした。

(”でした”、という過去形なのは、製品開発にかけている時間が、一年半とか二年とか、それぐらいのスパンであるためです。)


最後に:

製品上市の時期には、開発は次の商品の企画とデザインをしています。
私も夏の旅仕事の合間に、仙台にもどり、次の「創造活動を補助する道具」を開発します。

アイデアプラント製品の販売から得る収益は、次の製品開発の原資として大切に使わせていただいております。

アイデアプラントから、新しいアイデア創出ツールが出るたびに、これまで製品を買ってくださった皆様に感謝しています。

ありがとうございます。

posted by 石井力重 at 16:22 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2017年07月16日

打ち合わせで新竹へ。それから台湾最南端の街「懇丁」へ行ってきました。

急遽、台湾に行ってきました。昨晩帰国しました。

【1.新竹の話】

台湾の公的研究開発機関(日本でいう、産総研に近い組織)から、講演とワークショップの依頼をいただき、その打ち合わせに来ました。 

渡航しないで、オンラインミーティングという選択肢もありました。しかし、3つの理由があって、渡航することにしました。それは長くなるので、最後に。

訪問先は、シンチュー(新竹)です。

台北から少し南にあります。(桃園空港から車で北へ1時間行くと台北、南に1時間行くと新竹、といった感じです。)

台湾のシリコンバレー(でも、そういう言い方を台湾人が広く認識しているわけじゃないな、と今回の渡航で感じました。)

台湾の都市の中で、人口規模が第一の都市です。(ちなみに台北は4位です。高雄、台中が2位、3位に控えています。)

そのほかの都市のプロファイルとしては、“風のまち”であり、“ビーフンの産地”であり、台湾新幹線の駅があります。“新幹線”に関する情報も長くなるので最後に。

新竹のサイエンスパークにあるその研究機関では、デザイン志向やイノベーションのための部門があり、毎年大規模な講演会があり、さまざまなスピーカーを探していました。チームの中で日本語のできる方が、日本語でも検索し、私のアップしている「SlideShare」(プレゼンファイルをネット上に公開できるWEBサービス)を見つけてくれて、連絡をくださいました。

その講演、および、それと合わせて、後日、ワークショップも小さい規模で行いたい、ということでした。

現地を訪問し、情報交換して、講演の内容と、同時通訳での講演の方法について、10時から昼を挟んで、4時間ほどディスカッションしました。担当の方が日本語が非常にうまいので打ち合わせもすいすい進みました。

講演とワークショップのこともありますが、これがきっかけで縁が出来たので、時機が巡ってきたらこの機関に、日本の知人(イノベーションに取り組む企業や開発系の公的機関の方たち)も紹介したいと思いました。

この組織は、面白いものや、他分野の技術の高度なものを開発されているんです。

技術をいろいろみせてもらいました。古くは異なる金属同士を接合したねじからはじまり、インプラントへと発展してきた技術。タイヤの流化を脱硫化させてまた再利用できるようにする技術。人間科学に関する技術。また、中には、消防士の使うホースと吐出口の間にかますアダプター型の水流発電ライト、なんていうものもありました。銃につけるレーザーポインターのようなものです。夜の火災現場で消防士が狙う先をそのライトで照らせます。こちらは初めに技術があり、そのアプリケーション(現実世界への適用)が見つかったものだそうです。(シーズ主導型のイノベーションにはそういうことが良くあります。)

そんな風にして、新竹の打ち合わせが終わりました。


【2.懇丁の話】

さて、せっかく旅仕事に出たら、感性の仕入れもしてきます。

どんなに時間がなくても、絶対に何か見たり食べたり体験したり、をしてくることを自分に課しています。創造やアイデアのことを仕事にしているからには、感性を刺激するような、楽しいインプットが豊富に必要ですから。

というわけで、ここからは台湾を思いっきり南下した話を。

日本人の台湾旅行のイメージは「台湾旅行≒台北旅行」だと思います。

そして、「二度目の台湾は足を延ばして台北の郊外へ」なんていう感じでガイドにあります。九份(千と千尋の神隠し、のモデルに似た景色がある)、十分(願いを書いた大きな紙のバルーンを線路から飛ばせる)、淡水(夕日が美しい)など。

それでも台湾全土のスケール地図でいうと北端のちょこっとしたエリアです。

「そういえば、新竹と高雄、って聞いたことにあるけど、どこだっけ。」というぐらいの認識。

今回は、三度目の台湾渡航でしたので、台湾の最南端へも行ってみることにしました。なにかの拍子に耳にしたのですが、台湾の南端では海岸のきれいな街があってそこで滞在するのもいいもんだよ、と。で、今回は、そのことにトライしてみようとなった次第です。

その最南端のエリアは「懇丁(Kenting:ケンティン)」といいます。漢字変換的には、開墾・丁寧、と打ってから前後の文字を消すような感じで入力します。

(日本語で読める漢字は打てるのでいいのですが、例えば、「恆春」(Henchung:ヘンチュン)という地名は、日本語の日常遣いの漢字になく読めないので、読み方を検索しようにも漢字が入力できず困ります。恆は恒星や恒温槽の”恒“という文字と同じ意味のようです。懇丁は、恆春の中の一部の地域です。”恆春飛行場“があったりするので、懇丁に行こうとするとよく目にする文字です。)

HSR(日本でいう新幹線)で、新竹から南端(高雄にある左營駅)まで90分ぐらい。快適。

(高雄じゃないの?と、初見で混乱しがちですが、HSRで高雄までゆく、というのは、この「左營駅」まで行く、という意味なんです。高雄駅から地下鉄で20分ぐらい北の位置にあります。)

左營駅から、懇丁の中心地まで、懇丁快速、というバスが出ています。高速道路と一般道を走って2時間ぐらいです。やや快適。トイレのないものが多く、途中で休憩所があるわけでもないので、そういうバスに乗ったら、二時間トイレに行かない心づもりで体づくりをしておかないといけません。これが、ちょっときつい。座席そのものは悪くないです。

そんな感じで、新竹から「90分」+「2時間」です。HSRの切符を買って乗るまでの時間20分前後と、駅を出て左營駅でバスを待つ時間20分前後、も併せて、最短でも4時間10分はかかる、という感じです。(私はトータル5時間かかりました。)

