2020年11月16日

リモート会議とうなづき、の実験回が興味深かったです

先日、NHKの番組に、興味深いものがありました。
ためしてガッテンの、11月に放送された、リモート会議とうなづき、に関する回です。

テレビで行う実験の大半は、「実験方法がゆるく、主張を結論付けるだけの実験の仕方ではない」論が出るのは重々承知していますが、それでも中には「可能性をみるための事例として大いに参考になるデータ」を提供しているものもあります。
この日の放送は、そういう内容であり、メモを取りながら見ていました。

結論は「リモートではうなづきが減る」というもの。
具体的な数字が出ていましたので、グラフにしてみました。

unazuki01.png

数量はうなづきの回数を示しています。
時間は15分間です。
ブルーは、ビデオ会議。
オレンジは、対面会議。

バーの上の方に添えた数字は「ビデオ会議のうなづき回数/対面会議のうなづき回数」です。
比率によって黒か緑を用いて示しています。
被験者の性別と番号は、石井の方で付与しています。
便宜的に数字を3~5を付与していますが、意味はありません。

このデータが示すのは、「リモート会議は、対面会議に比べ、うなづき回数が大幅に減ってしまう(2割から4割ぐらいになる)」というものです。

このグラフを見ているうちに、何か2種類の系統があるような気がしました。

初めは、性差かなとおもい、つぶさにみると全体的に女性の方が、対面もリモートも回数が多めですが被験者の男性3名、女性3名では、そうでない例もはいっていて、何とも言えません。

いろいろ考えてみて、別の観点でもプロットしてみました。

unazuki02.png

横軸は、対面でのうなづき回数。
縦軸は、リモートでのうなづき回数。
こうしてみると、リモートと対面の回数の比率は、
0.2のラインと0.4のライン付近に点が多くあります。
先のグラフでも、黒と緑で数字を変えていましたが、このグラフにするとそれがより際立って見えました。
6人全員の平均は「0.3」ですが、そのライン付近にはプロットされた点はありません。

率直に読むと、
「リモートだと総じて減るけれど、減り方には2種類あり、ほとんどしなくなるタイプ(2割になる)と、半分弱になるタイプ(4割になる)がいるようです。

(補足:番組では6人の被験者が、15分ずつ「リモート会議」と「対面会議」をして、どれだけうなづいているかを人ごとにカウントしていました。示されていたのは1度目の数字(結果)の様です。実験は同様のものを3度行なったところ、同じような傾向であったと述べられていました。)

このデータから、
リモートでの会議は、うなづきが2割もしくは4割ぐらいに、下がる。
というのは、ある程度、参考になる数字だと思いました。



研究ノートとしてのブログはここまで。
以下、ほかの長い余談をつづります。

<<余談>>

〇 うなづきの権威

解説には、岡山県立大の渡辺先生が、でていました。
渡辺先生の「うなづき理論」の研究成果は、ぺこっぱ(話しかけるとお辞儀をする双葉のおもちゃ)として実用化されています。
10数年前、私がNEDOフェローをしていた時代に技術展示会で偶然お会いしています。渡辺先生自身がうなづきの権化のような方です。気さくでどんどん話を引き出してくれるような人柄でした。

〇 リモートはやりにくい、のは、うなづき担当で解消

「やりにくいと感じているリモート会議ではあるものが減っていました。それはうなづきです。これが減っているために話しにくいのです。そこで、うなづき担当者を入れると、話しやすくなると同時に、他の人もうなづく回数が増えます」ということで、うなづき担当を入れることを推奨していました。

論理展開をよく聞いていると「うなづきが減ったのは事実だが、リモートで減ったのは、果たしてうなづきだけなのか?」という原因切り分けはしていません。
なので「仮にその仮説を正だとしたら」と補って、番組後半を見るのが正しい味方になるかと思います。
そのうえで、「うなづき担当者」を入れると、話しやすくなるようなシーンが流れ、他の人のうなづきを増やしたようなシーンが入ります。これをもって、「うなづきを強制的に上げることで、リモート会議の話しにくさは解消される」という論理に展開しています。
これは、たぶんそうだろうな、と思う結論なので一見そのまま受け入れたいのですが、反対意見を作ってみることで仮説が鍛えられますので敢えて立てると、「うなづき担当により、喋りやすくなったことを、定量的に示せるか?」「うなづきの仕方や量によって、リモートのやりにくさを解消できる(対面と同等のやりやすさまで持って行ける)のか?」という質問がありえます。

