ひとつ前のブログでスライドを紹介した、硬い名称の講演会は、いつものアイデアプラントらしいスタイル〔=ワークショップ中心+ちょこっとだけ講義〕で実施してきました。
想定30名申し込んでドタキャンなどで減って参加20名ぐらいの参加、という見立てで講座を募集かけていました。
しかし、実際はもっと多く、申込み40名を超す申し込みがあったそうで、そこから、急な予定やインフルエンザなどの欠席者が少しで、参加37名での実施となりました。
発明原理の本質を紹介し、細かい情報のインプット前に、まずは発想体験の味見、という感じで、智慧カードでアイデア出しを競うワークを。
遊びのプロセスは、スモールステップで提示。
東北人の対人関係の基本は大人しいとされますが、本質は、静かなる意欲がある良い人たちなので、コールド・スタートの垣根をうまく超えれば、すぐに協力的で和やかな雰囲気に。
(参考余談:東北に拠点がある石井はこの辺の頃合いが分かりますが、関東関西からの講師だと「いや〜、反応が薄くて、、、」と評されたりします。実は、コールド・ブートの時間が、他の地域よりも2~3倍ぐらいかかるので急速立ち上げをしようと引っ張ると調子がつかめず波に乗れないままずっと進んでしまう、という構造が、そういわしめているのだと思います。)
回ってアイデアを伺っていました。
これだけの人が発案しているのを聞くのはとても楽しく、中には(あ、それ、売れそう、いい商品案ですね)と内心、思うものもありました。
と
長尺のワークでは、画面を分割し、スライドとタイマー。
その他、「考えあぐねている人にだけ、そっと伝えたい考え方のコツ」は、集中している人をディスターブしないように、ホワイトボードに。
(こういう使い方をするので、ボードは2面あると便利です。)
これがかかれたことに気づく人は、発想の作業にまだ没頭していない人です。
理想は、だれもこのボードにナニカがかかれたことに、気が付かないこと。
TRIZのコンテンツは多岐にわたります。
今度は、次期製品を考案する、というワークを行っています。
直接的な力、周期的な力、共鳴振動、進行波、という「力の使い方が高度になる」という技術特性を説明した板書。
進行波を使って面白いことをした技術事例を紹介しています。湖面に並べた振動子で定在波を作り、ポテンシャルの井戸を作り、次に波を調整しポテンシャル井戸をズラシてやることで、模型ヨットを岸に「引き寄せる」こともできる、という話を。
初めての思考プロセスはしにくいもの。「他者との共同作業」という緊張感の力を使って、思考の初速をつけます。
具体的には、ペアで雑談っぽく話し合いながら、アイデアを発想していきます。、
未来の製品を考える際に、現在の延長線上からの発想でなく、究極の姿へ飛ばし、現状と補助線を引き、その上を徐々に現在に向かって戻ってくる、というTRIZの思考法の一つも紹介しました。
その他、メッセージで、イマジネーション・フィールドからアイデアを拾い出していく営みに関するところで、「創造的退行」(
creative regress リンク先205頁など。)の話を少ししました。
以上です。
余談1:
「難しい話は、少ししかしませんよ、出来るだけ皆さんが手を動かし、やってみる、体験してみる、という時間を中心にして進行しますよ」なんて言いながら、徐々に学習に入ってもらい、創造的思考の山を登ってもらっていって、進んでいった先に紹介できる小噺(学術上の知見)を紹介する、といった感じで、いつも話しています。
それゆえ、参加者さんとともに辿り着く場所が都度都度違うので、同じ山を登っても、自然とする話は違っています。
今回のように写真で様子を振り返ると、「そうだ、そんな話もしたなー、そこもう少しかみ砕いた話を用意しておこう」なんて次へのアイデアがわいてきたりします。
余談2:
教室の真中に柱がある、という状況で苦慮しましたが、そこはクリエイティブワークの場だから、ということで、いつもの教室のピシッとした並びをやめ、机を傾けてならべたり、スクリーンの向きを壁から15度ほど傾けて皆がスクリーンの見える位置にしたり、という工夫でしのぎました。
余談3:
午後からの開始でしたが、ちょうど昼に高専の合格発表がある日だったので、建物の入り口で悲喜こもごもとそれを写すテレビ局が取材に来ていたりして、面白い一日でした。
余談4:
自動車で変える途中、東北道の金成のPA(下り)で休憩したら、珍しいお土産があれこれあって、東北土産として買い込んだものがありました。
金粉、白チョコ、あげ餡ドーナツを組み合わせてできた、「金なんとか、、、(四文字の名称)」のお菓子は、そのあと、パートナーにもっていったらとても喜ばれました。