2020年06月11日

ブレストの本質(オンライン講義ビデオ、4分)


オンライン授業で、ブレストの本質の解説をしました。
ブレストの場合、ルールってのは創造性のガイドなんです。

雑談(発想例のトーク)を削り、4分30秒にしてあります。
スライドの文字の見えやすさを改善して、再録しようと思っていますが、いつになるか分からないので、まずはこれを上げておきます。

posted by 石井力重 at 15:21 | オンライン・ワークショップ&研修

2020年06月10日

オンラインのブレストは「フリップボード・ブレインストーミング」(百均のスケブでOK)

東北工大「アイデア基礎」の授業の二度目では、FBS(フリップボード・ブレインストーミング)を実施しました。

まず、「フリップボード」とは何か、を短く。

クイズのパネラーなどが、自分の回答を書いて、一斉に、とんっとテーブル上に立てる、厚みのあるB4ぐらいのサイズのボードです。あるいは、ニュースの解説に使う、図示したもの(これは、フリップ”チャート”と呼ばれることが多いようです)。

ブレストの際に、これを用いて、アイデアを提示・説明するのがFBSです。

FBS.png

<<準備するもの>>

2つ。フリップボードとマーカーです。

実際には「ちゃんとした厚みのあるB4サイズのボード」を用いる必要はありません。
100円ショップで売っているスケッチブックで充分です。
それもなければ、コピー機の中のA4の紙束、あるいは、大きめのメモ用紙で結構です。

それから、太く書けるマーカー。
私のお薦めは、プロッキーの太いやつです。ですが、サインペンあたりでもいいでしょう。大抵、百均にあります。
あるいは、コピックでも、油性マジックでも、OKです。裏うつりするので机の汚損に注意と、換気をしましょう。
(ボールペン、シャーペンなどのような細かい文字を書くものは線いため、細く画面越しに見えないので避けます。)

※持ち運べるサイズのホワイトボードでもいいの?といわれると、FBSにはあまり向いていません。ホワイトボードをカメラ越しに見ると、肉眼とは違って照明の反射で思ったよりも視認性が低いのです。(あと、頻繁なかき消しをするので、ホワイトボードのケシカスが思ったよりも、とびちり、机の上の本やノートを汚します。土足の場所でないと消すのに気を使う道具なのです。)

<<やり方>>(オンラインのFBS)(想定人数は、3~6名)

0.ファシリテータ(いなければ、メンバーの誰かがやる”ブレストの軽い進行役”)が、ブレストのお題を説明します。

もしメンバーがお題について掘り下げるディスカッションが必要であれば、その時間も取ります。5分ぐらい。大抵は、そのお題について、疑問点や、アイデアの範囲(方向性や粒度)はどの辺まで許容されるのか、という話をするでしょう。

1.一人でアイデアを考えて、それを手元のフリップボードに書きます。5分間。

この時、各自がZoomやTeamsのシステムで参加していますので、多数のメンバーの並ぶ画面が横長(Zoom)か、縦長(Teams)かによって、フリップボードを横長に使うかを判断します。一般的には、アイデア素描は横長の紙に書く方が捗るという傾向があります。

アイデアスケッチは1案1枚の形式にします。複数案ある人は複数枚書いてもOKです。

2.皆で一斉にアイデアスケッチを画面の前に掲げ、順にアイデアを説明していきます。6~12分

アイデアを説明する時間は、一人2分程度。なので、参加人数N人いれば、2N分かかります。ステップ2が、6〜12分ぐらいで終わるのがが良いころ合いです。10分を大きく超えるようだとスピード感が失われすぎるので、参加人数は3〜6名がいいでしょう。

2分インターバルはできるだけ、確保します。2分間の中で、アイデアを紹介し、質問をもらって解説をくわえ、更にアイデアを広げてくるコメントが出てきたりもします。
もしそこで皆からのアイデアが広がり始めて2分で足りない場合は、ファシリテータは少し時間を延ばします。それでも長くて5分ぐらいまで。

なお、複数案を持っている人は、2分では足りない場合があります。というのも、1つ出すたびに質問が出て答える方が、場が温まります。なので、共有する時は、言いたい順に紹介して時間切れで共有し損ねてもいいようにします。