特に先のグラフのように、2割にまで減っているタイプの人は、リモート会議で自然にうなづく頻度を強制的に5倍に高めねばなりません。だとしたら、どこでそのうなづきを入れるのだろうか、ということも検討余地のある要素です。
1回のうなづきの後適当に4回うなづく、という無機質な増量もあれば、「うなづくほどではないレベルの小さな納得要素にも頷く」という取り方もありそうです。
また対面だと他の人のうなづきに同調する力が強いため、「つられうなづき」もあるけれど、無機質に増やしたら、同調性が生み出す相乗効果を期待できないかもしれない、という点も気になります。

〇 厳密でなくても進むべし(石井私見)

うなづき、という行為は単純な首の上下動に思えて、割と複雑な関係要素がある「統合的な営み」だと、私は思うので、この辺は、突き詰めると何も言えなくなってしまうので、上記のような、問いは残るけれど、ある程度、仮定して進み、どこかで間違ったときにそこを疑いに戻ってくる、ぐらいの進み方がいいのだろうと思います。

さて、番組後半も興味深かったです。
ラッパーの方が、即興で韻を踏む回数を、邪魔したり促進したりする、という実験です。(ラッパーという職業があることに驚きましたが本題とそれるので先に進みます。)
ランダムな単語がタブレットに表示されると、ラッパーが4小節程度、即興で韻を踏むような歌を作ります。
いっぺんにたくさん韻を踏むことができ、純粋に芸能としてすごい!
次に、ラッパーの三本指を出してYoYoって回すあの身振りを禁じます。腕組みを解かないでやってもらうのです。
同じ実験をすると4小節で踏める韻の数は、4割ぐらいまで減ってしまいます。やりにくそうです。
次に、腕組みを解かない条件のまま、タブレットを提示する人(正面に立っています)が、リズムに合わせて、首をクイクイと上げ下げします。うなづき、とはちょっと違う行為に思えますが、観客がリズムに乗っているあの感じの「首くいくい」です。
すると、韻を踏めた数は劇的に改善。当初の数に近くなりました。
番組ではこれを、人は自分で動くことで言葉を紡ぎ出すためのリズムを作り出しているが、相手のうなづきも、同様に言葉を紡ぎ出すためのリズムを提供するのだ、という趣旨でまとめていました。

この辺になってくると、「面白い。でもいろんな原因切り分けをぶっ飛ばして結論付けたよね」という心の中の警鐘が鳴り響きます。
たくさんの、研究仮説の原石を見せてもらった気がします。正しいかどうかを確定するには、実験条件が足りない、というのは、こういう番組に対していうのは野暮ってもので、それをもっともっと精査していくのは気になった研究者の仕事だろうと思います。
(あるいは、もしかしたら渡辺先生の論文をつぶさに読むとこの辺の疑問への検証はすでにあるのかもしれません。番組なので最後に参考文献が示されたりしないのですが、科学番組だったらそういうのが出ても面白いですよね。けど、喜ぶ人は100人もいないか。。。)

この後半部を、仮説の上に仮説を立てて、好意的に受け取りにいきますと「人は言葉を紡ぎ出すときに、相槌を適切にもらうともっと、引き出せる。相手がいない時には、自分の手ぶり身振りでそのリズムを生成するか、そのほかの方法で、脳に対して適切なトリガーを与えてやれば、言葉をもっと引き出せる」ということはあるのかもしれません。

ブレストする時とか、講演者が興が乗ってくるときに、謎の手しぐさをします。
ろくろを回す、とよく揶揄したものですが、それは相手に対する空間図示ではなく、自分の脳のはずみ車を回すための行為である、ととらえるならば、「創造的思考に最適な手しぐさ」も開発しえるのではないだろうか?とさえ思います。

posted by 石井力重 at 19:31 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2020年11月02日

人生で初めて、学会で座長をしました。(&座長ツール)

昨日のオンライン開催の学会で、私としては初めての「座長(ざちょう)」をしました。

hatuzacho.jpg
大会実行委員長の豊田先生、副委員長の藤原先生と。
藤原先生は、顔写真がネットにあまり出ていないので、配慮してぼかしてあります。

学会発表は、百名前後の大会参加者が、テーマごとの部屋に分かれ、次々発表をしていきます。
1発表あたり、だいたい20~30分(質疑応答を含み)です。
各部屋には、座長がいて、発表者の紹介をしたり質疑応答を運営したり、しています。

