2008年08月25日

なぜ彼らはアイデアが出にくかったのか?

ある場でのブレストを振り返り、なぜあのチームはアイデアが出にくかったのか、と考えていました。【B】

発想作業の基本要素からいえば、次の3つがチェックするべきポイント


・テーマは適切か?
(アイデア出しのテーマ(持ち込まれる課題)は、オーナーシップがあるか、下にひく力はなにか、属性分析はできるか)

・情報は十分か?
(アイデア出しのテーマ(持ち込まれる課題)に関して、充分に理解しているか、充分に情報をもっているか)

・ジェネレーターは適切か?
(既存の要素の意外な組み合わせを作り有意なアイデアにするための、アイデア作りの方法を十分に持っているか、発想トリガー手法、テーマ再定義手法)

この3つがあります。

その上で、発案スタイルと発案を受け止めるアウトプットのスタイルに選択肢があります。


発案スタイル
・ブレインストーミング
・ブレインライティング
・カードブレインストーミング(フリップボード・ブレスト)

アウトプットスタイル
・アイデアをホワイトボードに列挙する(発言を書記がかく)
・アイデアを紙に書いて共有する(各自がシートに書く)
・デジカメ動画に記録する(書記はマインドマップを写り込む位置で書く)

この最後のビデオに記録するについては説明をしますと、大きな利点と欠点を補う工夫があります。ボイスレコーダーは、強力なツールですが、視覚的に提示されたものが抜け落ちます。手振りなどで空間的に示されたものなどが。今は、デジカメの動画の性能、記録メディアの大容量化が進んでいるので、デジカメを、チームの全体が記録できる位置にセットしてずっと流しておきます。ただ、これだけだとリアルタイムのアイデアを促進する効果がかけています。チームはブレストの間に時間をまきもどして考えることができないため、場合によっては苦しくなります。そこで、記録の目次の効果も兼ねてマインドマップを書記が書きます。デジカメの調整をして、ホワイトボードも写り込むようにします。書記は話されたことをマインドマップで書きとめて行きます。本当に単語レベルで結構です。詳しい話は短期的には記憶に、長期的にはビデオに残ります。この短期的には、があるおかげで、ブレスト中には話しの広がりの枝が見えていてブレストが進みます(書き留め効果…たくさん出した、ということが地震になり加速する、という効果もあります)。後でリーダがこのブレストを巻き戻して拾い上げたり、あるいはその場で、さっきのアイデアを見たい、というときには、「万度マップで左上のその辺を書き込んだ時の発言」というような感じにして動画を大まかに検索できます。ブレストの目次、あるいは、ブレストを巻き戻すためのインデックス、になるわけです。

以上補足終わり。



さて、これらのアイデアの一連の活動をささえる「創造的な心理状態」があります。それは、ブレストの根底にあるものです。ですので、ブレストをさせる、ということと同義に近いですが、発案スタイルのどれの場合でも、本質的には同じものを抱えて作業をする若です。

その創造的な心理状態は4つのガイドライン

・判断を遅延しよう(アイデア出しの終わる20分後まで)
・突飛なアイデアを歓迎しよう(とんがったアイデアを優れたアイデアの材料にしよう)
・質より量を求めよう(すぐに思いつくこと、当たり前なもの、が出つくすと独創のフェーズに)
・他の人のアイデアに便乗しよう(アイデアの周辺には別のアイデアがある、多面的に広げよう)


ブレストのルール
・批判禁止(原義は判断遅延)
・自由奔放(原義はワイルドなアイデアを歓迎)
・質より量(原義は量を求める)
・他の人に便乗(原義は便乗し、結合・改善)

原義はオズボーンの複数の書物に表現されているものを、ざっくり統合しています。正確な表現はオズボーンの著書をご覧ください。


以上が、アイデアが出にくかった時に、振り返り、チームをチューニングするときに必要な知識のすべてです。

なお、これは全部ではなく、フルセットを説明したので、通常はほとんど、細かいことなしに、1つか2つ、アドバイスを受けるだけで進み始めます。


また、これらは「アイデアを出す」ために必要なフェーズの話でした。本当は、一段上の高さから、創造作業を俯瞰すると、隣には、あと2つほど、作業の塊があります。

「アイデアを出す」
「アイデアを絞る」
「アイデアを磨く」

これが、創造の基本プロセスです。

アイデアが出にくかった、を乗り越えるにもいろいろ工夫がありますが、その先には、同じくらいの2つの山場があります。そこのフェーズに悩む人が、世の中の発想法の本を見て「物足りない、以下に絞るかがかいていない」と嘆きます。アイデアを出す、にくらべて、後半の作業は、1/100くらいの情報量しか、効果的な説明が、ありません、書物ベースでいえば。

その点については、また、いつか、場を改めて述べたいと思います。

2008年08月20日

それはいつも最悪のタイミングでやってくる

商社にいたころの話で、時々思い出すことがあるんです。

ものすごい時間に追われている時に限って、ふっと、いいアイデアが閃くんです。でも、ほんとに時間がないので、それは後でメモするからいいや、と作業を続けるわけですが、そのあとの膨大な作業や考え事の終わるころには、アイデアを思いついたことすら忘れています。あるいは、何か思いついたことがあったのだが…。と。

同じ状況になった時に、時々、それをまた思い出す(再度、アイデアがひらめく)ことがありました。だんだん、そういう経験をしていくうちに

「そうだ、これ、今書きとめないと、捕まえられないんだ」

と認知できるようになりました。

結局、その瞬間、メモ帳に書きとめるようになりました。

後でそれを見返しておもったのが『優れたアイデアは、いつも、最悪のタイミングでやってくる』と。メモがない、メモする時間がない、そういうときにアイデアは良いものが来る。だから、そこでぐっとがんばって瞬発力でアイデアをキャッチしておかないといけないとも。

たしか、似た言葉があります。

最良のチャンスは最悪のタイミングでやってくる。

うろ覚えですが、えてしてそういうものかもしれませんね。



補足:

鮮度があります、アイデアには。

すぐに書かないで、電車に乗ってからかこう、とおもって、いざかきだすと、あれ?さっきは魅力的にみえたのに、色あせて見える。ということがあります。冷静になったから?それもあります。でもそうじゃないような気もします。アイデアは、とんがった存在、エッジの利いた存在として、うまれます。時間とともに、とんがりは飼いならされて、各方面に配慮したマイルドなアイデアになります。ほとんど、今あるものとかわらないよね、それ。ということに。

きちんと机に向って、アイデアを書きしたためよう、なんておもったころには、飼いならされている。だから、アイデアが瞬発力でかきとめておく。

時間で色あせていくというのは、とんがりがこすれて取れていく、んだとおもいます。

2008年08月19日

判断力はアイデアを殺すことがある

オズボーンの書いた本で、現在も手に入る復刻版の本『創造力を生かす』に興味深い記述があります。

同書P89〜96の第12章「判断力はアイディアを殺すことがある」から、一部抜粋します。


□以下、引用□―――――――――――――

※忠実な引用文ですが【 】と<<>>は石井による加筆文章です。
引用の順番は、意味の構造化のために出典での順番とは変えてあります。

【人間の心理特性】
・無過失をありがたがる心理
・批判を早く出しすぎるという傾向が、判断力を創造的な努力の障害にしている
・人間の判断力はどうしても偏見を避けることが難しい

<<無過失をありたがる心理→判断を早く出しすぎ→創造的な努力の障害>>


【創造の特性】
・創造的思索は肯定的態度を必要とする。
・創造的な成功は通常、案出した数に正比例する
・アイディアを試験していく過程で新しいアイディアが生まれることもある

<<創造的思索と成功には肯定的態度と数をたくさん出すことがが必要>>


【創造のブレーキ】
・既成概念は新しい考えを受け入れる際の障害となる
・世界の進歩においても、判断力は一般道理という形で科学的前進を阻止することがある
・判断力が働きすぎると創造精神は硬化してしまう
・あまりに旺盛な判断力は、人間の持って生れたイマジネーションを枯らしてしまうことになる
・判断力があまりに早く水をさすと、イマジネーションは試案を考え出す努力をさっさとやめてしまう

<<既成概念・一般道理は、新しい考えの需要・科学的前進の阻止も。
 判断力が早すぎる(働きすぎる)と、
 持って生れた創造の力は、アイデアを出す努力をさっさとやめてしまう(硬化、枯れる)>>