3.また、一人でアイデアを考え、フリップに書き出します。8分

この時間の長さは、ファシリが調整してOKです。先のステップで、アイデアの相互刺激が多く出てきて、ここは時間を少し長めにとった方が、アイデアを熟成させられそうだ、と思えば8分ぐらい。逆に、長くとるより、早く皆のブレスト状態に戻した方がいいと思えば、5分としても結構です。

各自が書くアイデアスケッチは、自分が新たに考えだす案ももちろんOKですし、先のステップで聞いた良いアイデアに着想を得てそれを改良発展させたアイデアを書くのもありです。この場で出てるくアイデアは共有材と思って相互に使います。

4.ステップ2を実施します。

基本的は同じです。ですがだんだん、アイデアが構造化されてきたり、アイデアの具体性が高まってくるので、共有やそれについての質問やプラスアイデアのコメントも多くなります。なので、一人のインターバルが長くなっていきます。ファシリテータはその辺は皆の発話状態を見ながら調整します。

さらに時間があれば、上記のステップ3と4を繰り返します。

おおくて、3周ぐらいをめどにします。

なお、ビデオ会議で会話状態にしている時間(ステップ0と2と4)の総時間が40分を超えると疲れてきます。アイデアが広がるのでどこかのステップを時間拡大することもあるでしょう、その際に、あと何分ぐらい、ビデオ会議時間を取っても場のエネルギーを維持できるだろう、ということを気にしてすすると、うまいく行きます。

<<アイデアの記録>>

ファシリテータが任命する記録係は、アイデアスケッチのスクショ(スクリーンショット)を取ります。

WindowsのPCの場合は、「Shift+Windowsマーク+S」を押すと、スクショが立ち上がります。「四角形の領域切り取り」で、スケッチ部分をラフに選んで、保存します。それがもたつくならば、「全画面表示の領域」の保存でもOK。

タイミングは、共有開始するステップ2や4で、各自の番でまず「はい、最初に、撮ります。でっかく映るように前に出して、5秒制止してください。」と声をかけて。こうすることで、他のメンバーもそのスケッチをじっくりと見ることができます。

そして、記録係は、オンラインで共同編集可能ファイルに張り付けていきます。
具体的には、Googleスライドがおすすめです。Win、Mac、他のPC、スマホのどのユーザからも軽くて開けます。
全員がパワポの使えるWinのPCから入っていれば、パワポをオンライン共有状態にして、(そういう設定があるのですが)、そこに張り付けてもいいでしょう。

この処理の効果は「一人でアイデア考える時間」に大きく効きます。一人発想時間には、「さっきのあのアイデア面白かったなぁ、、、」と回想し、そこを土台にして新しい着想が花開いていくことがあります。共有ファイルを書くが手元で開くことで、その刺激を何度も浴びることができます。

もう一つは、成果物の確保です。

オンラインでブレストしたアイデア群が各自の手元に紙で残った場合、あとでスキャンして送信、や、きれいに打ち直して提出、ということをすると、途端に”めんどくさく”なります。なかなか集まらないので、整理がつかない、リモートワークなのにスピードが下がる、ということが起こります。なので、その場で、全アイデアを確保してしまいます。

ブレスト後にアイデアの魅力度に対して、投票したり、グループピングをしたり、という次のステップも必要ですが、ブレストが終わると同時に、アイデアスケッチ集が出来上がっているので、次の作業へスムーズに進むこともできます。


<<実際の例>>

東北工大では、上記を実践しました。
その例を、次の記事で書きます。

(次に行く前の補足)

なお、この時は大規模(90名ぐらい)いる授業でしたので、上記のやり方をフルに足並みをそろえて行うことはできませんでした。特に記録です。そこが上記の用にはできませんでした。

その場合の対処として、「他の人のアイデアは、手元にメモをしておこう」としてしのぎました。

また、「各グループのリーダは、自分の偏見と好みでいいので、グループの中で魅力的だったアイデアを1案だけ、クラス共有のオンラインファイルへ記入してください」としました。
90名の全員がアクセスできるグーグルスライドのURLを石井がつくり、そこ、各チームの代表1案を記入してもらいました。