懇丁の中心地である懇丁通り、は、台湾でも最大級の賑わいともいわれる夜市、という話です。シーリンヨイチ、よりも?と思いつつ、夜7時ごろにつくと、ものすごい賑わいの夜市でした。広さもそこそこありますが基本的に一本の通りの両側に仮設屋台がずらっと並んでいて、そこにビーチリゾート滞在者が、わんさかいます。両側二車線の車道の外側に屋台があるのですが、一車線は人々が密集してそぞろ歩きつぶれていて、立ち食いする人を避ける人が二車線目にも出ているので、夜市の時間帯にここを通る車はかなり徐行してはりします。ですが、大型バスも結構たくさん走るので、人々も適度に車に気を付けて車道にあふれているような感じです。台北のシーリンヨイチは様々な雑貨や多種多様なフード屋台が縦横無尽に広がりますが、それとはちょっと違います。懇丁通りの夜市にも雑貨はありますが、それはマリン雑貨の店舗が張り出した感じで営まれています。屋台の大半は、フード屋台です。ねぎもちやき、いかのすり身ボールをあげたもの、小籠包、といった日本人でも楽しみやすいものもおおく、南国の海岸リゾート独特の開放的な雰囲気が、わくわく感を醸成してくれます。(オーストラリアのGold Coastのサーファーズ・パラダイス、と空気がよく似ています。)ちなみに、マリン雑貨は、サンダルとか水着は、価格も安く品質もいいのです。日本の地方の海水浴の海の家でよく見る高くてダサいのしかないアレとはかなり違います。

店舗型の飲食店もあり、有名店トップ2もありますがそのさらに隣にある「南台湾」という店が僕はとても気に入りました。海鮮料理のついでにカクテルも飲めて、おすすめの「ケンティン」は、シンガポールスリングのココナッツ・フレイバー版、にといった感じで楽しく飲めました。

一泊目は、夜市を楽しむ時間にしかつけないので、懇点通りのど真ん中の宿を取りました。そこから海は見えないけど安くて広いホテルで、なかなか良かったです。
翌朝は、そこから2分ほど歩いて海岸に出てみました。噂通りのきれいな海でした。ただ、遊泳禁止の看板だろうものがあったのと、そこに流れ込む川が、ちょっと海水浴のモチベーションを下げる感じだな、、、と。(巨大な夜市がすぐそこにあって、そこが流す水は、たぶん、川にもそれなりに流れ込んでいるのかな、と。)

そんなことは、世界中の人気ビーチリゾートでよくあることなので、徒歩では往復できない奥の方の小さい湾のビーチに滞在するのがいいだろう、と思って来ましたが、それはやはり正解でした。

二泊目・三泊目は、SailRockビーチの目の前に立つ小さな宿に滞在しました。ビーチアクティビティがあるビーチなので、皆は車で乗り付けて楽しんで帰っていきますが、早朝は人っ子一人いないビーチです。流れ込む川もそこそこきれいで、水の透明度が高いです。私が足のつかないところまで泳いで行ったとき、海底はきれいにみえるほどでした。
そういう宿に泊まって、手ぶらでビーチで泳いでビーチから宿まで10秒、かえってシャワーを浴びて、エアコンの効いた部屋でビーチを眺めつつ仕事をする、という感じに過ごしていました。(まったく仕事を忘れてリフレッシュする、というのは、私には向かない、かえってストレスのたまる休み方なので、毎日数時間はデスクワークをします。その時、気持ちよくできる環境が欲しかったんです。この宿は理想的でした。日の出のすぐあと、誰もいないビーチで泳いでシャワーして執筆。昼は泳いだり、仕事したり。夕方は、部屋のテラスで一杯。そんな感じで充実した感性の仕入れができました。

こういうエリアに泊まると、移動の足がないと不便です。そこにだけ閉じこもりっきりになってしまうのはつらい。夜市のあるあたりへ気が向いたらみにいきたいし、最南端ポイントも見に行きたい、台湾の東海岸もすぐそこなわけで、日の出を見ることもしてみたい。そんなこんなで、今回は、バイクをレンタルしました。

懇丁で日本人が二輪を運転をすることは、比較的簡単です。車道は広く二車線あり、自動車の交通量がかなりすくなく、滞在客たちのたくさんの電気スクータが音もなく走っている(この風景はちょっと未来感のある感じがします)ので、日本人でも容易に運転できます。この電気スクーターは「電気自転車」と呼ばれていて、国際免許を持っていない日本人が、乗り物を借りようとすると、これ一択になるようです。

私は、今年はほかの国で運転する事情があったので、国際免許と日本の免許証を持っていました。懇丁通りのはずれ、北から来る人にとって、入り口のエリアにあるバイク屋さん(向かいにマックがある)で、この2つを見せて、“バイクを借りられますか?”と聞いたら、“OK”、と。エンジンのついたスクータ(125cc)を48時間借りっぱなしで、1200台湾ドル。日本円で4,500円。4時間とか8時間の電気スクーターのレンタル代金でも数百ドルなので、借りっぱなしでいられるならまあいいか、と。

(バイクのレンタル時には、試し乗りが出来なくても見るポイントがあります。まずタイヤ。車体がきれいでも、タイヤの溝がすり減っているものは避けます。タイヤの溝がきれいな新しいタイヤをはいているものを探します。最も重要なのは制動時の前輪。そして、次に後輪。両方ともきれいなものはそれなりにメンテされている可能性が高いです。そして、握れるならば、ブレーキもぐっと握ってみます。握りこんでいくと気持ちよく手ごたえが強くなるものがよいです。スッカスカものや、握ってすぐに握りこめないほど固くなるものは、ちょっと扱いづらいです。止まっているバイクでチェックできるのはここまで。本当は試し乗りできるなら、ある程度の速度まで出した後にハンドルから軽く手を放してみます。そしてハンドルがたたたと左右にどんどん揺れていくものは、できれば避けます。とはいえ、スクーターはハンドルから手をはなすのは、ニーグリップもないので危険ですので、乗りなれない人はしない方がいいですが。)

バイクを貸す人が「これがいいんじゃない」と目立つ色のスクーターをすすめてくれました。
出しやすいところにあるし、色もきれいでしたが、タイヤの溝がだめでした。選べる中で一番、前輪タイヤのいいのを選んで、後輪もチェックして、ブレーキも握ってみるころには、言葉があんまり通じなくても、“あ、この人は、バイクが分かっている”と、安心して、よりざっくばらんに接してくれました。

僕は、このバイク屋さんは、朴訥としているけれど、価格も車体も信用できるだろうと感じて、借りることにしました。(もしかしたら、もう少し安いところもあったかもしれません。でも、バイクは最安値じゃなく、しっかり整備しているものがいいですから。)

店の場所も、街のはずれ(懇丁快速が懇丁の中心地に入る入口あたりですが、バスは入口よりもう少し入ったところに停車するので、多くの人は滞在中に、一度もこの店のあたりまで来ません)なので、まじめな商売をしないとやっていけないだろうと思いましたし、バイクの品ぞろえがとてもよいのもありましたし。