【創造と批判】
・創造的努力に比べれば批判的努力ははるかに簡単で、たいした苦労もなく是非に到達できる
・批判精神と創造精神も折り合いが悪い。だからよく調整しないと、すぐにお互いの邪魔をするようになる
・判断力とイマジネーションは適切な距離をおいておけばお互いを助け合う

<<批判の方が創造より努力するのが簡単である
  批判・判断と創造は適切な距離を置いておけばお互いを助け合う>>


【心がけるべきこと:創造】
・肯定的態度は「創造的な人々の特色である」と言う。「”イエス”に反応して新しいアイディアを形づくる習慣をつけよ。まず、それがよい理由を考えるのだ」
・創造力の問題においては特にイマジネーションを判断力に優先させて、対象のまわりを徘徊させること
・可能な限りもっとも奔放なアイディアを思いつく努力をしなければならない

<<創造においては、イマジネーションを判断力に優先させよ。
  肯定し、新しいアイデアを形作れ
  奔放なアイデアを思いつく努力をせよ>>


【心がけるべきこと:判断】
・われわれはすべて「正しい時に賢明に判断せよ」を肝に銘じておくべき
・ちょっとでも失敗はないかという完全主義は排斥しなければならない
・判断力に創造力の邪魔をさせないようにするには、すべての可能なアイディアが得られるまで、判断を遅らせること
・創造的な努力においてはアイディアの最終選択に至らないうちはアイディアの価値を評価する必要はない

<<判断は、正しい時に使え。
  ちょっとでも失敗をしないという完ぺき主義は排斥せよ。
  すべてのアイデアがえれれるまで判断を遅らせよ
  アイデアの最終選択にいたならないうちは、アイデアの価値は評価しなくてよい>>



【その他】
・「これはどこが間違っているか?」「あれの欠点は何か?」「いや、これはだめだろう」などの反射作用は判断する際には望ましい。否定的態度は「ほんとうに間違いないだろうか」「これは新しすぎるから注意しなければ」というような警戒心にとっては必要である

・決定を下す際には、意見を聞くより試験してみることが望ましい
・意見はたとえ専門家のものでも、間違うことが多い。近年の大きな進歩の所産である試験技術のほうが、ずっと頼りがいがある
・アイディアが試験されないで個人の判断に一任されると、弁舌の立つ者が他を圧倒して、良いものをみすみす没にしてしまうことになりやすい
・題名も試験できる…(中略)…提案のうちから、よさそうなのを幾つか採り、観客の反応を調査する…(中略)…科学的に煮詰めて最終判断を導く…(中略)…どんな人間の判断より的確である…(中略)…「大衆ほどよく知るものはない」
・もし試験が不可能で誰かの判断に頼らなければならない時は、…(中略)…創造力を弱らせるような批評をさせてはならない。
・もし彼の下した判断が間違っていると確信したら、再び創造力を忙しく働かせて、もっとたくさん試案を出そう。しかし、もし確信できなければ、”警報なんかクソ食らえ””全力前進”だ。

<<コメント:略>>


――――――――――――□引用ここまで□


このあたりの記述は本当に重要です。ブレインストーミングの開発者であるオズボーンが何を思って、あのルールを作ったのか。とくに、一番重要な「判断を遅延しよう」(日本では、批判禁止、と訳されがち。その原義は、判断遅延)を提示したのか。

しばしこれについて、整理して、意味の階層性を探りたいと思っています。

2008年08月18日

ワイルドなアイデアを飼い慣らす方が容易

『創造的問題解決』のP14にこういう記述があります。


・ワイルドで普通ではないアイデアを探せ
 自由な行動(freewheel)―アイデアはワイルドであればあるほど良い。オズボーンは、弱いアイデアを強くするよりも、ワイルドなアイデアを飼い慣らす方が容易であると言っている。


興味深いですね。

突飛なアイデアはそれをもっと「おとなしいアイデア」にすることは容易である。一方、小さくまとまったアイデアを大幅に魅力的にすることは難しい。アイデアにはそういう特性があると、私も思います。

2008年08月17日

アイデアの解剖学

アイデアは、普通、2つのパーツ「w」「h」で、できています。

wはwhat、hはhow。

■パーツ「w」

アイデアがふと頭の中で形成されるとき、大抵は、はじめにwができます。「**だったらいいのになぁ」というセリフで紡ぎだされるアイデアの断片です。もうすこしアイデアっぽい表現をよりしろにして出てくるとこうです「**なことができる商品(製品、あるいは、サービス)って、よくない?」

これらは、いずれも「理想像」が発案されています。

このとき突っ込みを入れてしまいがちです。「でも、どうやってそれを実現するんだ?」と。そう、実現方法は?というのが、もう一つのパーツなんです。

■パーツ「h」

アイデアがふとひらめいて理想像が出た。それを思慮深い人だと、じゃあ、どうやってそれを実現するか、つまり「h(ow)」(実現方法)を出そうとします。その結果、思いつかないと、だされなかったり「どうやって実現していいかわからないけれど、**ってアイデアどうかな」(パーツ「w」だけの提示)をしています。

たまに珍しいルートで登場することもあります。「h」から先に提示される場合です。何に使えるかわからないけど□□っていうやり方を取り入れたら、何か面白いことできないかな、と。手段を適用して、あとからその有益性を探索する感じですね。


アイデアの解剖。じつは、アイデアは「理想像」と「実現方法」という2つのパーツで構成されています。

おもしろいアナロジーとしては、地図の「目的地」と「ルート」がそれに似ています。

「よし、今度、**国に、行こうよ」(目的地)
「でも、あそこってこの時期飛行機取りにくいんだ。どうやっていく?」(ルート)

理想像というか最終的に到達したい目標点が発案され、それから、そこへいたるルートが続いて発案されます。

ただ、逆も時々あります。

「この時期、船の運賃がすごく安いから、船でどこか行くなんてのもいいよね」(ルート)
「船か、、、そうだ、オーストラリアに行こうか」(目的地)

以上、アイデアは2つのパーツ「w」「h」からなっています、という話でした。


これを少し詳しくしたバージョンで「9パーツ」という状況があります。それはビジネスアイデアを考える場面です。
ビジネスアイデアは、これほど単純ではなく、9つの要素が存在しています。

A誰に「whom」市場
B何を「what」製品
Cどのように「how」ビジネスシステム

がまず、最低必要な3パーツです。

それと連動したパーツが2つずつあります。

A1なぜ(顧客は買うのか)「why」
A2いくらで(顧客は買うのか)「how much」
B1誰が(その製品をつくるのか)「who」
B2いくつ(その製品をつくるのか)「how many」
C1いつ「when」
C2どこで「where」

ビジネスアイデアの創造は大変です。アイデアはせいぜい1/9、いい人でも、2/9を思いつければ優秀です。たまに3/9をピシッと言える人もいます。それでも6/9はノーマークなんです。批判者がいれば、かならず、その6個についての突っ込みや合わない理由をつつかれてしまいます。

アイデアの解剖学的にいえば、アイデアはせいぜい2/9しか、明確になって出てこない。なので、思いつきで批判しようと思えばすぐできる。だから批判するならするで、残りのあいているパーツすべてを仮においてみて、それはうまくいかない、という思慮深い批判をするようにアドバイスをしています。6個中1個をいうだけならだれでもできる思いつきの批判です。全部を埋めてどういう要素を持ってきてもそれらは整合性が得られない、という場合に、じゃあどうする、までを提案できたら、Goodですね。

9ますを書いて、パネルクイズのように2枚しか明確な像がでてきていない、そんな風景をおもいうかべて、残りのパネル、批判だけしていけば、一番貧弱なアウトラインで明確化されてしまいます。それをできるだけ魅力的に太くしたものがえがけるように、良い批判をしたいものですね。

2008年08月15日

厳密に重複しないコンセプトを複雑な概念で定義するより、多少重複しても発想を引き出すような概念で解空間を埋め尽くす

先日、ある方に、智慧カードがどういう意味合いを持つのかを
ご説明する機会がありました。すこし書き換えて転載します。
いずれ創造工学のペーパーを書くときには正しい調べを記載したいと思います、
現時点でわかっていることを、記しておきます。





ちなみに、彼らは、2時間で100近いアイデアを出し
その中から、優秀なコンセプトにつながりそうな
アイデアが3つ見つけました。

一方、そのアイデア出しが終わった後にやってきた、
その現場の統括者は、
"2時間でそのアイデアを出せるなら、
もっと前からだせたんじゃないか"
といいましたが。

# ここから、創造の力の特性・仕組み、に関する話です。

実は、そうなんです。
彼らが、特別に優秀なグループだったわけでありません。

本来、人間には創造の力があります。

現場に長い時間いれば、もやもやっと
「う〜ん、何かいいやり方ありそうだけど・・・」
と感じることがあります。
創造力が形や言葉を持たない状態で、ふんわりと、ある感じ。