そうした理由は、その後、90名で、☆付けをして、上位案をレビューするためです。
このやり方は苦肉の策で、急遽とったのですが、実践上、ベターだったように思います。
もし、全チームのアイデアスケッチのスクショを、一つのファイルに置いたら、数〜数十ギガの重さになり、開けなくなる人が続出したでしょう。

ベストにするために、あと1歩欠けた部分は「代表1案をリーダが一人で決めた」点でした。各チームの中で、代表1案を決めて、それを投稿してもらう、ということをできれば、ベストに近かったと思います。(とはいえ、代表1案を決める、という作業は、アイデアスケッチをグループ内で記録していない中では、話し合いがしにくいはずなので、「5分話して代表案を合意できない場合は、リーダーに一任」という感じに、作業を明示していくことも併せて必要だったでしょう。)



追記:

レクチャー動画を作りました。
上記の文章とは、微妙に時間設定が異なります。
そのあたりは、調整シロとお考え下さい。


ishiirikie2020_OIWS.png

posted by 石井力重 at 11:04 | オンライン・ワークショップ&研修

2020年06月07日

授業コンテンツ動画を、「パワポ」+「紙とペン(半透明)」+「PCカメラ(半透明)」でつくる

多種多様な先生たちが、集い、オンラインで自分のハウツーを教えあうようになっています。
石井も、そういう場から学ばせてもらいました。
私からも、一つのやり方を共有します。

パワポ、書画カメラ(半透明)、講師(半透明で狭く)の構成で、
講義を行う方法です。

ツール的には、ノートPC、普通のwebカム(書画カメラとして)、モバイルディスプレイ、そして、Xsplitというビデオ映像ソースを調整するソフトで、行っています。

紙とペンで、コメントする、図示する、方が圧倒的に早いなあ、と思って、それをこんな感じでやってみました。
(ただし、何もない紙の上で、パワポの文字をなぞるのは、初めは少し戸惑います。一番最初の丸は、見当違いな場所に線を引き始めていたり。ですが、しゃべっている5分間の間に、だんだん、慣れてきて、狙った位置にひけるようになっているのが見えるかと思います。)


この方式は、結構便利です。

パワポのソースは消しておけば、「紙のノート」と「話者」の構成でやると、板書だけで講義する、というスタイルをすっと実現できます。

==補足1==

ビデオ会議の際に、Xsplit BroadCasterは、仮想カメラとして、Zoomの映像ソースなどにできるので、画面共有云々なしに、メモを書いて見せることができる、という使い方も。(ただし、XsplitはかなりCPUとGPUの性能を使うソフトなので、Zoomも立ち上げると、結構、ひやひやしながらの運用にはなります。PCのスペックが非常に重要です。)

それってどういうソフトなの?に対して、的確に答えにくいので、Wikiを貼っておきます。

「すぐ使えそう?」といわれたら、「映像ソースを画面にもってくる作業のボタンが小さいので、なんか直感的じゃないな」と思いますが、半日も使えばわかります。石井はそれまで、ビデオミキシングソフトだとかスイッチャー的な機能だとか、全然興味も知識もありませんでした。必要なら学し、使えばわかってくる。そんな感じで今は、このソフトを愛用しています。

(なお、同種のことを無料で叶えるものもある用です。OBSというそうですが、それを使ってないので、何とも。)

==補足2==

「書画カメラ」といっているのも実は「100円ショップの水きり台」と普通の「WEBカメラ」です。
水きり台の上にノートPCを載せると机が広く使える、という工夫はよく知られていますが、まず、そうして、その台の端にWEBカメラを付けます。垂直に真下に向けて。あとはその下でノートに文字を書くだけです。だいたい、台の高さが20センチで、A5ノートの幅をちょうど映し出す感じに。毎回、同じ高さに設定できることと、垂直に下を向かせることができることから、この「台のふちに着ける」工夫でだいぶ助かります。
(三脚に取り付けると真下は、三脚の足でノートが入らないんですよね)



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posted by 石井力重 at 18:08 | オンライン・ワークショップ&研修

オンラインで、アイデア評価を行うと、ロングテールになる(評価の傾向がリアルとオンラインで変わる)