バイク屋さんを出るときに、4つのことを聞きました。
・「給油口はどう開けるの?」「ここまでひねるんだ」「しまったことの確認は」「こうだ」
・「ここ(メットインスペース)はどうやってあけるの?」「ひねる、おす、ひねる」「OK」
・「ガソリンの種類はなに?」「95」「それってガソリンの名前?」「そうだ」、
・「この町の制限速度はいくつ?」「60」「サンキュー」。

バイクはほとんどガソリンが空で乗り出します。返却時も残さないでいい制度です。
すぐそばにガソリンスタンドがあり、係の人に「95,Full」とつたえればOKです。
満タンでも90台湾ドル。これだけで2日間もちました。

街の入り口にあるこの店から、懇丁通りを抜けて、次の小さい湾を抜け、10分ぐらい走ると、Sail Rockビーチです。そこまでタクシーでいくなら、200か300台湾ドルぐらいかとおもうので、その往復費用を考えると、バイクをここで借りることはかなりお得でした。

ちなみにここで見たバイクと電動スクーターの利用者はヘルメットをかぶっていましたが、中には三人乗り(子供2人を乗せたお母さん)が三人ともノーヘルで走っていくような風景も割とよく見ました。めったに事故がないとしても、旅行者は、基本的にはヘルメットは被ったほうがいいでしょう。(あと、長距離のるなら、サンダル・短パンも避けたいところ。靴と長ズボンが事故の際のけがを大幅に減らします。)

私は、日本ではバイクを手放してからずいぶん経つのですが、大型二輪の免許はあり、バイクを安全に楽しむことに余念がないタイプかと思います。このくだりが、長くなりました。

バイクがあったことで、この、リゾート地の奥のビーチに滞在することがとても楽しいものになりました。夜市までは、南国の夜風の中を10分。最南端の岬まで15分、夜暗いうちに起き出して最南端を回りこんで東側の日の出スポットまで25分。

バイクがなかったら、路線バス(すごく本数が少ない、遅い)か、タクシーだけが選択肢で、面倒だっただろうと思います。(タクシーは便利ですが、降りたら次にタクシーを捕まえられなそうな場所だけにしか、いけません。出ないと何もないところで、徒歩で帰る羽目になります。)

ちなみに、あまり推奨できませんが、最初と最後だけは、私の荷物である機内持ち込みサイズのスーツケースを足元に乗せて走りました。スーツケースを寝かせた方が安定するかと思ったものの、最終的には立てて、シートとフロントカバーと足で四点挟み込みして走るのがもっとも安定しました。バイク屋さんもスーツケースを乗せて走る客は少ないようで、どう乗せようかと試行錯誤していました。(できれば、ゴム紐を貸してほしかったのですが、そういう風な乗せ方をする部分があるバイクはありませんでした。どれも二人乗りのためのシートになっていました。)

話がそれすぎましたが、台湾最南端の街「ケンティン」での滞在は、とても楽しいものでした。人にお勧めできるか?といわれたら、台北からの移動時間はちょっとかかるものの、大阪→高雄、と入国して、高雄空港からでている長距離バスに乗れば、2時間後には、つけるので、関西の方が「沖縄、それも、那覇じゃなくて、名護のきれいなビーチで過ごしたい」というニーズには、同じぐらいの移動の手間で、ここにも来れるのでいいんじゃないかと思います。

海のきれいさは、比較する場所によりますが、沖縄本島のきれいさと同じか、さらにきれいな水準です。南国としての気温の高さは、ケンティンです。沖縄本島の南端あたりと台湾の北端に近い台北が同じぐらいの緯度です。ケンティンまで南下すると相当に熱帯です。台湾の下側1/3ぐらいは、北回帰線よりも南にあるので、いわゆる一年の内に太陽が真上にくる可能性がある赤道にちかいエリアです。日焼けも半端ないです。

夜市は、非常にワクワクしますし、おいしいです。(沖縄本島でいう国際通りも、夜の賑わいがありますが、もっと、プリミティブな楽しさがあります。)

南端の岬では、冷えたヤシの実をその場で穴をあけてストローをさし、提供してくれます。それで50台湾ドル(=200円もしない、これはやすい!)

台湾の方は、日本人にとても優しいので、つたない英語でしゃべっても、なんとかくみ取って対応してくれようとします。これは世界中どの外国に行くよりも、精神的に癒される気がします。

天候は雨もあるようですが、スコールで短時間どさっとふって、からっと晴れる、とのこと。私がいた三泊四日の間は、起きている間には一度も雨が降らず、スコールもない晴れだけでした。(宿の人に曰く、それはとてもラッキーで、普通はスコールに毎日会うもんだ、と。)

宿の値段は、ビーチまで徒歩10秒、みたいな宿をとる場合は、有名でないエリアの小さい宿を選ぶと、環境も値段も満足できるものになると思います。個人的には、Sail Rockが夜市にもほどほど近く、さりとて、徒歩では人がやって来られないので落ち着いて長逗留するにもいいかと。冬の間に、海の見える部屋に長く滞在して執筆でもして過ごしたいなぁと、思いました。


一年中気温が高いので、6カ月は泳げるそうです。5月〜10月。5月6月は梅雨があるそうで、雨がち。8月下旬から9月は台風。なので、7月から8月頭ぐらいが、一番気温が高く、シーズンとしてもいいそうです。台風の終わってまだ気温の高い10月あたりもいいかもしれません。(沖縄の名護では、シーズンオフの冬でも、マリンアクティビティーはウエットスーツを着て毎日提供されていました。多分、熱帯のここの冬はさらに条件がいいので、真夏じゃないけど日本人の感覚なら泳げるんじゃないかと。通年、クラゲはあまりいないそうです。(ただし私は、二度ほど、クラゲに刺されました。浜辺から離れて沖の方まで泳いだときに、腕の内側や足の甲にピリッと痛みが。急いで宿に帰ってシャワーで洗い流しましたが、数時間はピリッとしていました。少しだけみみずばれがでましたが数時間後には跡形もなくなっていたので、どうってことのないレベルで、沖まで泳げばまた刺されるけど、別にいいか、と思っていました。(ネットの防護エリアも一応あったみたいです。)

以上、、台湾最南端のビーチエリアがどんな風であるのかを今回は旅してきてみました。


新竹、懇丁.jpg


【最後に:その1】

((渡航してミーティングした三つの 理由))

一つ目。互いに母国語でない言語を使ってやり取りしていくなかで、どうしても意図の機微がくみ取りにくくはあり、一度リアルに会って直接会話ができるようにしておきたかったのです。