多くの人は、その時に
"どうすればいいかわからないけれど、
 何かをもっとうまいやり方がありそうな気がする"
という感じを持って、そこで、終わりにしています

一方、新製品や新事業を創造する人たちは、
その思いを具現化してアイデアの断片を
ひたすら考えて出します。

アイデアの断片を組み合わせ、
試作・トライ&軌道修正をして、
次第に、スターアイデアへ成長させていきます。

智慧カード(の根底にあるTRIZ)は、
およそ、機械もの具現化アイデアのやり方を網羅しています。
(TRIZはもともと、ブレークスルーの構造を収集したもので
 エッセンスをパターンへ分類したわけですから)

TRIZの深い研究者の本によると
”TRIZの40パターンは、
 解の概念上、重複があるけれど
 解の空間を埋め尽くしている。
 それが大事である。”
とのことです。

厳密に重複しないコンセプトを複雑な概念で定義するより
多少重複しても発想を引き出すような概念で解空間を埋め尽くす。

そういう構造をしています。

なので、シンプル化した智慧カードも、
全部をさらっていくと 彼らの頭の中にある解空間をすばやく
全領域検索することになります。

それが、彼らがもともと、もやっと感じていた、
水面下にあった創造が、智慧カードの切り口を借りて、
アイデアとして言葉になった、という感じです。

智慧カード自体が、アイデアなのではなくて、
頭の中に広がる解空間の全領域を40分割して
それぞれに、明確化するヨリシロみたいなものを与えています。


# 極端な例ですが『100にいる社員の姓を
  何も見ないで、全部あげろ、と
  言われたら、1時間で、もれなく、
  全員分、書き出せますか?』
  という問題に似ています。

  私もそうですが、できない人は多いでしょう。
  組織には、印象の薄い人が常に2割いますから。

  このときに、
  「あ、で始まる名前を挙げよう。青木、赤城、・・・」
  「では、つぎは、い、だ。石井、岩澤・・・」

  この方法だと、
  あ、で1分、い、で1分、…わ、で1分となって
  50分で、ほぼ、全員の名前を挙げられます。
  ひとりでは無理、そいう人でも3人でなら、
  確実に挙げられます。

  智慧カードは、青木、赤城、ではなく
  「あ」「い」・・・「わ」に相当するものです。


人間の発想の力は、”解”なり対象物なりの全領域を、
くまなく検索しない。なぜかは、わかりません。

誰かのアイデアを聞いて「あ、その発想はなかったわ」と
言います。
ただしくは、なかった、ではなく、思いつかなかった、です。
いわれたときに、「あっそうか!」というのは
なかったのではない。あったけれど出てこなかった、
という状態です。

誰かの出したその切り口、場合によっては
昔、3年前の自分が、よくやっていたような
発想の切り口だったりもします。

知っていたならその切り口を使えばよかった。
でも思いつかない。不思議なものですがそういう構造。



発想のうまい人は、全領域を高速にランダム検索しています。
で、多面的なアイデアを出します。
(「あ」「い」・・・「わ」なのかどうかわかりませんが
 観点を多面的に広げる発想の強制広域化スキルがあるんです)

そういう力がない人だって多い。
解の全領域を網羅的に検索するのを補助するのが、
智慧カードであるとおもっています。

なお、ブレスターに入っているTOIカード(50枚の薄緑のカード)も
同じく、全領域を検索するためのものです。

智慧カードは for テクノロジー
TOIカードは forビジネスアイデア、日常課題

です。



追記:

将来的には、

for X のXをニーズに応じて確立していきたいと思っています。

2008年08月08日

【研究テーマ】創造力を引き出すプロセス及びツールに関する研究

2008年8月8日、本日、研究計画書を作成して、大学院に提出しました。研究というのは非公開で進めるのが常ですが、私の場合はいつも公開型。隠すよりも誰か興味持ってくれる人と一緒にしたほうが楽しいですから。公開することで誰かが先にそれをやってしまえば、それはそれで、社会の発展にはいいことですし。というわけで公開します。(でも、これを見て興味を持った方がいらしたら、一緒に研究しませんか?お互い、刺激的なディスカッションができると思うんです、きっと)

大学院に復学することができるのかは、編入試験次第。もしかしたら、戻れない可能性だってあるので、その時はかっこ悪いですが、公表することで、自らあとに引けなくしてみます(笑)。

自画自賛かもしれませんが、自分のしている研究は面白い研究だなぁと思います。面白いことが大好きな私が、大幅に時間を割いてまで復学しようときめたことですから、おもしろさは公言してはばかりません。社会人と博士課程の両立の日々は今に輪をかけて刺激ある日々になるでしょう。



研究計画書(抜粋)
08年8月8日

●研究テーマ
創造力を引き出すプロセス及びツールに関する研究

●背景・動機
省略
  
●本研究の目的
1.CPS(創造的問題解決)の本質的プロセスを基本的な視座として、創造的アイデアの創出を通してビジネスマンが個人・チームの創造力を引き出すことについて理論を構築する。
2.構築した理論に基づいた実践的な「創造のプロセス」とそれを補助する「創造性育成ツール」の基本要件を確立する。

●先行研究と本研究の位置づけ
省略

●研究内容と方法
イノベーションの現場で働くビジネスマンにとって有効性の高い具体的な「創造のプロセス」を確立する目的のために、以下の内容を研究していきたい。

@先行研究レビュー:「創造のプロセス」についてCPSより知見を得る。また、個人・チームでのアイデア創出の活動の評価方法について、先行研究のレビューを行う。
A理論研究:CPSの知見より、アイデア創出の体験を通してビジネスマンが創造能力を引き出す過程について理論を構築するとともに創造活動モデルの構築を行う。また検証的研修における個人・チームでのアイデア創出の活動方法を確立する。
B研修手法研究:「創造のプロセス」モデルに基づいて創造力研修を作成し、検証的研修を行う。検証的研修を、研修時の行動観察や参加者の発案を記録したアイデアシートやアンケートから分析し、創造力研修モデルの有効性を確認する。「創造のプロセス」を補助する「創造性育成ツール」の基本要件モデルに基づいたツールを作成し、検証的研修を行い、同様に有効性を確認する。
C研究のまとめ:CPSなどの学問的裏付けに基づいた、アイデア創出の体験を通して個人・チームでのアイデア創出の能力を育てる「創造のプロセス」およびそれを補助する「創造性教育ツール」を提案する。

●期待される成果
本研究を通じて、多くのビジネスマンに、創造の手順を提供することで、企業の現場からイノベーションが推進され企業の高付加価値な事業創造が実現されることが期待される。


補足1:CPS
Creative Problem Solving(創造的問題解決)
ブレインストーミング(代表的な創造技法の一つ)をつくったアレックス・オズボーンは、そのほかにも創造技法をつくり、CPSインスティチュートを設立し、各種の創造技法を残した。現在は、ニューヨーク州立大学バッファローカレッジ校に、そのセンターがあり、創造的に問題を解決するエキスパートを要請するコースとして、運営されている。日本では、創造学会副理事の弓野教授らが、CPSのテキストブックを翻訳し「創造的問題解決」「ファシリテータ」の2分冊として、近年日本に紹介している。汎用性が高く、発散思考・収束思考の技法が効果的に整備されており、創造支援において非常に有効性が高いと期待されている。創造の対象は、企業の課題から日常生活にいたるまで、非常に広い。


補足2:TRIZ(トゥリーズ)
セオーリア・リシェーニャ・イズブレタチェルスキフ・ザダーチェ(ロシア語:発明的・問題・解決・理論)の頭文字をアルファベットで表記したもの。旧ソビエトの特許審査官であったアルトシュラーは、冷戦下の東西の特許を広範に調査していた。自身も発明家である同氏は、多様な特許の中に「技術分野や技術の性格は違えど、技術的な解決のエッセンスには、時折、似た構造が見られる」と気が付き、世界中から優れた特許40万件をあつめ、そこから技術的ブレークスルーのパターン集などを抽出した。冷戦終結後、人材が欧米にわたり、日本へは90年代の後半に伝えられた。日本国内では、総合電機メーカなど大手企業を中心に導入された。近年では、中小企業への普及も増えている。改善から新製品開発まで、技術的な創造活動に有効だとして、期待されている。