2つ前、1つ前の記事で、大規模クラスで、オンラインアイデアワークをした事例を書きました。

その中で、全アイデアスケッチを、皆で☆付けをしてみたわけですが、する前はリアルと違うかもしれない、どういう分布傾向になるのだろうと、思いつつやっています。

なので、当事例で、星の数の分布を分析してみました。
といっても、図示しただけですが。

hosi_bunpu.png
クリックすると大きくなります(多分)。

大雑把に、気づきをメモしますと3つです。


上位4%に極端に星が集中する。(これは、リアルと同じ傾向です。)
上位1/3(=33%)以降は、(比較的)星の数が少ない。(リアルだと、上位15%あたりからぐっと下がるので、オンラインだと、☆の分布がロングテールになる)
☆がゼロのものがない。(リアルだと、☆ゼロが5〜10%ぐらいは大抵存在する。リアルに比べて、オンラインの方がロングテールになる。)

以上です。

==石井の所見==

この1事例だけで、多くを語るのは、よりどころが細すぎると思いますが、それを踏まえて、一定の洞察を述べます。(のちに間違っていた、という可能性もある、と含みおきください。)

◎多くの人の極端に支持する上位案が出現する、という特性は、オンラインでも健在である。

上位4%に上がったものは、やはり広がる余地の豊富な魅力的なアイデアでした。リアルと同じく、抽出のための手法として有用と思われます。
ただし、動きの中で変わっていってしまって、一瞬の視認でありましたが、スケッチの並びの最初の方に置いたアイデアが☆をたくさん取り勝ち、という傾向があったようにも思います。リアルでも、並べたスケッチの配置上、角に置いたものは☆を多くとる、という本質以外の評価影響要素があります。リアルの場合は、一列に並ぶため、より強く効く可能性があります。
(なので、この時はそれを見越して「頭から見ると同時作業者で重くなる。なので、少し先から、とか、真ん中からとか、終わりの方から、と、見始める場所を変えて空いているスケッチから初めてください。」とばらけるように指示をしています。)

◎オンラインの方がアイデア評価はロングテールになるという傾向がある。

これは、他の人がどれに星を付けたか、という行為の匿名性にあるかもしれません。リアルの場だと、全然星の無いものに☆を打つ、のは少し勇気が要ります。特に後半になると。オンラインだと、純粋に、自分がつけたいものに着ける、という行動が顕著になるのかもしれません。他者がどういう振る舞いをしているかがわかりにくい、という環境の良い面、とも言えそうです。

◎書き換えの可能性と☆の過剰な投票の可能性の存在。

リアルだと、他の人が見ている可能性があるため、一人1スケッチに☆を1つまで、という基本ルールは比較的守られます。オンラインだとそれが分からないため、基本ルールを無視してつけてしまう可能性が高いな、というのは作業時の体験としておもいました。また、書き換える、という作業もアナログよりははるかに容易なので、「アイデアを書き換える、書き加えるのはNGです」ということは、繰り返しておかないと、どうしても起こりそうです。
(ここはまじめの厳しく対処するよりは、紳士協定で行く方が、ずっと軽く運用できて楽です。なので、いかにみんなに「いいものを創造的に押し上げよう」とする集団ムードを作れるか、に腐心することが大事かもしれません。)

以上です。

一言、最後にまとめます:

「オンラインでハイライト法をするのは、大いにありだと思います。皆が基本ルールを守りたくなるような、ファシリテータのムード醸成が十分にできていれば、いいワークになるでしょう」



言葉のメモ:

ハイライト法=アイデア収束の技法のひとつ。アイデアをめいめいに評価してまわり、「魅力度が高い」と思ったアイデアに星を付ける方法。実際は作業容易な評価指標として「魅力度」を「面白い、もしくは、広がる可能性があると感じる」と言い換えて、直観的につけてもらいます。
各自の持ち点(☆の総数)には制限がありませんが、一人の人が1つのスケッチに付けていいのは1個まで。すごくいいからといって一人で三ツ星を書いてくる、ということはできません。
原典は『創造的問題解決』(ファイアステンら)に。それを日本風に改良して用いているので原典とは表記や細かさはことなります。


アイデアスケッチ=アイデアの素描方法の一つ。文字だけで書けます。A4の用紙の上 1/4 あたりに太い横棒をひき、その上には「アイデアのタイトル」、その下には「アイデアの詳細・補足を3行ほど」書くというものです。
原典は『考具』、最近では筆者が共同執筆した『実例で学ぶ創造技法』に。
 