今年は所属学会がオンライン開催(40年以上で初)であり、新しく「デジタルポスターセッション」という部屋が設置されました。

ポスター発表、というのは、通常は対面では大きな会議室に多数のパネルを配置し、各研究成果を大きくシュルツ力したものを張り、ポスター前に集まった人に解説する発表形式です。座長はいません。

ただ、今回は、オンラインでスムーズにそれに近いことをシステムがないため、デジタル・ポスター発表と称するものの「通常発表の発表時間を短くしたバージョン」という位置づけになりました。そして、通常発表形式ならば座長は必要、ということで、私が座長に任命された、という経緯です。

そんな経緯での初座長でしたが、個人的には、学会の座長をする時が来るとは、思いませんでした。

やってみた感想を一言でいば、「実に大変」でした。
一発表者の時にはわからなかった気づきがものすごくある一日でした。

さて、やってみて大変でした、だけでは、何も学びにならないので、ここから座長を補助するツール(あるいは、座長が上手くなくても進行できるツール)を生み出すことを考えてみます。


== 以下、座長ツール ==


思えば、かれこれこの四半世紀で「物理学会」「産学連携学会」「日本知財学会」「TRIZシンポジウム(≒準学会)」「日本創造学会」と、いろんな学会で研究発表をしてきました。
そこには当然ながら、いつも座長がいました。
人のよい座長、厳しい質問の座長、タイマー係しかしない座長、面白い感想も述べて場を温める座長もいました。
そういうキャラクターの人なんだろうな、ぐらいの感じで気にも留めていませんで、座長が何を見据えて運営しているのかを考えたことは全くありませんでした。

それが、座長側になって、はっ、と気づくことが山のようにありました。あぁ、座長がしていたことはすごいスキルだったんだなぁと。

そこで、この「初めて座長をしたときに得た感覚」が消えないうちに、座長の心がけと質問を「座長ツール」としてまとめてみました。

この辺は、長く座長をすると身体知になって言語化できなくなりそうです。
また、初めての経験をされた方も、私のように自由な発信ができる立場になければ、気づきを公表することがないかもしれません。
なので、私の立場の使命と思い、社会に役立てばと思い、以下を公開します。

過去に見た良い座長たちがしていたことを、まとめ、質問10個にまとめました。(今回、石井なりにも生成した質問も加えてあります)

なお、定説があるのかわかりませんが、学会とは「知識創造の場」である、と私は考えています。
運営者や発表者に、その心意気があればこそ、参加したくなる魅力的な学会になるのだ、と考えています。
私見に満ちたスライドですので、その辺は違うと思えば割り引いて、解釈してみてください。



このスライドを、合成音声で読み上げてみました。
 ↓

こんな感じで、座長という新しい経験から、1つアイデアを考えてみていました。

知識創造社会に進むにあたり、学会がより良い体験になっていくといいなぁと思っています。これがその一助になれば幸甚です。
posted by 石井力重 at 15:10 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2020年06月20日

発明先行構造

発明先行構造.png
閃きの一瞬を分解すると、ちょっと構造があるんです。

まずは「新しい、なんだかよくわからないイメージ」が想起されます。
そして「それが意味を持つとしたら何だろうか」と意味性を探索します。
そうすると、新しくて有用な着想が捕まえられます。

この思考の中の一瞬の遷移はすぐに進むので、こんな構造があるとは感じずらいですが、『創造的認知』によると、このような思考の営みがある、と述べられています。

そこで申し上げたいことは・・・

初めに思い浮かぶのは、変なイメージなんです。それでいいんだ、って思ってください。
それをしばらくいじくりまわしていくと、ある角度から見たときに、あ、これ、こんな有用性がある、と気づいたりします。
人はこういう時に「ん?、、むうぅ、、、いや、うーん、、、、はっ、そうだ!」みたいな顔して、頭の中の言葉にできない概念処理を進めています。
閃きは「はっ、そうだ!」の瞬間に空中から降りてきたみたいな気がしますが、その前の「ん?、、むうぅ、、、いや、うーん、、、、」のなかで、手に入れた思考のおもちゃをいじくりまわしている(=すなわち、意味性の探索)も、閃きの過程なんです。