参考文献

文献1:日本創造学会WEBサイト
創造技法の分類とその種類 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcs2/bunrui.html

Blair Miller, Jonathan Vehar, Roger Firestien, (2004) CREATIVITY UNBOUND (弓野憲一・南学・西浦和樹・宗吉秀樹(2006)『創造的問題解決 なぜ問題が解決できないのか?』北大路氏書房)

以下の文献、省略

2008年08月04日

大学院で議論をする幸せ。

午前中、休みをいただいて、大学院に行っていました。

研究計画を提出する時期が近づきました。大学院の博士課程を工学→経営学に、移籍する、というためには、大学院の入学試験を再度受けないといけません。なので、面接試験のために、今日は、受け入れていただく予定の教授に、事前相談をば。

持参した研究計画で主旨は概ね良好、とのことで、ただ、大幅に書き換える必要はありました。

大学院で議論をする幸せ。

私の研究分野は、現代の日本にはあまりいない分野なので、アカデミックにディスカッションできる人が少ないのですが、指導教官になっていただく予定の先生は、研究者としての深い洞察があり、ほとんどなじみのない概念でもきちんと視点をつくって、議論してくださいます。こういう議論ができるからこそ、深まるし、発見できる。大学というところは、そういうところだなぁと、思いました。

2008年08月03日

研究テーマ『イノベーションの現場において、創造力を引き出すプロセス及びツールに関する研究』

休日を利用して、大学院の研究計画を作成しています。

博士課程の研究タイトルは
「イノベーションの現場において、
 創造力を引き出すプロセス及びツールに関する研究」

です。

研究計画をつくる、ということの背景ですが、現在のMOT系の博士コースから、経営系の博士コースに、この秋から転籍をしようとしています。2004年に入った東北大の大学院生の資格は、幸いなことに「社会人博士コース」でしたので、現在のように多様な仕事をしつつも、大学院生の身分を保っていられました。

現在の「事業アイデア創造の支援」という仕事を通じて専門性を深めてきました。ブレスターのような創造性育成ツールの開発も経験させてもらいました。

今の専門性をより適切に大学で行うには、研究科をこえた移動が必要であり、そのために、転籍の条件である”大学院入試”をうけることにしました。

しかし、久々に、研究計画をしっかり書いてみて思ったのですが、研究というアカデミックな思考様式は、ビジネスの世界での思考様式とは、違うところが多いですね。プレゼンには向きにくい表現が多いので、スイッチの切り替えに、しばし戸惑いますね。

今日は、かつて99年ごろ、修士の卒業をかけて論文を書いていたころを思い出すような「論文を設計する」思考に浸っていました。この時間まで、ついぞ夕飯を食べられずに、ワードファイルをひたすら書き続けています。

2008年07月30日

新しいほど、”分からない”部分が多いもの

ビジネスでいえば、アイデアを規定する9つのディメンションがあります。6W3Hです。

アイデアを考えるとき、9つすべてをしっかりと同時に発案はできません。大体3つくらいまで(誰に、何を、どのように…というコア・ディメンション)考えていればいいほうです。

アイデアに対して「それは不確実だ」「○○についてはどうするんだ」といえば言えてしまいます。たいていは6ディメンションが空いていますから。

既存と同じものを6ディメンションにいれようとしても、一部が変わっているのでうまくいきません。すべてが調整を受けるべきです。

なので批判者が「それをすると○○(例えば値段)があわなくなる」と即座に批判します。それは調整なしにやれば、ということなんですが。

アイデアを1ついえば、必ず6〜8程度の懸念事項がでて当たり前なんです。

そういうのが一つも出ないほどにつめてから発言する、というのでは効率的にチームの力を使っていることになりません。一人ごとの力でしか企画が生まれません。

では、どうするか。
アイデアは9ディメンションをもつ、と仮定するならば、
批判者は、思いつきの批判を一つしただけで満足をしないこと。

足りていない部分はほかにないのか、自分の批判は思いつきの批判じゃないか、ということを考えるべきです。誰かの思いつきを批判する人自体が、思いつきで批判していることが、本当に多くのケースで観察されます。9ディメンションのうち6つくらいが空いていれば、弱点だらけです。1つを言い当てるのは、簡単です。本当に、進むために批判する力をつけるには、残りのディメンションをすべて挙げて、それを整合できる方法はないか、それでなお、解がなければ、それについて指摘をするべきでしょう。

新しいほど、わからない部分が多い。
創造の道中で陥りがちなこと(障害となるもの)は、そこに依拠していることが多いようです。


それをうまく付き合う方法を、整備したいとおもっています。

2008年07月29日

創造は暗道(未道)を行く行為

前のエントリーに、似ています。すこし表現をかえて、記します。

よく知っている物事を「明るい」、よく知らない物事を「暗い」と表現してみます。


創造は、暗い道、つまり、未踏エリアの道(未だない道)を行く行為、といえます。


物事を考える時に、安心して考えることができる、道筋を立てて考えられるのは、明るい道、つまり、既知エリアの道(既にある道)です。

安定を求める組織(組織は成長とともに、イノベーティブからオペレーティブになる本質傾向がある。平均的な組織は、経年とともに、安定志向になる)は、予測のできない不確実さをさけ、よく知っている物事で、つまり、「明道」を外れない範囲で考えようとします。

効率偏重の組織では、”実績のあること””昨年と一緒”を極度にもとめることになります。

しかし、新しいこと=変化・変革は、本質的に、暗道にあります。暗いエリアへ深く入るほど、読めないリスク、読めない不確実さがでてきます。

「リスクはどうするんだ」「○○という点が不確実だ」という指摘は、新しい物事をつくる際には、あげられる懸念事項として出てきます。そういう懸念事項なしに、新しい物事は創りえない。

ここが、安定を求める組織に長くいると、誤ってしまうところです。あらゆる種類のものごとは「明るい道」の中で、議論できてしまう、という思い込みがあります。暗い道の中にふみこんで、そこから、新しい有益さ(=創造)を取り出そう、というときに、ほんの少し暗いエリアに踏み込んだだけで、混乱して「分からない物事を、極度に恐れる」心理で、先に進まなくさせます。

創造は、暗い道を行く行為であり、本質的に「よく分からないこと」を手にとって適切に扱う期間が必要です。

上記のモデルのような組織に長くいると、よくわらかないことを、でてくるなり、はじから検証しようとする傾向がありますが、それは効率が悪いんですね。新しくない物事も含まれていますし、有益ではない物事も含まれています。新しいかつ有益、という1/4のエリアの物事、その中でも特に優れた物事を「効率的に」取り出そうとしたら、一定の効率的な手順がいります。安定組織の心理である、よく分からないことへの恐怖心(片端から検証したくなる心理)の非効率さをまず、知らないといけません。暗い所の境界線にある駄ものを一つずつつぶしていくことは、本当に効率が悪い。それを知らずに安定組織のやり方を続けると、結局は、暗い道から”ほんの少しだけ以前と変えただけ”のものを取り出して、終わりにしてしまいます。イノベーティブな物事を生み出すのは、難しい、といって。

人間は、生活時間のほとんどを支配しているルールが、いつでも成り立つと錯覚します。お皿を落とせば床に落ちる。これは地球上に住んでいれば当たり前ですが、宇宙に出れば変わる。たくさん売上をあげて、事業の利益をだせば、個人の所得が増える。これは、資本主義経済にいれば、あたりまえですが、別の経済モデルではそうとはなりません。

組織の中で、「リスクを一切、入れないことを最高のルールとする」というのは、新しいもの(=変化)を作ろうとするときには、とても非効率なルールとなります。

ゲームのルールが変わる、というのは、大局的に考えること、多面的に考えること、ができる人には、素早く呑み込み走り始めることができりるのですが、長らくその中で生活時間を過ごした人には、難しいことになります(非常に大きなストレスも伴うはずです)。というのもすべての行動基準が、揺らがないとおもっていた基本ルールを信頼しきって形成させていますから。それが揺らぐとなれば、一から自分の行動基準を再定義しなくてはなりません。建築物でいえば、土台が変わるわけで、うわモノを立て直すことになります。


そうしたことを、突然のは、難しい。そこで、そういう作業をするときだけのルールとして、オズボーンのブレインストーミングや、創造工学を提唱した方々の創造手法、があとからオンする「特別ルール」として有効なのだと思います。