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posted by 石井力重 at 17:29 | オンライン・ワークショップ&研修

オンライン「3人ブレスト」の事例(5月20日東北工大)(後編)

一つ前の記事(前編)では、ワークの構造と、実際の様子を紹介しました。
後編は、そのアンケートから得られた改良ポイントを紹介します。
ワークが違えば、また、場が違えば、改良ポイントは違うはずです。しかし、これからおっかなびっくりにやってみる方にとっては、「あ、これも、気にしておくべきなのか」と他山の石にしてもらえそうです。そんな感じで紹介します。

”まず、結論から言え”、といわれたら、「仕分けてみると、以下のようなものがありました」。でも、それでも長いです。

受講者の雑談

講義の30分前雑談

雑談

学生同士のつながり

学生だけのビデオチャット

雑談専門サイト

チャット(4)

受講者の学習を助けるコミュニケーション

学生同士の会話

会話時間

生徒意見

裏会話

教えあい

人数

3人グループ

メンバーの男女比(分ける、あるいは、同数)

似た意見の人とグループ

90名の大規模を分ける(23つ程度に)(7)

先生

運営リハを周到に

ユーザ環境の事前把握(2)

簡潔な講義コンテンツを

丁寧なツール説明(使用するオンライン・ツール)を

小部屋の巡回

巡回し助言を

デバイス

デバイス統一

PC参加義務付け(使用ツールの事前通達)

スマホ対応

VR環境

使用デバイス毎で授業を分ける

システム、ツール

軽いWEBサービス

軽いシステム(2)

代替手段(入力の)

ツール数を絞る(7)

事前アナウンス(カメラ)(3)

ビデオONをアナウンス(2)

お絵描きツール

プロセス

アイスブレイク

最初に口頭挨拶

アイスブレイク(2)

ワークプロセス

軽い進行役

話し合い時間(2)

ブレスト時の意見をチャットでメモ

案の深掘り

残り3分アナウンス

作業指示の常時掲示

今やっていることをワイプで(不具合からの復活者に必要)

ワーク時の停滞

無言時間の対処

リーダー、代表記入

リーダーを設定

全員コメント

匿名ディスカッション

代表記入

代表入力(2)

休憩

3分小休憩

休憩しっかり(2)

ストレッチ

Feedback

コメントを画面に表示

スライドに匿名コメント

ポジティブなリアクション

環境

安定して存在する空間

安定した掲示板

障害の対処資料掲示

意味・価値・情報

匿名

匿名(気楽でよい)

匿名で広げる。その後、実名でワーク。

実名・匿名切り替え(2)

実名

自己紹介時間

メンバー固定(3)

実名(発言に責任があってよい)(4)

個人情報・顔出し配慮

呼称提示

個人情報配慮

声ありビデオ無し参加(部屋を映したくない)

顔出しせずにアイコン(身支度しなくて楽)

テーマ

テーマを絞る

テーマをもっと考慮

インストラクション・掲示・提示

アプリケーションの使用方法プリント

機材操作方法

多すぎない事前情報

ツール説明資料

五感

(各要素に振り分け直し:主に「視覚」に関する要素のみ)


これは、いわゆる「説明者がいて、初めて意味が分かる情報ソース」なので、動画で説明してみました。

これまた長くて恐縮です。

解説動画
https://youtu.be/Gl6B_K3IOo0

(ビデオでは、上記とは異なる順で解説しています。要素が多い項目から順にしゃべっています。)

個人的には、アンケートを分析しながら、目からボロボロとうろこが落ちる思いでした。

学生は、リアルの場だと学びあいをしている。誤解を恐れずに言えば、私語にも実は機能がある。オンラインは私語が難しいような仕組みになっている。それによって、生徒の学習体験や効果が大きく落ちている。ーーそんなことに気づいたでした。

その他「アイスブレイク」と「軽い進行役を付ける」というのも、ハッとしました。リアルだったら、それに気づいてすぐ、声がけする臨機応変な教授法も、オンラインだと気づけないまま、やってしまうなと。