二つ目。依頼された講演日は、前日は夜まで東京で企業内研修の仕事があり、ぎりぎりの綱渡りで、深夜便で台北入りするしかありません。今回同様に、夜遅くに桃園空港についてみて、どんな感じになるかを把握しておきたかったのです。

三つ目。仙台→台北の直行便LCC・タイガーエアを使ってみたかったのです。それが使い勝手が良いと、台北を経由地にして、各国に出ていきやすいな、と思っていまして。
(今年9月下旬から、Peachの同路線の就航が始まります)

そんなこんなで、二日前に思い立って、急遽台湾行きを決めました。
(そして、行ったからには、例によって、「感性の仕入れ」も行います。三度目の台湾なので、台北や九分・十分はかなり体験していますので、今度は目的地・新竹から南のエリアをいきました。)


【最後に:その2】

((台湾新幹線))

 “台湾新幹線“と、日本人のガイドブックにはそう書かれることが多いですが、現地ではそういう風に言いません。

HSR(High Speed Rail)、あるいは、高鐵(多分、高速鐡道の意味)と表現されます。
乗ると、新幹線です。ちょっと仕様が違います。普通車の座席間が広いので椅子を倒しやすいです。大型荷物の置き場があります。非常出口の窓があります。

台湾新幹線は、北は台北駅(ともう一つ先の南湾駅)から、桃園、新竹、台中、台南、と左側の沿岸部の街をとおって、南端は高雄駅まで、走っています。(そのほかにも、日本人になじみのない駅もあります。)
この新幹線駅が、その街の中央駅ではないことが多い、という点を心得ておくと、旅のスケジュールが立てやすいです。

HSRの台北駅は、いわゆるちゃんと、在来線の台北駅です。わかりやすい。(その分、台北駅は結構複雑な作りで、駅の中の移動には少し時間がかかります)

HSRの桃園駅は、地下鉄の「高鐡桃園駅」です。空港までMRT(この辺りは地上を走っている地下鉄)で乗車時間は15分ぐらいです。運行は15分おき。夏の暑い日にホームで待つのは結構難儀します。(電車待ち時間を含めると、所要時間は30分ぐらい、とグーグルマップは言ってきますが、体感的にもそんなものです)時間を有効に使いたいときには、桃園空港〜桃園高鐡の移動は、タクシーがおすすめ。今回乗って345台湾元(≒1200円)でした。すぐに乗れて、ターミナル1のタイガーエアのチェックインカウンタのすぐまえの入り口につけてくれます。時間は15分。

HSRの新竹駅は、在来線の六家駅、と隣接しています。この在来線は、日本でいう長良川線みたいなレトロ感のある列車。30分に一度ぐらいの運行で、タイミングが悪いと長らく待ちぼうけです。在来線の新竹駅まで20分ちょっと列車に乗ります。(なので、さっとタクシーで街中へ行く方が時間が有効に使えます。1000円前後かと)

このルールで行くと、高雄もきっとそうだろうと思っていると、南端であるはずの高雄の駅名が、HSRの駅名にありません。代わりに「左營」という見慣れない名前。

HSRの高雄の駅は、駅名は「左營駅」といいます。ズォイン、みたいな発音をします。ここから、地下鉄(同じ駅名)で南に20分ぐらいで「高雄駅」につきます。高雄の読み方は「ガオシェン」。

南に向かう新幹線の行き先の表示も「左營」となっていています。新幹線は、北上か南下しかないのですが、「北上する新幹線は、南湾 行き」。「南下する新幹線は、左營 行き」と、いう感じで、事前知識がないと、ちょっと焦ります。旅人としては、台北行き、高雄行きって、出てほしいですが。

ということで、日本の新幹線と構造的ににた状況になっていました。(新幹線の大阪は、≠大阪駅、だけど、新幹線の東京は、=東京駅)

基本的に、HSRの駅は、在来線の中央駅から遠い、という認識でいた方が時間の読み間違いが少ないでしょう。そして、HSRの駅から街の中央駅までは、距離がある割には、タクシーで1000〜2000円なので、タクシーの利用を前提にしたほうが旅がスムーズに進みます。

列車には自由席、普通席、ビジネスクラス(グリーン車に相当する列車)があります。

おすすめは、ビジネスクラスです。新幹線の料金は日本の感覚にくらべかなり安く、そして、普通車とビジネスクラスの価格差が、長距離だと割と小さいです。(逆に短距離、例えば桃園〜新竹、とかだと価格は二倍以上と割高感が強いかもしれません。)

ビジネスクラスでは、お菓子と飲み物をくれます。暖かいウーロンティーがおいしいです。

また、旅人にありがたいメリットとして、切符を手に入れるまでの時間が違います。
窓口がビジネスクラスは別になっていて常に空いています。普通席は長い行列があります。
新幹線の切符をオンラインで予約しておいても、紙の切符を手に入れるには、窓口に行く必要があり、そこで行列に並ばなくてはなりません。乗り遅れないような安全を見た時間をとると駅での待ち時間が長くなります。すぐに帰ることもあるけれど、長い行列ができている時もあります。
ビジネスクラスの切符にしておくと、そのロスがありません。せいぜい1〜2分も待てば、順番が来ます。

以上、台湾渡航の報告でした。
posted by 石井力重 at 23:59 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2017年06月26日

長らく「ワークショップ専用品」だったツールを一般販売製品にするための開発会議

アイデアプラント製品上市10周年の今年は、新製品を3つリリースし、米国販売も始まりましたが、既に次の製品リリースに向けて仕込みが進んでいます。

長らく、ワークショップ専用品、として、オンラインショップやAmazonに掲載していなかったツール「ブレインストーミング・カード」を、一般販売品のラインナップにいれるための開発作業をすすめています。

カード自体は多くの人が目にしたことのある4色カードですが、先日は、その製品のマニュアルシート(いままではスライドしかなかった)のデザインのディスカッションをしていました。

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良く企業ブログある、開発中のテーブル風景、は、机の上にいろんな試作品があってそれがぼやかされていますが、実際そこの場ではどうなっているかというと、複数のデザイン案がのっていて、絞り込まれ磨き込まれた最後の一つだけが、世に出て、それ以外のものは全部日の目をみないでお蔵入りしていきます。

それが、工業デザイン作業の宿命です。創作物はどれも大事で敬意をもって取り扱っていますが大半の創造物は日の目をみない。作るというのはそういう膨大な無駄をして1を世に出す作業ですから。