タイトルの言葉を、視点を変えて表現すれば

『間違いや失敗を扱う適切な方法が必要だ。創造をするには』

となります。

2008年07月28日

”新しい”ものは”よく知らない”ものと、似たエリアにある

「新しい」は「よく知らない」に似た部分があります。

「創造」とは、CPSにおける定義では、「新しい」+「有益さ」ですが、その”新しい”という物事について、少し考えてみたいと思います。


物事を「よく知っている」「よく知らない」に二分してみます。”よく知っているもの”は”新しいもの”ではありません。新しいもの、は、よく知らないもの、に含まれています。

 注:”新しいもの”の集合≦”よく知らないもの”の集合
   ですが、ここでは、この違いは単純化のため、議論しません。


また、”よく知らないもの”の中には『有益なもの』と『そうでないもの(無益なもの、害があるもの)』があります。

ここまでを整理すると

「新しい」かつ『有益』なもの → 創造
「新しい」かつ『無益・有害』なもの → 試行の挙句の無駄や読めないリスク

「新しくない」かつ『有益』なもの → 既知の有益なものごと
「新しくない」かつ『無益・有害』なもの → 既知の無益・有害なものごと

こうしたものが、「よく知らないもの」に含まれている、と分類できます。


こうしたことと、創造するチーム、は適切に付き合わなければなりません。タイトルの言葉を言い換えるならば

『新しいものを考えるチカラは、よく知らないものを考えるチカラ』

とも言えます。

人間は、よく知っているものごとを考えるのは、得意です。正確で素早くできます。素性のわかっている物事は予想外のこともすくないし、実績もあります。

しかし、創造する人は、新しい物事を考える必要があります。それはつまり、よく知らないものを考えるチカラ、がいる、ということです。発想法がその一つであるのですが、生来こういうことが得意な人もいます。そういう人には、発想法はいりません。発想法は、もともともは、そういうことが得意な人、が”どういう手順でそれを考えついたか”という”創造のプロセス”を調べて、シンプル化したものですから。

ただ、創造的な人も、発想法を使う人は多いようです。自分の高いパフォーマンスが、あるテーマではなぜか働かない。そううい時には、自分の力を引き出すために、発想手順を振り返り、本来の力を出そうとしているのだ、と私は思います。

2008年07月27日

捨てたりすべてを使わない。

アイデアを作りだす段階では「駄もの」がおおくでます。捨てるのは時間のかかる作業です。すべてを使おうとするのも得策ではありません。

そこから「拾い上げる」のがポイントです。

20%を目安に拾い上げること。そうすることで、本質化、出来るアイデアを拾い上げることができます。

2008年07月26日

目的地・方向性すら創るのか、設定されているのか

アイデアを出すときに、大きく違う2つのスタイルがあります。

それは「目的地」となるものが、設定しえるのか、否か。

方向性が見えないアイデア出し、というのは、往々にして、テーマ設定のフェーズの作業が十分でない、ということが多いのですが、実はそれだけはないようです。お話しの創作、のようなものでは、「否(つまり設定しえない)」のようです。

設定できないぞ、と思ったときでも、より上位の概念では、テーマ設定ができることも多いので、簡単に「方向性すら模索するアイデア出し」だ、といってしまってはいけないのですが、時にはそういうものもある、ということを知っておくといいかもしれません。

方向性すら作りながら進む、というのは、非常に興味深い思考様式ですね。

2008年07月25日

4つのステップを回す

ある発表のための資料(スライド)を作っています。思考錯誤の作業はあらゆる階層にあります。目標を設定する作業、目標へどのように到達するかを設計する作業。

この思考錯誤を本質化することに興味を持っていました。先日、ある経験で物語を創作する人の思考世界を垣間見て、共通点もあり、少しまとめてみました。




1.ぼんやりと広げた円(言いたいこと、世界観)の中に、存在している要素を言葉や絵で、書きだす【要素の生成】

2.他の人とブレストしたり、要素を話して、その周辺にある要素を沢山探索し、掘り出す【周辺探索】

3.非整合な要素、複数バージョンのアイデア、をすべてファイルし、寝かせて少し忘れる【蓄積と他人化】

4.蓄積したものの中から、構成するのに必要な要素・アイデアをピックアップする【要素のピックアップ】



私も愛用しているカードを用いたスタイルでいえば、こうなります。


1.アイデアをカードに書きだす

2.人とブレストをしてコメントや派生するアイデアを書きとめる

3.すべてのカードをざっくり分類して名刺フォルダーにファイルする。カード同士は非整合(矛盾したアイデア、過剰すぎる設定)なものでもいい。
一晩or1週間、寝かせる。そうすることで「カードの背景に付随していた”思い入れ””先入観”」を大幅に減衰する。気に入らなかったアイデアを冷静に見たり、最初に思いついた未成熟なアイデアを客観的にみられる。

4.一覧の中から、構成に必要なカードを取り出す。(矛盾するものも含んでもOK)


そして・・・

これらのカードを元に、要素に構造をつけながら、全体を設計する。

この5つ目のステップ【要素の構造化】を通じて、ぼんやりと広げた円を改めて記述する。




イメージとしては、ぼんやりとした『全体像』があり、それから『部分』を取り出して、その部分を広げてピックアップし、そこから『全体』を再構築する、という感じに。

いずれの場合もアイデアはすてるのではなく、「お蔵入りボックス」に入れていく、という感じにすると、前のアイデアを復活しやすいし、いずれ別の企画で大量のアイデアストックがかなり有効に機能します。

2008年06月23日

ブレインストーミングの「ツール」と「プロセス」をディスカッション

半日休暇をいただいて、大学に行っていました。今、大学教授からアドバイスを頂いて、ブレインストーミングというメソッドを整理しています。

月に一回お伺いして、私の考えていること、多くの専門家から学んだスキル、特徴あるフレーズなどを、一緒になって、分析的に考えてくださいます。

ディスカッションを受けて、あとで、ブレストとブレインライティングの比較分析をしてみたのですが、なかなか興味深いことがわかりました。私自身は非言語でしっていたはずのことですが、それが比較表として明示的になると、またそこからインスピレーションを得たりしますね。

また、毎回準備していくノートも、先生との議論で、いろいろと料理されて行きます。「モデル」=「要素」+「構造」、だとおもうのですが、この構造を、ばらして、吟味します。要素自体も、いろいろと吟味をしてみたり、加えたり、はてなマークにしたり。

そういう作業をして、戻ってくると、準備していったノートが、KJ法的に再整理されて、一つの知識として腑に落ちます。なるほど。

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続きを読む

2008年06月22日

組織の中でクリエイティブなアイデアをアプライする4つの方法

イノベーティブな活動が、組織内でうまく展開されるにはいくつかの方法があるようです。

以前のディスカッションに追加を加えて、次の方法があるようです(まだ、網羅的ではありません)

方法1:隔離する
(例:社外ベンチャー化、遠くにオフィスを作る)

方法2:認めて優先権を与える
(例:社長直轄プロジェクト、人材やリソースを引っ張ってくる大きな裁量)

方法3:アンダー・ザ・デスク
(インフォーマルで初めて成果にする、そしてフォーマルにする)

方法4:外部の声を使う
(自身のアイデアを外部コンサルなどを雇って提案させる、外部評価で内部オーソライズをする)

2008年06月19日

思い浮かぶは大鍋の中の一葉

大きな鍋が頭の中にある、そんな風に思うと雑念や発想のことをうまくモデル化できると、最近思います。

大鍋の中には、透明度の低いスープと、アイデアの断片や何かの記憶が無数の葉となって入っています。

スープはゆっくりゆっくりと循環しています。循環するにつれて、葉っぱは鍋の表面に浮いてはしばらくすると沈んで行きます。

人間が何もしていないときに、何か雑念のような、必要のないタイミングで何かを思い出してしまう、というのは、この「鍋の表面に浮いてきた」こと、としてモデルでは説明できます。

次にアイデアが思いついたとします。同じく表面に出てきたんですね。なかには、あ、これ、前も思いついた、というのもあります。不思議なことに、アイデアをすぐに書き留めたりしないと、風呂からあがったらもう忘れて思い出せなくなってしまった、ということがあります。これは、アイデアは滞留時間が短くて、もう下の方にしずんでいる、とモデルでは表せます。

スープは濁っているので沈みかけてしまったら見通しがきかず、捕まえられません。記憶の海に沈んだ、とも。

鍋の開口部の表面積は限られています。雑念の葉っぱがたくさん浮かんでいて、あまり隙間がなくなると、アイデアの葉っぱが浮かんでくる余地が減ります。

一番手っ取り早いのは、葉っぱ(雑念、アイデア、両方とも)を救い出してやること。そうすると、また表面積いっぱいに葉っぱが浮かんでこれます。モデルとして説明するならば。