また、「代理記入(スマホでの参加者、低スペックPCでタイピングが困難な人に)」というは、オンラインの参加状態の多様性がもたらす凸凹を鳴らすのに大事だと思いました。

以上です。

オンラインのワークで困っているひと、あるいはこれからやるのに事前情報を収集している人に、何かのヒントを提供できているものになったならば、幸甚です。


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posted by 石井力重 at 16:46 | オンライン・ワークショップ&研修

オンライン「3人ブレスト」の事例(5月20日東北工大)(前編)

オンラインでブレストやワークショップをされる方の参考情報になればと思い、事例を記します。
(たぶん、ややくどくなります、適宜よみ飛ばしてください)

大規模授業で8分交代の「3人ブレスト」をオンラインで行いました。

スライドは↓です。


簡単に述べますと

全員を「ランダムな3人組」にして、8分間ブレスト。
そして、時間が来たら、一度大広間に戻して、またランダムな3人組を再構成して、送り出す。
これを4回繰り返します。
(これは、ビデオ会議室システム=Zoom、を用いました)

ここまでは、アイデアの醸成。いろんな人から花粉をもらう他家受粉です。
ここからはアイデアの素描です。

皆で1つのオンラインファイルの上に、アイデアスケッチを書いていきます。絵をかいてもいいけど、書けない人も臆せずに、文字だけで書ける「アイデアスケッチ」という形式です。
(これは、オンラインファイル=Googleスライド、を用いました。)

ここで、ちょっと長めの素描タイムを取ります。
休憩も合わせて、30分。

次は、良案抽出です。
魅力的(=面白い、広がる可能性がある)と感じるアイデアに☆をめいめいにうっていきます。

この授業で皆さんが書いたアイデアスケッチ(実物です)
https://docs.google.com/presentation/d/1enlo_1kcGNOm5TgbymZH4co7wh8oQWmasN8Tr9pSzdg/edit?usp=sharing

そして、☆の多い順に並べて、レビューします。
書いた人が1分ほど、そのスケッチをプレゼンし、ファシリが広げます。およそ2~3分。

なお、スケッチの次のページに白紙を置いて、そこにプレゼン&拡げコメントの際に、自由に意見を書いてもらいます。
リアルの大規模クラスではめったにない現象ですが、ここでものすごく大量のコメントが書き込まれます。
なので、これもレビューします。およそ7分〜15分。

そんな流れのワーク構成です。


なお、余談ですが、スライドの前半では、しっかりめのアイスブレイク(兼、2つの今回のツールに慣れるワーク)が入っています。ZoomもGoogleスライドも、学生さんたちが初めてである、という状態でしたので。
なので、自分のところでやる時には、適宜削ってください。アイスブレイクも、必要量を超えて多くやればスピード感がなくなりますので。

以上です。
なにか足しになれば、幸いです。

なお、「講師の意図はわかった。でも実際にはどんな感じだったの?」というニーズに対して、5時間の講義=300分=を、100倍速に編集したものを載せておきます。

実際の様子(Zoomの録画の100倍速)
https://www.youtube.com/watch?v=mJKgldca2Us

なぜか、Zoomの記録システムがエラーが多くて、意図せずブラックアウトしている時間帯が多いのですが、3分弱で、雰囲気を見てもらうことができます。音は「バリバリバリ」というノイズしかありませんが、人間の声を100倍速にすると、こういう音になるみたいで、元はすべて人の声です。


追記

ちょっと、マニアックな情報

オンラインの授業あるいはWSは、タイムスケジュールのエクセルが肝です。
「ここで、何する」「次はこれをする」という段取りを書きます。
こうすると「緻密なシミュレーション」ができます。
そうするといろいろ助かります。
「これがうまくいかない時の備え」をメモしておく。
「みんなにチャットで伝えるURLをメモしておく」
そういう、覚えきれない量の処理をここに預けて、ファシリ&講師に専念できます。

また、最も左の赤文字は、実際の進行時間をメモしています。
どれぐらい、遅延しているの?を、常に把握できます。
これが、次回につながる財産になります。
どのワークが長くなりがちかが分かります。

石井の赤文字はあまり遅延していない感じですが、
正直に言うと、「あ、思ったよりもオンタイム」と思えて
かなり心が安寧に過ごせました。
オンライン授業は、没頭しているうちに、ハッとして、どれぐらい時間がたったかを見失いがちです。
しまった、長くなっちゃった、後で巻き返せるかな、と思うと、じりじり焦ります。