アイデアの考え始め、意味が良くわからない着想が出てきたら、逃がさないように、がっと捕まえて、書き留めてみてください。妄言メモ、妄想じみたメモ、になるけれど、そんなことは気にせずに、書き留める。書き留めたものに線を書き加えてみたり、思考の上で変形や反転もしてみて、いろんな展開をさせてみるんです。そうすると、閃きの収率がよくなるでしょう。

こういう「理屈」なんてめんどくさいものです。なので知らなくたっていいんです。でも、意図的に、空中から落ちてくるアイデアの量を増やしたいなら、ぜひ、こういう「謎のイメージ」を、がっ、と捕まえるのだ、ーーそんなことを時々思い出してみてください。

posted by 石井力重 at 19:37 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2020年05月18日

【公開・アイデアリスト】外出自粛の状況でも、売り上げを上げるアイデア

50ideas.png

3月13日の金曜日、外出自粛の始まったごく初期の頃、皆でオンラインでアイデア出しのワークショップをしました。
遅くなりましたが、整理しましたのでこちら(ブログ)でも公開します。

 
オンライン・アイデアナイト
2020年3月13日
主に宮城県の方を中心に20名ぐらいにて
 
 アイデア集 → 50ideas.pdf 
 スライド → 20200313_Idea_night.pdf 



いつもは実施直後に公開していますが、
本件は、FBでのみ呼び掛けて、FBでのみ、情報共有してありました。
アイデアリストの整理をしまして、ここに公開します。
参加者皆さんには「ここで出すアイデアは共有材」として同意してもらっていますので、
今、売り上げに悩む方がいらしたら、何かのヒントになれば、幸いです。



(( 余話))

Zoomってなんだ?ハウリングで聞こえません!という、ごく初期のオンライン・ワークショップでした。
それ以前は、リアルのみだった石井にとって、最初の、そして、非常に手痛い、オンライン・ファシリテーションでした。
あれから2ヵ月、多くのオンライン・ワークショップを実施してて「どうすると、大失敗が起こるのか」は貴重な知見となって生きています。いち早く、教訓を得るには、失敗しても飛び込んでみる、それが大事だったんだぁと、今振り返り思います。

さて、反省はそこまでにして、今、5月18日にこれを整理していて、へえ、と思ったのが「ずいぶん多くのアイデアが、現実に登場している」ことです。
もちろん、参加者さんの中からアイデア集(当時FBで共有)をヒントに、取り組んだ方もいますが、それはごく一部です。むしろ、SNSで見聞きした、知らない誰かが始めた面白い事例と同じアイデアがたくさんありました。

「着想100人同時説」はやはりあるんだろうなぁと思います。
(ある思い付きは、同じことを世界中で100人ぐらい同時に思いついている、という説です。理屈で説明できる部分が多いと思いますが、どうしてかそうなるよく分からない不思議な部分もあります。)
人が思いつく最初のほうのアイデアは、皆同じものが出る=アイデアメーションという特性が、ここに見えます。

コロナ第一期(と呼ぶかどうかはわかりませんが)の入り口で考えたアイデアが、出口を迎えつつある今、どうであったかを見ると、面白い気づきが他にもありそうです。
 

posted by 石井力重 at 17:32 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2020年04月04日

妥当な要素より、意外な要素を用いると、創造的アイデアを生成する確率は増加する

創造的になる.png

創造的なアイデアを生み出すには、組み合わせられそうな要素を持ってくるより、ランダムに選出された意外な要素を使う方がよいです。確率的には。

そうしたことを実験したものが、『創造的認知』の中に記されています。
正確に表現すると長いので、PDFに引用をまとめておきました。


直感的には、きっと意外なものの組み合わせの方が面白くなるんだろうな、と、創造的な職業の人は知っていますが、ある程度、科学的にもそれは分かっています、ということを紹介してみました。



このブログの引用は歓迎ですが、学術文献を引用する際には、ぜひ元文献をあたってみてください。

孫引きの場合、もし石井解釈の誤りがあればそれも引用してしまいますし、なにより元の文献の豊富な知見に触れることは素晴らしい学びになるでしょうから。
posted by 石井力重 at 18:10 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2020年03月03日

良いアイデアは、意外な事実や面白い出来事が、部品として使われている

良いアイデアは、意外な事実や面白い出来事が、部品として使われている。

聞いているときに新鮮な発見をもたらされると、スパークプラグが添加して、連鎖反応が起きる。

新鮮な情報が、個人的体験であれ科学データであれ、そこからマイクロ洞察タイムがおこり、アイデアは分化し進化する。

(−−多くのブレストを観察していての一考察。研究メモとして)
posted by 石井力重 at 17:25 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2019年11月04日

【学会発表】批判を入れたブレインストーミング「Brainstorming Type2」の研究

RQ.png


9月28日、創造性の研究者が集う「日本創造学会」の大会が、今年は北陸先端大で開かれ、研究発表をしてきました。

(2:55から、発表が始まります。20分間あります。長い!)