これは、実際の人間のする作業としては、思う浮かぶことを、断片的でいいので、次々書き留めて、紙にはきだしやること、なんです。

アイデアを出している時に、つまらないと思ったアイデアを、出さずに忘れようとしている時に、モデルでは、葉っぱが表面積を次第に減らして行っている、ということになります。そういうものはどんどん出してしまうに限ります。つまらないな、と思って却下したら、そのアイデアは書き出して、すくいだしてしまいましょう。

なにか、出にくい。とおもったら、思いついたことを出さずによけているかもしれない、とおもってみてください。思い当たる節があれば、それは、すくいだすべき時です。

思い浮かぶは大鍋の中の一葉。

そんな意味合いを込めて、今日のタイトルをつけました。


追記:

最近、連載原稿を書くようになって、あるいは、講演を行うようになって、とみに思うのですが、アイデアマラソンをつけている人は、そういうときに相当にらくだろうな、ということです。私は樋口先生のいうノートは使いませんが、アイデアマラソンに似たことをしています。名刺サイズのカードに思いついたはじから書きとめて、アイデア専用の名刺フォルダーにそれを入れていきます。たいてい毎日数枚は書きます。この二年ちょっとで、それらが今は2000枚以上あります。(後で見返したいものだけのストックで)

本当にアイデアマラソンをしている人ならば、過去の自分がおもいついたアイデア(大鍋の中の開口部に浮かんできた葉っぱ)を膨大に標本している、ということになります。これはすごい。頭の中の奥の方にしずんだら、なかなか発想法をつかってもひきだしてこれませんが、紙という外部記憶装置にだしておけば、肉体的な動作(紙をめくる)だけで、その過去の葉っぱを引き出すことができるわけです。人間の頭に検索装置がつくような未来がくるまでは、こういう過去の葉っぱがストックできる方法は、大変有効なほうほうだなぁ、と思います。

2008年06月17日

創作のプロセス

かのガルシア・マルケス曰く「私にとって何よりも大切なのは、創作のプロセスなんだ」と。

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創造のプロセスの博士を目指す私としては、大いにこのセリフに賛同。

2008年06月13日

「作家のブレスト」について熟考中

「部分が全体を定義する」とは創造工学でいう、”アブダクション”のことだろうか――?最近、作家のブレスト、ということを考えていて、アブダクティブな思考様式が、作家の初期の構想づくりにあることを感じ取っています。

 アブダクションとは
  「少ない出来事から全体を予想する力」
  「あるいは仮説設定」とも訳されます。
  演繹と帰納につづいて語られることが多い。

もうすこし、背景を説明します。

最近、クリエイター系の方の支援のお仕事で「作品の世界観を作り上げるためのアイディア出し」ということについて、依頼を受けて、考えていました。また、そうしたことに造詣の深い知人・友人にアドバイスコメントをもらったりしていました。

※こういうときに、私の周りには、社内にも、仙台の知人関係にも、起業家コミュニティーにも、やわらかい感性の人が多いので、助かっています。

どうも、作品の世界観を作る、というのは、従来、「創造的問題解決(CPS)」で使われるブレストとは、根底となる視座が違うようなのです。しかし、そのおっしゃることはわかる。その異なる2つの視座をどう変換するべきか、そのことを探るヒントを集めていました。

※なかには、主要な要素を立てて、複数案を出し、そこを元に世界観を広げる、といったブレストに向くステップをお話しされているかたもおられます。それも参考にしつつ、しかし、もうすこし、感性の海の中を泳ぐようにして、段取りのない”ふんわりとした創造”について、目を凝らしてみたいと思います。そこから目を背けるのは簡単。しかし、強い意志をもってそれに取り組めば、きっとそれは、見えてくるはず。そう私は信じています。なのでしばらくは、この(私には)新しい価値観である”感性的な創造の作業”あるいは、”問題解決型じゃない”ブレストを見つめてみたいと思います。

そういえば、クライアント(プロ、しかも大きな賞をとったり、作品が映画化されているある種のクリエーターさん)から、本を紹介されました。


ガルシア・マルケスの書いた名著です。

この中に、作家のブレストがある、模様。さっそく手に入れました。宿に帰る道中、私はしばらく、考えていました。既存のオーソドックスなオズボーン・スタイルのブレスト。これを基本モデルだとたら、そこを基準にして、この「作家のブレスト」はなにをしていることになるのか、差異と特に固有のプラフ部分を、分析的に抽出してみようとおもいます。そして解釈し、再構成する。たぶん、作品創作系のブレスト、というものをもう少し、スマートに、理解できるのではないか、と思います。

クリエイター分野の仕事が、私のスキルと研究の幅を少し広げてくれつつあります。私の仕事はいろんな仕事が来るたびに、分野が広がる仕事だなぁ、と思います。全くつながりのない異なる分野から依頼をいただけるのは、ありがたいことですね。

2008年06月08日

論文(研究)のために、インタビューを検討中

ブレストに関して、現代のクリエイティブな人々が、どういうやり方をしているのか、アレンジして行っているのか、をインタビューしたいなあ、と思っています。

ブレスター発売以降、様々な業種からご注文をいただくのですが、文筆業の方やNPOの方など、思いもよらないところにもニーズがありました。あらゆる職種で発想のやり方は必要であり、その業種の中独自の事情を踏まえたエクセレントなスタイルがあるでしょう。

それが実体はどんな風なのかを、取材してまわりなたいなぁと。

学術的興味もありますし、創造的な人や組織を作るための公共知として、みんなでシェアしたい、という思いあります。

観察をするために、一定の観点をもって現場をいくつか回りたいと思いつつあります。

「ブレインストーミングの実際」という本が出たら読みたいと思う人はそれなりにいそうかな、と直観ベースで思います。

2008年05月29日

大学での研究ミーティング(ツールとしてのブレストを分析する)

先日、私の研究テーマ(創造工学)について、大学院で教授とディスカッションしてきました。その結果、これまでの、初期的なディスカッションを整理する意味でも、一つ論文を書いてみる、ということに。

「ブレインストーミング」を一つの”ツール”ととらえて、そのメカニズムを論じてみようと。


人が道具を使って何かをする、ということをみると、いくつかの重要な要素(や項目)があります。

要素同士の階層が違うこともあいまいにしてまず書き出してみます。

2大要素は「ツール」と「プロセス」
それから重要な要素として「成果」(〜「目的」)
また、必ず存在する「ユーザ」


「ツール」と「プロセス」は、いろんなディメンションを持っています。それらはシンプルモデル化するなら、何をその重要な項目として採用するべきか。(別途考えます。)
成果を高めるもの。それが、重要なディメンション(項目)となるでしょうか。


既存のツールには、大なり小なり、使い方(プロセス)の習得が必要です。それが少ないほどいいツール。多いものは「使いこなせればいい道具なのだけれど、そこまで達することが大変」な道具です。

この小論文の最終の目的は、「ツール2」について少しでも迫ること。

「ツール2」という概念をあいまいに(まずは)定義したい。
それは、「ツール」に「プロセス」をかなり保持させているもの。



すごく、曖昧かつシンプルにいうと、こんな感じことを、教授とディスカッションしていました。これは、ブレインストーミング、という具体テーマを主題にしていますが、広く道具一般にとって興味深い議論だと思います。


私の研究は、他にする人がいないようなことばっかりするので、いつも、その研究内容は公開しています。(楽天ブログ時代は、ブログを研究メモとして使っていました。)論文を書くことで、分析的に考え、意味性を発見することで、面白い知見を見つけることができるかもしれません。ブレストの実際については、自分の中にいっぱいありますが、それを学術的な光で透かして見れば、何が新たに見えてくるのか。これも本気で取り組んでみたいと思います。

2008年04月29日

創造企業事例に学ぶこと(ディスカスメモ)

先日、ある教授と、企業内の創造活動についてディスカッションを行った。


イノベーティブな活動が、組織内でうまく展開されるにはいくつかの方法がある。
例として次の方法がある(まだ、網羅的ではない)

方法1:隔離する
(例:社外ベンチャー化、遠くにオフィスを作る)

方法2:認めて優先権を与える
(例:社長直轄プロジェクト、人材やリソースを引っ張ってくる大きな裁量)

方法3:アンダー・ザ・デスク
(インフォーマルで初めて成果にする、そしてフォーマルにする)