そういう場合に備えて、この赤文字でタイムラインに進捗を刻む、という寸法です。



この授業のアンケートを分析してみたら、ワークショップ型オンライン授業の改良ポイントがザクザク得られました。
これから、授業を用意される方にとって「あ、そういう観点で考慮しておくと、仕損じることが減るのか」という気づきを得られると思います。

長くなるので、次の記事にて書きます。
ブログ記事の上の方にある、次の記事のタイトルをクリックしてみてください。


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posted by 石井力重 at 15:34 | オンライン・ワークショップ&研修

2020年06月06日

オンライン・アイデアワークショップの事例や知見を共有していきます。

オンライン時代のワークショップが必要になりトライされるようになりました。
普通は、新しいものが生まれて、パターンができて、どれかに収れんしていき、その形式知が普及します。
しかし、今回は数年〜十年の変化が数カ月で起こっているため、「生煮え」の状態で、多くの「パターン」が社会に出始めました。

私にとっては興味深い状態です。
事例が多様に出ていて、広く観察しています。

しかし、技法と知見を学ぶ側(主にファシリや教師)にとっては、難しい。
どれが決定版になるのかが、見定められなくて、躊躇する局面でもありましょう。

そういう考慮もあり、これまで石井は、自分の中の知見を、少し控えめに出していました。
あるレベルの熟し方をしてから、このブログで紹介する、という姿勢でいました。

しかし、ここから方針を、軟化させます。

日々実験した中で得られた知見、実際にワークショップをしてみての感触、そこで改良した手法。
そういう知見が得られたらどんどん、ここにのせていこうと思います。
そう、ここに書くことで、自分の意識が「熟すまで待つ」姿勢に戻るのを避ける狙いもあります。

ということで、大昔の私のブログ(一日何本も書くようなスタイル)になるかもしれませんが、
学習上利用してくださっている方には(そんなキトクな方、ホントに僅かと思いますけれど)、
「あれ、急に情報の出し方が変わったな、と思われるかもしれませんが、ご容赦ください。」

ishiirikie2020_OIWS.png


posted by 石井力重 at 08:00 | オンライン・ワークショップ&研修

2020年05月31日

オンライン対談をしました(今度は、ごく小さなクローズドの場で)

今日は、とある創業塾のZoomの中に呼んでいただいて、オンラインで塾長と対談イベントをしました。
これからの、アイデア、ビジネス、社会、そういうものをたくさんお話ししました。
参加者の方ともアイデアの出しあいをちょっとしたのですが、面白い可能性がありました。

特に、へえと思ったのが、ある方の娘さんの通っている塾がコロナ自粛機に入ってから料金が突然7割ぐらい上がったそうで、”何でですか”と聞きました。
すると、塾側が、塾の先生を全員京大生にしたのでそのコスト増だ、と。講義に入る前に雑談の時間もあってすごく子どもたちはひきつけられてから講義に入るそうで、楽しんでやっていたそうです。距離を超えて京大生の講義を受けることができるわけで、オンラインにして高品質にした好例でした。親御さんとしては、その授業クオリティならば料金アップでもいいから、受けさせたい、と思って継続したそうです。

ある意味で、オンラインにリアルの一部はこれからも代替されてそのままになるでしょう。

たまたま近くにうちしかなかった、ので、流行っていた、という店は危うく。
リアルのうち、ロー側のサービスはオンラインをする他地域の競争相手と戦いになる、ということが起こります。
リアルのサービスは、思い切り高品質で高い値段の客層に、感動を五感で届けるように、上方シフトするべきかもしれません。

そんなディスカッションをして終わりました。

ということで、
再始動後の問いを一つ、メモしておきます。

◎安価なニーズの顧客は消えてハイ・サービスを望む顧客だけがリアル市場に残ったして、顧客が10倍の値段を払っても使いたいというサービスはいったいどんなものだろう?
(それを10倍価格とは言わないまでも、従来よりも高いか価格で提供するなら、どんな事業ができるでしょう?)
posted by 石井力重 at 17:13 | オンライン・ワークショップ&研修



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