が、そういう没ネタになるものもこの写真では、(意図的に大きく画質を落として)掲載してみています。

大企業だったら、この風景を載せたら、叱られるでしょうけれど、原題は潜在ユーザとともにモノを生み出す時代であり、出来るまで黙っていてある日突然リリースというスタイルよりも、徐々にできていく過程を共有して、必要な人(大抵それは狭いセグメント)に情報が、丁寧に伝わっていくことが大事、だと思います。

(もちろん、現代社会であっても、情報解禁日まで出さずに潜水艦のように開発行動をしっかり守秘していくスタイルも、開発物によっては重要だとおもいますので、なんでもかんでも、作りながらそれを見せているのが良い、というわけではありませんが。)

そんなわけで、話をまとめます。

このブログの読者という奇特なニッチな方は、大抵クリエイティブリーダだったりアイデア創出に取り組む人々だったりされますが、そういう方に向けて、報告としてこれをつづりました。

これまで、アイデアプラントのワークショップでは、ワークショップの導入時に行っていた、クリエイティブ・アイスブレイクの道具「ブレインストーミング・カード」。
それは、ワークショップ参加者しか手に入らないカードにしてしまっていた非売品のカードセットでした。
なにもレア感を出したかったわけでもなんでもなく、「石井がやろうと思って、ずっと先延ばしにしてきたこと」なんです。

それを、ちゃんとした製品ラインナップに乗せよう、と言ってくれるパートナー企業さんがいてくれて、石井自身もしたいことを、どんどん相談できるようになって、こういう運びになりました。

一般販売可能な製品になる、ということは、ワークショップに参加したことのない人ですら、手に入れて使えるようにする、ということであり、石井の中ではそれは、道具としてレベルが一段階あがることを意味しています。作りての石井が行って説明して使う道具、と、単体で世に流通する道具とは、情報デザインのレベルでは雲泥の差があり、その辺は、パートナ企業の優秀なデザイナさんが、構築してくれています。(これは、個人的には本当にありがたいです!!、自分が口伝で伝えていることを、自分が居なくても成り立つようにする、という形式知化&紙面デザイン、というのは、私はとても苦手なんだ、とおもいますので。)

ということで、ブレストの準備運動になにか、簡単にできるブレスト・ゲームないかな、という社会の微かな声にこたえる道具、夏か、秋には世に出せるように、目下、鋭意開発しております。

(補足:「簡単に」、でなく、「じっくり取り組みたい」という場合には、アイデアプラントのフラッグシップ製品である「ブレスター」(Brainstorming Master)が、あります。今回の開発は、ブレスターほどの本格&長時間じゃなく、手軽に10分で、ブレストっぽい場を開かせる道具としての「ブレインストーミング・カード」を世に出そうとしているものです。) 
posted by 石井力重 at 00:05 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2017年06月14日

一気に複数の開発を、パートナー企業(マグネットデザインさん)と共に

アイデアプラントの製品上市10周年の今年は、いろんな切り口での開発に取り組んでいます。

先日の開発会議では、アイデアプラントのパートナー企業であるマグネットデザインさん(の オンラインショップ店長iさんと、デザイナoさん)と、もろもろの案件を打ち合わせていました。

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海外展開の第二弾としての商品のローカリゼーションの打合せの一コマ。

とはいっても、展開する言語は英語、ターゲット市場は北米なので、グローバリゼーション、というほうが適切かもしれませんが。※

※(大震災以降、戦略的に、世界を見に行くようになりました。世界の裏まで滞在しに行って、人と文化を見る目が、少しだけ開きました。そして、『「英語化=グローバリゼーション」なんてのは違うんだ』という言葉を実感として理解できるようになりました。あらゆる国は、その国の中の人々の独自の営みがある。商品や知識を提供しようとしたら、民族や国や地域ごとに合わせたローカリゼーションが要る。それらを束ねた総体が、グローバリゼーション、なんだ、とようやく、分かり始めました。ですが、それぞれの国への具体戦略をEdgyに立てられるレベルには程遠いです。あくまで、世界各地は違うんだ、ということが分かり始めた、程度です。)

国際展開は、今後、長い時間をかけて取り組んでいきます。投資フェーズがしばらく続いていく中で、あまりに粗雑な舵切りをしてしまわないように、代表として戦略眼をもっと養っていかなくちゃ、そして、現地をもっと見に行かなくちゃ、と。


また、別の開発案件としては、長らく非売品であった、ワークショップ専用ツールの一般販売にも取り組みます。

ワークショップの中で使う前提で作るなら作れるものがあり、それはその誕生の経緯から、ずっと、ワークショップの付属品でした。ただ、そろそろ、それを単独でも提供できるように、商品としての在り方を一歩深化させてみよう、と。


その他、もろもろの打合せを長時間にわたり一気にしていました。


今、パートナー企業には、国際的な素養を持っている方や、眼のいいデザイナーさんがいて、石井の中で醸成してきたものが、現実のトライとして次々、動き始めています。

戦略的に考えているベースもあるのですが、時代の変化の急流の中では、出来るだけ、軽量で迅速なトライ&Pivotが大事だろうという思想のもと、仮設的なことを、これからも力をかけてやっていこうと思います。


(このブログでは、どうしても講演・ワークショップの情報発信が中心ですが、私の仕事のもう一つの側面は、発想道具のデザイナーです。外からは見えにくい、開発行為の日々もまた、私の仕事のとても大事な部分でしてこのブログにつづりました。いつにまして、まとまりのない文章になりましたが。

こうして作る時間が多い時は、副産物として、うちの製品やサービスにならないようなもの・こと、もよく作っています。余談すぎる話なので、これはまた、どこかで、余話として綴ってみたいと思います。)
posted by 石井力重 at 17:59 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2017年06月04日

【新シリーズ・セット】アイデアワーク・ステーショナリー 3点セット

今年3月に、アイデアプラントの製品上市10年を迎え、新シリーズ「IDEA WORK stationary」を、3カ月連続でリリースしてきました。

この度、それら3つをセットにした「3点セット」を、出しました。

IDEAWORK_stationary_assortment.jpg

セットはこの3つで構成されています。
使いみちはそれぞれあります。


1)猫(neko note)は、一人で深い考えを引き出すのに使えます。そして、そのあと集団で共有し、概念要素を統合・構造化していくことができます。
学校や研修機関では、意見出しやアイデア出しの導入パートに、よくマインドマップや放射状のメモを用いますが、そのハードルを大幅に下げることが出来きます。
(初心者向けです)


2)よも(Yomo)は、ポストイットを大量に使うチームのための道具です。ポストイットをテーブル上ですいすい並べかえたり、ポストイットにコメントをつけたい時に便利な「ポストイットの台紙」です。
ポストイットより二回り大きい正方形の紙で、四方に穴が開いています。
会議終了後のポストイット内容のスキャンやストックも簡単にできます。
(ポストイット・ヘビーユーザ向けです)