個人・チームとそれを取り巻くもの(組織)の関係での示唆

「賛同者(特に組織トップ)からの協力を得て
 非賛同者の声は雛のうちに入ってこないようにする」スタイル




IDEO事例に学ぶ

「現場を見て、アイデアの源泉を見つけて、スピーディに形にする」




ディスカスの派生メモ

「スピーディに」
 →自分たちのことを自分たちで決められる
 →気楽に動ける環境

では、これを妨げているものは?
それを考えることに大きなヒントが。

2008年04月13日

【考察】「アイデアは批判に弱い」が意味すること

人は皆、思いついたアイデアを否定されると、
そのアイデアはひっこんでしまいます。
これはなぜなんでしょうか。

アイデアキラー行為を
だれでもしうる可能性があります。
状況が違えばそれは非常に有効な行為で
使うべきタイミングが
適切であるか、ないか、なようです。

いいかえると、

人があつまってアイデアを出して
「新しい」を作ろうとするときに、
アイデアを出す人、アイデアを伸ばす人が、
足し算になるにはどうすればいいでしょうか。
(打ち消し合い(引き算)にならないようにするにはどうすればいいでしょうか)



「人間の基本的性質」を確認してみます。


【1】人間は急激な変化を本能的に嫌う

既存のやり方を、大きく変えると、読めないリスクが生じます。それが生存を脅かす可能性を想起させます(イマジネーションの誤用)。

「変化の恐怖」がないのは、経験(良い経験、悪い経験)がない人と、道を極めた人(その分野の多様な可能性を熟知した人)だけです。

よく、地域変革・組織変革の成功ケースを学ぶと「この地域には何もなかった。危機感だけがあった」という声が共通してきかれます。危機感は「このまま行けば、悪くなっていく」という変化の恐怖にさらされている状態です。このときは変化を伴う選択肢が受け入れやすい状態たいです。何もしない、という選択肢も「変化をもたらす」という状況ですから。


【2】人間は同時に複数の考えを持つことはできない

短い時間、たとえば3秒などの時間で、2つの考えを同時にはできません。長い時間で複数のことを考えるのは、時間分割して、最初の10分はA案、次はB案、として考えています。もっと頻繁に切り替えて考えている場合も「切り替えて」いるのであって、同時に考えているのではありません。

ただ、例外的に、同時に複数の考えを持つこともあります。しかしこれは論理的には考えていません。(時折新しいアイデアはそういう融合から出てくることもあるので一概にNGとはいえませんが、論理的思考という意味では、NGです)。人間が頭の中で思い悩んで決めかねている時、この状態は起こっていることがあります。


【3】すぐ忘れる

閃いたこと、あるいは、だれかのアイデアに「こんな懸念点がある」ということを気がついたこと。これらはいずれも、光のたゆたう帯のように、短期的記憶の中に生まれていす。閃いたことは、そのあとに何を話しかけられると忘れてしまいます。「なにか思いついたんだけど・・・」という感触だけが残ります。懸念点を思いついた時も同じです。すぐに出さないと「あれ、さっき、気になる点があったんだけど・・・」と。

これを忘れないようにするには、繰り返し繰り返し思い出す(頭の中でつぶやく)ことをします。形が溶けてなくなりそうな概念空間でのひらめきを繰り返し意識の光を当ててやることで、輪郭がぼけていくのを抑制します。しかし、この作業をしていると、新しくモノを考える力は低下しています。「覚えておく」ことと「新しいことを考えつく」こととは、同じ頭の領域(短期的記憶の領域、かもしれません)を使っているようです。

覚えておくことがいっぱいとき、人は閃きにくい。人間が忘れっぽいのは、人間らしさ、でもあるようです。オズボーンの著書によれば、動物は人間よりずっと詳細な記憶を長い時間保つそうです。人間が創造的思考をもったことは、頭のある領域を「忘れていくことで閃く余地をあけている」からかもしれません。


以上をまとめます。

人間の基本的特性
・変化を嫌う
・同時に複数の考えを持つことはできない
・すぐ忘れる


この3つを元に、アイデアがなぜ批判されるとひっこんでしまうのか、短く考えてみます。

まず、アイデアを聞いた人は、その考えの上に立ってモノを考えないといけません。同時に複数の考えを持つことはできないので、安心できる現在状況から、そのアイデアのうたう新状態にうつるわけです。そのアイデアが変化を大きくもたらすものであれば、その状況に立つことは変化を嫌う性質がネガティブな気持ちを想起させるでしょう、とくに、リスクポイントの発見をさせるでしょう。そして、目に見えるリスクを思いつく限り述べます。なぜすぐにいうかといえば、それは、忘れてしまいそうになるからです。言わないと見つけたリスクを忘れてしまう。その衝動にかられて、辛抱強くない人は、見つけたリスクをしゃべります。わすれるのはアイデアの発案者も同じこと。短期的記憶のなかにあるアイデアを紡ぎだす途中で、そのアイデアの懸念点を出されてしまうと、そこについて考えます。同時には考えられないので、懸念点を考えてしまう。そして戻ってきたときには、もともとのアイデアが何であったのか、語っていなかった部分はもう、忘れています。懸念点をすぐに答えて戻ってくることができる場合を除いて、これが起きています。






次に、アイデアの基本的特性について考えてみます。

【1】新しいアイデアは、既存の要素に変更を求める

新しいアイデアを実行するには
既存の要素を何かしら一つ(以上)変更しなくてなりません

何一つ変更する必要の無いものは
”今まで通り”のやり方を別の表現にしただけです。


【2】新しいアイデアは、どうやって実現したらいいのかわからない

「こうであったらいいのにな」が、まずひらめきます。
次に「それをどうやって実現すればいいのか」を考えます。
しかし、新しいアイデアは、実現方法が見つからないことが多いです。

すぐに実現方法が見つかるのは、おとなしいアイデアの場合だけです。


【3】思いついた時点のアイデアは「未成熟なアイデア」

ひらめいたアイデアは9つの試練を受けます。
「こうだったらいいのにな」について、
「それをどうやって実現すればいいのか」(実現方法)が
1つ目の試練です。
2つ目〜9つ目の試練は
「影響する要素(6W3Hのうち8つ)は、リスクがないのか」
です。

未成熟なアイデアが、実行可能なアイデアと評価されるのは、
この9つの問に答えられた場合だけです。


(補足:一般に、出される懸念点は「思いつきの懸念点」です。これは批判する人がさも物知りのようになっていますが、注意深く聞いてみると、批判者も「思いつきでリスクを述べて」います。ビジネスアイデアであれば、懸念すべき9項目がありますが、それをはじから論理的にチェックして、必要なリスク点を述べている人はごくまれです。多くの人は、見渡して最初にみつけたリスク点を述べています。思いつきでしゃべるな、という人も批判では思いつきでしゃべっています。)



以上をまとめてみます。

アイデアの基本的特性
・新しいアイデアは、既存の要素に変更を求める
・新しいアイデアは、どうやって実現したらいいのかわからない
・思いついた時点のアイデアは「未成熟なアイデア」


この3つを元に、アイデアがなぜ批判されるとひっこんでしまうのか、短く考えてみます。

アイデアを9つの部位をもった「仮想動物」だと仮に考えます。(9と言っているのは絶対ではありません。ビジネスの9要素、を前提にしゃべっていますが、この限りではないとおもいます)


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黄色い部位はアイデアの要素、黒い部分は部位同士のつながり、という構造の動物です。

たとえば、中央の部位を変えると、周辺の部位4つはすべてかえないといけません。下手をしたらすべてを変えないといけないかもしれません。

ある部位がこんな感じの効能のものしたら?というアイデアを出すとき、それはどうやって実現するのかを考えないといけません。つまり新しい部位としてどういう構造をもてばそれの効能が実現するのかを。

そして、連結している残りのパーツ(最低1つ、最多8つ)がどうなれば整合性がとれるのかを、考えてないといけません。

通常は、変更する部位は、思いついても残りの部位はキリがかかったように、ぼんやりとして、広がった曖昧な輪郭を持ちます。それは、選びえるパラメータを意味します。しかし、どの輪郭線をえらんでもいいわけじゃなく、すべてを任意に選ぶと整合性がたもてなくなります。なので、ぼやけているけれども、お互いに関係している、輪郭です。