(そのスライドシェアです:うまく表示されない時は全画面表示にするとよくなることがあります。)


==概要==

研究の中核は、「ブレインストーミング Type2」(=ある種の批判力を取り入れたブレスト)です。

今までのブレスト諸技法はどれも、ドグマである「批判禁止(原義:判断遅延)」は、大前提でした。

これに対して私は、批判力をいくつかに分解し、「アイデア発展に寄与するあるタイプの批判はOK」、というルールにしたものを設計し、大量の被験者によってその成果を分析しました。

結果をダイジェストで示しますと:

◎「建設的批判」(:=質問、異見)を、ブレスト中に使用をOKにしたところ
◎やりやすいと感じる人が増えた。
◎効果的になるのは、初見のメンバーではなく、
  3回目ぐらい一緒にブレストしたメンバー、あるいはそれ以上の付き合いのメンバー。
◎アイデアの具体性や実現性が上がる。
◎被験者自信の創出アイデア評価としては、通常のブレストに比べ、30%の効果増。


もうすこし細かく示しますと以下のようになりました。

◎人材タイプ「ロジカル型」「中間型」「クリエイティブ型」に分けると、
  およそ2:6:2の分布となった。

◎ロジカル型は、Type2のルール(質問、異見OK)に対しては、従来を違いを感じない。
  (通常のブレストでも、それをしてよいことだと、認識しているため)

◎中間型は、Type2のルール(質問、異見OK)がありがたいと感じた。
  ブレスト中に、質問や異見を言ってもいいのだろうか、批判的行動になるのでは、と
  思い遠慮していた。それを、公式にルールに入れたもらったことでしやすくなった。
  結果として、アイデアの具体性や実現性が発展した。

◎クリエイティブ型は、Type2のルール(質問、異見OK)があることで
  やりにくさを感じている。どういう形であれ、批判されるのではないかと
  考えると、アイデアを出しにくいと感じている。


です。

なお、研究におけるの実験条件の限界もあります。
この研究結果を活用する場合は、そうしたことを踏まえてお使いいただければ幸いです。

==今後の展望==

この研究は、”Type2”の熟度をあげる方向と、”Type3”(クリエイティブ型の人をブーストするルール)の開発へと続きます。

(詳細ご興味ある方は、石井にお尋ねください。)

posted by 石井力重 at 07:00 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2019年01月22日

出し尽くしの先に光るものがある(文献memo)

川喜田二郎先生の文献をつぶさに読んでいます。

(故・川喜田先生は、KJ法の考案者です。初代学会長として、日本創造学会を作った先生でもあります。KJ法は、団塊の世代ジュニアぐらいまでは、鉄板の企業研修技法でした。現代は、世界中の知識にアクセスするようになり、発想法・創造技法が多種多様に存在して「KJ法って、カードまとめるやつでしょう」という小さな認識でろくに学ばれていません。アイデア発想法の研究者としての石井としては、KJ法は、今なお古びていない宝が沢山詰まっていると感じています。)

さて、一つの文章を、川喜田先生の文献から紹介します。


ブレーンストーミングにおいてもそうであるが、
最初のうちは月並みな意見がたくさんつながって出てくる。
タネが尽きたかと思われるころからあとで出る意見の数は少なくない。
時間はややかかるかわり、
絞り出された意見は、しばしば光り輝くものである。

『続・発想法 KJ法の展開と応用』川喜田二郎(中公新書)



私が、講義・講演でよく言う言葉に「はじめに出すものは誰もが思いつくようなものが出る。出し尽くしの先に、あなたしか思いつかないアイデアが出る」というものがあります。
フレドリック・ヘーレンや、A.オズボーンの文献にも、同種の言葉があります、と添えつつ。
ブレインストーミング実験の上でも、同種の事は頻繁にみられる現象です。

川喜田先生の文献で上記の一文に出会い、時代を越えて発想法の達人たちが発見していく一つの「創造性の特性」だなぁと、感じていました。

文献memoでした。
posted by 石井力重 at 16:20 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料



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