3)ロク(Roku+Core)は、アイデアスケッチから本質を抜き出し、別のアイデアへ発展させていく作業を、促進する紙片セットです。
成人男性の手のひらを拡げたぐらいの大きさの六角形の紙と、こぶし大の丸い紙で構成されています。
六角形の紙に、アイデアスケッチを描きます。その周囲の穴に、丸い紙を差し込み、アイデアのエッセンスを書きます。そしてそのエッセンスから新しいアイデアへと再発展させたものを別の六角形の紙に書きます。こうして、アイデアPivotを自然に行っていけます。
(クリエイティブ能力が仕事の中核にあるような人向けの道具です)


これらは、どれも、「特殊なフォルムと構造を持ったメモ用紙」です。それが、アイデアワークの中のちょっとした不満を解消し仕事を捗らせます。

アイデアプラント代表として、色んな地域のいろんな企業・学校で、大量のブレストに立ち会い、人々が「わずかに感じている見えにくい不満」が共通してあることに気づきました。

ブレインストーミングを(あるいは、意見出し、アイデア出し、クリエイティブなチームの思考作業を)もっと良い体験にする道具が出来ないだろうか、と、思ってきました。

それらをデザイン、試作、試用、と繰り返して来て、収斂したのが、この3つの道具でした。

私の本音の中ではこれらは「クリエイティブ消耗品」(=クリエイティブワークの中で使用され捗らせたら、使った分だけすり減っていくもの)というものです。クリエイティブな仕事をする人々のための特殊な消耗品として創造作業の捗りに貢献できましたらば、幸甚です。

以上、セットのリリースのご紹介でした。


アイデアワーク・ステーショナリー シリーズの特設ページ


3点セットのオンラインショップ・ページ (法人向け)
 (書類対応や振り込み対応が可能です)

3点セットのAmazonページ(個人向け)
 (すぐ出荷されます)





(余談です)

悩ましいところですが、特殊加工の少量生産のメモ紙は、製造原価が高くつきます。自分自身もユーザであるので、原価の高さは痛いのですが、ものすごく大量生産して原価を文具レベルに下げることは、持続可能な事業という意味ではリスクが伴いますし、その在庫がはけるまで次のアイデア支援道具の開発に踏み出せなくなります。

ですので、持続可能な事業範囲での生産数量にして、かなりニッチに向けた製品として世に出しました。

これまで、neko noteのような、連結と分岐という機能を有するメモ紙を考案した人がいないわけがなく、それを考案した先人たちも、デザインを突き詰めて製造してみようとして、「すげー高いんだ、こういうデザインの製造費って・・・」というところに辿り着いていたんじゃないか、と思います。

私はアイデア創出支援、という仕事柄、その道具があると、めちゃくちゃワークが楽になる、という特殊事情があり、「ユーザが世の中に、N=1(=私)、しかいなくてもいいや。作ろう」という意思決定になりました。

実際に販売可能レベルなコストの生産数量(でも、企業体力的にリスクとならない生産数量)で発売に至ったのが、このシリーズなので、一般の文具に比べたらべらぼうに高いのですが、そんな背景で産み落としたツール群です。

いざ出してみて、使ってもらうと、驚くような量のリピートをしてくださるある種の専門家の方もおられたりして、現実というのは予想だけでは推し量れないものだなぁと、思っています。

そうして、皆さんが買ってくださるものからの収益は、さらに次の「アイデア創出支援ツール」を開発するための貴重な原資として、大切に使わせていただいています。

新シリーズが出そろったところですが、(代表兼)開発責任者の私の方では既に次のツールの考案や試用に取り組んでいます。大量のアイデアと試作の中から、わずかのモノだけが、こうして日の目をみますが、そういうものを生み出すために、大量の試行錯誤を、今日も続けています。

(以上、作り手の開発余話でした。)

posted by 石井力重 at 16:41 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2017年05月23日

新製品【 Roku + Core(ろく たす こあ)】

アイデアプラントは、「書く・抽出する・発展させる」の3ステップを促す、あたらしいアイデアスケッチ・カードを発売しました。(少しブログへの掲載が遅れましたが、5月17日に、上市しました)

Roku_Core_01.jpg

まず、アイデアプラント代表 兼 開発者の私の言葉は、長く、くどくなりますので、製品特設サイトと、アイデアプラント公式サイトの方を、ご覧いただくと、シンプルに全体が分かりますので、ぜひご覧ください。



・・・という道具です。

ここからは、いつもの如く、作り手(私)の生の言葉を無編集で載せてみます。


==【多くのアイデアワークを見ていて、気づくこと】==

企業内での創造研修や、大企業内のアイデア創出ワークショップ、オープンなアイデアソンなどを私は年間で50件ぐらい行います。その中では、絶対に「アイデアをかく」というタイミングがあります。書き方は、ケースバイケースです。

大量観て分かるのは「A4の白紙」や「A4の印刷されたフォームを有する紙」を使うか、「ポストイット」を使うか、「大判の紙、模造紙」を使うか、の3択であり、参加者はいつもおなじみのそのマテリアルであることに飽きる、という点がみられました。

また、素描されたアイデアには大抵は、発展余地(いうなれば、改良余地)が残されています。それを改良していくときに、A4の紙に描かれたものを、別のA4の紙へ発展させていく、という慣れた人にはどうってことのない作業が、アイデアワークの初歩段階にいる人にとってはとてもやりにくいという点も見られました。

熟達した人ならば、アイデアに欠点があれば、そのアイデアの輝き・本質、だけを見抜いて、それを抽出して、新しい具象(フォルムや具体的な仕組み)を付与しなおすことが出来ます。それが入門者にはとても難しいのです。熟達者は、その所作を説明できない。もどかしい。といった具合です。

そこで「先生、これって、どう発展させればいいでしょう」と聞かれることが本当に多いんです。(ちなみに、ファシリテータさんと呼ばれることは滅多になく、参加者は大抵登壇する人を、せんせー、と呼びます。どうでもいい話ですが。)

さて、そこでいうのは「そのアイデアの本質は何でしょう?そのアイデアの核となるものは何でしょう?それをまずは見抜いて、次にそれは最低限維持して別のアイデアへ再発展してみてください。懸念点がうまく回避できるように。」ということをアドバイスします。

アイデアPivotという営み。
これは、アイデアワークを頻繁にする人には、自然と起こっている思考展開であり説明もしにくいのですが、出来るようになった人とできない人の差は大きい、そんなポイントがあります。