アイデアに、動物の体という具体像を与えてみると、アイデアがどういう状態で最初に誕生しているのかを理解しやすくなると思います。








さて、いよいよ本題です。
なぜアイデアは批判に弱いのか。
その構造から示唆を探します。


アイデアは、誕生したては、9つのうちの1つが、しかもその理想状態だけが、現れます。一方で、人間は基本的特性があり、変化が不安であり、一度に一つのことしか考えられず、思いついたことを忘れっぽくもある。

新しい可能性が、未知の、繊細で曖昧な複数の輪郭線をもった、ひどく不完全な存在であるのに対して、人間は、既存の、ただ一つの明確な輪郭をもった、安心できる具体的存在の上に立っています。

性質の違う「概念」の存在と、「実体」の存在。

この2つを同じ扱いで考えてしまうと、性質上、弱い方(アイデア)がすぐにダメになります。なので、十分に育ててから、同じ土俵に乗せる必要があります。多くの創造系の先人が発言するこの発言には、水面下に上記のようなものがあるのだと思います。

最後に、考えたいのは、「いつ、反転させるのか」ということです。

反転、と表現しました。反転というのは「概念」から「実体」に転換する、という意味で。

これがわかると「批判や懸念事項をいつ出すべきか」のコツがわかります。私を含め、多くの人にはそれはわかりません。私も創造活動において、判断に迷うことが結構あります。

私の現在のお勧めはこうです。

「新しい部位を確定させる、しかも十分魅力的に引き出して。」

ここまでは、概念の領域。

ここから、残りの8部位との整合性を懸念するのが、実体の領域。


やわらかいアイデアを、強いくさびでその存在を頭に留め打つ。それぐらいまで実体化するには「こうだったらいいのにな」と「具体的にこうやって実現しよう」までをセットで持つことが重要。ここまで来ると、批判のある領域に持っていくことで、実効性の高いものができます。(逆に、8部位を、概念の領域で決めると、決めすぎる、つまり、現実の世界で、相容れない構成になってしまいがちです)

以上が、人とアイデアの基本特性とその周辺に絡む事項でした。

この辺については、さらに、創造工学の研究の中で整理して、シンプルにしてみたいと思います。アイデアを出すときのガイドラインとしてブレインストーミングがありますが、それがどうして正しいのか、局面ごとに最適な調整をうける「特殊ブレインストーミング」が存在するとしたらそれはなにか。そういったことへ発展させたいと思います。

2008年04月06日

ブレストのルールがもしも逆だったら・・・

創造工学の中でもブレストは基本スキルとしてよく使います。しかしブレストのルールがなぜそのような形(批判禁止、質より量、突飛さ歓迎、他の人に便乗)なのでしょうか。本質的理由に未だにたどりつけません。一端を探るために逆モデルを立てて考えてみます。



1.「批判禁止」の約束がもしなかったら・・・

⇒「出したアイデアの悪い点は、すぐ批判せよ


2.「質より量」の約束がもしなかったら・・・

⇒「質の高いものを出せ(無駄にたくさん出すな)


3.「突飛さ歓迎」の約束がもしなかったら・・・

⇒「実現性の高いアイデアを出せ(突飛なものはやめろ)


4.「他の人に便乗」の約束がもしなかったら・・・

⇒「オリジナルなアイデアを出せ(出たアイデアをもじったアイデアはやめろ



こうなりました。

しかし、これはよく考えると日本の会議で発言するときに、暗黙のルールとして存在していることに似ている気がします。

(まとめて書き直すと)
逆モデルにおける発言ルール

U1.出したアイデアの悪い点は、すぐ批判せよ

U2.質の高いものを出せ(無駄にたくさん出すな)

U3.実現性の高いアイデアを出せ(突飛なものはやめろ)

U4.オリジナルなアイデアを出せ(出たアイデアをもじったアイデアはやめろ


来期の売上を伸ばす会議をするときに「じゃあ、ブレスト的にアイデアを発言をしましょう」といいますが、本当にブレスト的に発言をしてはいけない空気があります。どうなるか「太郎」と「課長」を舞台に上げて考えてみます。


会話1

太郎「会議の回数を減らして、お客さんを回る時間を増やす」

課長「なんだって?いったいどうやったら必要な会議を削れるんだ?」

太郎「うっ、それはわかりませんが・・・。」

日本の会議ではこのケースは非常に多いですね。提案の脆弱点を指摘してあげることが親切だ、と思っています。暗黙的に。


会話2

太郎「最近B社製品がいいんですよ。なので、お客さんの所にB社の製品も持っていく。それと、仕入れ先にB社の製品の営業をしてみる。新規のお客さんにB社製品で、DMをうってみる。」

課長「おい、忙しいのに、無駄な発言をするな。『B社の製品の営業展開」ってまとめて言えよ。」

太郎「はぁ。次はもっとまとめます・・・。」

日本の会議では、議事録がビジネス文書スマートさを要求されます。似たようなアイデアで刻んでいくような発言を、議長は言い換えてしまいます。そして、書記役はホワイトボードをできるだけ詰めて書こうと、表現を濃縮してかけよ、と暗黙のプレッシャーを受けています。


会話3

太郎「うちの社長に営業に同行してもらいましょう。お客さんの常務と昔、担当者同士だったっていうし。」

課長「おい、できそうにないことをいうな。もっと考えてしゃべれ」

太郎「すみません!」

日本の会議では、アイデアとしての斬新さが仮にあっても、それが実現しなそうなものだと、却下されるムードがあります。斬新かつ、実現性も抑えつつ、針の穴を突くようなシャープな提案が出されることを場が要求します。出しにくいですね。


会話4

一郎「顧客業界の技術交流会でうちの事例を発表しましょう」

太郎「あ、じゃあ、顧客企業の参加がおおい学会の展示コーナーに出展しましょう」

課長「おい、人のアイデアを取るなよ。もっと独自なアイデアを出せよ」

日本では、人のアイデアのオリジナリティーを尊重する、という紳士的な文化風土があります。なので、人のアイデアをもじったりすることは、人によっては好ましくないと感じることがあります。とられた、と思う人もいるでしょう。



ここまで展開してみたことを、また、まとめ直してみます。

逆モデルの会議での行動ガイドライン(逆モデルのガイドライン)
1.提案の脆弱点はすぐに指摘してあげよう
2.提案は必ず整理し質の高いものを出そう
3.提案は必ず実現性の高いものを出そう
4.提案はオリジナルなものを出そう


よく考えると学校教育では、こんなトーンの規範をすりこまれている気がします。局面によっては悪くないガイドラインでもあると思います。

どういう局面でこれが悪くないか、といえば、「実施」もしくは「実施寸前」のステージだと思います。

たとえば、戦いで戦略を実行しようとするときなどが適した例です。

今まさに実行せんとする戦略を目にしたとき、
・戦略のほころびがあれはすぐに指摘し、補強を図る
・実行する戦略の質は高くなければいけない
・実行する戦略は実現性の高いものでなければいけない
・実行する戦略は独創性が高くなければいけない(見抜かれないように)


つまり、「即実行、明日にも実行」という話し合いでは、この「逆モデルのガイドライン」は適切です。実行できて質が高くて、しかも、他の人が思いつかない独創性も高い。ほころびは見つけ次第直す。出陣の準備万端さを感じさせます。



この展開には、モデル化の容易なように、話しをシンプルにしています。実際には、もう少し複雑でしょう。しかし、「日本の会議はなぜブレストがブレストにならないのか」の本質のいったんはここにあるのかもしれません。続きを読む

2008年03月31日

【宣言】創造プロセスの博士号を目指します

大学院の博士課程(専門:マネージメント オブ テクノロジー)はひとまず2年間の休学を経てその間、現場で起業家支援をしてきました。創造手法をつかいながら事業アイデアを育てる、構想を支援する、ということをしてきて、その手法をきちんと学問的に整理したいと思っていました。なので、今年の秋から休学を解いて、大学院の博士課程に復学する決意をしました。

創造工学、という専門分野になります。これまで受け入れ先の教授とディスカッションを重ねてきて、大分整理できそうな感じが見えてきました。これまで通り働きつつ、大学院の研究も週末に行うので一層努力が必要です。ですが、好きなことなので大変充実の日々を送れると思います。

創造工学は、歴史は古いですが学問としての存在感は薄くあまりしられていません。現代の日本では必要な時期に来たこともあり、私は、従来の創造工学、創造学、TRIZ、創造的問題解決手法、発想法などを、一つの視点から整理してみたいと思います。博士卒業の要件に「出版」があります。本も出して世の中に役立つ知識を提供したいと思います。

自分をさらに動かすために、宣言をしてみました。
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