==【望まれたもの】==

理想的には、ブレストAIみたいのがあって、アイデアをぶつけたら、たちどころに、そのアイデアのコア(核)を見抜いて、切り出して小さなラベルに印字してくれる、なんていうのが最高です。

でも、それはまだまだ望むべくもない。もしかしたら、ずっと無理かもしれない。誕生してもコストが高い、準備が面倒、というものかもしれません。

そこで、不慣れなメンバーでも、いつでも「アイデアを出したら、アイデアのコアも抽出する」という所作をガイドする「特別なアイデアスケッチ・シート」を作ろう、と思いました。

そのシートは、シンプルに、アイデアを素描するときは、ただ素描ができるべきで、描きあがったら次の思考作業として「このアイデアの核は何だろう」と考えることが促される「枠、あるいは、ガイド」が後から出現する、そういうものがいい、と。

折りたたんだ紙だったり、紙面の印刷によるガイドも可能性としてはあり得るし、後から書き込む場所を増設するような形状もあり得るでしょう。


==【試行錯誤を、例によって、膨大に】==

そういう理想状態を目指して、大量の試作品を作って、自分が被験者になって使ってみる、ということを繰り返していくうちに、2つの形状だけで無限にPivotしていける形に突き当たりました。

一つは六角形です。大判のポストイットよりもさらに2回りぐらい広い面積を有し、さりとて、A4サイズほど大きくはない面積にすることで、フルにしっかりしたアイデアをかくことまでは要求しないまでも、ある程度のアイデアを描くことが出来ます。形状は、アイデアスケッチをたくさん卓上に置く、という個人作業・共同作業をするために、自己相似形かつ横長にならない(円に近い)形状として、六角形、になりました。

もう一つは、その六角形の一遍の長さにちょうど合うような直径を持った「円」です。それは、アイデアスケッチを描く、という作業をあらかたして、アイデアを共有して、めぼしいアイデアが見つかった後から、使い始めます。

そのベストアイデア、それについてもきっとまだまだPivotして派生案をたくさん作れる余地があります。そのスケッチに対して、「このアイデアの核、アイデアの本質は何だろう?」と問いかけてみます。そして浮かんできたことを、間違っててもいいので、この「円」の形の紙に書きます。そして、それを、六角の一辺に差し込みます。もっと、考えてまた別の角度から、アイデアの本質らしきものが浮かべばそれも書いて、また別の辺に差し込みます。

一つのアイデアに対して、アイデアの核というのは、必ず1つ以上あります。多いものだと、実は2つ、3つ入っていることもあります。掘り出したダイア鉱石の塊が実はダイヤ3つがくっついている状態、みたいなイメージです。

なので、アイデアの核は、視点を変えたり、切り出す人を変えたりして複数切出せる、と考えてトライしてみます。

そうして、複数の核を切り出していく。
その具体的な形がこれです。

Roku_Core_02.jpg

で、そうすると、今度は、具象、という囚われを超えて、「その核を元に新しいアイデアを結像してみよう」ということをやるわけです。

アイデアの核、として切り出したものは、考えようによっては、いろんな具象になりえます。
その時、アイデアの核がより活きてくるように、アイデアを素描したりもできます。
また、元のアイデアが持っていた欠点をうまく回避するように、新しいアイデアを素描することもできます。

そうして、アイデアをPivot(ズラス)という行為が、捗るわけです。

その新しいアイデアも、次の別の六角形に素描して、このCoreの差し込みに重ねるように指せば、
六角形と六角形が、隣接するようにつなげることが出来ます。

そうして、Coreを書き込むのにちょうどいい大きさ、アイデアの素描を短時間で次々するのにちょうどいい大きさ、書いたもの・描いたものを、要素として際立たせるためのふちどりの濃さ・太さも、多くのペンやシャーペンで試してみて、割り出していきました。


==【そして、出来たもの】==

それが、Roku + Core という「六角形の紙、6つのパンチ穴付き」と「円形の紙、2つの差し込み部つき」という、シートセットです。

枚数も一度のチームブレストで十分なアイデアスケッチ量を割り出し、50枚としました。(だいたい、一度のブレストで普通のチームが書き出し、アイデアPivotも行う場合、アイデアスケッチの総枚数は30、40枚ぐらいなんです。ただ、すごく発想の捗るチーム、アイデアワークになれている会社だと、100弱ぐらい、というケースもあります。)

上記のような道具である、ということの説明を、とことん削ぎ、「わかっている人にはうるさくない分量」のマニュアル1枚としてつけています。

全員が、アイデアPivotについての所作を全くもっていない、という集団の場合には、この道具のユーザになるのは少し難しいかもしれません。でも、リーダが一人ブレストするうえで、この所作を繰り返していくうちに、勘所はきっとわかって自分の中ですいすいと出来るようになると、チームをリードできるようになるでしょう。そうなってくると、メンバーに「A4白紙」や「ポストイット」で、あれこれ所作を説明して描き方の説明をするより「六角形には、アイデアスケッチ。丸には、そのアイデアの核を書く」という端的なアドバイスで、チームのアイデアPivotを導くことが出来るでしょう。


==【遊び的に、アイデアを回遊させていく使い方】==

元のアイデアから、Coreを出して、新しいアイデアスケッチを描き出したら、そのアイデアの核を更に書き出し、そこからさらに新しいアイデアへ、と広げてみることも、自然な流れとしてやれます。

本来、アイデアが次々ジャンプしていって、面白いところに辿り着く、のが、多様な人がいる場でやるブレストの醍醐味であり、アイデアはどんどん回遊して形を変えていくものです。

それに近い所作を、「アイデア素描」と「核だし」でどこまでも、視角的にやることが出来ます。


==【発想する仕事が終わったら、30秒でストックしよう】==

ブレストや企画会議を、30分、1時間、長ければ半日、なんてやることもあるでしょう。終わった後、ポストイットやセロテープで繋げられたA4の紙が大量に残ってどうしよう、ということがあります。

そこも、クリエータの生産性を奪うところで、削りたいところです。

このRokuは、6つのパンチ穴は、キングファイルのパンチ穴と、規格をそろえてデザインしていますので、どの辺(どの向き)でも閉じることが出来ます。

連結部は差し込んでいるだけですので、引っ張ればぷるっと取れます。

ですのであらかたブレストが終わって、ストックしておけばいいや、となったら、連結部としてのCoreを外し、後は、そろえてキングファイルに入れておけば、OKです。50枚全部使い切ったとしても、手分けして作業すれば30秒で終わります。

なお、RokuにCoreを2個までは差し込んだまま、キングファイルにさすことが出来ます。ですので、「このRokuにはこのCoreをつけたままにしておきたい」という場合には、そのままつけて、ファイルできます。

ブレスト後に通常は、写真を撮って机一杯に広がったアイデアを残しますが、たまに、アイデアの一つ一つを参照したい時があります。その時まで、そのキングファイルを、棚にほおりこんでおけばOKです。
また、スキャンして残したい場合も、スキャンスナップに次々送り込めば、Okです。Coreを一つつけたままでも上手くやれば流し込めます。


== == ==

以上が、恒例の「開発者語る」でした。

実際に、企業さんで実践でブレストに使ってもらうと、道具の自由度の高さから、色んな使われ方をされます。

例えばこれは、色んな部署の人が集まって、新事業アイデアをチームでブレストしている場面です。

Roku_.jpg

アイデアスケッチを各人が書いて、まずは共有・評価しているシーンです。
大きさとしては、ちょうど手のひらを目いっぱい広げたようなサイズの六角形で、多すぎず・少なすぎず、という感じの情報量が書かれています。

並べる時にも、六角形、というのは、横並びに置いてみたり、ジグザグにおいても見たりと、微妙な位置関係を自然と作りやすいようです。(これは、Rokuに限らず、六角形の紙がもつ特性ですが。)


<<最後に>>

道具というのは、人の目的と行動を補助するものであり、道具に振り回されて手間取る、なんてのは、もっともつまらないことだと思います。もちろん、習熟して初めて機能が出し切れる道具、というものあり、それはそれで素敵なんですが。ただ、アイデアワークという、繊細で忙しい思考作業をしている中において、アイデアの道具、というのは、とことんシンプルであらねばならない、と私は考えるのです。

ホワイトボードやボードマーカーも、アイデアワークの大事な道具です。それらはとてもシンプルです。

使おう、と思ってから、使い終わるまでに、ほとんど気にも止まらないぐらいの、空気みたいなもの、が理想だと思うんです。

その意味では、このアイデワーク・ステーショナリー・シリーズ(ねこ、よも、ろく、という3製品)は、人が見た時にとてもシンプルに見えるように、仕上げています。(その気になれば、発想ガイドをいっぱい印刷して盛り込むことだって、出来はするのですが、そんなわけで、していません。)


ご興味のある方がいらしたら、ぜひ一度試してみてください。
これがなくても、慣れてくれば同等のことはできるはずで、その最初の一回を乗り越える補助になれれば、幸甚です。

製品が売れて適切な収益が出る。
それが次の製品開発の原資になります。

ですが、その辺は、意識としては二番目です。

アイデアプラントの理念は、創造的な活動をする人や組織が次々と生まれてくる社会を作りたい、です。私が全国でお話しして、一緒にワークショップをするといっても一生涯でできる回数はたかがしれています。30年は約一万日、ですが、どんなに樺ってもそのぐらいの回数しかできません。

でも、製品という形であれば、僕がどこにいようも、アイデアの補助を提供できます。
アイデアプラントの製品開発というのは、いつもニッチな市場、クリエイティブ・リーダという極めて人数の少ない人たちに向けて作っていますので、製品単価はどうしても高いのですが、真意としてはそんな意図で作り続けています。

今もどこかで、創造的な取り組みをする人たちの、ほんのささやかな助けになれていれば、幸甚です。

石井力重
posted by 石井力重 at 00:10 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2017年05月02日

(遅ればせながら、拝命報告)2つの大学の非常勤講師を拝命しました

4月1日付で、2つの大学の非常勤講師を正式に拝命しました。

◎早稲田大学 (担当講義:デザイン論)

◎東北工業大学 (共同担当講義:アイデア基礎および同演習I)(同U)

早稲田は、夏季集中講義です。90分×15コマを、5日間連続で行います。
東北工大は、前期90分×15コマを、前期2日・後期3日、でおよそ2カ月ごとに行います。

(受講者属性、大学としての人材育成の狙い、に合わせでコンテンツをデザインしていますので、授業内容はそれぞれの大学で別物です。)

4月1日前後は、渡航中だったため、このタイミングで拝命報告を掲載しました。

私は若いころに思っていました。教育者というのは人を作る聖職だと。なので、私には向かない、と考え、大学時代、教職の単位は一切取りませんでした。あれから21年。企業内人材育成に、創造研修の立場で関わり、教育工学や実践中心授業(ワークショップ)も、研究の隣接領域として学び、アイデアプラントの代表として仕事をしてきました。

大学時代、教員免許を取って民間企業に就職した同期のほとんどが先生業にはほぼタッチせず、今となっては私の方が、先生業に近いことをしているのは、なんとも不思議に思います。

(だからと言って、大学時代に教員免許をとるのは無駄だ、というわけじゃありません。むしろ、それも習得していて、そのうえで実践的にも講義法を学べばもっといいでしょうから。)

ご縁があって出会う学生さんたちには、私の持てる限りのブレストの技術や、アイデアワークのテクニックをお伝えしたいと思います。今年も、全力で取り組みます。


余談)

今年は、非常勤講師といえど、一応、単位認定にかかる立場を2つ、つとめます。私の事業(アイデアプラント)の仕事量から言って、このあたりがほぼ上限となる日数です。

学校の先生業も、事前準備や授業デザインを含めてかかる日数は登壇の日数と同数だけ費やします。早稲田と東北工大の10日の登壇で、年間で20日ぐらいは、この仕事に時間を割きます。

さらに、その他、ゲスト講師(東北大学・京都精華大学)、地方行政・公的研究所でのアイデアワークショップなども計で6回、引き受けてます。(準備も含めて、計12日)

合計で、32日が、今年の大学・行政向けに提供する日程です。

私の年間の働く日数は、だいたい330日ぐらいですので、およそ10%です。

これ以上、事業の日数を減らすと、ビジネスとしての収益の健全性を損ないます。
長期にわたる安定した経営には、堅実な経営判断が要りますが、私には、この辺が、その水際だと思います。

他にも、ときおり、社会的企業や公益活動のための支援を打診されることがありますが、社会貢献は身の丈にあった量で、長く続けられようにすることが、顧客や社会に対して誠実な経営姿勢であると私は考えています。

こうしてここに書くことで、「せっかく来た依頼は全部引き受けたくなっちゃう病」に歯止めをかけて、着実に歩を進めて行きます。

その分、提供する授業は、最高の品質で、提供していくぞ、という覚悟とともに。

今年も、各大学・行政の皆さまには大変お世話になります。
鋭意取り組みますので、よろしくお願いします。

posted by 石井力重 at 11:22 | アイデアプラント 4th(2015-2017)



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